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第36回のテーマは「速さ 通過算•時計算•流水算」です。今回は「長さのある列車の動き」「時計の針の動き」「川を往来する船の動き」について扱います。通過算、時計算、流水算ともに入試によく出る単元です。
注目しなければならない視点や速さのとらえ方は多少変わりますが、速さの問題と同じように考えていきます。このため、速さの基本(道のり、速さ、時間の関係)や旅人算の考え方はとても重要となります。その上で必要に応じて、グラフや線分図を書きながら丁寧に調べ上げていくとよいでしょう。
特別な状況での速さの問題のため慣れも必要となります。十分に演習を積んでいきましょう。
「学び1」では流水算について学びます。流水算とはボートや船で川を上ったり下ったりする速さの問題のことです。流水算のポイントは川の流れの影響で上りと下りで速さが変わることです。速さには「静水時の速さ」「上りの速さ」「下りの速さ」「流れの速さ」があります。
静水時の速さとは流れがない時の速さです。上りの速さとは川の流れに逆らって進むときの速さです。下りの速さとは川の流れに乗って進むときの速さです。流れの速さとは、川に木の葉を浮かべたときにその木の葉が流れていく速さです。453ページを見てみましょう。静水時の速さ、上りの速さ、下りの速さ、流れの速さの関係は次のようになります。
①上りの速さ=静水時の速さ-流れの速さ
②下りの速さ=静水時の速さ+流れの速さ
また、静水時の速さ、上りの速さ、下りの速さを線分図で表すと453ページにある線分図のようになります。ここで上りの速さと下りの速さの線分図に注目しましょう。上りの速さと下りの速さの差は流れの速さ2つ分です。このことから、線分図の下りの速さの「流れの速さ」の部分を上りの速さの右側に移動すると上りの速さと下りの速さの長さがそろい、1番上の静水時の速さと同じ長さになります。
つまり上りの速さと下りの速さの平均は静水時の速さとなります。このことを式に表すと次のようになります。
③静水時の速さ=(上りの速さ+下りの速さ)÷2
次に454ページの「やってみよう!」を考えてみましょう。静水時の速さ、上りの速さ、下りの速さ、流れの速さのうち、2つがわかっていると、残りの2つの速さを求めることができます。以下のように速さを決めて、実際に計算してみましょう。
●流れの速さ毎分40m、静水時毎分160mのとき
①より、上りの速さ=静水時の速さ-流れの速さ=160-40=毎分120m
②より、下りの速さ=静水時の速さ+流れの速さ=160+40=毎分200m
●流れの速さ毎分40m、上りの速さ毎分120mのとき
静水時の速さは①の式を使って逆算すると次のようになります。
静水時の速さ=上りの速さ+流れの速さ=120+40=毎分160m
②より、下りの速さ=静水時の速さ+流れの速さ=160+40=毎分200m
●流れの速さ毎分40m、下りの速さ毎分200m
静水時の速さは②の式を使って逆算すると次のようになります。
静水時の速さ=下りの速さ-流れの速さ=200-40=毎分160m
①より、上りの速さ=静水時の速さ-流れの速さ=160-40=毎分120m
●静水時の速さ毎分160m、上りの速さ毎分120m
流れの速さは①の式を使って逆算すると次のようになります。
流れの速さ=静水時の速さ-上りの速さ=160-120=毎分40m
②より、下りの速さ=静水時の速さ+流れの速さ=160+40=毎分200m
●静水時の速さ毎分160m、下りの速さ毎分200m
流れの速さは②の式を使って逆算すると次のようになります。
流れの速さ=下りの速さ-静水時の速さ=200-160=毎分40m
①より、上りの速さ=静水時の速さ-流れの速さ=160-40=毎分120m
●上りの速さ毎分120m、下りの速さ毎分200m
③より、静水時の速さ=(上りの速さ+下りの速さ)÷2=(120+200)÷2=毎分160m
流れの速さは①の式を使って逆算すると次のようになります。
流れの速さ=静水時の速さ-上りの速さ=160-120=毎分40m
「学び2」では通過算について学びます。通過算では幅のある列車の先頭に注目して考えていきます。456ページの「やってみよう!」について考えてみましょう。はじめに【問題1】です。一定の速さで進む列車が長さ400mのトンネルを25秒で通過する様子を図や式で表してみましょう。「通過する」とは列車の先頭がトンネルに入り始めてから、列車の最後部がトンネルから出る(先頭がトンネルからちょうど列車の長さだけはみ出す)までです。
