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第11回は『仕事算』です。仕事算は、大きく2通りあります。1つ目は、ある仕事の全体量を1として各人の仕事量を比で表して考える問題(例題2,3)。2つ目は、各人の仕事量を1として全体の仕事量を表して考える問題(例題4)です。
また、全体量が増加しつつ、減少していく問題(ニュートン算)も学習します。なお、メルマガでは、分数は、分子/分母の形で表します。
仕事算は、ある程度パターン的な問題ですので、例題をしっかり理解して、解けるよう学習しましょう。
ニュートン算は、例題の順にレベルが上がっています。順に確実な理解を心がけて進めましょう。
実際の仕事量がわかっている問題です。ここで、仕事算の仕組みを学習します。
Aは、30÷3=10 より、1時間に10個の荷物を運びます。Bは、32÷4=8 より、1時間に8個の荷物を運びます。2人で運びますから、1時間に10+8=18個の荷物を運ぶことができますので、90÷18=5 より、5時間かかります。
仕事算の基本的な解法の流れは、次のようになります。
1. まず、仕事の全体量を1として、比を利用して各人の1日や1時間あたりの仕事量を求めます。
2. 次に、この比を利用して、仕事の全体量を新たに作る、というものです。
そして、この2つの数値を利用して、質問に答えていくという手順です。
基本的な仕事算です。まず、仕事の全体量を1とします。A 1人で20日かけてこの仕事をしますので、Aは1日で、1÷20=1/20の仕事をします(1日の仕事量)。同様に、B 1人で30日かけてこの仕事をしますので、Bの1日の仕事量は,1÷30=1/30です。
このことから、1日あたりの仕事量の比は、A:B=1/20:1/30=3:2となります。この比の数値を利用して、仕事の全体量を作り直します。A 1人で20日かかるので、仕事の全体量は新たに、3×20日=60とします (当然にBでも2×30日=60) 。ここまでが準備です。
(1) AとBの2人がいっしょに仕事をすると、1日に3+2=5の仕事ができます。よって、60÷5=12より、2人ですると、仕事を終えるまでに12日かかります。
(2) はじめに、Aが8日しますので、3×8=24の仕事量が終わりました。残りの仕事量は60-24=36で、これをBは、36÷2=18より、18日間かかります。
前問と同様の問題です。準備として、1日の仕事量の比 A:(A+B)=1/24:1/15=5:8より、1日の仕事量をAが5とすると、Bは8-5=3、そして、全体の仕事量は、Aの1日の仕事量から計算して、5×24=120となります。
(1) 120÷3=40より、Bが1人でこの仕事をすると40日かかります。
(2) Aがa日間仕事をすると、5×aの仕事量、Bがb日間仕事をすると、3×bの仕事量、2人合わせて、a+b=28日間で、5×a+3×b=120の仕事をすることになります。日数(かける数量)の合計が与えられ、仕事量(積=かけ算の答え)の合計が与えられていますから、つるかめ算を使って解くことができます。Bが28日間仕事をしたことにすると、3×28=84の仕事ができます。
差である、120-84=36は、Bより1日に、5-3=2ずつ多く仕事ができるAがしたことで終了しました。よって、36÷2=18より、Aは18日仕事をしたことになります。
(3) 仕事を休む人がいる問題です。Aが8日休まなかったことにすると、全体で120+5×8=160の仕事をすることになります。この仕事量を、2人ですることに考えます。160÷8=20 より、20日です。
この仕事を休む人が含まれるパターンの出題はテストで頻出ですので、解き方をしっかり理解しておきましょう。
仕事の最小単位(基本的には、1人が1日にする仕事量)を1として、これをもとに、全体の仕事量(のべ量といいます)を表して考える問題を学習します。のべ算(帰一算ともいいます)を学習します。
のべ算の問題です。1人が1日にする仕事量を1とすると、12人が5日間でする仕事量は、1×12×5=60です。
(1) この仕事を15人でしますから、60÷(1×15)=4より、4日かかります。なお、はじめの設定である、1人1日の仕事量の1は、省略してもかまいません。つまり、人数×日数を全仕事量としてもよいです。
(2) 残りの仕事をする人数を□人とすると、4×3+□×8=60 となりますので、逆算して、□=(60-4×3)÷8=48÷8=6 より、残りの仕事は6人ですればよいことになります。
ニュートン算を学習します。増加する量と減少する量が同時におこる問題をニュートン算といいます。
増加(わき出す水)する量があるとともに、減少(ポンプでくみ出す)する量がある問題で、ニュートン算です。予習シリーズ126ページの解き方にある説明図を参照してください。
ニュートン算は、「(減少量-増加量)×時間=はじめの量」の形に整頓すると、考えやすくなります。なお、ここの減少量・増加量は時間単位1あたりの量を表します。
問題の300Lがはじめの量、毎分5Lのわき出す水が増加量、ポンプ1台で1分ごとにくみ出す量が減少量となります。
