入試で狙われそうな今月の理科時事問題(南極の海氷が最小に、ブラックホールの撮影、アホウドリ移住計画成功?、奄美群島が国立公園に)

今月は、“南極の海氷が最小に”と“ブラックホールの撮影”および“アホウドリ移住計画成功?”そして“奄美群島が国立公園に”について取り上げてみました。

<南極の海氷が最小に>

米国航空宇宙局(NASA)は3月22日、南極周辺の海氷面積が1979年の観測開始以来最小になったと発表しました。海氷の面積が過去最少だったのは1997年。その時より今年3月3日の観測では18万4000平方km少なくなり211万平方kmになっていました。これは北海道の面積約8万平方kmの2倍強の面積が減ったことになります。

『北極海の海氷面積も過去最小を記録』

世界気象機関(WMO)は今年2月、観測された北極海の氷の大きさが、1月としては、観測史上最小の1338万平方kmとなり、去年の最小記録を更に26万平方km更新したと発表していました。去年からの減少面積だけでも、およそ日本全土の3分の2に相当する広大な面積が減少したことになります。

WMOは南極、北極の海氷の減少は、温室効果ガスなどによって地球の平均気温が上昇していることが原因だと指摘しています。氷や雪は太陽からの熱や光を宇宙に反射することで地球の気温のバランスをとる役目の一端を担っていますが、そのバランスが崩れ、世界全体の気象に深刻な影響を及ぼす可能性がある」と述べています。

<ブラックホールの撮影>

目に見えない巨大ブラックホールを世界7か所にある電波望遠鏡で撮影する日米欧などによる国際共同研究が今月4月5日から始まります。天の川銀河の中心付近にある巨大ブラックホールを取り巻いている円盤状のガスを観測することで暗黒天体ブラックホールの正体を探ろうという研究が始まります。

私たちの地球は太陽という恒星の周りを回っていますが、その太陽は直径10万光年の天の川銀河の中心から26,000光年離れた所を回っています。宇宙には天の川銀河のような銀河が138億光年の観測できる範囲に約2兆個(NASA発表)存在していると言われています。その各々の銀河の中心には巨大ブラックホールがあると考えられています。そこで一番近くにある天の川銀河のブラックホールを観測することとなったのです。

『ブラックホールってなに?』

余りにも強い重力で空間が閉じてしまい、光でさえ外に出られない天体です。従って中からは何も出てこないので直接調べることは出来ません。ですから、周りに対する影響を観測や理論計算によって調べることで中身を研究するしかありません。
ブラックホールは超新星爆発で出来る太陽の10倍程度の重さのものから、銀河の中心にある太陽の100万〜数10億倍の重さを持つ巨大ブラックホールまでいろいろあります。
昨年2月のメールマガジンでご説明した“重力波の観測”の話で出てきたのは太陽の36倍と29倍の質量のブラックホールが衝突合体したため、地球で観測出来るような大きな重力波がおこったお話でした。このクラスの大きさのブラックホールは銀河のいたる所にあるようです。天の川銀河中心にある巨大ブラックホールは太陽の約400万倍の質量で直径は太陽の約17倍。重さに対し直径は非常に小さいですね。余りにもスケールが大きすぎて実感が涌きませんよね。

『どんな望遠鏡?』

強烈な重力の影響で、ブラックホールの周囲にあるガスが高速で回転しながら吸い込まれていくときに強い電波が放出されます。その電波を観測するための電波望遠鏡なのですが、日本などが南米のチリに設置した世界最高性のALMA電波望遠鏡や欧米や南極の電波望遠鏡7台を連結しで同時に観測することで、あたかも地球と同じ大きさの電波望遠鏡を作ったのと同様の性能を持った電波望遠鏡だそうです。その性能は月に置いた1円玉(38万km先の2㎝)を見分けられるとのことです。最初の画像は早ければ今年の夏にも発表されるかも知れません。どの様な結果が見られるか大変楽しみですね。

『はぐれ巨大ブラックホール?』

そんな巨大ブラックホールですが、ハッブル望遠鏡による研究で今年3月、太陽系から80億光年離れた銀河を撮影したところ、銀河の中央から3万5000光年離れた位置に巨大ブラックホールがあり、驚くことにこの巨大ブラックホールは、秒速2000kmを超える時速760万kmという超高速スピードで銀河の中心から遠ざかっていることが解りました。そしてなんと、2000万年後には銀河から飛び出してしまうと予測されているのです。これは銀河同士が衝突し、片方の巨大ブラックホールが弾き飛ばされた結果と推定されるそうです。

銀河同士は頻繁に衝突して大型銀河に成長してきましたので、巨大ブラックホールは銀河中心だけでなく、星もガスもない銀河間の暗闇の空間に意外に数多く潜んでいるかも知れませんね。

<アホウドリ移住計画成功?>

翼を広げると約2.2m体重4~5㎏で北半球最大の海鳥であるアホウドリ。かつて伊豆諸島や小笠原諸島など、日本各地の島々に数百万羽も生息していましたが、人を怖がらない性格も災いし、羽毛を取るための乱獲で一時絶滅したものと思われていました。
伊豆諸島の鳥島で生息が確認され、国の天然記念物で絶滅危惧種に指定され保護されています。ところが主な繁殖地である鳥島は噴火の危険があると判り、2008年から環境省と東京都、それに山階鳥類研究所などが、前代未聞の繁殖地の移住計画を進めてきました。鳥島から南に約350km離れた小笠原諸島の無人島の聟島(むこじま)に新たな繁殖地を作る計画です。営巣地を整備し、人工飼育されたヒナを移住させました。その親鳥から3年前に産まれたヒナが、今年3月親が巣立った島に成長した姿で帰ってきました。識別用に付けてあった足環により初めて確認されたのです。「むこじま」が新たな繁殖地として定着が進んでいることを示す成果だと移住計画の研究者は期待しています。

<奄美群島が34番目の国立公園に>

環境省は3月7日、国内最大規模の亜熱帯照葉樹林が広がり、アマミノクロウサギなど貴重な生き物が生息する、鹿児島県の奄美群島を国内34番目の新たな国立公園に指定しました。
政府が来年奄美群島の奄美大島と徳之島を世界自然遺産への登録を目指しているので、登録への条件である厳格な自然保護を行うため、環境省は、奄美群島を国立公園に指定したのだそうです。

『アマミノクロウサギ』

原始的な形態を保っている奄美大島と徳之島にのみ生息している貴重な種なので、特別天然記念物に指定され、絶滅危惧種にもなっています。かつてハブを駆除するために放したマングースや野犬や野猫による捕食で急激に生息数が減少した。

『天然記念物』

鹿児島県鳥であるルリカケス、絶滅危惧種の鳥類のオーストンオオアカゲラ、オオトラツグミ、アカヒゲ、動物ではケナガネズミ、ジュゴンなどが生息している。

『日本の国立公園』

1934年3月法律によって瀬戸内海国立公園、雲仙国立公園、霧島国立公園の3か所が初めて指定され同年12月に阿寒、大雪、日光、中部山岳、阿蘇くじゅう国立公園が指定されました。以外にも富士箱根伊豆国立公園は1936年の第3番目のグループで指定されています。ちなみに、世界初の国立公園は. 1872年(明治5年)に米国のイエローストーン国立公園が指定されています。

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