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式や考え方を書かせる問題が多く含まれます。近年はテスト後半で複雑な設定の問題が多く見られる傾向があります。速さとグラフ、立体図形が得意なタイプ向きです。
2025年度大学合格実績(2025年3月卒業生)では、東大合格者が理Ⅲ2名を含む28名(どちらも全員現役)と2024年度の15名(現役14名)からほぼ倍増、東大現役合格率も11.81%にまで達しました。その他、早稲田大学へ143名(現役140名)、慶応義塾大学117名(現役112名)、上智大学122名(現役108名)、東京理科大学81名(現役69名)と高い実績を挙げています。
こうした高い大学合格実績に加え、毎年35名前後の帰国生の受け入れ、ディスカッションを通した実践的なプログラム、海外語学研修といった英語教育の環境が整備されている点での評価も高く、2/1実施の第1回入試の偏差値(四谷大塚2024年度第6回合不合80偏差値)では66と、女子では桜蔭、渋谷教育渋谷、女子学院、早稲田実業、雙葉に次ぐ位置にまで達しています。
入試問題では4科目ともに難度の高い問題が多く含まれます。算数は速さや図形をはじめ頻出パターンを題材としながら、変化を多く含む複雑な設定の問題が多い点が特徴的です。2025年度第1回は例年に比べて設定の複雑さが少なく、受験者平均点が61.4点と2024年度第1回の37.2点から大きく上がりましたが、来年度以降には高難度のテストに戻る可能性が高く、徹底した難問対策が必要です。
国語では論説文、物語文ともに文章の難度が上がっています。文章の正確な理解を前提とした記述問題が多く出されるため、難解な文章に多く触れ、記述対策を徹底することが必須となります。
理科・社会は合わせて60分という厳しい時間設定の中で、独特な設定の実験問題が出される理科、統計資料を使った難問が多い社会と、いずれも短時間で解答するのが難しい問題構成となっており、早くから過去問演習を重ねて傾向に慣れておく必要があります。
式や考え方を書かせる問題が多く含まれます。近年はテスト後半で複雑な設定の問題が多く見られる傾向があります。速さとグラフ、立体図形が得意なタイプ向きです。
2024年度以降、論説文、物語文ともに文章が難化しています。記述問題の出題割合が高く、漢字・語句問題の配点が高い特徴があります。記述問題が得意なタイプ向きです。
見たことのないような設定の実験から難問が出される傾向があります。化学分野の難度が高く、実験・リード文の深い読み込みが求められます。計算問題に強いタイプ向きです。
資料の数が多く、リード文、資料を短い時間で深く読み込み、正確に解答を作成する力が求められます。語句表記は漢字必須です。資料問題を得意とするタイプ向きです。
2025年度第1回は大問5題で小問数が全16題でした。大問1が計算問題、大問2が小問集合、大問3は大問2から難度の上がった小問集合、大問4、大問5が応用問題という例年通りの問題構成でしたが、大問3が2題の問題(速さと数の性質)それぞれに小問2題が含まれるもので、2024年度の独立した小問4題とは異なるかたちとなりました。
大問3以降に「考え方を表す式や文章・図など」を書かせる問題が含まれる点も例年通りでした。
ただし、問題の難度は2024年度から大きく下がり、受験者平均点も2024年度第1回の37.2点から61.4点と大きく上がりました。同校の受験者レベルを考えると、2025年度第1回は取りこぼしができないテストであったと言えます。
2025年度第1回の大問4は仕切り板で区分けされた容器に水を入れる「水深変化」の問題、大問5は長方形の板に光を当ててできる影の問題で、立体図形の相似と体積についての出題でした。同校の算数の難しさは、後半の大問で見られる「問題設定の難しさ」にあります。出題のテーマは典型的ですが、その中にいくつもの変化が設定されていて、問題内容を整理するだけでも時間がかかってしまう内容が多く見られます。
近年、問題の複雑さが進んでおり、特に2024年度第1回では大問3(4)のニュートン算で貯水池に穴が開き、大問4の仕事算で作業ペースが変化し、大問5の旅人算で休みが入ったり速さが変化したりと、いずれも変化する条件が組み込まれ、問題の難度を大きく上げていました。
