No.1578 日能研6・5年生 第23回算数対策ポイント!

<算数 6年生 第23回>

 第23回のテーマは「場合の数 法則と調査」です。今回の内容は「樹形図と計算式の関連付け」「組み合わせの計算式」「和の法則で道順を考える」「和と積の組み合わせ」です。この単元では場合の数と計算について考えていきます。

 場合の数を考えるときの基本姿勢は表や樹形図に表すことです。その上で、条件を満たしたときだけに効率の良い計算方法が存在します。場合の数を求めるときに計算を使えるかどうかの判断がつけば、今回の目標は達成できたといってよいでしょう。効率の良さだけを優先して誤答を招くことはよくあります。まずはかいて調べてみることが重要です。

 場合の数は図形や文章題と組み合わせて、難関校でも出題例が多い単元です。「書き出して考えること」「効率よく計算すること」を融合させてどのような問題も解決できるチカラをつけていきましょう。

【対策ポイント】

 「学び1」では樹形図と計算式を結びつけます。110ページを使って説明します。ここでは樹形図で表された場合の数を計算で求めていきます。

 「感じよう」の部分を上から順に見ていきます。1番上の樹形図は1、2と書かれた2枚のガードを使い2桁の整数を作る場合の数を求めるものです。10の位が1、2の2通り、そしてそのそれぞれに対して1の位が1通りあるため2×1=2通りとなります。樹形図の右側にある図とも照らし合わせてみましょう。

 2番目の 樹形図は1、2、3と書かれた3枚のガードを使い3桁の整数を作る場合の数を求めるものです。100の位が1、2、3の3通り、そしてそのそれぞれに対して10の位が2通りあります。さらに10の位の2通りに対してそれぞれ1の位が1通りあるため3×2×1=6通りとなります。

 3番目の樹形図も同じように考えて4×3×2×1=24通りとなります。このように樹形図において、ことがらAが起こる場合が○通り、そのそれぞれについてことがらBが起こる場合が算△通りあるとき、AとBが両方起こる場合の数は○×△通りあります(これを積の法則といいます)。

 樹形図を書いたときの枝(線)の本数に注目しましょう。前で説明した整数を作る例で見てみると、各位の1つひとつの数字から出る枝の本数が同じであればかけ算をしてすべての場合の数を求めることができます(例えば3枚のカードで3桁の整数を作る例では100の位の1、2、3それぞれの数字から出る枝の本数は2本です。また10の位のそれぞれから出る枝の本数は1本です。どこからも同じように枝が出ていることがポイントです)。

 次に111ページの「やってみよう!」を説明します。はじめに樹形図を書いてみましょう。樹形図を書くときには並べる順序が大切です。

 普通、数字は小さい順に並べていきます。1000の位には1、2、3の3通り並びます。0(ゼロ)は1000の位には使えないことに注意しましょう。100の位には0を含めて1000の位では使わなかった数字が並ぶため3通りとなります。10の位には0を含めて100の位では使わなかった数字が並ぶため2通りとなります。1の位には0を含めて10の位では使わなかった数字が並ぶため1通りとなります。

 このことから4枚のカードを並べて4桁の整数を作るとき、作ることができる整数は3×3×2×1=18通りとなります。

 次に112ページの「やってみよう!」を説明します。ここでは積の法則が使えない例を考えます。樹形図を書く前にこの問題がこれまでの問題と異なる点を挙げておきます。それは2のカードが2枚あることです。このことによって枝の本数がどのように変わるのかに注目して、樹形図を書いてみましょう。

 100の位には1、2、3の3通り並びます。10の位には0を含めて100の位では使わなかった数字が並びます。したがって100の位が1のとき10の位には0、2、3の3通りとなります。100の位が2とき10の位には0、1、2、3の4通りとなります(2のカードは2枚あることに注意しましょう)。100の位が3のとき10の位には0、1、2の3通りとなります。

 この例のように100の位に並べた1、2、3の3つの数字から出る枝の本数が3本、4本、3本と異なるときには積の法則は使えません。1の位を考えるときにも2のカードに注意しながら樹形図を完成させてみましょう。

 これまでの説明のように、各位の1つひとつの数字から出る枝の本数が同じであればかけ算をしてすべての場合の数を求めることができます。したがって、各位の数字から出る枝の本数を比べた場合、1つでも違った本数があれば、積の法則は使えないことになります。初めは樹形図をある程度まで書き、調べたうえで積の法則が使えかどうか判断しましょう。

