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来年2017年度中学入試の国語で出題されそうな物語文の作品を、ベストテン形式で選びました。対象は2015年8月から2016年7月末までに出版された書籍です。ぜひ参考にしてください。
1位は市川朔久子の作品です。名作『よるの美容院』に始まり、『紙コップのオリオン』そして昨年度の『ABC!曙第二中学校放送部』と、どの作品も中学入試で出題されてきた筆者の新作は、それぞれに心の傷を負った人々が、お互いに交流をすることで少しずつ再生していく姿が描かれる、ひと夏の物語です。つむぎだされる言葉の数々は、シンプルでありながら、その意味が強く伝わってくるものばかりです。大人が読んでも心が揺り動かされる傑作です。
2位の作品は、ある少年が保育園を卒業してから中学を卒業するまでの過程を軸に、家族や身の回りの人々のエピソードがつづられた連作短編集です。親子のぶつかり合いや、部活でのもめごとなど、どこにでも起こりがちな出来事が書かれています。互いに相手を思いやる気持ちなど、理解しておきたい心情が満載です。
3位は児童書のコーナーに置かれている作品ですが、読者の対象は児童より少し上な印象です。3人の少年たちの出会いと別れ、成長が描かれているのですが、キャラクターがしっかり際立っているので、読みやすく、だからこそ心情がストレートに伝わってきます。思いが伝わらない傷みなどもかき込まれています。講談社児童文学新人賞受賞作です。
4位の作品は、兄弟を亡くしたことからネット依存になっていた主人公(小5)が、タイトルの通り、携帯電話もつながらない、祖母の住む田舎に滞在する間に、様々な人物との触れ合いの中で成長していく物語です。タイトルや表紙はいかにも児童書ですが、主人公が悲しみを乗り越えて再生していく姿に胸を打たれます。筆者の高森美由紀の2年前の作品『いっしょにアんべ!』も名作で、サピックスオープンで出題されていました。
5位は一昨年に『願いながら、祈りながら』が多くの学校で出題された乾ルカの作品です。少年と老人が二人旅をしながら、お互いの理解を深めて行く物語で、場末の歓楽街など、大人の雰囲気が漂う箇所がいくつかありますが、そこに出てくる人物たちが少年に向けて発するメッセージが深く心に刻まれます。
6位はなぎなた部といった珍しい部活動を舞台にしていますが、内容は純粋な部活青春物語です。主人公と部員たちとの会話が生き生きとしていて、それぞれのキャラクターの魅力がわかりやすいです。長編ではありますが、試合や練習といった場面が豊富にありますので、中学入試問題として出題しやすい対象になっています。
7位は近年、出題対象になることの多い駅伝を扱った物語ですが、都道府県対抗ということで様々な世代の交流があることが特徴的です。中学受験で頻出作家の一人である筆者が描くキャラクターはさわやかで、笑いも盛り込まれています。それぞれの走者の表情が丁寧に描かれているので、出題もされやすいかと思われます。
8位の作品も7位と同様に駅伝を扱っています。同じく額賀澪の作品では、昨年は『ヒトリコ』『屋上のウインドノーツ』の2つが多くの学校で出題されました。この作品は高校生向け課題図書に指定されている通り、大学進学など小学生にとって身近ではない場面も多いですが、それでも心象風景の描かれ方は、中学入試の出題対象になりうるものと思われます。料理研究会の女子が料理を始めたきっかけなど、名場面が数多くあります。
9位の有川浩の作品は主人公の現在と過去が交差する構成になっています。全体的には大人向けの小説ですが、家族の絆をメインテーマとしながら、主人公と友人との関係も魅力的に描かれています。物語の終盤で主人公の父が亡くなった後の学校での場面は、身近な人物を亡くした悲しみと、友人関係といった要素が凝縮された、感涙必至の名場面です。
10位は昨年『サラバ!』で直木賞を受賞した西加奈子の作品です。主人公の少年が転校してきた不思議な女子を意識するところなどは出題の対象になる可能性があります。物語全体はファンタジーの様相も呈していて児童向けではないですが、中学校の先生の中にも西加奈子のファンが多いとも思われ、今回のベストテンに欠かせない作品となりました。
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