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現時点で判明している90校(テストにして168回)の2026年入試の国語で出題された物語文をもとに、昨年11月に配信したメルマガ「2026年度入試で出題される確率が高い物語のベストテンを発表します!」で予想した物語文ベストテンの結果を発表していきます。
★印が今年度入試で出題を確認できた作品です。
出題校:甲陽学院中(第1日)
主人公の男子が他者を理解することの難しさに直面しながら、自らの弱さ、至らなさに立ち返り、新たな一歩を踏み出して行く行く過程を読みやすい文体で描き切った作品で、今年度を代表する一冊として選定しましたが、甲陽学院中(兵庫県)1校のみの出題で、首都圏では出題が確認できませんでした。
出題校が首都圏で1校も見られなかったことは想定外でしたが、苦しみながら成長する人物の心情描写、入試で問われる表現技法に満ち満ちた本作品は来年度以降も注目必至です。筆者・天川栄人氏の作品では、『わたしは食べるのが下手』が共立女子中(第1回)で、『あるいは誰かのユーウツ』が城西川越中(総合1回)で出題されていました。
出題校:青山学院中、城北中(第3回)、栄東中(Ⅰ入試)、実践女子学園中(第1回)、獨協中(第4回)、浦和実業中(1/10午前)、鶴見大学附属中(進学クラス1次)、広島学院中
心に深い傷を負った主人公が、大阪のある夜間中学を舞台に自らの進むべき道を見出して行く成長物語で、「他者理解を通して自己理解を深める」という最重要テーマを軸に、「家族関係」、「挫折からの再生」といった重要テーマも含まれ、さらには、「戦争がもたらす災禍とは」、「学びとは」といった社会的テーマについて考察する機会をも与えてくれる本作品が8校で出題されていました。
戦争、貧困といった過酷な人生を歩んできた人々の発する言葉の重さを、読みやすい文章を通して感じながら、それらの意味するところを読み解くことによって、様々な重要テーマを深く学び取ることができる本作品は来年度以降も多く出題される、まさに定番の一冊となる可能性が高いと考えます。
出題校:渋谷教育渋谷中(帰国)、鷗友学園女子中(第1回)、横浜雙葉中(1期)、栄東中(東大特待)、高輪中(C日程)、三輪田学園中(2/2)、跡見学園中(第1回)、開智未来(T未来)、千代田区立九段中
生まれながらに聴覚障害を持つ女子高生・咲季が、競技かるたと出会い、心の成長を果たして行く姿を軸に、咲季と関わる3人の人物それぞれが葛藤しながら、深い挫折から再生して行く姿を描いた本作品が確認できる限りでも9校で出典となりました。
栄東中(東大特待)ではメルマガで取り上げた章「さんさんと」が出典となっていましたが、他のどの章も厳しい境遇に置かれたり、深い挫折を経験した人物たちが心を解放させ、再生して行く姿が描かれており、今後も引き続き出題対象となり続けると思われる一冊です。
出題校:確認できませんでした。
アメリカがビキニ環礁で行った水爆実験による放射能汚染測定に携わり、国際的に活躍した実在の女性科学者・猿橋勝子の生涯を描いた傑作ですが、今年度は出題を確認することはできませんでした。
「苦境や逆境の中で自己理解を深める」「戦争」といった中学受験物語文のいくつもの重要テーマが色濃く反映された作品であり、上位・最難関校に限られるとは思われますが、来年度以降も出題される可能性があると考えます。
筆者・伊与原新氏の作品は、『宙わたる教室』が本郷中(第1回)で、『藍を継ぐ海』が山手学院中(B日程)、桐光学園中(第1回)で出題されていました。
出題校:昭和学院秀英中(第1回)
動物や虫、植物、自然現象などある特定のものを呼び寄せてしまう体質を持った「呼人(よびと)」にまつわる物語がつづられた短編集で、SF的な設定でありながらも「わかり合うことの難しさ」を丁寧に描いていることから5位に選定しましたが、昭和学院秀英中で出題されていました。
昭和学院秀英中ではメルマガでも取り上げた第1話『スケッチブックと雨女』が出題されていましたが、小学6年生女子の友人関係を描いた本短編は、「他者理解を通じて自己理解を深める」という黄金パターンを学習するうえでの極上の教材として、多くの受験生の皆さんに読んで頂きたい1編です。
出題校:確認できませんでした。