 続いて113ページの「やってみよう!」を説明します。ここでは倍数を作るときの場合の数の考え方について説明します。

①3の倍数を作ります。2の倍数や5の倍数を作るときのちがいは何でしょうか。

 2の倍数は1の位が0、2、4、6、8です。5の倍数は1の位が0、5です。いずれも1の位の数だけに注目します。3の倍数は各位の数の和が3の倍数であれば3の倍数となります。したがってこの問題では「0、1、2」「0、2、4」「1、2、3」「2、3、4」のカードを使って3桁の整数を作ると3の倍数となることがわかります。

②3の倍数を作るための方針を立てましょう。そして、その方針で何通りあるのかを求めましょう。

 3の倍数が何通りあるのかを求める問題の場合、すべての場合の数を調べてその中から3の倍数を探す方法もあります。ここでは①で説明したように使えるカードの組み合わせを決めて場合の数を求めていきます。

・「0、1、2」のカードを使うとき(0は100の位に使えないことに注意しましょう)
 樹形図を書くと100の位には1、2の2通り、10の位にはそれぞれ2通り、1の位にはそれぞれ1通りとなります。したがって、2×2×1=4通りとなります。

・「0、2、4」のカードを使うとき
 「0、1、2」のカードを使うときと同様で4通りとなります。

・「1、2、3」のカードを使うとき
 樹形図を書くと100の位には1、2、3の3通り、10の位にはそれぞれ2通り、1の位にはそれぞれ1通りとなります。したがって、3×2×1=6通りとなります。

・「2、3、4」のカードを使うとき
 「1、2、3」のカードを使うときと同様で6通りとなります。

 これらのことから0、1、2、3、4の5枚のカードから3枚のカードを使って3の倍数を作るときの場合の数は全部で4+4+6+6=20通りとなります。

③自由に「○○の倍数を作る」という設定をし、どのような方針が立てられるのか考えてみましょう。

 例えば9の倍数を考えてみましょう。9の倍数は各位の数の和が9の倍数であれば9の倍数となります。したがってこの問題では「2、3、4」のカードを使うと9の倍数となることがわかります。したがって、②で考えたように6通りとなります。

 「学び2」では組み合わせの計算式を考えていきます。114ページの「やってみよう!」を見てみましょう。Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさん、Fさんの6人の中から、掃除当番を2人選びます。2人選ぶ場合の数を「学び1」で学んだ方法で計算すると6×5=30通りとなります。

 しかし、この問題の場合、AさんとBさんを選ぶのとBさんとAさんを選ぶのは同じことのため、1通りと考えます。このように選ぶ順番を考えない場合の数を「組み合わせ」といいます。この問題では同じ組み合わせを2回数えている(重複して数えている)ため、6人の中から2人選ぶ場合の数は30÷2=15通りとなります。

 次に3人の掃除当番を選ぶ場合を考えます。3人選ぶ場合の数を「学び1」で学んだ方法で計算すると6×5×4=120通りとなります。次に重複して数えている場合の数が何通りか調べてみます。AさんとBさんとCさんを選ぶのと同じになる場合の数は、(A-B-C)(A-C-B) (B-A-C)(B-C-A)(C-A-B)(C-B-A)の6通りとなります。

 これはAさんとBさんとCさんの3人を1列に並べる場合の数と同じで、3×2×1=6通りと考えることができます。

 同じ組み合わせを6回数えているため、6人の中から3人選ぶ場合の数は120÷6=20通りとなります。

 同じようにして4人の掃除当番を選ぶときに重複して数えている場合の数が何通りか調べてみます。6人から4人選ぶ場合の数を計算すると6×5×4×3=360通りとなり、重複して数えている場合の数は、AさんとBさんとCさんとDさんの4人を1列に並べる場合の数と同じく4×3×2×1=24通りとなることから、同じ組み合わせを24回数えていることになります。

 よって、6人の中から4人選ぶ場合の数は360÷24=15通りとなります。

 「組み合わせ」の場合の数を調べるときは「学び1」で学んだ方法を使いすべての場合の数を調べて、それを重複して数えている場合の数で割ると効率よく求めることができます。

 「学び3」では和の法則で道順を考えていきます。116ページの「やってみよう!」を見てみましょう。図のAからBまで遠回りをせずに行く道順が何通りあるのかを考えます。遠回りしないということは図の右側か、上側に進むことを意味します。