その点では2025年度第1回は理解を進めやすい設定の問題が多く、式の組立てに難しさはあっても、問題内容を理解しやすい出題が多く見られました。
同校の算数で必要となる戦略は、大問3までの小問集合で正解を重ね、その上で大問4以降の(1)を得点することにあります。2024年度第1回は大問4、大問5の(1)の難度が低かったので、この戦略が有効になりました。
難問ぞろいとなった2024年度第1回でも後半の大問の(1)は(2)以降よりも明らかに得点しやすい設定でしたので、戦略をしっかり守ることが重要となります。
算数が苦手な場合の合格ラインを突破するポイントは、大問の(1)での得点を重ねることにあります。2025年度第1回であれば大問2の小問集合までの満点を目指したいですが、大問2(4)の円の中の面積を求める問題は等積移動に気づかなければ得点は難しく、むしろ大問4、大問5の(1)の解答に時間をかける方が得策となりました。
同校では問題文が長く複雑になるケースが多く見られますので、対策としてテキストやテストでの問題文が長い問題は特に重点的に取り組み、内容を正しく整理して大問の(1)が得点できるかどうかのチェックを綿密に進めましょう。
後半の大問にどれだけの時間をかけられるかのチェックを強く意識して過去問演習を進め、問題選定の精度を高めましょう。
算数が得意な場合は、まずは大問2または大問3までの小問集合での満点獲得を目指しましょう。同校では小問集合でも問題文が長くなることがあり、2024年度第1回の大問2(4)のような複雑な設定が見られることもあります。そうした問題でも確実に得点できるように、早めに過去問を解いて、同校の問題設定の難しさを認識しておきましょう。
その上で合格ラインを突破するポイントは、速さ、水深変化といった同校で頻出の大問での得点を重ねることにあります。
どちらの出題もグラフや図を自分でかいて複雑な内容を整理する力が求められます。2024年度第1回の大問4は水深変化の問題でしたが、仕切りの入った容器を上から見た図をかいて、水の流れを把握できれば正解まで一気に近づける内容でした。
こうした問題で確実に得点するためには、問題文の内容を手作業で整理する意識を強く持って、普段から練習を重ねることが必須となります。普段のテストや模試で出される後半の難問に対して、手を動かすことなく正解できたとしても、必ず解説を見直して、都度解法を増やしておくようにしましょう。
問題の設定が複雑になれば、自ずと解答時間が多く必要となりますので、算数が得意であっても常に時間配分を強く意識して、特に後半に時間を使うために、前半の問題解答にかける時間をどれだけ短くできるかを確かめながら、過去問演習を進めましょう。
2025年度第1回は大問2題で、大問1の論説文読解に接続詞4題と漢字5題が含まれ、大問2の物語文読解に慣用句・ことわざ、擬音語・擬態語をはじめとした語句問題が含まれる例年通りの問題構成でした。
小問数は全15題で、読解での問題の種類は、選択肢問題、書き抜き問題、空欄補充問題、そして記述問題となります。記述問題は全6題と全体の4割を占め、制限字数はなく、2~4行から成る解答欄に答えるかたちです。
文章量は論説文、物語文とも2024年度から増加傾向にありますが、それでも標準的な分量と言えます。ただし文章の難度は2024年度からアップし、2025年度第1回の論説文(荒谷大輔『資本主義に出口はあるか』)は、人々が同じ世界を見るための新しい思考の枠組みをいかにして得るかについて論じた哲学的な内容でした。
抽象的な表現が多く、出題もその抽象概念の理解を前提とした難問が多く見られました。本文中の2語に注釈が付きましたが、その注釈が4行と6行で構成される難解な内容で、本文理解のヒントにはなりづらいものであり、哲学的なテーマの文章に慣れているか否かで、理解度に大きな差がつく内容であったと言えます。
同校の物語文は、2023年度以前では等身大の人物を主人公とした読みやすい内容が多かったのですが、2025年度第1回は年齢不詳ですが、会社勤めをする女性を主人公に、女性同士の付き合いの中での複雑な心情が描いた作品(津村記久子『うそコンシェルジュ』)からの出題となりました。