いじめがきっかけで学校をやめた女子高生がフラメンコと出会い、自らの可能性を見出して行く姿を通して、「他者理解を通して自己理解を深める」という最重要テーマに加えて「挫折からの再生」もテーマとして含まれている成長物語でしたが、出題を確認することができませんでした。
重要テーマが扱われているだけでなく、「象徴的存在」という物語文頻出の表現技法も使われている作品ですので、来年度以降に出題される可能性は高いと考えています。キャラクター設定が魅力的ですので、読書の楽しみを味わいながらテーマ学習を深められる一冊です。
出題校:確認できませんでした。
5歳の娘と二人暮らしを送る主人公が、子育ての難しさに直面しながら、母親として、また娘として成長して行く過程が、瀬尾まいこ氏ならではの人物の心の揺れ動き、個性が鮮明に伝わってくる筆致で描かれた傑作ですが、出題は確認できませんでした。
後述する今年度の最頻出作品のひとつ『問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい』(早見和真)、城北中(第1回)で出題された「髪を結ぶ」(河邉徹)、日本女子大附属中(第1回)、富士見中(第1回)で出題された『森と、母と、わたしの一週間』(八束澄子)など「家族関係」をテーマとした作品は今年度も多数見られており、本作品も来年度以降は要注意です。
出題校:栄東中(Ⅲ入試)、巣鴨中(第Ⅲ期)、田園調布学園中(第2回)、神奈川学園中(A日程午後)、日本大学中(A-1)
天才たちとの出会いをきっかけに、自分の生き方に向かい合う人々の心の移ろいを描いた短編集で、他者理解を通して挫折から再生する人物の姿を読み取らせる内容であったことから第8位に選定しましたが、5校での出題(第1章「星の盤側」3校、第4章「カケルの蹄音」2校)が確認できました。
筆者・額賀澪氏の作品は本作品以外にも、『ラベンダーとソプラノ』が栄光学園中、穎明館中(第1回)で、『読書感想文が終わらない!』が栄東中(Ⅱ入試)、大妻中(第4回)、鎌倉女学院中(1次)で出題されており、今年度最も多く出題された作家のひとりとなりました。
出題校:確認できませんでした。
未知のウィルスに感染してゾンビになってしまった「おじさん」と小学3年生の少女「あんず」の心の交流を通して、「他者理解の難しさ」が丁寧に描かれ、さらには「差別やいじめ」といった社会的テーマも盛り込まれた傑作でしたが、出題を確認することができませんでした。
ゾンビという特異の設定から出題が避けられた可能性があったかと思われますが、少女がもがき悩みながらも心の成長を果たす過程を読み取ることは「他者理解」という最重要テーマを学ぶ機会となります。「言葉の持つ力」の重要性も認識させてくれる貴重な一冊ですので、多くの受験生の皆さんに読んで頂きたいです。
出題校:確認できませんでした。
劣等感に悩む女子高生が周りの人々の意外な一面に触れることで、自分の中での美に対する価値観を変容させて行く過程が丁寧に描かれており、読みやすい文体の中に心情の揺れ動きが丁寧に描き込まれた佐藤いつ子氏ならではの表現が見られる作品でしたが、出題を確認することができませんでした。
2025年9月26日という発刊時期の遅さもあって今年度は出題対象とはなりませんでしたが、「他者理解を通して自己理解を深める」という中学受験物語文の最頻出パターンがドンピシャ当てはまっている作品であり、来年度以降の入試で出題される可能性は高いと考えます。
今年度入試で最も多くの学校で出題されたのは、以下の3作品となりました。
『問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい』(早見和真)9校
出題校:市川中(帰国)、東邦大付属東邦中(帰国)、横浜共立学園中(A方式)、高輪中(B日程)、カリタス女子(第2回)、大宮開成中(第1回)、公文国際学園中(B入試)、鶴見大学附属中(難関進学クラス3次)、東雲中
『オリオンは静かに詠う』(村崎なぎこ)9校
出題校:渋谷教育渋谷中(帰国)、鷗友学園女子中(第1回)、横浜雙葉中(1期)、栄東中(東大特待)、高輪中(C日程)、三輪田学園中(2/2)、跡見学園中(第1回)、開智未来(T未来)、千代田区立九段中
『星の教室』(高田郁)8校
出題校:青山学院中、城北中(第3回)、栄東中(Ⅰ入試)、実践女子学園中(第1回)、獨協中(第4回)、浦和実業中(1/10午前)、鶴見大学附属中(進学クラス1次)、広島学院中
