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サピックスは成績順にクラスが分かれています。全校舎共通して、上位クラスはαクラスとなり、最上位から順にα1・α2…と数字が大きくなります。それに続くクラスはアルファベットで分かれており、下位からA・B・C…と上がって行く構成です。クラスの数は校舎の規模によって違いがあり、大きい校舎ではαが1から6まで、アルファベットがAからRまで、と20クラス以上にもなります。クラスは「組分けテスト」と「マンスリーテスト」の結果が出る度に変わり、大手塾の中では最も頻繁にクラスの変動が行われています。志望校対策が本格化する6年生の夏休みまでは、このクラスを上げることが大きな目標となります。
下位のクラスからなかなか上がれない状態が続いている場合、そこには必ず原因があるはずです。その原因を把握しないままで焦ってばかりいても、サピックスではクラスを上げることは極めて困難です。まずは各科目の基本が徹底できているかどうかを、プロ家庭教師の視点で見極めます。特に主要科目である算数・国語について、例えば算数の基本公式がまだ覚えきれていないなど、基本で漏れてしまっている範囲が多い場合には、デイリーの演習から少し離れてでも、徹底的に基礎固めを進めます。特にサピックスの日々の課題に追われるあまりに、本来固めるべき基本が漏れてしまっている状態は極めて危険で、どんなに演習を進めても身につかない状態になります。ご家庭と十分にお話合いのうえ、まずは基礎力トレーニングを根本から理解することや、他の教材も取り入れながら、テストの結果アップを目指します。まずはクラスを上げることで、生徒さんのモチベーションアップにつなげることが大きな目標となります。
中学受験の偏差値は塾によって数値が異なり、サピックスは特に厳しく(数値が低く)出ます。そのサピックス偏差値で50を目標に、よりアルファベット上位へクラスアップを目指します。例えば、α1~6、R~Aのクラス構成の校舎ではO、P(24クラス中10、11番目)くらいが偏差値50となりますので、一般的な受験生レベルとしてはかなりの上位になると言えます。偏差値50を突破し、維持していくためにはデイリーの演習方法に間違いや無駄がないかどうかを、プロ家庭教師の視点で見極めることが有効になります。例えば算数で、ただ解き方をパターンで覚えるだけに終始していては、マンスリーで得点できても、出題範囲のない組分けテストでは歯が立ちません。いかにデイリーで習った内容を活用して、初めて見るような問題でも落ち着いて対応できるようになるかがポイントです。ただ解法を覚えるだけではない、真の理解を進めるようなデイリーの演習方法を徹底してお伝えします。また、国語で、特に文章量の多いBテキストについては、授業内では演習し切れないことがほとんどです。文章のどこに着目して読むべきかをお伝えしたうえで、解き残した問題などを徹底演習します。
クラスがαに変わることは、それまでアルファベットのクラスに在籍していた生徒さんにとっては、大きな目標であり、それを成し遂げた際の達成感は、その後の勉強に好影響を与える大事な要素になります。その意味では、サピックスの生徒さんの中でも一番高いモチベーションを持ち得る位置にいるとも言えます。その気持ちをいかにテストにぶつけるかがポイントになります。サピックスで偏差値50以上を取れていれば、基本はほとんど固まっていると言えるでしょう。あとはテストで高得点を取るための対策ですが、このレベルの生徒さんは、毎日の学習意識を少し高めてあげるだけでミスが減り、得点が安定してゆくことが多いです。マンスリーや組分けは全体正答率表など毎回詳細なデータが返されてきますので、その表と生徒さんの答案をしっかり照合させ、生徒さんの弱点をより明確にあぶりだします。その上で、算数の基礎力トレーニングや漢字、社会の固有名詞などを丁寧に覚えているかなどをしっかりと確かめるといった対策につなげて行きます。
校舎によってαクラスの規模も異なりますが、成績上位の生徒さんが集まるαクラスはそれだけに競争も厳しくなります。またアルファベットクラスからは、強い気持ちでαを目指してくる生徒さんもいますので、αクラス在籍を維持するためには高度な演習を続けることが必要になります。このレベルの生徒さんは一通りの復習は自分でできる反面、頭がよくやる気もあるがために、解き方を暗記しているだけの状態に陥ってしまうケースも見られます。多くの生徒さんが間違える問題や、生徒さん自身が授業中に間違えていた問題はもう一度一緒に解き直し、「なぜこのように解くのか」という根拠を生徒さんに説明してもらうなど、しっかり理解できていることを確認します。時には「○○中学にこの問題の類題で、このような感じの出題があったよ」と、志望校の過去問を紹介しながら、生徒さんの印象に深く残るようなかたちで、理解を深められるようにします。また、ケアレスミスを甘く考えている生徒さんが多いこともありますので、例えば算数であれば基礎力トレーニングを毎日、式や筆算を書きながら解いているか確認し、全て正解して当たり前なのだと、基本をおろそかにしない姿勢を常に意識させるように進めて行きます。
6年生になると、土曜特訓が開講され、9月以降には日曜にSS(サンデーサピックス)が開始するなど、生徒さんにとっては平日の密度の濃いカリキュラムに加えて、土日にも休みなく特別講座が待ち受けることになります。それぞれの復習を完全に進めるのは至難の技であり、時間に追われるだけでは逆効果にもなりかねません。どの問題を重点的に復習すればよいのか、その取捨選択をプロ家庭教師の経験から具体的にお伝えします。
サピックスが毎年難関校で圧倒的な合格実績を残している最大の理由は、カリキュラムにあります。算数であれば小5終了時にひと通り全範囲を演習し終えるなど、他の塾よりも数ヶ月先を進めることになります。そのメリットは、志望校対策に現れます。小6の前期には応用問題演習にまで進んでいるため、夏休みにはサピックスからの宿題として10校近くの学校の過去問演習が課せられる、といった高度な実戦演習がいち早く可能になるのです。過去問演習の段階に入ると、集団の授業だけでは補いきれない部分が多く出てきます。特にサピックスでは「○○中学クラス」のように完全に一つの学校に特化したクラスが設置されるのは、地域性にもよりますが、開成、麻布、駒場東邦、慶應普通部、桜蔭、女子学院などごく一部の学校に限られますので、大半の生徒さんは各自で過去問演習を行わなければなりません。さらに、同じ学校の問題でも、どの問題をどのように間違えたのかは生徒さんによって異なります。生徒さんの誤答傾向を見極め、そこからどのように戦略的に得点につなげて行くのかが必要になります。そこでプロ家庭教師が直接生徒さんの答案を分析して、どこが苦手でなぜ得点できないかを具体的に洗い出して、生徒さん独自の過去問戦略をお伝えします。
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