①Aからオまで行く道順は何通りあるでしょうか。

 Aからアまで行く道順は1通り、Aからイまで行く道順は1通りのためアとイのところに数字の1を書き込みましょう。オに行く方法はアから行く場合とイから行く場合があります。Aからアまで行く道順は1通り、Aからイまで行く道順は1通りのため、Aからオに行く道順は1+1=2通りとなります。

 このように道順を考えるときには1つ手前の地点までの行き方が何通りあるのかを考えて、和の法則を使うと分かりやすくなります。

②Aからカまで行く道順は何通りあるでしょうか。

 Aからイまで行く道順は1通りです。Aからウに行くためにはイを通って行くことしかできないため、1通りとなります(ウのところに1と書き込みましょう)。Aからオまで行く道順は2通り、Aからウまで行く道順は1通りのため、Aからカに行く道順は2+1=3通りとなります。

③ AからBまで行く道順は何通りあるでしょうか。

 ②の続きを書いてみましょう。Aからウまで行く道順は1通りです。Aからエに行くためにはウを通って行くことしかできないため、1通りとなります(エのところに1と書き込みましょう)。Aからカまで行く道順は3通り、Aからウまで行く道順は1通りのため、Aからカに行く道順は3+1=4通りとなります。

 このように、道順を求める問題では到着する地点の1つ手前の地点に到着する方法が何通りあるのかを考え、その値の和を求めることで抜けもれなく数えることができます。この考え方を使って117ページの「学んだことを使う」をやってみましょう。

 次に条件がある道順の問題を解いてみましょう。118ページの「やってみよう!」を見てみましょう。途中のC点を通ってAからBまで行く道順の場合の数を求めます。

 ここでは、AからCまで行く場合の数とCからBまで行く場合の数を求め、積の法則を使って考えていきます。116ページの「やってみよう!」の考え方を使うと AからCまで行く場合の数は10通り、CからBまで行く場合の数は2通りとなります。したがって、途中のC点を通ってAからBまで行く道順の場合の数は10×2=20通りとなります。

 また、途中のC点を通らずにAからBまで行く道順の場合の数は、AからBまで行く道順の場合の数を求めて、そこから途中のC点を通ってAからBまで行く道順の場合の数を引くことによって求めることができます。実際に解いてみましょう。

 「学び4」では和と積の組み合わせについて考えていきます。119ページの問いを見てみましょう。この問いの内容を式にすると119ページの1番下にも説明がある通り、5×x+7×y=140となります。この式を満たすx、yの組み合わせを考えていきます。

 120ページの表を使って調べていきましょう。はじめにx、yの組みを1つ探してみましょう。xやyのどちらかが0(ゼロ)の場合を考えてみます。ここではy=0の場合を考えてみます。Y=0の場合、5×x+7×0=140となることから、x=28となります。表のxの欄に28、yの欄に0を書き込みましょう。

 次にxの値を28から減らしていき、式が成り立つ場合を探します。すると2つ目の組み合わせはx=21のときy=5となります(この値も表に書き込みましょう)。

 数値の差に注目するとxが7減って、yが5増えていることがわかります。これはxの値が7減ると5×x の値は5×7=35減り、yの値が5増えると7×y の値は7×5=35増えるため合計の140は変わらないためです。このことを使うと3つ目の組み合わせはx=14のときy=10、4つ目の組み合わせはx=7のときy=15、5つ目の組み合わせはx=0のときy=20となり、これ以上ないことがわかります。

 このように和と積の組み合わせの問題では、初めにどちらかが0(0で式が成立しない場合はなるべく少ない数)の場合を考え、あてはまる組み合わせを求めます。そして、次の組み合わせを探し、式の性質もあわせて規則性を見つけていきます。

 ここでも「小さい方から順に調べる」「表に書き出す」という場合の数では最も重要な考え方を使います。121ページの「学んだことを使う」では1枚あたりの金額が高い100円を4枚使う場合から調べていくとよいでしょう。

 演習としては122ページから123ページは必修です。「学び1」~「学び4」で学んだ方法を使うことができるか確認しておきましょう。125ページの問1は樹形図と計算をうまく使って解きましょう。126ページ問2は「3色をすべて使ってぬり分ける」の条件に注意して考ええましょう。問4は斜めに作ることができる正方形に注目しましょう。

 127ページの問5は書いて調べてみて、規則性を見つけてみましょう。130ページ問13は「学び3」で学んだ和の法則を使います。131ページ問15は「学び4}で学んだ和と積の組み合わせの考え方を使います。