『オリオンは静かに詠う』、『星の教室』はいずれも厳しい境遇の中で生き抜く人物たちの姿、そうした人物自身、また彼らと出会った人物が成長して行く過程を描いていました。そうした人物たちの置かれた状況について、文章を通してイメージを働かせながら、心情を読み取って行く力を求める出題が多くの学校で見られました。
それに対して、『問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい』は、小学生女子・十和(とわ)が中学受験を通して、友人関係・家族関係の壁に向き合いながら心の成長を果たして行く過程を描いており、まさに中学受験生にとっては「等身大」の物語でした。ただ、本作品が多くの学校で出典に選ばれたのは、中学受験を題材としているからではなく、「家族関係」「友人関係」という重要テーマに真正面から向き合っているからに他ありません。
中学受験を舞台にしていることで世界観は理解しやすいものですが、早見和真氏が描き込む人物たちの心の移ろいは、読解演習を高レベルまで鍛え上げておかなければ容易に読み解くことができないものでした。
早見和真氏は2025年度も『アルプス席の母』が海陽学園中、ラ・サール中、立教池袋中、城北中、本郷中など、多くの学校で出題されており、来年度以降もその著作品に注目が集まること必至です。
今年度の物語文出典の特徴のひとつとして、特に上位・最難関校で戦争・震災を題材とした作品が見られたことが挙げられます。
具体的には、以下のような作品が出題されていました。
・麻布中:「七十八年目の手紙」(『天国からの宅配便 あの人からの贈り物』所収)柊サナカ
亡くなった人が生前に指定した届け先に、想いとともに遺品を届けるという設定の中で、主人公の曾祖母が戦時中の日系人の強制収容所で培った友人関係が描かれる場面がありました。
・海城中(第1回):『ほくほくおいも党』上村裕香
東日本大震災後に被災地でのボランティア活動に参加した主人公が、現地の光景を目の当たりにし、被災した人々の想いに触れることで、ボランティア活動についての考え方を変える場面が出題対象となっていました。
・学習院女子中等科(B入試):「わたしの大切な場所」(Web『青いスピン』掲載)安田夏菜
ウクライナから日本へ避難してきた主人公が、馴染めずにいた教室の中で、次第に自分の居場所を見出して行く過程が描かれており、自分の故郷が破壊される様子を回顧する場面もありました。
・駒場東邦中:「天使の足跡」(『あえのがたり』所収)荒木あかね
能登半島地震支援のために10人の作家が寄稿した作品集からの1編で、愛する夫とペットを亡くした主人公が、娘との会話を通して、深い喪失感から、亡くした相手への愛情は変わらないという心境に至るまでに変化する姿が描かれていました。
・筑波大附属駒場中:『声の地層』瀬尾夏美
津波の被害に遭った地域で暮らす老女のもとに、「遠くからきた旅人」と「津波で亡くなった人」が訪ねて来る、という設定のもと、被災した人々の悲しみ、無念さ、そして災害を風化させてはいけないというメッセージを読み取らせる内容でした。
・ラ・サール中:『海は忘れない』村上しいこ
昭和33年の女子高生の体に、令和7年の同年代女子の意識が憑依するという設定で、戦後混乱期の日本を見た令和7年の女子高生が、当時の人々の想い、戦争への抵抗が薄れている現代への違和感を抱くという内容でした。
今年度多くの学校で出題された『星の教室』でも、戦争によって学ぶ機会を失われた人々の姿が描かれていました。戦後80年を迎えたこと、そして現在の小学生たちが2011年の東日本大震災発生以降に誕生していることから、いまを生きる小学生たちに戦争・震災に対する認識を風化させて欲しくないという中学校の先生方のメッセージがあると、強く感じられます。
また、多くの学校で出題された『オリオンは静かに詠う』、『星の教室』とも共通しますが、中学受験生にとって容易にイメージすることができないような、厳しい境遇に置かれた人々の想いに対しても、文章を通して理解ができるように、読解力を培って欲しいというメッセージも感じられます。
2026年は東日本大震災発生から15年となり、また海外では今もなお多くの地域で戦争が行われています。戦争・震災を題材とした文章は今後も多くの学校で出題される可能性が高いと考えられますので、そうした文章に触れる機会を多く持つようにしましょう。
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