No.1534 日能研5・4年生 第11回算数対策ポイント!

<算数 5年生 第11回>

 第11回のテーマは「速さ 速さと単位」です。今回は速さの導入です。「速さの定義を確認すること」「速さの単位を変えることができること」「速さ、道のり、時間の関係を捉えること」が目標となります。

 今回の学びは、この後で習う「進行グラフ」「旅人算」「通過算」、ひいては入試に関わってくる重要な内容です。速さの本質的な意味を理解して、公式やグラフに結び付けていけば、いっそう理解が深まります。今回はこれから始まる速さの学習の基礎を固めていきましょう。

【対策ポイント】

 「学び1」では速さを比べます。複数の速さを比べる場合、①同じ時間で、どれだけの道のりを進んだのかを比べる、②同じ道のりを進むのに、どれだけの時間がかかったのかを比べる、の2つの方法があります。

 242ページの「やってみよう!」を見てみましょう。クマさん、ネコさん、ゾウさんの速さを比べます。クマさんのネコさんは同じ10分でクマさんの方が進んだ道のりが長いため、クマさんの方が速いことになります。クマさんとゾウさんでは同じ1000mをクマさんの方が短い時間で歩いたため、クマさんの方が速いことになります。

 ネコさんとゾウさんは時間も道のりも違うため、正確に速さを比べることはできません。そこで時間をそろえて比べてみます。具体的には、ネコさんの時間を16分にしてみましょう。ネコさんは800mの道のりを10分で歩くため、80mの道のりを1分で歩くことになります。このことから、ネコさんは16分で80×16=1280m歩くことになります。

 したがって、同じ16分でネコさんの方が進んだ道のりが長いため、ネコさんの方が速いことになります。このように速さを比べるときは時間や道のりを同じにすると比べやすくなります。

 「学び2」は速さの定義について学びます。速さとは「単位時間あたりに進んだ道のり」のことをいいます。単位時間には1時間、1分、1秒などがあります。また道のりの単位はkm、m、cmなどがあります。

 例えば、242ページの「学び1」のクマさんの例では1000mの道のりを10分で歩いています。この場合、クマさんは1分あたり1000÷10=100m進んだことになります。このことを速さといい、分速100m(毎分100m、100m/分)と表します。

 次に同じ速さを、いろいろな単位で表す練習をしましょう。244ページの「やってみよう!」を説明します。秒速10mをいろいろな単位で表してみます。秒速10mの速さは「1秒で10m進む」ということです。常に速さの定義に戻って考えてみましょう。はじめに1分を考えてみます。1分は60秒ですから、同じ速さで進むと1分で10×60=600m進むことになります。このことを分速600mと表します。

 このことをもとに、1時間を考えてみます。1時間は60分ですから、同じ速さで進むと1時間で600×60=36000m進むことになります。このことを時速36000mと表します。また、道のりの単位をkmに変えると時速36kmとなります。このように速さの定義にしたがって考えれば同じ速さをいろいろな表し方で表現することができます。

 速さの問題では時間の単位をそろえて計算する場合がよくあります。このとき、「時間」から「分」に変える場合や「分」から「秒」に変える場合は計算しやすいのに対して、「秒」から「分」や「分」から「時間」に変える場合は計算しづらい場合があます。

 はじめに「時間」から「分」に変える方法を説明します。1時間は60分ですから、時間を分に変える場合は時間の数字を60倍します。例えば2時間2×60=120分です。同様にして「分」から「秒」に変える場合、1分は60秒ですから、分を秒に変える場合は分の数字を60倍します。例えば3分は3×60=180秒です。

 次に「秒」から「分」や「分」から「時間」をやってみます。「秒」から「分」にする方法を説明します。60秒は1分ですから、秒を分に変える場合は秒の数字を60分の1にします(60で割ります)。例えば15秒は15÷60=0.25分です。時間を小数で表すことにピンとこないかも知れませんが慣れましょう。

 また、10秒は10÷60=0.166…となります。これでは困ります。このような場合、10÷60=10/60=1/6(6分の1)分とします。こうすることでどのような場面でも使える形になります。同様にして「分」から「時間」に変える場合、60分は1時間ですから、分を時間に変える場合は分の数字を60分の1にします。例えば12分は12÷60=0.2時間です。20分は20÷60=20/60=1/3時間となります。

 「秒」から「分」や「分」から「時間」に変える場合、割り切れなければ分数で表せることを覚えておきましょう。「学び2」のまとめとして246ページの「学んだことを使う」をやってみましょう。