このことを図で表してみましょう。真ん中に400mのトンネルを書きます。次に左から右に進む列車を書きましょう。はじめに列車の先頭がトンネルに入り始めるときを書きましょう。列車の先頭とトンネルの左端が接している図になります。
次に列車の最後部がトンネルから出るときを書きましょう。トンネルの右端と列車の最後部が接している図になり、列車の先頭はトンネルの右端から列車の長さだけはみ出したところにあります。このとき先頭に注目をすると、先頭はトンネルの長さと列車の長さの和の距離を進んだことがわかります。つまり列車は「トンネルの長さ(400m)+列車の長さ」を進むのに25秒かかったことがわかります。
同じように一定の速さで進む列車が長さ200mの鉄橋を15秒で通過する様子を図や式で表してみましょう。真ん中に200mの鉄橋を書きます。次に左から右に進む列車を書きましょう。
はじめに列車の先頭が鉄橋に入り始めるときを書きましょう。列車の先頭と鉄橋の左端が接している図になります。次に列車の最後部が鉄橋から出るときを書きましょう。鉄橋の右端と列車の最後部が接している図になり、列車の先頭は鉄橋の右端から列車の長さだけはみ出したところにあります。
このとき列車の先頭に注目をすると、先頭は鉄橋の長さと列車の長さの和の道のりを進んだことがわかります。つまり列車は「鉄橋の長さ(200m)+列車の長さ」を進むのに15秒かかったことがわかります。
列車がトンネルを通過する図と列車が鉄橋を通過する図を比べてみましょう。図や式で、列車の長さが共通していることと通過した時間に注目して、違いを考えると、列車はトンネルと鉄橋の長さの差200m(400-200=200m)を進むのに10秒(25-15=10秒)かかっていることがわかります。このことから、列車の速さは200÷10=毎秒20mとなります。
また、列車がンネルを通過するのにかかった時間が25秒であることから、トンネルの長さと列車の長さの和は20×25=500mとなります。トンネルの長さは400mであることから、列車の長さは500-400=100mとなります。
次に【問題2】です。一定の速さで進む長さ100mの列車がトンネルに入り始めてから完全にかくれるまで5秒かかった様子を図や式で表してみましょう。列車は左から右に向かって進むこととします。「完全にかくれる」とは列車の先頭がトンネルに入り始めてから、列車の最後部がトンネルの左端に接する(列車の先頭とトンネルの左端までの距離が列車の長さになる)までです。
このことを図で表してみましょう。真ん中にトンネルを書きます。次に左から右に進む列車を書きましょう。はじめに列車の先頭がトンネルに入り始めるときを書きましょう。列車の先頭とトンネルの左端が接している図になります。次に列車がトンネルに完全にかくれるときを書きましょう。列車の最後部とトンネルの左端が接している図になり、列車の先頭とトンネルの左端までの距離が列車の長さ(100m)となります。列車の先頭に注目してみると、列車は「列車の長さ(100m)」を通過するのに5秒かかったことがわかります。したがって列車の速さは、100÷5=秒速20mとなります。
同じように一定の速さで進む長さ100mの列車がトンネルに完全にかくれてから、列車の先頭が出るまでの様子を図や式で表してみましょう。真ん中にトンネルを書きます。次に左から右に進む列車を書きましょう。はじめに列車がトンネルに完全にかくれるときを書きましょう。列車の最後部とトンネルの左端が接している図になり、列車の先頭とトンネルの左端までの距離が列車の長さ(100m)となります。
次に列車の先頭がトンネルから出るときを書きましょう。列車の先頭とトンネルの右端が接している図になります。このとき先頭に注目をすると、先頭は鉄橋の長さと列車の長さの差の距離を進んだことがわかります。
つまり列車は「トンネルの長さ-列車の長さ」を進むのに20秒かかったことがわかります。このことから、トンネルの長さと列車の長さの差の距離は、20×20=400mとなります。トンネルの長さは、トンネルの長さと列車の長さの差に列車の長さを付け加えればよいため、400+100=500mとなります。
次に幅のある列車の出会いや追いこしについて考えてみましょう。457ページの【問題3】を見てみましょう。はじめに①です。列車A(秒速18m)と列車B(秒速12m)が向かい合って進みます。列車Aと列車Bが出会ってから離れるまでの時間を求めてみましょう。
「出会う」とは列車Aの先頭と列車Bの先頭がすれ違うときです。また「離れる」とは列車Aの最後部と列車Bの最後部がすれ違うときです。このことを図で表してみましょう。列車Aは左から右に、列車Bは右から左に動くことにします。出会うときの図は列車Aを左側に、列車Bを右側に書いて先頭どうしが接するようにします。
