No.1632 日能研6・5・4年生 第2回算数対策ポイント!

<算数 本科教室 6年生 ステージⅤ 第2回>

 第2回のテーマは「文章題Ⅲ」です。今回は「仕事算」「倍数変化算」「ニュートン算」「消去算」の確認をしていきます。仕事算やニュートン算は入試でもよく出題される単元で、基本となる考え方は同じため、十分に練習をして使えるようにしておきましょう。

 倍数変化算は線分図を書いてもわからない問題を解決する手段です。ここでも第1回で考えたのと同じように「基本形」の考え方が重要です。今回も考えていくプロセスでうまくいかないことが起こったときには、基本形をイメージして「こうだったら解ける」という状況を想定して考えていくとよいでしょう。

 複雑な情報を整理するときには書き出したり、図やグラフに整理したりという作業が重要なことも前回同様です。書きなかがら情報を整理していきましょう。

【攻略ポイント】

 「身に付けたい重要なポイントⅠ」では仕事算について確認します。18ページの問題を見てみましょう。仕事算では全体の仕事量を1として考えていく場合と1人が単位時間あたりにする仕事量を1として考えていく場合があります。ここでは全体の仕事量を1として考えていきます。

 水の高さが1mのときの水の量を1とすると、給水ポンプで40分水を入れたときにブザーがなり始めたため、給水ポンプの1分あたりの水の供給量は1÷40=1/40となります。ここでは、水を入れ始めてから40分でブザーがなり、その時から4分たって給水ポンプを止めずに、排水ポンプを開けると、排水ポンプを開けたときから5分たってブザーがなりやんだことから、「給水ポンプで4分間水を入れた量=給水ポンプで水を入れながら排水ポンプで5分間水を出した量」と考えていきます。

 給水ポンプで4分間水を入れた量は1/40×4=4/40=1/10となります。このことから、給水ポンプで水を入れながら排水ポンプで5分間水を出した量は1/10となります。したがって、給水ポンプで水を入れながら排水ポンプで水を出した量は1分あたり、1/10÷5=1/10×1/5=1/50となります。

 ここで排水ポンプで1分あたりに出す水の量を考えていきます。給水ポンプで水を入れながら排水ポンプで水を出した量は「排水ポンプで出した水の量-給水ポンプで入れた水の量」で表される(水の量は減っていくため、排水ポンプで出した水の量の方が多いことに注意しましょう)ため、排水ポンプで1分あたり出した水の量は、1分あたりに給水ポンプで水を入れながら排水ポンプで水を出した量に1分あたりに給水ポンプで水を入れた量を付け加えることで求めることができます。

 したがって、排水ポンプで1分あたり出した水の量は1/50+1/40=4/200+5/200=9/200となります。ブザーがなりやんだときに入っている水の量は1のため、このときから考えると水そうがからになるまでに、1÷9/200=1×200/9=22・2/9=22.22…となり、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めると22.2分となります。

 また、この問題を比で考えると次のようになります。

 水の高さが1mのときの水の量を1とすると、給水ポンプで40分水を入れたときにブザーがなり始めたため、給水ポンプの1分あたりの水の供給量は1÷40=1/40となります。また上記と同様に考えて、給水ポンプで水を入れながら排水ポンプで水を出した量は1分あたり、1/10÷5=1/10×1/5=1/50となります。

 このことから、1分あたりの給水ポンプの水の供給量と1分あたりの給水ポンプで水を入れながら排水ポンプで水を出した量の比は1/40:1/50=5/200:4/200=5:4となります。ここでブザーがなり始めるまでに入った水の量を考えると1分あたりに給水ポンプから入る水の量が5であるため、5×40=200となります。排水ポンプで1分あたり出した水の量は、1分あたりに給水ポンプで水を入れながら排水ポンプで水を出した量に1分あたりに給水ポンプで水を入れた量を付け加えることで求めることができるため、排水ポンプで1分あたり出した水の量は5+4=9となります。

