2月予約スタートダッシュキャンペーン!
夏休みも終わり、6年生の生徒さんはいよいよ「実戦の秋」を迎えることになりました。単元として「時事問題」について意識を高めるべき時期にもなります。中学入試で時事問題の対象となる時期は、大体11月頃までと言われています。その頃には各塾や出版社から時事問題を扱ったテキストが販売されますので、問題演習に本格的に取り組み、時事問題に関する知識をまとめる作業自体は、そうしたテキストを購入してからでもよいでしょう。
ただし今から取り組める内容については、少しずつでも取り組んで、時事問題そのものに慣れておくと効果的です。例えば参議院選挙、普天間基地移設問題、宮崎の口蹄疫問題など、既に起きている事柄は今から内容を整理する作業ができますが、実はそれ以外にも今から取り組むことのできる内容があるのです。
それが今回取り上げるテーマ、「周年」に関する問題です。「周年」とはどういうものか。例えば、2011年12月7日は太平洋戦争開戦から70年、4月26日はチェルノブイリ原子力発電所事故から25年にあたります。このような「2011年はある出来事が起きてから○年」という内容は、これまでも入試問題で出題されているパターンですので注意が必要です。
これまで「周年」を題材として取り上げた実際の入試問題から、いくつかを以下に挙げてみます。
この年の浅野は「周年」に関する出題が目立ちました。「横浜港開港150年」について、「幕府が開港を神奈川ではなく横浜にした理由」を記述する問題や、「2008年がブラジル日本移民100周年」であることから、ブラジルの位置や、農作物の種類、輸出品目など、細かな内容にまで出題が及びました。
上記の浅野と同様に、「ブラジル日本移民100周年」がテーマとなりました。同校は大問1問のみの構成になりますので、自ずとブラジルの面積が日本の何倍か、ブラシルと日本の貿易品目について、さらにはバイオエタノールの原料(サトウキビ)についてなど、出題内容がかなり細かくなりました。
浅野と同じく「横浜港開港150年」をテーマに歴史の問題がつくられました。内容としては横浜に限定せずに、「日本と他国との経済的・文化的交流」のかたちで出題されていました。テーマが港なだけに、想定され得る出題内容であったと思われます。
2010年が平城京遷都1300年にあたることから、奈良から平安にかけての歴史の問題が出題されました。頌栄では2009年度には横浜開港150年をテーマとした問題が出題され、また周年ではありませんが、やはり2009年度には、同年3月に開催された興福寺の仏像展示会を扱った問題が出題されるなど、入試実施年に起こる出来事を取り上げる傾向が目立ちます。
それでは時期の早い順に、2011年に5、10の倍数周年を迎える出来事をリストアップしてゆきましょう。上記の過去の出題例を見ますと、来年度受験では今年の2010年が何周年かも出題される可能性が高いですが、2010年については、今後発売される時事問題集で多く取り上げられると思われますので、ここでは割愛します。
中学受験では世界地理や世界史は出題範囲から外れますので、一部の学校以外では出題されることのないテーマになります。ただし、この戦争で国際連合が多国籍軍の派遣を決定した経緯のあったこと、日本への影響として、ペルシャ湾の原油が流出してしまったことで原油価格の高騰が起こり、日本経済に大きな打撃を与えたことなどはおさえておきましょう。
当時のソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所の原子炉で爆発が発生し、放射性降下物の汚染が莫大な規模で広がりました。日本ではヨーロッパ産のスパゲッティの販売量が一時的に急減するなどの影響も出ました。この事件も上記と同様、直接的に出題される可能性は高くはありませんが、この事故をきっかけに原子力発電そのものに対する不安感が日本全体に広まったことには注意が必要です。
長崎県の島原半島中央部に位置する火山、雲仙岳で起きた噴火活動の中で、特に1991年6月3日に発生した火砕流は多くの犠牲者を出すことになりました。火砕流とは、マグマに押し出された溶岩ドームが崩落し、その破片が火山ガスとともに山体を時速100㎞もの速度で流れ下る現象を指します。この災害では、十分な知識を持たない報道関係者が、過熱する取材競争の中で危険区域に立ち入ってしまったことで被害が大きくなったことも指摘されています。そうした報道のあり方、またその後に警戒区域が設定された基となる法律が「災害対策基本法」であることなどに十分に注意しましょう。
中学受験の社会では出題頻度が極めて高い「政令指定都市」ですが、その運用がスタートしたのが、55年前の1956年になります。2010年4月1日現在で全国に19市(札幌・仙台・さいたま・千葉・川崎・横浜・相模原・静岡・浜松・新潟・名古屋・京都・大阪・堺・神戸・岡山・広島・北九州・福岡)ありますが、これらは全て答えられるようにしておきましょう。
約3000人もの民間人が死亡する結果となったこの大惨事により、国際テロ組織の脅威が世界に改めて強く認識されることとなりました。この事件に関しては、その後に起きたイラク戦争において、日本の自衛隊派遣が大きな話題となりましたので、その点について注意をしておく必要があるでしょう。先日8月31日にはアメリカのオバマ大統領が「イラク戦闘任務終了」を宣言しましたが、同じく対テロ戦争として起きたアフガニスタン戦争は今後継続することなどを踏まえ、戦争と平和についての考えなどを問われることも考えられます。これまでの資料を見返して、生徒さんそれぞれの考え方を固めておくことで備えとしましょう。
第19代内閣総理大臣に原敬が就任した背景、結果として日本初の本格的な政党内閣が誕生したこと、といった歴史的流れをまずおさえておく必要があります。その中でこの暗殺事件が起きた背景として、原内閣が財政的にゆきづまり、また党員の関係する汚職事件が続発したこと、そして暗殺事件の後は、それまでの原敬が卓越した政治力を有していたために、政党政治そのものがバランスを失って行くといった前後の変化の内容についても固めておきましょう。
時事問題としてではなく、太平洋戦争が現代史の極めて重要なテーマであることは言うまでもありません。2011年が開戦から70年にあたるという事実を十分に踏まえたうえで、内容については、時事問題としての扱いではなく、現代史重要テーマの演習として徹底的に固めて下さい。注意するとすれば「終戦」ではなく「開戦」から70年ですので、日本が開戦に至った経緯は十分におさえる必要があるでしょう。
中学校が入試問題に時事問題を取り上げる狙いが「生徒さんが日々のニュースにどれだけ関心を持ち、そのニュースをどれだけ正確に整理し、主体的な意見をどこまで論理的に組み立てているかを確かめる」ことにあることは、このメルマガでも何度か繰り返してきました。その年に起きたことだけでなく、過去に起きた事件について触れ、その事件から後、何がどう変わったのかといった、歴史の変化を見る目を培うためにも「周年に関する問題」には十分に注意をして下さい。
われわれ中学受験鉄人会のプロ家庭教師は、常に100%合格を胸に日々研鑽しております。ぜひ、大切なお子さんの合格の為にプロ家庭教師をご指名ください。
頑張っている中学受験生のみなさんが、志望中学に合格することだけを考えて、一通一通、魂を込めて書いています。ぜひご登録ください!メールアドレスの入力のみで無料でご登録頂けます!