物語文読解テクニック 〜気持ちの数直線〜

国語の読解問題の中でも特に物語については、「物語文を読むこと自体は面白いけれど、問題を解いたらチンプンカンプン。」という生徒さんの声をよく聞きます。無理もありません。物語の読解問題で問われているのは、「登場人物の微妙な気持ちの読み取りができているかどうか。」です。ある程度の人生経験を積んだ大人ならまだしも、まだ10年くらいの人生経験しかない小学生が、的確に、「目に見えず、つかみ所のない人の気持ち」を読み取ることは大変難しいことです。

では、物語読解が得意になるための画期的な方法はあるのでしょうか。「とにかくたくさんの色々なタイプの小説(物語)を読んで、小説の世界に浸ることにより疑似体験を多くする。」という方法も小学生の人生経験の浅さをカバーするという点では有効かもしれませんが、ある一定レベルに到達するには膨大な量の本を読みこなす必要があり、時間効率の面からも中学受験の読解対策としては適切とはいえないでしょう。

そこで、今回は中学受験国語に適した物語読解のテクニックをご紹介いたしますので、ぜひお役立てください!それは『気持ちの数直線』を書いて考えるということです。気持ち(感情)は「うれしい、楽しい」などのプラス(+)の気持ちか「悲しい、くやしい」などのマイナス(−)の気持ちのどちらかに分かれます。また、同じプラスの気持ちでも、「歓喜」はかなり強い気持ちですが、「ほっとする」は気持ちとしては少し弱いですね。同様のことはマイナスの気持ちでも言えます(「絶望」と「恥ずかしい」など)。このような考え方で、数直線をプラスの方向、マイナスの方向にそれぞれ5段階ずつに区切ります。そして、物語文の中から読み取れる人物の気持ち、そして気持ちを裏付ける行動(表情・動作・会話など)を数直線の該当する位置に記入してゆくのです。下記に、ある物語の登場人物の「気持ちの数直線」を記しておきましたので、ぜひ参考にしてください。

(レベル) (気持ち)    (行    動)
+5    歓喜    思わず飛び上がり、泣きながら「バンザイ!」と叫んだ。
+4
+3    うれしい  笑顔で、「ありがとう。」と言った。
+2
+1    ほっとした 「フー、」と一息ついた。
 0
−1
−2    恥ずかしい  顔がポーと赤くなった。
−3    悲しい    肩を落として、しくしくと泣き始めた。
−4
−5    絶望     目の前は真っ暗、夕陽で血の色に染まった海に絶叫した。

このような『気持ちの数直線』を常日頃から書くことにより、「こんな気持ちなんじゃないのかな。」と漠然ととらえていたことが数値化され、より明確で形のあるものになってきます。このような認識ができるように(気持ちが目に見えるように)なればしめたものです。たとえば記述問題で気持ちの説明を書くときに[思わず飛び上がり、泣きながら「バンザイ!」と叫んだ。]という文章から読み取らなくてはならないのは「+5の気持ち」だから、「.......うれしい気持ち」などのように「+3」の気持ちで解答してしまうと減点対象になってしまう。ということがピンとくるようになります。

物語を含めて国語という教科は、算数と比べるとどうしても「人間くさい」「ファジー」な要素が強いのは確かですが、逆の発想で、常に「曖昧なものを明確化するツール」を自らの手に持っていれば、「1+1=2」のように安心して正解を導き出すことが出来ます。

また、日々のくらしの中で、人物の気持ちをあえて数字に置き換えてみるのも楽しみながら物語の読解力を養う上でお薦めです。例えば「誕生日プレゼントに両親からDSライトを買ってもらっちゃった。」「これは+5の気持ちだ!」という具合です。特に理数系が得意な男子の生徒さんは、人物の気持ちが数値化されることにより、物語を読み解くことが楽しくてたまらなくなるはずです!

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