 ブザーがなりやんだときに入っている水の量は200のため、このときから考えると水そうがからになるまでに、200÷9=22.22…となり、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めると22.2分となります。

 「身に付けたい重要なポイントⅡ」では倍数変化算について確認します。19ページを見てみましょう。割合の文章題では線分図を書いてみることが重要です。問題の内容を整理すると「●解法」の左側にある線分図のようになります。

 しかし、このままではこの問題は解けません。ここで重要なのは第1回でも学んだ基本形です。線分図を書いた場合、同じ長さの部分があると問題解決につながります。この場面では同じ長さを作り出すために⑦と③を最小公倍数の㉑でそろえて線分図を書き直します。Aの線部図では⑦を㉑にするため、すべての値を3倍(21÷7=3)します。

 また、Bの線部図では③を㉑にするため、すべての値を7倍(21÷3=7)します。すると、「●解法」の右側にある線分図のようになります。A、Bの線分図を比べると、比の15-14=1にあたる量が280-150=130円となることがわかります。

 求める量は、はじめのAの値段のため、左側のAの線分図で確認して比の5にあたる量を求めます。したがって、はじめのAの値段は130×5=650円となります。

 このような解法で解く場合、気を付けなければならないことは、線分図を操作していることです。計算に夢中になるあまり、問題のもとの設定を忘れてしまうことがあります。今回の問題でははじめのAの値段は操作をした右側の線分図の比の15ではなく、「もとの線分図(左側)」の比の5にあたることに注意しましょう。

 「身に付けたい重要なポイントⅢ」ではニュートン算について確認します。20ページの問題を見てみましょう。すでに何台かとまっている駐車場に車が出入りする問題です。

 はじめに(1)を考えてみましょう。問題文のはじめの条件では2分間に1台の割合で車が出ていくことから、1分間では1÷2=1/2台ずつ車が出ることになります。このため、午後1時から午後4時12分の192分で1/2×192=96台の車が出ることになります。

 午後1時から午後4時12分の間で車がなくなっていることから、出ていった車96台ははじめに駐車していた車と午後1時から午後4時12分の間に入ってきた車の合計と言えます。

 また、後の条件では4分間に3台の割合で車が出ていくことから、1分間では3÷4=3/4台ずつ車が出ることになります。このため、午後1時から午後2時36分の96分で3/4×96=72台の車が出ることになります。

 午後1時から午後2時36分の間で車がなくなっていることから、出ていった車72台ははじめに駐車していた車と午後1時から午後2時36分の間に入ってきた車の合計と言えます。

 これらのことをグラフで表すと20ページの「●解法」にあるグラフになります。グラフから午後2時36分から午後4時12分の96分間で96-72=24台の車が入ってくることがわかります。このことから1分間では24÷96=1/4台の車が入ってくることがわかります。

 したがって午後1時から午後2時36分の96分で入ってきた車は1/4×96=24台となります。グラフから午後2時36分にあった車の台数は72台であることから、はじめに駐車していた車は72-24=48台であることがわかります。

 次に(2)です。12分間に7台の割合で車が出ていくことから、1分間では7÷12=7/12台ずつ車が出ることになります。ここで、(1)より1分間では1/4台の車が入ってくることから、1分間に出ていく車の数は7/12-1/4=4/12=1/3台となります。はじめに駐車していた車が1分間に1/3台の割合で出ていくため、車がなくなるまでの時間は48÷1/3=144分となります。

 したがって、駐車場に車がなくなる時刻は午後1時から144分後(2時間24分後)の午後3時24分となります。

 このようにニュートン算では単位時間あたりに入る量、出る量と、はじめにあった量の関係を考えていくことが重要です。

 「身に付けたい重要なポイントⅣ」では消去算の考え方を確認します。21ページの問題を見てみましょう。◯、□、△の3種類の分銅の重さを求めます。

 通常、◯や□の2つの量の消去算では◯や□のどちらかの量をそろえて取り除くことで◯だけの式(□だけの式)にしていきます。このように式を工夫して、未知の値(◯や□)を減らしていくことが基本形です。この問題でも付け加えたり、取り除いたり、視点を変えたりしながら、◯、□、△の3種類の分銅を2種類で表したり、1種類で表したりすることを試みてみましょう。