 「学び3」では速さ、道のり、時間の関係を学びます。はじめに速さとは単位時間あたりに進む道のりのことです。分速10mの速さは「1分間に10m進む」ことを表しています。したがって2分では10m/分×2分=20m進むことになります。このことから「速さ×時間=道のり」ということがわかります。

 また、50m進むには50m÷10m/分=5分かかることになります。このことから「道のり÷速さ=時間」ということがわかります。速さの計算をする場合は常に単位を意識し、速さ、道のり、時間の単位を合わせて計算するようにしましょう。また、計算の結果、出てきた数字の単位も考えましょう。あらためてまとめると速さ、道のり、時間の関係は以下のようになります。

速さ=道のり÷時間
道のり=速さ×時間
時間=道のり÷速さ

 「学び3」の最後に250ページの「やってみよう!」をやってみましょう。

 演習としては252ページから254ページは必修です。254ページの問4、問5では単位に気をつけましょう。255ページの「自分の速さは…」もやってみましょう。速さの問題に取り組むときに、速さの感覚を持っていることはとても重要です。

 256ページ以降は問1~問4、問5~問8、問9~問12の範囲でだんだんと難易度が上がっていきます。それぞれの問いで文章中の条件や単位に注意しながら取り組みましょう。また、時間を表すときには分数をうまく使っていきましょう。特に256ページの問1、257ページの問2、問3、問4は必ず取り組みましょう。さらに257ページの問5、258ページの問9、259ページの問12にもチャレンジしてみましょう。

<算数 4年生 第11回>

 第11回のテーマは「文章題 線分図を使う ~和差算・分配算~」です。ここでは「線分図がかけること」「線分図を使えること」「線分図を操作すること」が目標になります。線分図は文章題にとどまらず、図形や速さの問題でも使います。受験生にとってなくてはならない道具です。

 線分図はかき方や表し方に工夫をすると使える形になります。それぞれの「学び」で習うポイントを意識しながら丁寧にかいていきましょう。線分図のかき方次第で問題がスムーズに解けるか否かが決まります。今回の学びを通して線分図の達人を目指しましょう!

【対策ポイント】

 「学び1」では2種類の線分図をかいてみます。線分図とは物の個数や金額、重さなどを線の長さで表したものです。個数であれば多いほど長くかき、少ないほど短くかきます。線分図にはその長さを表す数字をかき込みます。数字をかき込んだら、どこからどこまでがその数字が表す長さなのか示します。数字が何を表しているのか情報もかき込みましょう。かき込んだ線と線、線と情報などか重ならないようにかくように注意しましょう。フリーハンドでかけるのが理想ですが、初めは定規を使っても良いでしょう。

 線分図のかき方として、184ページを見てみましょう。例ではゆきやさんとさとるさんのおこづかいについての線分図が2種類かかれています。左側の線分図は2人のおこづかいを横に並べてかいたもので、全体の長さが2人のおこづかいの和になっています。線分図の左端から右端を結んで1400円とかき込みましょう。

 右側の線分図は2人のおこづかいを縦に並べてかいたもので、ゆきやさんの方がさとるさんよりも200円多いことがわかります。線分図を縦に並べてかく場合、必ず左側の端をそろえてかきましょう。さとるさんを基準にした場合、ゆきやさんの線分図の右側にはみ出している部分に200円とかき込みましょう。

 このように横に並べた線分図では2人のおこづかいの「和」がとらえやすくなり、縦に並べた線分図では2人のおこづかいの「差」がとらえやすくなります。

 「学び2」では実際に線分図を使って問題を解いてみます。186ページのちとせあめをひろしさんとたけしさんで分ける例を見てみましょう。50cmのちとせあめを2人で分けましたが、ひろしさんの方が6cm長かったようです。

 中段にある線分図を見てみましょう。線分図を見ると2人のちとせあめの長さの差が6cm、長さの和が50cmであることがわかります。線分図を縦に並べてかいた場合、和は中かっこをつけて横にかきます。はじめにたけしさんのちとせあめの長さを出してみましょう。ポイントは「線の長さを同じにする」ことです。

 はじめにたけしさんの線分図の線の長さにそろえる方法を説明します。ひろしさんの線分図の右側にはみ出している部分を取り除きます(指で6cmの部分を隠してみましょう)。するとたけしさんの線分図と同じ長さの線分図がひろしさんのところに現れます。これで線の長さが同じになりました。また、はみ出した6cmの部分は取り除いたため、2人の長さの和は50-6=44cmとなります。

 ここまでできればもう少しです。2人の長さがたけしさんの長さにそろったため、2人の和の44cmを2で割ると22cmとなり、たけしさんのちとせあめの長さは22cmとなります。つまり、(2人の長さの和-2人の長さの差)÷2で短い方の長さ(たけしさんの長さ)が出ます。

