No.1773 なぜ、育成テストでは取れるのに公開模試では点数が取れないのか?

 「あっ!? またやっちゃった…」

 日能研の親御様から「育成テストでは点数が取れるのに、公開模試になると急に成績が下がってしまう」という話をよく聞きます。

 そこで今回は公開模試後の第一声でよくある話を取り上げて、その対策をひとつひとつ考えてみたいと思います。

(1)大問1から間違えちゃった

 普段の学習はどうしても、「平面図形」「割合」「旅人算」などの計算以外のメインの単元に時間を取られがちです。計算は算数の基礎体力です。普段、走っていない人が、突然100mを全速力で走ったら、筋肉痛になるどころか、怪我をするかもしれません。
計算も普段から行なっていないと、ミスを招きます。そうです、大問1での失点を免れるには、毎日、計算をやることです。では、やみくもに計算練習をすればよいのかというと、違います。

<対策>

①計算の過程を残す

 限られた時間の中で、効率よく見直すにはプロセスを残しておく必要があります。1行一行計算結果を残して、どの部分で間違えたのかを確認しやすくします。このようにすることで、最短の時間で見直すことができます。また、筆算でぐちゃぐちゃにならないよう、筆算は別のところに書くようにしましょう。

②筆算はわかるように書く

 筆算でありがちなミスは以下のようなものがあります。

•繰り上がり、繰り下がり
•桁がずれる
•自分の字がわからなくなる。

 これらのミスをなくすためには、日々の練習で意識を高めていくしかありません。公開模試の直前になったら、計算の問題集を使って、練習をして、意識づけをしましょう。

 このような筆算でミスが多い場合、難しい問題を多く解く必要はありません。簡単でも構いませんので、高い正答率を継続して維持することを目標としましょう。それだけで大問1の誤答を救うことができるかもしれません。

③めんどうな計算は工夫することを考える

 普段から計算問題を解くときには、常に工夫して楽に計算をすることができないかを考えましょう。工夫にはいろいろありますが、例えばたし算をするときに、10のかたまりを作ることができないか、小数を分数で表すと簡単にならないか、分配法則は使えないかなどです。計算の工夫はたくさんあり、とても短期間では身につけることができません。「計算と漢字」のテキストを使って、日々、練習しましょう。

直前で確認すべき計算の方法

★四則混合計算の順序

 四則混合計算でありがちな間違いは思い込みで計算を進めてしまうところです。問題例の問題で、簡単な「10+10」が目についてしまい、「20÷2-7」と考えてしまう場合です。他にも同様の間違いで「2×3=5」「2×2×2=6」などがあります。

(問題例)
 10+10÷2-7
=10+5-7
=15-7
=8

★うしろが□のひき算と割り算

 ひき算の逆算はたし算、わり算の逆算はかけ算ではないこともあります。問題例では最もシンプルな形で問題を提示しますが、実際のテストでは、長い逆算のプロセスの一部として、うしろが□のひき算と割り算が登場します。1回の逆算問題で、このパターンが複数回登場されたら、たまったものではありませんね。

(問題例)
①5.6-□=0.8
□=5.6-0.8=4.8

②5.6÷□=0.8
□=5.6÷0.8=7

★分配法則

 分配法則を使った計算は入試でもよく出題されます。四則混合計算のところでも紹介しましたが、ここでも思い込み計算を行いがちです。どのような計算も、計算を行う前に、どのような方法で行うのかを考えてから計算しましょう。以下に紹介する問題例の②は特に日能研が好きな問題です。

(問題例)
①382×24+382×48+382×28
=382×(24+48+28)
=382×100
=38200

②6.54×11.65+0.654×47.7+0.0654×358
=6.54×11.65+6.54×4.77+6.54×3.58
=6.54×(11.65+4.77+3.58)
=6.54×20
=130.8

