広尾学園中学校の傾向と対策

  • 併設大学なし
  • 高校外部募集あり
  • 男女共学

志望にあたって知っておきたいこと

 2007年に前身の順心女子学園から改称・共学化してから人気が上昇し続け、今や東京共学校において屈指の人気を集める学校となっています。本科、インターナショナル、医進・サイエンスの3つのコースが設置され、インターナショナルコースでは海外の大学との連携も多く結ばれるなど、積極的な英語教育が推進されていることで、「スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール」に指定されました。また、医進・サイエンスコースでは、他校では見られない専門的な知識、最先端の技術に触れる場が多く設けられ、医学部を目指す受験生を中心に高い人気を集めています。

 入試問題では、2/1午前・午後、2/5午前に試験が実施される本科と、2/2午後の実施される医進・サイエンスとで、試験の形式、難度が異なることに注意が必要です。特に、理科と国語で制限時間と満点が異なる点が特徴的です(国語は本科が50分・100点満点、医進・サイエンス30分・50点満点、理科は本科が30分・50点満点、医進・サイエンス50分・100点満点)。

 問題の内容も、特に算数と理科で医進・サイエンスが本科より大きく難度がアップします。本科の算数が基本的な問題から難度の高い応用問題までバランスよく出題されるのに対し、医進・サイエンスは基本問題が皆無、すべてが思考力を求める難問で構成されます。理科もリード文の長さ、読み取りづらさが本科よりも医進・サイエンスの方が何段階もアップし、記述問題の難度も上がります。

 国語は本科が物語文、説明文の両方を出題するのに対し、医進・サイエンスでは説明文のみの出題となります。ただ、説明文の内容が理科的・数学的な内容を題材とした点では共通しています。出題形式、難度に違いはありますが、どの科目も与えられた題材に対して論理的に思考して表現させる点が共通した出題傾向となっています。

出題傾向と適した有利なタイプ

科目別学習対策

算数

◆本科
 2022年度第1回は大問5題で小問数が全17題の構成です。大問1は計算と小問集合、大問2がカードを使った場合の数の問題、大問3は規則性の周期の問題、大問4は数の性質から分数の問題、大問5は立体図形の切断の問題でした。大問5で切断面を記入させる作図問題が1題ありますが、それ以外は全て答えのみを書かせる問題です。大問1の計算と小問集合では、立体図形の問題のみ難度が高いですが、それ以外は基本から標準レベルの難度です。

 大問2から大問4の(1)はどれも取り組みやすい難度ですので、時間配分、戦略が立てやすいテストと言えます。ただし、同校の受験生レベルを考えると、大問の(1)だけでは合格ラインを超えるのが難しいので、難度の高い問題の中からも正解を得られるように、基本から標準レベルの取り組みやすい問題にかける時間を短縮することが必須です。

◆医進・サイエンス
 2022年度は大問4題で小問数が全12題の構成です。計算問題、小問集合はなく、大問1から小問で構成される問題となります。大問1は比・周期性を使った旅人算の問題、大問2は立方体から三角すいを切り取って行く立体図形の形の変化についての問題、大問3がタイムマシーンに数字を入力する設定の数の性質と周期の問題、大問4が4つの正方形で構成される平面図形の形について考察する問題です。

 本科と同じように大問4で作図の問題がありますが、大問1から大問3の最終の小問で式や考え方を書く問題が出される点が本科と大きく異なります。理科と同じく、本科との難度の差が極めて大きいテストです。基本から標準レベルの問題は皆無で、すべてが標準以上の難度、式や考え方を書かなくてはならない点でも、全く別のテストと考えるべきです。制限時間は本科と同じですが、時間の使い方は本科と異なりますので、時間配分についても本科とは別物として取り組む必要があります。

算数が苦手な受験生

◆本科
 上述の通り、同校本科の算数は基本から標準レベルの問題が含まれますので、まずはそうした問題で確実に取りこぼしなく得点できるように、普段の演習で苦手分野をつくらないように万遍なく解法を身につけておきましょう。特に同校では規則性、数の性質、立体図形といった苦手とする受験生が多い単元が頻出となっています。