 たくさんの演習問題がありますが、基本を定着したい場合は122~123ページを、入試レベルで実力を試したい場合は125ページから131ページの指定した問題に取り組んでみましょう。

<算数 5年生 第23回>

 第23回のテーマは「数と計算 分数の計算1 ~たし算・ひき算~」です。今回の内容は「分母が異なる分数のたし算・ひき算」「小数を分数で表す」「分数を小数で表す」です。前回学んだ倍分・約分の考え方や、分数の計算問題においての繰上りや繰り下がりの考え方も使います。第22回の内容も確認しておきましょう。

 今回は計算の操作が中心となります。丁寧に書いていくと計算ミスが減るばかりか、計算効率も上がり、スピードアップします。通分・約分では斜線で数字を消して、新たな数字を横に書き出したりという当たり前の作業ができるとよいでしょう。また、小数から分数の変換は意外と使えないことが多い操作です。普段から意識することで使えるようにしましょう。

【対策ポイント】

 「学び1」では通分について学びます。分数どうしを比べる場合、分母が違うと比べづらいことがあります。例えば5分の3と7分の4はどちらが大きいでしょうか。また5分の3と7分の4をたすとどうなるでしょうか。

 このような時に分母の大きさをそろえると考えやすくなります。分母が異なる分数を、分母が同じ分数にそろえる操作のことを「通分」といいます。5分の3と7分の4を比べる場合、分母の数を分母の5と7の最小公倍数の35にそろえていきます。倍分の考え方を使うと5分の3は分子と分母を7倍して35分の21となります。7分の4は35分の20となります。分母がそろっているため分子の21と20を比べて、35分の21の方が大きい(つまり5分の3の方が大きい)ことがわかります。

 このように通分の考え方を使いと、大小関係がわかりやすくなります。

 「学び2」では分母が異なる分数のたし算・ひき算について学びます。分母が異なる分数のたし算・ひき算では通分して分母をそろえてから計算します。

 91ページのたし算の例を見てみましょう。2分の1と5分の3の分母は2と5で異なるため、最小公倍数の10にそろえます。分母を10にそろえると2分の1は10分の5に、5分の3は10分の6になります。分子だけをたすと10分の11となります。最後に繰り上げの考え方を使って、1と10分の1としましょう。

 91ページの「やってみよう!」では分母が異なる分数のたし算の様子が図で表されています。理解を深めるためにも計算と照らし合わせて確認をしておきましょう。

 次に92ページのはひき算の例を見てみましょう。ここでも通分や繰り下がりを使って解いていきます。分数の計算問題では答えが約分できるときには、既約分数にして答えるという約束があります。計算問題の答えは必ず「約分」しましょう。

 「学び3」では小数と分数を行き来します。93ページを見てみましょう。0.1も10分の1も1を10個に分けたうちの1つ分です。したがって0.1=10分の1となります。同様に0.01=100分の1、0.001=1000分の1、…となります。例えば0.5は10分の1が5個集まった数のため、10分の5と表すことができます。10分の5は約分して2分の1としましょう。93ページの0.25を分数にする方法も確認しておきましょう。

 次に94ページを見てみましょう。わり算と分数にはA÷B=B分のAという関係があります。とても重要な式のため必ず覚えましょう。このことを使うと3÷5=5分の3となります。このようにわり算を分数で表すとひっ算をしなくても答えを求めることができます。

 さらに1÷3=3分の1となります。1÷3をひっ算を使って小数で求めると0.33333…となり、割り切れない数となります。このようにわり算を分数で表すことで割り切れない数を表すことができます。わり算を分数に表す操作を使うと、計算のスピードが上がったり、効率よく問題が解けたりすることが多いため活用していくとよいでしょう。

 演習としては96ページから97ページは必修です。97ページの問5は「学び3」で学んだわり算を分数で表す方法を使って考えましょう。問6は通分して分数どうしで比べる方法と分数を小数になおして考える方法を試してみましょう。99ページの問1は計算の順序に注意しましょう。100ページの問3は問題の条件に合わせて通分して考えましょう。

 101ページ問7は入試問題にもよく見られる規則性の問題です。数字の並びをよく見てきまりを見つけてみましょう。問8は約分すると10分の9になることからA=10、B=9として実際に計算して調べていくとよいでしょう。余裕があれば102ページ、103ページの問題にも取り組んでみましょう。

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