(1) ポンプ1台で1分ごとにくみ出す量を□Lとして整頓すると、(□-5)×30分=300Lとなります。逆算をして、300÷30+5=15より、ポンプ1台がくみ出す量は、毎分15Lです。
(2) ポンプ2台でくみ出す時間を□分として整頓すると、(15×2-5)×□分=300Lとなります。逆算をして、300÷25=12より、泉は12分で空(から)になります。
泉にたまっている量(はじめの量)と、わき出す水の量(増加量)が不明のニュートン算です。 増加量を毎分□Lとして、整頓すると、はじめの量=(8-□)×70=560-□×70、はじめの量=(12-□)×42=504-□×42、となります。
(1) はじめの量は同じですので、560-□×70=504-□×42 です。560と504の差は、(□×70)と(□×42)の差です。560-504=□×70-□×42=□×(70-42) となり、□=56÷28=2 より、わき出す水は、毎分2Lです。
(2) はじめの量を表す式の□に2を入れて計算すると、(8-2)×70=420 より、はじめ、泉にたまっていた水は420Lです。
入場開始時の行列の人数(はじめの量)と、入場口1か所で通過する人数(減少量)が不明のニュートン算です。(1か所の)減少量を○の数で表す(マルイチ計算)を利用して解いてみましょう。
入場口2か所のとき、はじめの量=(②-10)×14=㉘-140
入場口3か所のとき、はじめの量=(③-10)×8=㉔-80
(1) ㉘-140=㉔-80 となります。①=(140-80)÷(28-24)=60÷4=15 より、入場口1か所から入場する人数は、毎分15人の割合です。
(2) (1)の結果より、(15×2-10)×14=20×14=280 となりますので、入場開始時には、280人の行列ができていました。
ここでは、線分図を使わずに説明しましたが、ニュートン算では、線分図で内容を整頓するかどうかで、理解のしやすさが圧倒的に変わってきます。予習シリーズの図を参照して、自分でも図をかくようにしましょう。
第11回は『角柱と円柱』です。底面の形が円や三角形、四角形、などで、太さの変わらない柱のような立体である円柱、三角柱、四角柱などの立体について、学習します。用語、公式をきちんと覚えて、解けるようにしましょう。
公式の使用が中心ですので、きちんと覚えて、あとはトレーニングです。加えて、3.14の計算も工夫が必要です。また、展開図から組み立てた立体を考えることにもなれていきましょう。
角柱・円柱の性質を学習します。予習シリーズ100ページの説明をよく読みましょう。
角柱の面、辺、頂点の数を考えます。底面の図形をN角形としたN角柱を考えて、まとめておきます。
・面の数 上底面と下底面および、側面がN面ありますので、面の数は、(N+2)面です。
・辺の数 底面のN角形の辺の数はN本で、これが上底面、下底面2つにあり、また、この上下2つのN角形の頂点を結ぶ直線(高さにあたります)がN本ありますので、合計して、辺の数は、(N×3)本です。
・頂点の数 上底面、下底面のN角形にN個ずつありますので、合計して、頂点の数は、(N×2)個です。
(1) 上にまとめたように、五角柱では、面の数は、5+2=7つ、辺の数は、5×3=15本、頂点の数は、5×2=10個です。
(2) 辺の数が24ですから、24÷3=8 より、八角柱です。
角柱・円柱の体積と表面積について、学習します。予習シリーズ101ページから103ページまでの内容をきちんと読み、用語もふくめて、公式を覚えましょう。
角柱の体積と表面積を求める問題です。
(1) 底面が台形(四角形)である、四角柱の体積を求めます。公式 [体積=底面積×高さ]、底面である台形の面積は、(4+7)×4÷2=22平方cm、よって、高さの6cmをかけて、22×6=132 より、体積は、132立方cmです。
(2) 同じ四角柱の表面積を求めます。公式 [表面積=底面積×2+側面積] 、[側面積=底面のまわりの長さ×高さ]
底面積×2=22×2=44平方cm
側面積=(4+4+5+7)×6=120平方cm
よって、44+120=164 より、表面積は、164平方cmです。
円柱の体積と表面積を求める問題です。公式は、角柱の場合とまったく同じです。
(1) 体積を求めます。底面は半径4cmの円ですから、面積は、4×4×3.14=16×3.14平方cm、よって、高さの5cmをかけて、16×3.14×5=80×3.14=251.2 より、体積は、251.2立方cmです。
(2) 表面積を求めます。
底面積×2=16×3.14×2=32×3.14平方cm
側面積=円周×5=4×2×3.14×5=40×3.14平方cm
よって、(32+40)×3.14=72×3.14=226.08 より、表面積は、226.08平方cmです。
この問題での計算に注意してください。円に関係する数量、つまり円周率3.14のかけ算が入る計算では、3.14の計算はまとめて最後に計算するよう、心がけましょう。計算ミスをふせぐことができます。
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