読みづらい内容とまでは言えませんが、SNSでのコミュニケーションも扱われ、普段から小学生にとって馴染みのない世界観を素材とした文章に触れているかどうかで、心情の理解度に大きな差が生まれるものでした。
合格ラインを突破するポイントは、記述問題での得点を多く重ねることにあります。上述の通り、近年の同校の出典は読みづらい内容が選ばれることも多く、そうした文章をもとにした記述問題では、解答要素を正確に文章中から選び出すことが難しくなります。解答する文章量は長くありませんが、その分、端的にわかりやすく言葉をつなぎ合わせる力が求められます。
まずは塾のテストや模試で、小学生にとって馴染みの薄い内容が出典となった際には、どこまで内容を理解できていたか、記述問題でどこまで解答要素を盛り込めていたのかをチェックする目的で、綿密な見直しをするように習慣づけましょう。
同校の国語で高得点をとるためのもうひとつのポイントは、漢字・語句問題での失点を最小限にとどめることにあります。2025年度第1回では100点満点中、漢字・語句問題だけで34点と、30%強の割合を占めています。ここで満点を目指すために、普段から地道な漢字・語句問題演習を重ねることが必須となりますが、特に同校では「慣用句・ことわざ」「擬音語・擬態語」が頻出ですので、重点的に対策しておきましょう。
国語の受験者平均点は2025年度第1回が55.9点、2024年度第1回が59.2点、2023年度第1回が44.5点、2022年度第1回が61.8点、2021年度第1回が59.6点と、文章の難度が上がった2024年度以降も55%以上を保っています。この背景として、受験者レベルが上がっていることが要因となっていると推測されますが、漢字・語句問題での高得点という足場をしっかり固めた受験生が多い点も挙げられます。
地道な漢字・語句演習を重ね、普段から難度の高い文章に触れることで、同校国語攻略の足場固めをしっかりと進めておきましょう。そのうえで、早めに過去問演習をスタートして、出題傾向に慣れておくことが必須となります。
[2025年度第1回の出典]
大問1:荒谷大輔『資本主義に出口はあるか』
大問2:津村記久子『うそコンシェルジュ』
2025年度第1回は大問4題で、物理・化学・生物・地学の各分野から1題ずつ出される例年通りの問題構成でした。小問数は全31題で、問題の種類は選択肢問題、計算問題、語句を答えさせる問題、記述問題と幅広く、2025年度第1回は計算問題が9題出され、生物分野の大問3以外のすべての大問で出されました。
記述問題は2題で、生物分野と地学分野の大問で1題ずつ出され、いずれも制限字数は設定されず、解答欄の行の中におさめるものでした。
大問1は物理分野からバイメタル(熱による膨張のしかたが異なる2種類の金属板をはりあわせたもの)を題材とした熱と電気に関する問題、大問2は気圧をテーマとした化学分野の問題、大問3は海の生物に関する生物分野の問題、大問4は地学分野から気象に関する問題でした。
2025年度第1回の受験者平均点は45.0点で、過去5年間では最も高い結果となりました(2024年度第1回が43.0点、2023年度第1回が33.0点、2022年度第1回が34.5点、2021年度第1回が35.6点)。
同校の理科の特徴として、独特の設定の実験問題が出される傾向があり、特に化学分野で実験内容を理解するだけで時間がかかる難問が多く見られます。その点では2025年度第1回は化学分野の難度が比較的低く、例年と比べて問題文を読み込み、実験内容を理解する作業が進めやすかったと言えます。むしろ地学分野の「光の散乱」についての実験の方に同校らしい難しさが見られました。
受験者平均点アップの背景には、同校の受験生レベルが上がっていることがあると思われますが、2025年度第1回に関しては、例年難問の多い化学分野で得点しやすい問題が多かった点が要因のひとつであったと推測されます。
合格ラインを突破するポイントは、多くの大問で出される計算問題での正答率を高くすることにあります。同校の計算問題の難度は幅広く、与えられたデータですぐに正解が得られるもの(2025年度第1回では大問1(1)(2)(6)(7)、大問4(4)が該当します)もあれば、大問2の一連の問題のように、実験内容、リード文の内容を正確に理解したうえで、計算に使うデータを自分で抽出する姿勢が必要とする難問も含まれます。