 21ページにある「●解法」を見ながら進めていきましょう。図2ではてんびんの左側に◯と□の組み合わせが3個、右側に△が3個あります。てんびんの両方の皿に◯と□の組み合わせと△が3個ずつあるため、左側に◯と□の組み合わせを1個、右側に△を1個としてもつり合います。つまり、△1個の重さは◯1個の重さと□1個の重さの和になります。

 このことから、図1のてんびんの左側の△1個を◯1個と□1個に置き換えると、てんびんの左側は◯3個と□1個、右側は□2個となります。ここで、左側と右側から□を1個ずつ取り除きます。□1個は同じ重さのため取り除いてもつり合ったままです。すると、◯3個の重さが□1個の重さと同じことがわかります。

 ここで、◯、□、△の重さの関係を整理してみましょう。◯1個の重さを①とします。◯3個の重さが□1個の重さと同じであること から、□1個の重さは①×3=③となります。また、△1個の重さは◯1個の重さと□1個の重さの和になるため△1個の重さは①+③=④となります。

 ここで、図3を見てみましょう。△1個と□2個が14gとつり合うため、④+③×2=⑩が14gとなります。このことから①=14÷10=1.4gとなります。したがって◯1個は①のため1.4gとなります。□1個は③のため1.4×3=4.2gとなります。△1個は④のため1.4×4=5.6gとなります。

 演習としては22ページから25ページの知識技術重点問題は必修です。考え方の基本を確認したい場合はここから取り組みましょう。26ページ以降の運用力重点問題も記述問題を合わせると33問の問題が並びます。ここではその中から取り組んでおいた方がよい問題をいくつか挙げます。

 26ページの問1、問2は本科テキストの身に付けたい重要なポイントⅠ、Ⅲにあった問題と同様の考え方をする問題です。26ページの問3、27ページの問6、29ページの問13は線分図に整理するとよいでしょう。また27ページ問8、33ページの問26、34ページの問30は比を操作していくとよいでしょう。比を操作する問題は入試でも頻出です。28ページの問9、問10は消去算の考え方を使います。32ページの問25は基本形を意識して解いてみましょう。

<算数 本科教室 5年生 ステージⅣ 第2回>

 第2回のテーマは「場合の数 場合分けと調査」です。前回の順列・組み合わせの延長になりますが、ポイントは「様々な視点で場合分けをする」ことと「場合分けの考え方を使って効率よく問題を解く」ことです。

 入試問題でも場合の数の問題では場合分けの考え方を使うと効率よく正確に解くことができます。はじめにどんな場合分けの視点があるのかを知り、次にどの問題でどの場合分けが有効なのかを考えていきます。今回の単元もどんどん手を動かして書いていきましょう。

【攻略ポイント】

 「学び1」では分け方の視点を決めて、それぞれの場合に当てはまるものを探す作業を行います。この作業を「場合分け」といいます。ここでは場合分けの多様性にふれます。

 したがって、どの場合分けが良いかではなく、できるだけたくさんの場合分けを考えてみましょう。27ページの「やってみよう!」は練習になりますので、それぞれ3つずつ場合分けを考えてみましょう。

 「学び2」では「学び1」で使った場合分けを利用して実際に問題を解いていきます。28ページ問い1では、場合分けを利用し4つの解法プロセスが提示されます。それぞれの解法の利点や欠点にふれながら、自分に合った解法や効率の良い解法について考えていきます。

 最終的にはより良い解法を選択するのですが、ここでは解法の比較がテーマなので、色々な解法を試してみましょう。30〜32ページの「やってみよう!」は入試でもよく出題されるテーマです。それぞれの方針にしたがって解いてみましょう。

