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計算・小問集合はなく、標準レベル以上の問題がほとんどです。1問の配点が高いので注意深く解き進める必要があります。割合と比・平面図形が強いタイプ向きです。
落ち着いた校風と面倒見の良さ、中学校から英語とフランス語を学習する外国語教育への取組み、国際教育が盛んであるなどの点で安定した人気を誇ります。
2024年度の大学進学で、東京大学(文三)に2名、京都大学(文学部)に1名といった国公立大学への実績の他、国公立大学医学部では、千葉大学に1名、東京医科歯科大学に2名、また私立大医学部では、慶応義塾大学に1名、東京慈恵会医科大学に4名、順天堂大学に9名と、多くの医学部合格者を輩出しています。
入試問題は算数で計算・小問集合が出されず、標準レベル以上の難度の問題が多いなど、男子難関校に近い傾向があります。2024年度は問題の難度が大きく下がり、合格者平均点が2023年度から30点近くアップしましたが、2025年度以降は問題が本来の難度に戻る可能性が高いと考えられるため、難度の高い応用問題対策もしっかり固めておく必要があります。
算数では解き方・計算を書く問題が出され、国語は記述問題が多く含まれる特徴があり、理科・社会ともに制限時間に対して問題数が非常に多いため、4科目ともにスピーディーかつ丁寧に問題を解き進める力が求められます。
計算・小問集合はなく、標準レベル以上の問題がほとんどです。1問の配点が高いので注意深く解き進める必要があります。割合と比・平面図形が強いタイプ向きです。
説明文・物語文ともに文章は読みやすくボリュームも少なめです。短い制限時間内でスピーディーに問題を処理する必要があります。記述問題が得意なタイプ向きです。
問題数が多く、空欄補充の問題には難度の高いものが含まれます。記述問題、計算問題は解きやすいものが多いです。スピーディーに問題を解き進められるタイプ向きです。
制限時間に比べて問題数が多く、一問一答式に正解を重ねる力が求められます。語句を漢字で正しく書かせる問題が多いです。短文記述問題に強いタイプ向きです。
2024年度は大問数が5題で小問数は全12題でした。小問のうち4題は解き方・計算を書くタイプの問題ですので、小問数は少なくても、1問にあまり多くの時間を費やすことはできません。
同校の算数の特徴として、計算や小問集合がなく、大問1から小問を含む大問構成になっています。
2024年度の大問1は仕事算の問題、大問2は規則性から群数列の問題、大問3は直方体を積み重ねた立体図形の問題、大問4は平面図形の平行移動の問題、大問5は速さと比の問題でした。
同校の算数には例年、標準以上の難度の問題が複数題含まれるのですが、2024年度はそうした問題が大問4(2)と大問5のみに限られ、全体としては難度が例年より大きく下がりました。その結果、算数の合格者平均点は82.4点(2023年度は53.6点)、受験者平均点が68.4点(2023年度は40.8点)と、どちらも30点近く2023年度からアップしました。
2023年度の問題が難しかった反動とも言えますが、それにしても大きく上がりましたので、来年度は問題が難化する可能性が高いと考えて、難問対策を徹底する必要があります。
全ての問題が標準レベル以上の難度になることが多いため、難度の高い問題は抜かして、解ける問題から確実に解く方針で臨む必要があり、式を書いて解く練習が不可欠です。
合格ラインを突破するポイントは、制限時間内に解答する問題を的確に選択することにあります。2024年度のように基本から標準レベルの問題ばかりで構成される場合は別ですが、例年は応用問題レベルの難問が含まれますので、そうした難問にまで手を広げるよりも、基本から標準レベルの問題を確実に解き進める練習が不可欠となります。
同校の算数は1問あたりの配点が高く設定されていますので、標準レベルまでの問題を確実に正解することが、テスト全体の得点アップにつながります。
単元としては、割合と比、平面図形の頻出度が高いため、そうした単元については、テキストの応用問題レベルまで重点的に対策しておく必要があります。2024年度でも、大問4の図形の平行移動、大問5の速さと比の問題が他の問題より難度が高くなっていました。
解答欄に式や計算をわかりやすく記す練習として、過去問題集の解答用紙を原寸大サイズにする練習が効果的です。