実験、リード文の内容の理解が前提となることは記述問題をはじめ、他の問題でももちろん当てはまりますが、計算問題ではその理解とデータ抽出の可否が、特に問題の解答速度と正確さに直結しますので、初見の問題であっても粘り強く理解を進める練習を普段から積み上げておく必要があります。塾のテストや模試で初見のタイプの難題、特に計算問題があった際には、見直しの時間を十分に確保して、式の立て方を綿密に確認しておきましょう。
時事問題は出されませんが、近年話題になっている語句が出題対象となることがあります(2025年度第1回であれば、「植物プランクトン」「いそ焼け」「ブルーカーボン」)ので、ニュースで取り上げられる語句を知識として増やす習慣を身につけておきましょう。
2025年度第1回は大問3題で、大問1が地理分野、大問2が歴史分野、大問3が公民分野からの出題でした。小問数は全32題で、選択肢問題、語句を答えさせる問題、記述問題で構成されます。
記述問題は3題で各大問で出され、いずれも制限字数は設定されず、解答欄の行の中におさめるものでした。
同校の社会の特徴は、統計資料を使った問題が多く出される点にあります。資料は地図、グラフや表からポスターまで多岐にわたり、独特な内容のものはありませんが、解答要素を正確に見つけ出して、問題に正解するためには、資料の細部まで見通す力が求められます。
2025年度第1回でも、和歌山県、兵庫県、徳島県の「畜産の農業産出額」と「果実の農業産出額」を軸としたグラフを読み取らせる問題や、「愛・地球博」(2005年)の公式ウェブサイトに掲載された記事の空欄を埋める問題などが出されました。
資料の中には、日本の鉄鉱石の輸入相手国の割合を示したグラフや、神戸・徳島・潮岬の雨温図といった典型的なものもありますが、社会の制限時間が理科と合わせて60分と設定され、難問の多い理科との組み合わせでは30分を確保できない可能性もあり、数多くの資料をじっくりと読み取る時間がない点が同校社会の特徴となります。
合格ラインを突破するポイントは、制限時間内に正解数を重ねるための時間配分を徹底的に意識することにあります。資料が多く、その読み取りに時間を要するだけでなく、問題でも解答時間を短縮することが難しいものが多く、特に選択肢問題は選択肢が多いだけでなく、誤りを見つけるのが困難なタイプが大半を占めます。
それらの難度が高い選択肢問題では知識はもちろん、資料やリード文を読解して解答要素を見つけることも必須となります。2025年度第1回でもそうしたタイプの問題が多く、公民分野の大問3問1では、国会の種類を、「衆議院本会議もしくは衆議院予算委員会の議事録」の一部を示した資料をもとに答える、といった出題がありました。ここでは、能登半島を中心とする地震が発生した1月に召集されたことから「通常国会」と判断する、といった知識と読み取りの両方が求められました。
記述問題でも、リード文から解答のヒントを見つけ出す力が求められ、例えば2025年度第1回の大問2問7では、「寺町」「鍛冶町」「材木町」といった地名があったことから、身分や職業によって居住区が分けられたことを説明させる問題が出されました。解答欄が2行のみと大きくありませんので、解答要素さえ見つけられれば正解の文章を作るのに大きな負担はありませんが、限られた時間で一連の作業を完成させるためには、十分な練習が不可欠です。
また、語句を答えさせる問題では漢字表記が必須(正しい漢字での解答のみ正解)である点も注意が必要です。2025年度第1回では、「解体新書」「連座制」「弾劾」が出題対象となりました。
社会の受験者平均点が、2025年度第1回で44.8点、2024年度第1回で41.9点、2023年度第1回で42.7点、2022年度第1回で46.1点、2021年度第1回で42.5点と、75点満点に対して55%前後で推移していることからも、同校受験生が、資料を深く読み取り、短い時間内に正確な知識を駆使して解く、という同校の対策を徹底していることがうかがえます。
過去問演習を本格化させる前の夏休み前などに理科と合わせて社会の問題内容を確認して、理科との時間のバランス、社会での解答の進め方を早めにイメージしておくとよいでしょう。普段の演習では、資料を使った難問を数多く解いておくことが必須となります。