 合格ラインを突破するポイントは、これらの頻出単元で得点を重ねることにあります。そのためには基本から標準レベルの難度の問題だけでは正解数が足りませんので、これらの単元については、応用レベルの問題まで取り組んでおくようにしましょう。また、作図問題が出されますので、フリーハンドで見やすい図をかけるように、作図練習は欠かさずに対策しておく必要があります。

◆医進・サイエンス
 算数が苦手な受験生にとっては非常に得点しづらいテストです。上述の通り基本から標準レベルの問題がありませんので、全ての問題を解くのではなく、解ける問題を確実に正解するという意識で臨む必要があります。

 合格ラインを突破するポイントは、正解できる小問にかける時間を捻出することです。4つの大問の(1)は問題内容が理解できれば正解できるチャンスはあり、(1)の正解を利用すれば解答できる(2)も含まれます。ただ、本科の算数との違いは、問題内容が理解しづらい点にあります。普段の演習から問題文が長いなど、設定の複雑な問題に多く取り組んで、時間をかけても構いませんので、解答の方針を打ち立てる練習を重ねましょう。そのくり返しを経て、時間を短縮する練習へと進む必要があります。作図問題は手間こそかかりますが、難度としては太刀打ちできない程ではありませんので、問題内容をしっかり読み込んで、作図だから避けるという意識は持たずにチャレンジするようにしましょう。

算数が得意な受験生

◆本科
 算数が得意な受験生であれば、同校・本科の算数は4科目の中でも他科目を引っ張れるほどに得点をしたいところです。まずは頻出単元である規則性、数の性質、立体図形を得意分野にできるように、苦手な部分があれば早急に集中特訓をしておきましょう。また、速さの問題の出題頻度が低いですが、重要単元であるだけに、今後出題される可能性は低いとは言えません。どの単元が出されても対応できるように、単元のもれがないようにしておきましょう。

 そのうえで合格ラインを突破するポイントは、時間配分に注意した戦略を立てることです。人気校の同校だけに、本科の算数は高得点での戦いとなること必至です。難度の高い問題でも解答方針を確実に立てるために、前半の取り組みやすい問題にかける時間を短くすることが必須です。また作図問題が出されますので、焦って図が雑にならないように、作図練習を重ねたうえで、問題にどのくらいの時間がかけられるかを過去問演習を通じてつかんでおくことが重要です。過去問演習に早めに取り組んで、時間の感覚をつかんでおきましょう。

◆医進・サイエンス
 算数が得意な受験生であっても医進・サイエンスの問題は難敵です。正解数を増やすためには男子最難関校の問題に対するような、解答方針をいかに立てるかに集中した取り組み方を鍛えましょう。2022年度の問題でも、問題内容を理解したうえで、該当するケースを調べ上げ、式の立て方を考えて行くといった踏むべき手順が多い問題ばかりが4つ並びました。

 合格ラインを突破するポイントは、調べ上げや書き出しといった作業をスピーディーに進めることにあります。問題数は多くありませんが、解答に時間のかかる問題ばかりですので、解答方針に迷っている時間の余裕はありません。図を自分でかいて、そこから法則を見出し、式の立て方を判断するといった流れを普段の演習で養成することを強く意識しましょう。同校の過去問に早めに取り組むことはもちろんですが、聖光学院、駒場東邦といった、ひらめきは要しないものの手数のかかる問題を多く出す学校の問題も類題として活用することも有効です。

国語

◆本科
 2022年度第1回は大問4題で、小問数が全28題の構成です。大問1が漢字の読み取り、書き取りの問題、大問2が語句の問題、大問3が物語文読解、大問4が説明文読解でした。問題の種類は、選択肢問題、書き抜き問題、記述問題が万遍なく出されます。記述問題は80字から120字の制限字数が付くものが大問3、4にそれぞれ1題ずつ出される他、「簡潔に説明しなさい」という指示で制限字数のないものも出題されます。