このとき、列車Aの先頭と列車Bの先頭は同じ位置にいて、反対方向に進んでいます。離れるときの図は列車Aを右側に列車Bを左側に書いて、最後部どうしが接するようにします。このとき、列車Aの先頭と列車Bの先頭は、列車Aの長さが120m、列車Bの長さが180mのため、120+180=300m離れています。
列車Aと列車Bの先頭に注目すると、列車Aと列車Bが出会ってから離れるまでに、同じ地点から同時に出発して反対方向に300m離れたことがわかります。このことから、列車AとBが出会ってから離れるまでの時間は旅人算の考え方を使って、300÷(18+12)=10秒であることがわかります。
次に②です。列車A(秒速18m)と列車B(秒速12m)が同じ方向に進みます。後ろから来た列車Aが列車Bに追いついてから離れるまでの時間を求めてみましょう。「追いつく」とは列車Aの先頭が列車Bの最後部に接するときです。また「離れる」とは列車Aの最後部が列車Bの先頭に接するときです。
このことを図で表してみましょう。列車A、列車Bは左から右に動くことにします。追いつくときの図は列車Aを左側に、列車Bを右側に書いて列車Aの先頭と列車Bの最後部が接するようにします。このとき、列車Aの先頭と列車Bの先頭は列車Bの長さ(180m)だけ離れていて、同じ方向に進んでいます。離れるときの図は列車Aを右側に列車Bを左側に書いて、列車Aの最後部が列車Bの先頭に接するようにします。
このとき、列車Aの先頭と列車Bの先頭は、列車Aの長さが(120m)だけ離れています。車Aと列車Bの先頭に注目すると、列車Aは180m先にいる列車Bを追いかけて、追いつき、その後180m離れたことがわかります。つまり、同じ方向に進んでいる列車Aは列車Bに追いついてから離れるまでに180+120=300m動いたことがわかります。このことから、列車Aが列車Bに追いついてから離れるまでの時間は、旅人算の考え方を使って、300÷(18-12)=50秒となります。
「学び3」では時計算について学びます。459ページのやってみようを見てみましょう。はじめに長針と短針の動く角度について確認します。長針は1時間(60分)で360度進みます。したがって1分あたり360÷60=6度動きます。また、短針は1時間(60分)で30度進みます。したがって1分あたり30÷60=0.5度進みます。
時計の針は同じ向きに進むため、長針が短針よりも後ろにいて、追いかけるときには、1分あたり6-0.5=5.5度、長針と短針のへだたりが小さくなります(同じ向きに進む旅人算と同じように考えましょう)。また、長針が短針と重なった後は、1分あたり5.5度、長針と短針のへだたりが大きくなります。
ここで、1時と2時の間で長針と短針が重なる時刻を求めてみましょう。時計算でははじめの時刻が大切です。ここでは1時です。1時のときの長針と短針の位置は長針が「12」を指していて、短針が「1」を指しています。「12」と「1」の間の角度は30度です。
長針が短針に追いつくのは、30度のへだたりが0(ゼロ)度になるときです。長針が短針を追いかけるときには、1分あたり5.5度、長針と短針のへだたりが小さくなることから、30度のへだたりが0度になるのにかかる時間は、30÷5.5=30÷11/2=30×2/11=60/11=5・5/11分となります。したがって、1時と2時の間で長針と短針が重なる時刻は1時5・5/11分となります。
時計算の計算をするときには答えが割り切れないことが多いため、必ず分数で計算しましょう。
「学び4」では相対的な速さについて考えます。相対的な速さとは自分が止まっていると仮定した場合の相手の動き(速さ)のことを言います。次の①~④について考えてみましょう。
①分速50mのAさんが、静止しているBさんに近づいてくる
BさんからAさんを見ると、AさんはBさんに向かって分速50mで近づいてくるように見えます(このことはみなさんが自然にそう思っている感覚です)。AさんからBさんを見るとBさんは分速50mで近づいてくるように見えます。このように「Aさんから見たBさんの様子」と「Bさんから見たAさんの様子」は同じになります。
②分速50mのAさんと分速30mのBさんが離れたところから反対向きに(向かい合って)進む
①で、静止しているBさんからAさんを見た場合、分速50mで近づいてくるように見えました。ここではBさんもAさんに向かって分速30mで進んでいるため、BさんからAさんを見た場合、50+30=分速80mで近づいてくるように見えます。このため、AさんからBさんを見た場合もBさんはAさんに分速80mで近づいてくるように見えます。
③分速50mのAさんと静止しているBさんが同じ位置にいて、AさんがBさんから遠ざかる