合格ラインを突破するポイントは、割合と比や平面図形の難問で確実に得点することにあります。2024年度には合格最高点が100点満点でしたので、大問4の平面図形の問題、大問5の速さと比の問題での確実な得点が高得点につながったかたちになったと考えられます。
難問とは言っても、思考力を問うような問題はありませんので、テキストの応用問題や模試の後半の問題にまで取り組む対策が有効となります。普段演習するテキストの難問について、解説を読んで解き方を増やす習慣を身につけておきましょう。
式や計算をわかりやすく書くために、例えば2024年度の大問4や大問5といった難問についても、どのように式を立てれば正解に至るかのプロセスを常に意識しておく必要があります。
2024年度は大問2題で、大問1が説明文読解、大問2が物語文読解の構成でした。小問数は14題で、算数と同じく問題数は少ないですが、記述問題が5題で制限字数が80字以内という問題も含みますので、スピーディーに各問題を解き進める必要があります。
大問1の説明文は技術の進歩と消費の形態の変化の関係について述べた内容でした。語彙の難度は標準レベルで文章自体は読みやすいですが、「豊かさのなかの不安」といった抽象的な表現の意味を的確につかまなければ解答を作成できない記述問題が出されているように、文章全体を通して曖昧な理解が許されない内容となっています。
選択肢問題は標準レベルの難度ですが、記述問題は50字以内、70字以内に内容をまとめる力が求められる高難度の内容でした。漢字の書き取りが5語出されますが、「宣伝」「航空券」など細かい部分での書き間違いを誘発するタイプの漢字が出されますので、普段の演習でも基本にとどまらず難問まで対策しておく必要があります。
大問2の物語文は出典が下村湖人の『次郎物語』で、時代設定が現代とは異なりますが、素材となった兄弟の心の絆を描いた場面は理解しづらい内容ではありませんでした。文章の分量も標準より少し短めで、読み進めるのに多くの時間はかからないでしょう。
小問6題のうち問1の語句の意味を選ばせる問題以外はすべて登場人物の心情を問うもので、最後の2題は記述問題で、それぞれ60字以内、80字以内の制限字数が付きました。問1で問題対象となる語句は「居ずまいを正し」「生返事」と標準レベル以上の難度でした。全体に問題数が少ない中で、こうした知識問題は正解必須となりますので、語句の意味や言葉の使い方について、普段から地道に知識を増やしておくようにしましょう。
合格ラインを突破するポイントは記述問題で高得点をとることです。問題数が少ない分、記述問題の配点が高いと推測されるため、まず白紙答案にならないように徹底的に注意する必要があります。
説明文、物語文ともに書くべき内容は着想できるのですが、解答要素が含まれる範囲が広いため、制限字数にどのように合わせるかが難しい問題となっています。普段の演習から、50字から80字の制限字数が付く記述問題を数多く解く練習を重ねておきましょう。
[2024年度の出典]
大問1:内山節『内山節著作集14』
大問2:下村湖人『次郎物語』
2024年度は大問数が5題で、地学分野から2題、物理・生物・地学からそれぞれ1題の構成でした。小問数は31題ですが、小問の中には空欄補充などで語句を選ぶ問題が多数含まれるため、合計解答数は65題にも及び、制限時間30分で解き進めるためにはスピーディーな処理能力が求められます。
大問1は物理分野からふりこ、音、電磁石に関する問題、大問2は地学分野から地震についての問題、大問3は潮の満ち引きを題材とした地学分野の問題、大問4はものの水への溶け方や水溶液に関する化学分野の問題、大問5はヒトの血液についての生物分野の問題という構成でした。選択肢問題が中心ですが、記述問題、語句を答える問題、計算問題や図を書く問題も出されます。
問題の難度としては、選択肢問題や語句を答えさせる問題は基本から標準レベルが中心となります。同校の理科の特徴として、文章を穴埋めさせる選択肢問題が多く出されます。問題数に対して制限時間が短いので、この穴埋め型の問題を速く正確に解き進める必要があります。2024年度では、ふりこや音の実験内容を説明する文章、電磁石の実験の仕組みやものの水への溶け方を説明する文章が、この穴埋め型の問題となりました。
どの問題も、一部難度の高い問題も含まれますが、全般には実験内容や、ものの変化の基本的な仕組みを理解していれば解きづらいレベルではありません。ただし、短い時間で解き進めるためにも、普段から問題の設定を説明した文章を正確に読み取る練習を重ねておきましょう。