 文章量は標準よりやや長めで、説明文は理科的・数学的な内容を題材としたものが多く出されます。模試に近い出題形式ですが、文章量が長いことから制限時間には余裕を感じられません。

 2022年度第1回の大問3は突発性難聴になってしまった中学2年女子が自分の真の悩みを大人たちが理解してくれないことに感じるいら立ちが表された物語文、大問4はスマホやゲームに依存する子供たちの姿を問題視し、大人たちが取るべき態度を提示した説明文でした。

 同校の本科の国語は上記の通り模試に近い出題形式ですが、文章量が多いこと、説明文の内容が理科的、数学的である特徴が見られます。合格ラインを突破するポイントは、説明文を正確に読み取り、内容を総括する記述問題で高得点を取ることにあります。大問3の物語文は読みやすい文体で書かれたもので、人物の心情も理解に苦しむレベルではありません。問題のうち選択肢問題は正誤の区別がしやすく、同校の受験生レベルであれば正解率が高くなると考えられる難度です。物語文で出される記述問題は制限字数こそ長いですが、解答の要素を本文中から探し出すことは決して難しくありません。一方、大問4の説明文は、語彙レベルは高くないのですが、文章が長めなため、論理の展開にしっかりついて行けるだけの読解力を必要とします。

 問題のうち選択肢問題は文章内容さえ理解できれば、物語文と同じく選別はしやすい構成ですが、記述問題は文章全体の理解を大前提とし、それを80字から100字、または120字でまとめるだけの文章構成力が必要になります。普段の演習から説明文については長い文章で理科的、数学的な内容を扱った問際に多く取り組み、問題になくても、要旨を記述する練習を重ねることが必要です。

[2022年度第1回の出典]
森埜こみち『蝶の羽ばたき、その先へ』
榎本博明『読書する子は○○がすごい』

◆医進・サイエンス
 同校の医進・サイエンスの国語は、本科と制限時間・満点が異なり、30分制限で50点満点という国語では珍しい設定です。大問3題で小問全23題の構成で、大問1が漢字の読み取り、書き取りの問題、大問2が語句の問題、大問3が説明文読解と、本科より読解問題が1題少なくなっています。記述問題は問題で与えられた文章の2か所の空欄を、70字以内と80字以内で自分の言葉で埋める形式です。

 大問3の説明文は、対象を視覚的にとらえる能力がいかにして培われるのかを説明した内容で、文章中に内容を補う挿絵が4点使われています。文章中で使われる語彙レベルは高くないのですが、本科の説明文と同じく文章が長く、論理展開を正確に追うためには、説明文に慣れることで得られる読解力が不可欠となります。

 上述の通り、国語の入試問題で「30分/50点満点」という形式はほとんど見られませんので、過去問演習を通して、時間の使い方を徹底的に体得しておく必要があります。特に長い文章を読み込むのにどれだけの時間を要するかを早めにチェックして、医進・サイエンスの説明文を読み取れるだけの読解力が見についているかを確かめるようにしましょう。

 読解力が不足している際には、理科的な内容を題材とした説明文を徹底的に数多く読み通し、論理の展開を追えるような体勢を築いて行きましょう。問題については本科と同じく、選択肢問題は際立って難しいものではなく、文章内容さえ理解できていれば正誤の区別はしやすい構成です。高得点を取れるかどうかのポイントも本科と同じく、記述問題での正答率にかかってきます。

 対策としては長い説明文を読み重ねて、理系的な内容の論理展開を頭の中に刷り込み、その内容を文章にまとめる練習をくり返すことが有効です。医進・サイエンスの記述問題は一見解きやすそうで、解いてみると内容を制限字数内におさめることが難しいものですので、文章を読んで記述解答を作る初動、そこからの文章構成に時間をかけ過ぎていないか、答案に抜けている要素がないか厳密にチェックしてください。理科的・数学的な内容を題材とした新書を読むことも有効な対策になります。