BさんからAさんを見ると、AさんはBさんから分速50mで離れていくように見える(このことはみなさんが自然にそう思っている感覚です)。
また、AさんからBさんを見るとBさんは分速50mで離れていくように見えます。
④分速50mのAさんと分速30mのBさんが同じ位置にいて、同じ向きに進む
静止しているBさんからAさんを見た場合、分速50mで遠ざかるように見えました。ここではBさんもAさんと同じ向きに分速30mで進んでいるため、BさんからAさんを見た場合、50-30=分速20mで離れていくように見えます。このため、AさんからBさんを見た場合もBさんはAさんに分速20mで離れていくように見えます。
②、④からわかるように、2人の動く人がいる場合、お互いに反対方向に進む場合はそれぞれの速さの和の分だけ近づいて(離れて)いくように見えます。また、お互いに同じ方向に進む場合はそれぞれの速さの差の分だけ近づいて(離れて)いくように見えます。このことは旅人算で反対方向に進む2人の状況を考えるときには速さの和を使い、同じ向きに進む2人の状況を考えるときには速さの差を使うこととよく似ています。この後、461ページの「やってみよう!」に挑戦してみましょう。
今回は演習として基本から中難度の問題を挙げます。ノートを使い、情報をまとめながら取り組んでみましょう。問題としては465ページの問1〜3、466ページの問7、467ページの問9(このまでは流水算)、469ページの問14〜16、470ページの問17(ここまでは通過算)、470 ページの問20、問21、471ページの問22(ここまでは時計算)に取り組みましょう。余裕がある場合は、ここに挙げなかった問題も取り組んでみましょう。
第36回のテーマは「割合 割合と線分図1 〜割合の三用法」です。今回は「もとにする量、比べる量を線分図で表す」「~増し、~減のとらえ方」「もとにする量が複数ある場合の考え方」について学びます。
第35回は割合の導入でしたが、今回は割合を使って数量を求めていきます。抽象的な割合の考え方を線分図を使って、もとにする量と比べる量の関係をとらえていきます。今回の学びでは割合の文章題を解くときの考え方の本質を学ぶと言ってよいでしょう。
「学び1」「学び2」「学び3」の考え方をしっかり身につけることができれば、今後の割合に関する問題がスムーズに解けます。じっくりと取り組んで、十分に演習をして自分の知識としましょう。
「学び1」では割合を使ってみます。割合は比べる量がもとにする量の何倍かを表した数でした。このことを式にすると次のようになります。
比べる量=もとにする量×割合
この式をもとにして、いろいろな割合の問題を解いていきましょう。
351ページの「やってみよう!」を見てみましょう。ある小学校の児童数は180人で、そのうち75%がタブレットを使ったことがあります。このことを線分図で表してみましょう。351ページの線分図に書き込んでいきましょう。ここでは児童数の75%がタブレットを使ったことがあるとなっています。タブレットを使ったことがある児童は小学校の児童数の75%とあるため、もとにする量は小学校の児童数(180人)となります。
小学校の児童数を1とすると、タブレットを使ったことがある児童の割合は小学校の児童数の75%で1×0.75=0.75となります。線分図の左側から0.75の長さのところに線を引いて0.75と書き込みましょう。残った部分は1-0.75=0.25となり、これはタブレットを使ったことがない児童の割合となります。
ここで小学校の児童数の1にあたる量は180人であることから、タブレットを使ったことがある児童の0.75にあたる量は180×0.75=135人となります。
次に352ページの「やってみよう!」を見てみましょう。ある小学校で虫歯の検査をしたところ虫歯にかかっている人は162人で、これは小学校の児童数の36%にあたるようです。このことを線分図で表してみましょう。352ページの線分図に書き込んでいきましょう。ここでは、小学校の児童数の36%が虫歯にかかっているとなっています。小学校の児童数の36%が虫歯にかかっているため、もとにする量は小学校の児童数となります。
小学校の児童数を1とすると、虫歯にかかっている人の割合は小学校の児童数の36%で1×0.36=0.36となります。線分図の左側から0.36の長さのところに線を引いて0.36と書き込みましょう。残った部分は1-0.36=0.64となり、これは虫歯のない人の割合となります。
ここで虫歯にかかっている人の0.36にあたる量は162人であることから、この小学校の全児童数は162÷0.36=450人となります。