 次に別の方法でひろしさんのちとせあめの長さを出してみましょう。再び線分図に戻りましょう。今度はたけしさんの線分図にある線の右側の足りない部分に6cmを付け足します(たけしさんの線分図の右側に6cmの線をかき込んでみましょう)。するとひろしさんの線分図と同じ長さの線分図がたけしさんのところに現れます。

 これで線の長さが同じになりました。また、6cmの部分は付け足したため、2人の長さの和は50+6=56cmとなります。2人の長さがひろしさんの長さにそろったため、2人の和の56cmを2で割ると28cmとなり、ひろしさんのちとせあめの長さは28cmとなります。つまり、(2人の長さの和+2人の長さの差)÷2で長い方の長さ(ひろしさんの長さ)が出ます。

 どちらの方法でやっても構いませんが、両方ともできるようにしましょう。

 「学び3」では3種類以上の量の関係を線分図で表して問題を解いていきます。3種類以上の量を比較する場合、「どの量とどの量を比較しているのか」に注意を払いましょう。

 188ページの例で説明します。「やってみよう!」にある線分図を完成させます。はじめに「4年生は5年生より8人多い」とあるため、4年生の線を8人分長くかきます。また、「5年生は6年生より11人多い」とあるため、5年生の線を11人分長くかきます。そして4年生、5年生、6年生の人数の合計は210人のため、これを中かっこを使って右側にかきます。

 これで線分図は出来上がりです。6年生の人数を出してみましょう。4年生、5年生、6年生の線の長さを6年生にそろえます。4年生は6年生よりも11+8=19人多いため、この部分を取り除きます。5年生は6年生よりも11人多いため、この部分を取り除きます。そして4年生、5年生、6年生の人数の合計も210-(19+11)=180人となります。

 3つの線の長さが6年生にそろいましたから、6年生の人数は180÷3=60人となります。このように3種類以上の量の関係も2種類の時と同じように長さをそろえれば簡単に解くことができます。4年生や5年生に長さをそろえた方法もやってみましょう。

※「学び4」は「ステージⅢ・本科教室答え4年」に掲載されている線分図を参照しながらお読みください

 「学び4」ではやりとりの様子を線分図で考えてみます189ページの例で説明します。「やってみよう!」にある線分図を完成させます。はじめにみきさんの払った3人分の交通費は780×3=2340円となります。これを線分図にかき込みます。

 次によしこさんの払った3人分の昼食代の3300円を線分図にかき込みます。さらにらんさんの払った3人分の入場料は2500×3=7500円となります。これを線分図にかき込みます。3人の使ったお金の合計金額は2340+3300+7500=13140円となります。また、3人の使ったお金の平均金額は13140÷3=4380円となります。

 再び線分図に戻りましょう。全員が同じ金額を払ったことになるように、3人のお金のやり取りを考えます。3人の線分図に平均の4380円を表す線をかき込みます。みきさん(2340円)よりも右側、よしこさん(3300円)よりも右側、らんさん(7500円)よりも左側に4380円の線をかき込みます(縦に上から下までまっすぐに線をかくイメージです)。こうすると、たくさん払っているのはらんさんで、みきさんとよしこさんはらんさんにお金を払わなければならないことがわかります。

 具体的にはみきさんが使ったお金は2340円ですから、平均の4380円には4380-2340=2040円足りません。この金額をらんさんに払います。同じようによしこさんが使ったお金は3300円ですから、平均の4380円には4380-3300=1080円足りません。この金額をらんさんに払います。したがって、らんさんはみきさん、よしこさんの2人から2040+1080=3120円もらうことになります。線分図で確認すると、らんさんの線分図は平均の4380円よりも7500-4380=3120円はみ出していることがわかります。このやりとりの線分図は入試においてもとても重要です。必ずかけるようにしましょう。

 演習としては190ページから191ページは必修です。191ページの問4、問5はやりとりの問題です。やりとりの問題の場合には、渡したお金ともらったお金が等しいことに注目して線分図に表していきましょう。この後、192ページから193ページの問は問題文の条件から新しい情報を作り出したり、複数の可能性を調べたりと、どれも一段階難しくなっています。「学び1」「学び2」の内容が定着していない場合はもう一度、190ページから191ページの問に取り組みましょう。

 192ページの問2は「AがCに200円渡すと、AとCの所持金が等しくなります」の部分の考え方がポイントとなります。線分図に表して考えてみましょう。193ページの問3は線分図をかいていくつかの可能性を探っていきましょう。

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