計算問題も難度は標準レベルで、問題の中には算数の知識で解けるものも含まれますので、計算問題では高得点をとっておきたいところです。
合格ラインを突破するポイントは、記述問題で確実に得点することにあります。記述問題の中にも基本から標準レベルの難度の問題が含まれ、2024年度でも大問4問4のものの溶け方を説明させる問題や大問5の胃液のはたらきを説明させる問題、問4の小腸のかべのじゅう毛の役割を説明させる問題といった、テキストでも多く解くことの多い問題が出されています。
一方で、大問1の問2(2)の宇宙空間での音の伝え方についての問題、大問3の問5の月に海があったと仮定した場合の月の潮位の変化と地球の潮位の変化について説明させる問題は、問題の設定を正確に理解したうえで、それまでに解いてきた小問の解答を使って文章を構成する力が求められる問題でした。
記述問題について特別な対策までは必要ありませんが、普段の演習や模試で解いた記述問題については得点に関わらず解説を見直して、解答のポイントを的確に文章に入れられていたかまでチェックするようにしましょう。
問題数が多く、1問の配点は高くありませんので、難しい問題を抜かして先へ進むという意識を持って解き進めることが必須となります。
2024年度は大問数3題、小問数54題に対して、制限時間が30分と、例年通り解答時間に余裕がないテストでした。大問は、歴史・地理・公民からそれぞれ1題の構成です。記述問題は4題、語句を答える問題が31題と、書かされる問題が多いため、スピーディーに解答を進める必要があります。
大問1の地理分野の問題は、同校が所在する千代田区周辺についての出題で、一部、水戸藩や仙台藩に関する歴史分野からの出題が混ざりました。リード文にあたる会話を穴埋めする問題の難度は基本から標準レベルでしたが、問題内容に合致する写真を選ぶといった独自性のある出題も見られました。
穴埋め式の短文記述問題が2題出され、その内容は、神田川と支流の合流地点の地理的特徴を説明させる問題、神田神保町で古本屋が道の片側に集中する理由を説明させる問題と、社会の知識だけでなく一般常識も使って解く問題となりました。
大問2の歴史分野の問題は、「貨幣の歴史」をテーマとした出題でした。貨幣が使われていない時代から現代に至るまでの貨幣の歴史を説明したリード文にボリュームはありますが、文章の難度は基本から標準レベルで、穴埋めの状態ですが、長い時間をかけずに読み進められるものでした。穴埋め問題を含む選択肢問題、歴史上の人物を含む語句を答えさせる問題はいずれも難度が低いため、これらの問題は極力スピーディーに解き進め、得点を重ねることが必須となります。
その中で、問13の金貨と銀貨の交換価値について図と文章をもとに答えさせる問題は、図の内容を正しく理解する力も求められるもので、焦って解答を作ろうとすると誤答してしまうタイプの問題でした。
そして記述問題が2題、ともに制限字数がないかたちで出されました。その内容は平安時代に中国文化の影響が少なくなった背景を説明させる問題、そして江戸時代のはじめに宿場での少額貨幣の必要性が増した理由を説明させる問題でした。いずれも難度は標準レベルでしたが、その中で重要な役割を担った人物を答えながら文章を構成する必要があるものでした。
大問3の公民問題は国の予算に関する問題で、一部、時事問題も含まれました。問題の割合として語句を答えさせる問題が多く、その中には「こども家庭庁」や「カーボンニュートラル」といった時事的な内容を答えさせるものも含まれました。難度は低いですが、書き間違いがないように注意する必要がありました。
また、二酸化炭素の排出量の国別の時代推移を表したグラフから、特徴的な変化を表す国を書かせる問題も出されており、資料問題をスピーディーに解く練習も必要となります。
同校の社会の特徴は問題数の多さにあります。問題の大半は基本から標準レベルの難度ですので、普段からテキストの一問一答式の問題を、制限時間を設けて漢字で正しく解き進める練習が有効となります。
合格レベルを突破するためのポイントは、短文記述での確実な得点です。全体的には基本から標準レベルの問題が多い中、記述問題には難度の高いものが含まれます。制限字数はありませんが解答欄に文章を収めるためには、解答内容をわかりやすく短い字数でまとめる力が求められます。模試や過去問演習では、正解かどうかだけでなく、文章をわかりやすくまとめられたかまでチェックしましょう。