 演習としては33ページから34ページまでは必修です。特に学び1、2でも学習した倍数の見分け方を扱った問2や問3は重要です。また、問4の200円をつくる硬貨の組み合わせも入試で使える技術のため必ず取り組むようにしましょう。

 また、36ページの問1の色のぬりわけ問題、問3の正方形を作る問題、問7の図形上の点の移動とサイコロの出目を組み合わせた問題は入試での出題頻度も高いため、ぜひ解いておいてもらいたい問題です。42ページの探求に出ている立方体の展開図の種類の問題も場合分けの考え方を使って解くことでより深く理解することができますので取り組んでみてください。

<算数 本科教室 4年生 ステージⅢ 第2回>

 第2回のテーマは「数と計算 小数の計算2 ~わり切れるわり算~」です。小数でわるのはどんな場面というお話から始まり、小数のわり算の方法を探るところまでは導入です。実際は「学び3」で扱う小数のわり算の筆算と「学び4」で扱うわられる数と商の大小関係が重要項目です。

 特に筆算は小数点が移動したあとを残したり、桁をそろえたりすることが重要となりますのでノートに丁寧に書くようにしましょう。

【対策ポイント】

 「学び1」では「わり切れるって何だろう」というテーマで、ビー玉とりんごの例をあげて考えさせています。状況や分けられる物によって、整数であまりを出す場合もあれば、小数でわり切れるまで計算することもあります。これは小数のわり算を行うための導入です。ここでは今回の計算はわり切れるまで行うという心の準備ができれば良いでしょう。

 「学び2」では「小数でわるのはどんな場面」というテーマで小数のわり算の具体的な例を考えていきます。◯÷小数の計算を行う身近な例ですから、4年生ではなかなか難しいかもしれません。解答も参考にしてみてください。「学び1」同様に「学び2」も小数のわり算を行うための導入ですから、思うように例が浮かばなくても大丈夫です。次へ進みましょう。

 「学び3」では具体的に計算方法を探っていきます。「わられる数とわる数に同じ数をかけたりわったりしても商は変わらない」というわり算の性質を使って筆算をしていきます。筆算をするときは数字と数字の間隔に余裕を持たせ小数点もはっきりと書きましょう。小数点は移動させたことがわかるよう、矢印などで書いていくことが重要です。

 ここではまだ演習しませんが、あまりを出す計算をする時にもとの小数点の位置は大変重要です。24ページの「やってみよう!」の書き方を参考にして筆算の練習をしてみましょう。

 「学び4」では、わり算の商がわられる数よりも大きくなることがあることを学びます。今までの4年生の概念にはない知識のためしっかりと学習しておきたいところです。

 最終的にはわる数が1より大きいと商はわられる数よりも小さくなり、わる数が1より小さいと商はわられる数よりも大きくなるということを知識として身につけていきます。25ページの「やってみよう!」を実際に解いてみましょう。

 演習としては26ページから29ページは必修です。問2では丁寧にケタをそろえて計算することを心がけましょう。問3や問5では文章題と小数のわり算を結びつける練習をします。文章の意味を理解し、計算に結びつける実践的な練習です。確実にできるようにしましょう。

 また、32ページの問2、33ページの問4は単位量あたりの大きさを出してから答えを導き出す問題です。算数では基本となる考え方のためぜひ取り組んでください。

 われわれ中学受験鉄人会のプロ家庭教師は、常に100%合格を胸に日々研鑽しております。ぜひ、大切なお子さんの合格の為にプロ家庭教師をご指名ください。

メールマガジン登録は無料です!

頑張っている中学受験生のみなさんが、志望中学に合格することだけを考えて、一通一通、魂を込めて書いています。ぜひご登録ください!メールアドレスの入力のみで無料でご登録頂けます!

ぜひクラスアップを実現してください。応援しています!

ページのトップへ