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2014.11.15配信
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入試で狙われそうな最近の時事ニュース(日本産ウイスキーが世界一に!ウイスキーから考える中学入試理科の問題)

サントリー社のウイスキー『山崎』が、英国の著名なガイド本『ウイスキー・バイブル2015』で、世界最高のウイスキーに選ばれました。『山崎』はこれまでも世界的な評価を高く得てきましたが、このガイド本で日本産のウイスキーが世界一に選ばれるのは創刊12年の歴史で初めてのことだそうです。

日本産ウイスキーといえば、現在NHKで放映中の朝の連続テレビ小説『マッサン』を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。日本のウイスキーの父と言われる竹鶴正孝氏とその妻であるスコットランド人リタの半生を描いた物語が好評を博しています。

何かと話題が多い日本産ウイスキーですが、小学生の生活とは接点のないウイスキーが出題対象になるのか、と思われるかもしれません。日本の技術が世界的に認められたとなれば、題材としての価値は十分にあると言えるでしょう。

そこでこんな問題が考えられます。
「ウイスキーの生産は蒸留(じょうりゅう)という方法で行われます。蒸留とは液体の混合物を分離する方法のことですが、それぞれの液体のあるものの違いを利用して分離をします。何の違いを利用するのでしょうか」
「日本産ウイスキーを熟成させる樽にはミズナラという樹木が利用されます。ミズナラと同じく、冷温帯を中心に分布する落葉広葉樹林の樹木を1つ挙げなさい」

ということで今回はウイスキーを題材に、注意すべき中学入試の理科のポイントを探ってみましょう。

【蒸留】

蒸留とは、液体の混合物をそれぞれの「沸点(ふってん)」の違いを利用して分離する方法です。中学入試の理科では主に水とエタノールの混合物を蒸留によって分離する方法が扱われます。

蒸留は2つ(あるいはそれ以上)の液体の混合物を加熱することで一度蒸発させ、それを冷やして再び液体に戻す、という方法で行われます。例えば水とエタノールの混合物を蒸留する場合、水は沸点が100度、エタノールの沸点は約78度なので、まず80度くらいになるとエタノールを多く含んだ気体が出てきます。次に100度付近で水を多く含んだ気体が出てきます。気化した液体を試験管に移し、試験管を水で冷却すると再び液体になるという流れになります。沸点がより低い物質の方が先に出てくるので、この方法を使って混合物から純粋な液体を取り出すことができるのです。

蒸留は実験問題としても頻出です。実験については、液体を熱する時の突沸(急な沸騰)を防ぐために沸騰石が使われること、フラスコと試験管の結ぶガラス管は試験管の奥まで入れてはいけない理由(液体が逆流してフラスコが割れるのを防ぐため)などをしっかり覚えておきましょう。

ウイスキーの蒸留にはポットスチルという大きな蒸留器が使われます。原液を入れて加熱蒸発させる釜(実験ではフラスコの役割)と、蒸気を冷やす冷却機、そしてこの釜と冷却機をつなぐ「ラインアーム」と呼ばれる、鶴のくちばしを長くしたような部分から成る器のかたちはとても特徴的です。ドラマ『マッサン』を見たお子さんは、主人公のマッサンがスコットランドでポットスチルの前に立つ場面を思い出すのではないでしょうか。これからドラマは山崎蒸留所の設立へと進みますので、またこのポットスチルを見る機会が出てくると思われます。独特なかたちをしていますが、原理はフラスコと試験管を使う理科の実験と同じであることに気をつけておきましょう。

【ミズナラ】

化学分野に続いて生物分野から植物の問題です。ミズナラと同じく冷温帯を中心に分布する落葉広葉樹林の樹木の代表例と言えば、「ブナ」になります。もともとミズナラはブナ科の落葉広葉樹で、ブナに比べてやや明るい場所を好んで自生しています。広葉樹の特徴のひとつとして、幹での水の移動を導管が行っていることが挙げられます。針葉樹の場合は幹の90%以上を構成する仮導管が、樹木を支える機能の他に水分を通す機能も持っています。広葉樹は細胞組織が針葉樹よりも複雑で、樹木を支える機能と、水分を通す機能は分かれていて、水分を通す機能を担っているのが導管になります。少し細かいところですが、針葉樹と広葉樹の違いとしておさえておきましょう。

ミズナラをはじめブナ科の樹木にはドングリがなることも覚えておくとよいでしょう。ミズナラのドングリはそのままでは食べられませんが、長い時間をかけて灰汁(あく)抜きをすれば食用にもなります。現在はほとんど食されることはありませんが、縄文時代には冬の保存食として重宝されたそうです。

木材としてのミズナラは堅く重量感もあって木肌が美しいことから、高級家具をはじめ、あらゆる方面で使われています。特に北海道のミズナラは良質とされ、日本産ウイスキーの熟成樽として利用されます。今回世界一に選ばれた『山崎』もミズナラで作られた樽を利用していて、樽から豊かな香りをウイスキーに宿らせるという効果があると言われます。その香りはお香と白檀(ビャクダン)のようなもので、ウイスキーとしてのクオリティを上げるのに大きく貢献しているそうです。

今回はウイスキーをテーマに理科のポイントを探ってみました。お子さんが大人になって親御さんとウイスキーを飲み交わされる頃には、日本産ウイスキーはさらに世界的な評価を上げているかもしれませんね。

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