[2022年度の出典]
池谷裕二『パパは脳研究者』

理科

◆本科
 2022年度第1回は大問が4題で、小問数が全23題の構成でした。4分野から大問1題ずつ出題されました。選択肢問題、語句を答える問題、計算問題、記述問題がバランスよく出題されています。記述問題は大問4の地学分野の問題以外、すべての大問で出され、字数制限がありません。物理分野・化学分野で出題される計算問題の難度が高いですが、全般に知識レベルは標準よりやや高めで、際立って細かい内容を求められることはありません。記述問題は現象の起こる理由や実験方法を考えて説明させる内容で、問題の設定を正確に理解する力が求められるものばかりです。

 2022年度第1回の大問1は物理分野から電流回路の問題、大問2は化学分野からものの燃焼についての問題、大問3は生物分野からヒトのからだに関する問題、大問4は地学分野から火山を題材とした問題でした。

 同校の本科の理科は、先にも触れました通り、難度が際立って高い問題は多くありません。計算問題、記述問題に一部難しい問題が出されますが、問題で扱う実験内容や、問題設定が正しく理解できれば解法を思い浮かべるのも難しいようなレベルではありません。

 合格ラインを突破するポイントは、リード文、実験、資料といった問題設定を正しく理解することにあります。2022年年度第1回であれば大問1と大問2で長いリード文が複数出されましたが、どちらも読んですぐに内容が理解できるレベルではなく、長い説明に対してポイントを見逃さないような「読解力」が必要です。普段の演習からリード文の長い問題に多く取り組み、その内容を自分の言葉で説明できるかどうかチェックする練習が必要です。また、小問を解き進めることで問題内容の理解度が高まる構成になっていますので、解いた小問の答えが次の小問につながることを強く意識する必要があります。問題量に比べて制限時間が短いので、時間配分を意識した過去問演習に早めに着手しましょう。

◆医進・サイエンス
 制限時間、満点が本科とは異なり、問題のボリューム、難度ともに本科よりも大きくアップします。2022年度は大問が4題、小問数が全22題で、4分野から大問1題ずつ出される構成は本科と同じなのですが、各大問で示されるリード文の長さ、内容の難しさは本科とは一線を画すもので、小問もすべて難度が高く、容易に解答できる小問は極めて少ないです。

 問題の種類も本科と同じく、選択肢問題、語句を答える問題、計算問題、記述問題がまんべんなく出されます。記述問題について、本科と比べて字数が大きく増えることはないのですが、解答すべき内容の難度が高く、正確に解答をまとめるのは容易ではありません。制限時間は本科の30分に対して50分と倍近いですが、時間的余裕は全く感じられないテストです。
 
 2022年度の大問1は宇宙の歴史や現在の姿をテーマとした物理分野からの問題、大問2は地球温暖化を題材とした化学分野からの問題、大問3は植物の生態に関する生物分野からの問題、大問4は太陽系の天体をテーマとした地学分野からの問題でした。

 上記の通り、各大問の内容を見ても、その規模の大きさが目立ちますが、同校の医進・サイエンスの理科で提示されるリード文は、標準的な入試問題のリード文のレベルをはるかに超えた、学科論文のような趣さえ感じられるものです。言葉遣いはわかりやすく、あくまで中学受験生を対象とした書き方なのですが、その内容はテーマ性が強く、例えば2022年度の大問1の宇宙の歴史に関する内容では、ビッグバンの説明に「光速度不変の原理」や「ドップラー効果」の考え方が用いられています。 

 また小問の中にも詳しい説明が続き、大問1題を完答することで、問題のテーマを理解させるといった、まるでひとつの授業を受けるかのような問題構成になっているのです。合格ラインを突破するポイントは本科と同じくリード文の内容を正確に理解することにありますが、求められる理解のレベルが大きくアップします。

 基本的な知識を積み重ねる演習はできる限り早期に仕上げながら、問題自体は一度早めに見ておいて、医進・サイエンスがどのような出題形式なのかをイメージしておきましょう。難度の高いリード文を使った問題を数多く解いたうえで、麻布中、渋谷教育幕張中のような高いレベルのリード文から出題する学校の問題について、制限時間をあえて設定せずに、じっくりと問題を解いて、リード文からポイントを抽出する方法をじっくり養成することが有効です。

