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平成元年の指導要領によって始まった「ゆとり教育」も,平成18年(2006年)に実施されたPISA調査(OECDが2000年から開始した’主要能力’調査)の結果が思わしくなかったことから見直しをせまられ、平成15年に一部改正された学習指導要領では、各学校は子どもたちの実態に応じて学習指導要領が示していない内容を加えて指導してもよいと明示されるに至りました。もちろん、各私立中学校ではこれまでも思考力重視の基本方針で入試問題を作成・出題してきましたが、世間の批判を怖れることなく問題作成に取り組める環境が整ったわけです。
これまでも’理数離れ’が憂慮されてきたという事情はありましたが、一時期は算数と国語の2教科受験が減少し、理科と社会を加えた4教科入試を行う学校が増えてきたこと、また、複数回受験が主流になってきたことなどから、理科や社会の科目の受験における比重は、とくにこの10数年間において非常に高くなってきたといえます。とくに理科においては、上述のような環境の下、入試問題の題材も学習指導要領に縛られないで、つまり教科書を離れてまさに’自由に’選択されるケースが増え、その範囲が広がっています。もちろん、基本的によく出題される単元やテーマはありますが、何が出るかわからない。というのが率直な感想です。
出題される題材があらかじめわかれば、もちろんしっかりとした対策を立てられますので、受験においては絶対的に有利です。対策を立てることが可能である、という意味では、理科においては「時事的な話題」に着目するとよいでしょう。たとえば,2009年7月22日には日本で観測されるのが約46年ぶりの皆既日食が起こりましたが,2010年度入試では,中学入試だけでなく高校入試などでもあちこちでこの話題に関する問題が出題されました。その内容も、日食はなぜ起こるのかということから始まり、観測地点における太陽の欠け方、見え方などに至るまで、いろいろな切り口からの出題が見られました。この5〜6年は、とくに深く突っ込んだ問いを多く見かけるようになっています。
そのような観点から、今年の’理科的な’出来事を振り返りますと、何といってもこの夏の’猛暑’に思い当たります。9月5日には、京都府京田辺市で9月の観測値としては史上最高となる39.9℃を記録しましたし、大阪市でも36.2℃記録して今年の猛暑日が28日となって、1994年と並ぶ最多タイを記録しました。9月7日には、東京都心(大手町)で最高気温35.7度を記録し、35度以上の猛暑日の日数が年間で13日となって、これもまた1961年の統計開始以来95年と並ぶ過去最多タイ記録となりました。
猛暑(酷暑ともいう)日とは、一日の最高気温が35℃以上となった日であり、これに対し、最高気温が30℃以上の日を真夏日といいます。また、夜間(夕方から翌朝まで)の最低気温が25℃以上のときを熱帯夜といいます。上述のように,猛暑日の日数が各地で例年になく多くなりましたが、もちろん真夏日の日数も多く、また、猛暑を記録した地点の数も記録的でした。
猛暑となる原因としくみについては、おさえておきましょう。あまり専門的なことは問われないと思いますが、選択肢などで示されたときには正解を見つけやすくなると思います。猛暑は、一般に夏の季節に背の高い(空の高いところから低いところまで上下に長いつくりの)高気圧におおわれて、風が弱く、周囲の比較的冷たい空気や湿気が流れこみにくい晴れの状態のときに起こりやすいといわれています。内陸の盆地では、周囲を取り囲む山により外部の大気と混ざり合うことが少なく、暖まった空気がとどまりやすいため、他の地域よりも猛暑となりやすくなります。近年、三大都市圏を中心とする都市部で気温が最高となる日が多くなっていることや、熱帯夜が増えていることなども、盆地での状態とよく似たヒートアイランド現象が一因と考えられています。
フェーン現象が発生すると、風下側で気温が異常に高くなることがあります。西日本では標高の高い山が少ないので、水分の放出が充分に行われず、吹き下ろす風に水分がある程度含まれているためフェーン現象は起こりにくいのですが、北日本では高い山を越えるときに水分を放出し、乾いた空気が反対側に吹き下りてフェーン現象が起こりやすくなります。水が水蒸気になるときに熱を奪いますが、乾いた空気ではこの変化が起こらないため、風が吹き下りるにしたがって温度が急激に上がるのです。
猛暑に関しては地球温暖化の影響も考えられていますが、すべてが地球温暖化で説明できるわけではなく、いろいろな気象的要因が影響していると考えられています。そのうちで最も大きい影響を与えていると考えられているのが、エルニーニョ現象(太平洋赤道域東部の海水温が上昇する現象)やラニーニャ現象(太平洋赤道域東部の海水温が低下する現象)です。たとえば,「2007年の夏はラニーニャ現象の影響で日本各地で猛暑になる」と報道されたりしています。専門的な研究や過去の統計からは、ラニーニャ現象が発生するとフィリピン近海の海水温が上昇し、そのためその地域で上昇気流が発生し、その北にある日本付近では下降気流が発生して勢力の強い太平洋高気圧が形成されるといわれています。その結果、日本列島が猛暑となりやすいと考えられているのです。ラニーニャ現象が起こると、日本では夏は猛暑、冬は厳冬になりやすいといわれています。
今夏の猛暑については、太平洋高気圧だけでなくチベット高気圧も同時に日本付近をおおったことなどが原因であるともいわれています。
この猛暑によって、今年はとくに熱中症の患者数が例年になく増加しました。熱中症とは、体の中と外の’あつさ’により引き起こされる、様々な体の不調を指します。熱中症は暑い環境下だけで起こるものではなく、スポーツなどで体内の筋肉から大量の熱を発生したり、体内の水分が不足したりすると、寒いときでも発症することがあります。実際、11月でも死亡事故が起きているそうです。熱中症になると、体の一部がけいれんして痛くなったり、力が入らなくなってぐったりします。このようなときには、涼しいところに体を移し、ミネラルウォーターで水分などの補給をすぐに行う必要があります。
以上が猛暑とそれに関連するひと通りの知識です。気象現象ですのでまだまだわかっていない部分も多いのですが、一度目にしておいていただき、受験のときにもしお役に立てれば幸いです。もちろん、猛暑だけでなく他の科学的イベントや出来事にも着目しておいてほしいと思います。
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