(2)解法を忘れちゃった

 解法を忘れるのは、解き方を習って(倣って)いて、考え方を学んでいないからです。

<対策>

 つまり、模倣するのではなく、プロセスを体験することが、解法の定着につながります。
 例えばつるかめ算の場合で説明します。

 1本30円の鉛筆と、1個50円の消しゴムを合わせて10個買い、代金は460円でした。

 この問題を鉛筆を◯本、消しゴムを△個として式を作ると次のようになります。
 30×◯+50×△=460
 ◯+△=1
 このように、鉛筆と消しゴムの個数の和がわかっていて、かつ、代金の和がわかっている場合に、それぞれの個数を求める問題が「つるかめ算」です。ここでは◯か△にあてはまる数を求めます。最も単純に考えるのであれば、◯と△の和が10のため、この条件を満たすように、◯や△に数をあてはめて、当たりを探せばよいだけです。30×◯+50×△=460の式について、実際に調べてみたようすは次の表のようになります。

 表から30円の鉛筆は2本、50円の消しゴムは8個買ったことがわかります。ここまでが、考え方であり、プロセスです。

 この問題では鉛筆と消しゴムの和が10のため、調べることができますが、実際の問題ではこのように、調べる作業をすると、とてつもなく時間がかかることがあるため、効率のよい「解法」を学びます。

 例えばつるかめ算の代表的な解法は面積図を使った解法です。子どもたちの意識の中で、考え方やプロセスが抜け落ちると、解法のみにスポットがあたり、解法暗記(解き方を倣う)に走ります。数日後に面積図の書き方を忘れた状態でつるかめ算の問題を解こうとすると、問題文を読んだときに、面積図をどのように書くのかわからなくなります。これが解法を忘れたという現象となります。

 特に4年生などの低学年では、扱う問題が容易で数字もきれいな場合が多いです。「今日は第◯◯回のつるかめ算を学びます」と先生が授業を始めると、魔法のような、計算手順や面積図などを披露します。子どもたちもこの魔法を覚えて、何度も練習をします。このこと自体は悪いことではありませんが、このようにつるかめ算の本質(考え方やプロセス)を飛ばして、解法の練習のみに終始すると、その時はできても、1ヶ月後には、忘れたとなります。公開模試の前には本科テキストの「学び」の部分を使って、考え方を確認するとよいでしょう。

(3)家に帰って落ち着いて解くとできる

 確かにそうかもしれません。しかし、その場合、想定されることは、家に帰ってもう一度解く前には、お友だちと話をしていて、解くためのヒントを得ていたり、お家の人と考えながら、手がかりをつかむきっかけを知らず知らずのうちに与えられたりすることです。つまり、この場合、テスト会場という緊張した場面で、力を出しきれないと考えた方がよいでしょう。

<対策>

 だとしたら、前述したプロセスを重視した学習を行うことで、自らヒントを導き出す練習をしなければなりません。

(4)習っていない問題が出た

 子どもたちが「習っていない」と感じる問題(初見の問題)は、本当に習っていないものです。しかし、このような問題は問題文を読みとることで、問題への取り組み方や、問題の考え方がわかるようなつくりになっています。このような問題は算数だけでなく、ほかの科目でも見られる傾向です。このような問題の攻略法は、次の3つです。

<対策>

①初見の問題が出題されることを知る

 そもそも子どもたちにとって、テストで習っていない問題が出題されるなんて、あるはずがない!というのが本音でしょう。まずはこの考えをアップデートして、習っていない問題が出題されることもあるという意識に変えていきましょう。

 初見の問題は入試問題でもよく見られる傾向にあります。テストには初見の問題が出題されることを知るだけで、習っていないから諦めるという姿勢から、習っていないけど、読んでみようというように、意識が変わっていきます。テストで出題された初見の問題を親子で一緒に読みながら、考えるとよいでしょう。

②初見の問題への対応法を体験する

 初見の問題を親子で解くときにはまずは読みとることから始めましょう。どのようなきまりがあるのか、どのような条件か、どのような知識を使うのか、など初見の問題には「こんなふうに考えてほしい」というメッセージが込められています。この部分を読みとって、「前に習った比例と同じだね」とか、「重力と同じ向きに曲がっていくんだね」など、確認をしながら進めていくとよいでしょう。