社会

◆本科
 2022年度第1回は大問4題で、小問数は21題の構成でした。地理・歴史・公民分野それぞれから1題ずつ出される大問3題と、最終問題として記述問題の大問1題の構成でした。大問1から大問3は選択肢問題と語句を答える問題のみで、記述問題は最終問題に集中して出されます。小問数は多くありませんが、大問1から大問3のリード文や資料を正確に読み取るための時間、そして最終の記述問題にかかる時間を考えると、制限時間30分は短いと言えます。

 2022年度第1回の大問1は「アジアと日本の気候」をテーマにした地理分野の問題、大問2は「人類とエネルギーの関係」を題材とした歴史分野の問題、大問3は「成人年齢の引き下げ」に関しての公民分野の問題でした。そして大問4の記述問題は2題。ひとつは『平家物語』をもとに、平清盛が権力や経済力を確立できた4つの要因を説明する問題、もうひとつは「フィルターバブル」を説明するリード文をもとに、民主主義社会における「フィルターバブル」の問題点を説明する問題でした。どちらの問題も字数制限はありません。

 同校の本科の社会では、求められる知識レベルは細かすぎることなく、標準的ではありますが、リード文の内容、そして提示される資料の読み取りが難しく、確かな読解力が求められます。合格ラインを突破するポイントは、リード文・資料を正確に読み取り、様々な聞き方をしてくる問題に柔軟に対応することにあります。例えば選択肢問題では、ただ正誤を答えるのではなく、正しい組合せを答える問題が出されます。また資料も典型的なものばかりではなく、表示された内容が読み取りづらいグラフなどが出されます。

 そして同校の社会と言えば、最終の記述問題を確実に得点することが必須となりますので、それまでの問題をスピーディーに処理する必要があります。記述問題は答えるべき内容自体は特別な対策が必要なものではないのですが、リード文の内容を正確に読み取らなければ得点が伸びない構成になっています。リード文から的確にヒントをつかみとる練習を重ねるためにも、早めに過去問演習に取り組みましょう。

◆医進・サイエンス
 2022年度の問題構成は本科と同じで、大問4題で、小問数は21題の構成でした。地理・歴史・公民分野それぞれから1題ずつ出される大問3題と、最終問題として記述問題の大問1題という構成、問題の種類も本科と同じです。

 2022年度の大問1は日本の地形や気候などについての地理分野の問題、大問2は時代ごとの出来事について問う歴史分野の問題、大問3は行政の仕組みなどに関する公民分野の問題でした。大問4の記述問題も本科と同じく2題。ひとつは古代に使用された「木簡」についてのリード文をもとに、律令制において官人が書写に熱心に取り組んだ理由を説明する問題、もうひとつは「忘れられる権利」を認める立場、認めない立場に立ってそれぞれ見解を説明する問題でした。どちらの問題も字数制限はありません。

 同校の医進・サイエンスの社会は、本科の社会と比べて理科ほどの難度の差はありませんが、それでも選択肢問題の選別基準の細かさ、資料の読み取りづらさは本科よりやや難しめに設定されています。そして最終の記述問題も、相反する立場になってそれぞれの見地から説明をするといった内容が出されるように、本科よりも深い考察が求められます。合格ラインを突破するポイントは、本科と同じくリード文・資料を正確に読み取り、様々な聞き方をしてくる問題に柔軟に対応することです。

 特に医進・サイエンスは問題の難度がやや高いながら制限時間が本科と同じ30分と短いので、正確にスピーディーに問題ひとつひとつを処理しなければなりません。注意力を高く保ったまま、最終問題までは高速で正解を重ねる必要があります。地理・歴史・公民各分野の基本知識は早めに固めて、過去問演習では時間配分を、特に最終の記述問題にかける時間を確保するための戦略を組むようにしましょう。記述問題について特化した対策は必要ありませんが、鷗友女子のような時事的な話題、身近な問題について考察のうえ記述させる問題を出す学校の問題を類題として活用することも有効です。

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