「学び2」では「~増し」「~減」のとらえ方について学びます。例えば「20%増し」とはもとにする量に、もとにする量の20%を加えたという意味です。ここで、もとにする量を1とすると「20%増し」は1+0.2=1.2となるため、もとにする量を1.2倍することで求められます。
次に「20%引き」について考えてみましょう。「20%引き(20%減)」とはもとにする量から、もとにする量の20%をとり除いたという意味です。ここで、もとにする量を1とすると「20%引き」は1-0.2=0.8となるため、もとにする量を0.8倍することで求められます。
「~増し」「~減」とはもとにする量を1とした場合、1に割合を付け加えたり、とり除いたりした量ということができます。
次に353ページの「やってみよう!」を説明します。ある中学校の今年の人数は294人で昨年の人数に比べて5%増えたとあります。線分図を書いてみましょう。もとにする量は昨年度の人数のため、昨年の人数を1とします。
今年の人数は5%増えたため昨年の人数の1の横に線を延長して0.05と書きます。すると今年の人数の割合は1+0.05=1.05となります。今年の人数は294人のため割合の1.05にあたる量が294人となります。したがって割合の1にあたる量は294÷1.05=280人となります。このことからこの中学校の昨年の人数は280人となります。
次に354ページの「やってみよう!」を説明します。ある洋品店でバーゲンセールをやっていて、洋服がいつもの価格の4割引きの3600円で買えるようです。
線分図を書いてみましょう。もとにする量はいつもの価格のため、いつもの価格を1とします。バーゲンセール中はいつもの価格の4割引きで洋服が買えるため、いつもの価格の1の長さの線分図から、0.4を取り除くイメージで、右端から0.4左にずれたところを線で区切ります。するといつもの価格の1から0.4を取り除いた部分がいつもの価格の4割引きの価格となります。したがっていつもの価格の4割引きの割合は1-0.4=0.6となります。
いつもの価格の4割引きの価格は3600円のため、割合の0.6にあたる量が3600円となります。したがって割合の1にあたる量は3600÷0.6=6000円となります。このことから、いつもの価格は6000円となります。
「学び3」ではもとにする量が変わる文章題の考え方について説明します。355ページを見てみましょう。はじめに文を読んでみましょう。文には「全児童480人のうちの60%はA町に住んでいます」「A町に住んでいる児童のうち、25%は1丁目に住んでいます」と書かれています。「全児童480人のうちの60%はA町に住んでいます」について考えると、全児童を1とするとA町に住んでいる人は全児童の60%のため、1×0.6=0.6となります。
また、「A町に住んでいる児童のうち、25%は1丁目に住んでいます」について考えると、A町に住んでいる児童を1とすると1丁目に住んでいる人は、A町に住んでいる児童の25%のため、1×0.25=0.25となります。
ここで注意しなければならないことはもとにする量が「全児童」と「A町に住んでいる児童」の2つあることです。このとき全児童をもとにした割合とA町に住んでいる児童をもとにした割合を区別して表します。355ページの1番下にある線分図では全児童を1と表し、A町に住んでいる児童を①と表して、2つの割合を区別しています。この線分図を使ってA町に住んでいる児童の人数と1丁目に住んでいる人数を求めてみましょう。
上の線分図の1にあたる量が全児童480人であることから、A町に住んでいる児童の人数は割合の0.6にあたるため、480×0.6=288人となります。次に下の線分図で1にあたる量がA町に住んでいる児童288人であることから、1丁目に住んでいる人数は割合の0.25にあたるため、288×0.25=72人となります。
割合を使った線分図を書くときには、もとにする量が複数個ある場合には、割合を表す数を◯や△で囲んで区別をしていきます。また、線分図では量の関係がわかるように、必要に応じて線分図を2つに分けて並べて書くようにします。
演習としては357ページから359ページは必修です。358ページの問4では「~%増し」「~%減」のとらえ方を確認し、使えるようにしていきましょう。361ページの問1は線分図を書いて、その部分の量を求めるのかを明確にしてから計算しましょう。362ページの問2、問3ではもとにする量に注意して取り組みましょう。また、363ページの問6、問7、364ページの問8までは取り組みましょう。
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