 そして、問1や問2くらいまで一緒に解くだけで、経験値は格段に上がります。この経験は次のテストで必ず生きてくるでしょう。最後に初見の問題の例を挙げておきます。

(問題例)

クジラは現在、地球上最大の動物ですが、あえて陸上ではなく、一生水中で生活している物理的な理由は何ですか。

 子どもたちは、クジラは哺乳類であることは学びますが、クジラの詳しい生態までは学びません。したがって、この問題は「習っていない問題」となります。しかし、問題文をよく読んでみると、「最大の動物」「物理的な理由」とあります。この手がかりからクジラが海で生活している理由を考えていきます。

(解答例)

クジラの大きな体を海水の浮力で支えるため

③普段から対策をする

 初見の問題は初めて見るため初見の問題であり、それを前もって練習することはできません。初見の問題への対応法は前述した通りで、普段からできることは、他者の考えにより添うことです。最も他者の考えが載っているのはテキストの解答•解説です。答え合わせをするときに、答えが合っているのか確認するだけでなく、解説を読んで理解を深めるとよいでしょう。

 解説は自分の行った方法と同じこともあれば、違うこともあります。どちらにしても、他者の考えにふれ、その考えを理解することが、初見の問題への対応力を鍛えることにつながります。どのような問題でも、条件や答え方をよく読んで取り組むことはもちろんですが、解き終わった後も、解説を読んで理解を深めると、初見の問題への対応力を上げることができます。

 最後に直前に行うと効果が出やすい対策をお伝えします。

全国公開模試の前に☑チェック!!

 忘れやすい単元や公式は次のようなものがあります。

①等差数列の和の公式

 等差数列の和の公式はとても忘れがちな印象があります。何度理屈を説明しても忘れてしまうのであれば、テスト直前に再度、覚えましょう。等差数列の和は、試験中に根性でたし算をするのは厳しいです。

②特殊算の解法

 つるかめ算、差集め算、過不足算、消去算などの代表的な特殊算の解法は、テスト前に確認しておくとよいでしょう。その時に大事なのは、テキストを見て、「わかった!」ということではなく、実際に問題を何題か解いてみることです。見てわかっても、実際に解いてみなければ、使えるかどうか分かりません。

③速さの考え方

 旅人算、通過算、時計算などは速さの単元の中でも、非常に特殊な考え方をする項目です。旅人算では登場する2人の進む方向により、速さをどのように処理するのか、通過算では長さのある電車をどのように考えていくのか、確認しておくとよいでしょう。時計算は針の進む角速度が確認のポイントとなります。

④平面図形の考え方

 高さの等しい三角形の底辺の比と面積比の関係、相似な図形の典型的なパターン(砂時計型とピラミッド型)などを中心に確認をしておくとよいでしょう。また、4年生あたりでは、基本的な平面図形の面積の公式が身についていないこともあります。特に台形の公式で、「(上底+下底)×高さ÷2」の「÷2」を忘れることはよくあります。公式の細部にわたり確認し、実際に使えるかどうか問題を解いてみましょう。

 実は、今回、即効性のある公開模試の攻略方を書こうとパソコンに向かい始めました。しかし、書き進めると、いつの間にか普段の学習が公開模試で高得点につながるという内容になってしまいました。何でもそうですが、王道はコツコツ行うことで、これをやれば10点上がるような都合のいい話はないようです。

 しかし、記事に書いたような内容の中で、お子さまが苦手としている内容がある場合には、事前に対策をしておくことで、大きな成果が見込める可能性もあります。公開模試まであと1週間となりましたら、今回の記事の内容の中から、気になるものをピックアップして、復習してみましょう。

 われわれ中学受験鉄人会のプロ家庭教師は、常に100%合格を胸に日々研鑽しております。ぜひ、大切なお子さんの合格の為にプロ家庭教師をご指名ください。

 

 

メールマガジン登録は無料です!

頑張っている中学受験生のみなさんが、志望中学に合格することだけを考えて、一通一通、魂を込めて書いています。ぜひご登録ください!メールアドレスの入力のみで無料でご登録頂けます!

ぜひクラスアップを実現してください。応援しています!

ページのトップへ