No.1735 中学受験生におすすめ!「自由研究のテーマ決めとサンドイッチ型まとめ方」

 次の話は、あるご家庭で、理科の「植物のからだのつくり」を教えているときの一幕です。

 植物が根から水を吸い上げるのを説明するために、乾いた紙を水につけて、紙がみるみる水を吸い上げていく現象を観察しようとしました。私はいつものように、コップに水を汲んで、ティッシュを数枚、こより状にしたものを準備しました。そして、いつものようにそのティッシュを水に浸すとみるみる水を吸い上げることを想定しながらその様子を生徒と一緒に観察しました。

 ところが、水は一向に吸い上がらず、いつもと様子が違います。「どうしてかな?」と思っていると、そのティッシュは「鼻セレブ」という名の肌にやさしい、高級ティッシュでした。高級ティッシュは普通のティッシュと違い、手触りが滑らかで、水分を含んでいるのです。乾燥したティッシュでは毛細管現象がさかんになりますが、水分を含んでいるティッシュでは、そうはいきません。

 このように今まで当たり前と思っていたことが、想定しないことで、違う結果になることがあります。このことから、どのようなティッシュが吸水性に優れているのかという疑問がわきます。このように、日常のちょっとした出来事や疑問が自由研究の対象になります。今回は自由研究のテーマ設定から、調べ方やまとめ方のヒントを紹介します。

(1)自由研究のテーマ

①自由研究のテーマは日常の中にある疑問

 自由研究というと初めに「なにする?」と研究のネタ探しから始まると思います。今はスマホでも本でも、はたまたAIでも、自由研究のネタを探せるツールはいくらでもあります。こうなると、もうネタ探しの段階から、たいそうな事をやろうとして、大変な思いをしそうな雰囲気です。

 実は自由研究のテーマは塾で学んでいる内容にヒントがあります。みなさんが使っている塾のテキストには自由研究のネタが満載です。例えば、光合成やふりこの運動、流れる水のはたらきなどです。

 また、自由研究のテーマは日常、目にしている現象や、気になっていることなどもとてもよい題材になります。例えば、夜空に見える星のことや毎朝食べているご飯のことなどです。このようにあえて外に探しに行かなくても、意外と身近なところにネタは存在します。それが受験勉強につながるのであれば、一石二鳥です。

②テーマは同じでも、視点を変えて調べる

 「身近にあるネタと言っても、それじゃテキストと同じじゃん!」と思ったあなた。ひと工夫で、テーマは同じでも、内容はガラッとかわります。ここが知恵の絞りどころです。

 例えば光合成のはたらきによりデンプンができることを調べる実験があります。テキストでは光合成には光と二酸化炭素と葉緑体が必要と学びます。そうです、植物は葉緑体のある緑色の部分で光合成をしています。では、赤い色の葉は光合成をするのでしょうか?これは、テキストには載っていません。

 また、ふりこの周期をはかる実験では、誤差を小さくするために10往復の時間をはかって、その結果を10で割って周期を求めると学びます。では、10往復の時間をはかることで本当に誤差は小さくなるのか?

 また、東京の夜空にはいったいどのくらいの星が見えるのか?これを知っている人もほとんどいないのではないでしょうか。場所によっては夏の大三角や金星などを観察できると思います。

 さらに毎朝食べるお米はその大きさや味、色などに違いはあるのか?もちろんおいしさに違いがあるのかを調べるのも面白いかもしれません。

 このように自由研究のテーマは、ものすごいことでなくてもよいのです。「これって、どうなっているのかな?」「これって本当かなぁ?」と普段から疑問に思っていて、かつ、大人に聞いてもあいまいな返事をされそうな事を、あえて調べてみると、絶対に面白く、また、勉強にもなります。

 さぁ、テキストを開いてネタ探しの旅に出ましょう!

(2)調べ方、比べ方を考えよう!

 テーマが決まったら、どのように調べるか、比べるかを考えましょう。

 例えば、テーマが「ふりこの周期は10往復の時間をはかることで本当に誤差は小さくなるのか?」の場合、10往復だけでなく、20往復、30往復•••と往復する回数を増やしてみたり、時間をはかる人を変えてみたりして調べてみるなどがあります。時間をはかる人によって結果が変わるのかはとても興味深いですね。このような調べ方は、テキストには載っておらず、独自性があります。

 また、テーマが「お米の種類」の場合は、独自の発想が、かなり期待できます。例えば大きさをはかるといってもあんなに小さいものをどのようにして大きさをはかるのか、大人顔負けの発想を考えてみましょう。色についても同様のことがいえると思います。白色にしか見えないお米をどのように色の違いを調べ、表現するのか考えてみましょう。さらに味についてはどうでしょう?

 自由研究は自由です。安全であれば、やってはいけない方法はありません。みなさんの発想で楽しく考えてみましょう。

 このように、小学生ならではの視点、複数の観点から調べることで、研究にぐっと深みが出てきます。さぁ、こんなことをこんな方法で調べてみようとさらに深掘りしていきましょう!

(3)レポートにまとめてみよう!

 自由研究の成果をレポートにまとめてみましょう。おすすめは、②「調べたことのまとめつまり事実を、①「テーマ決めの理由・予想」と③「まとめ・感想」でサンドイッチするとプロっぽく仕上がります。次の①~③の順でまとめるとよいでしょう。

①自由研究のテーマに対する理由付けや結果の予想を書こう

 はじめに、なぜそのテーマにしたのかを書きましょう。つまり自由研究のテーマに対する動機です。また、「予想」はあらかじめ、今回の自由研究に対して自分なりの結果を想定している場合には予想を書くことで、まとめの文章が書きやすくなります。

 例えば自由研究のテーマが「お米の種類」の場合は、「毎朝何も気にせずに食べているお米のことが気になり、その形をあらためて観察したくなった」「家で食べているお米の種類がコシヒカリなので、コシヒカリが一番おいしいと思う」などです。このようにはじめに、そのテーマで調べようとしたきっかけや思いを書きましょう。

②調べたことをまとめよう

 次に調べたことをまとめていきます。まとめ方はさまざまな方法があります。例えば写真は自由研究の様子を伝える有効な手段です。文章だけでは伝えきれないことを写真が補ってくれます。写真は必ず入れましょう。

 また、結果を表やグラフにまとめることもお勧めします。表やグラフからどのような結果が得られたのか、表やグラフの下に言葉で表現しましょう。

 例えば「東京の夜空で観察できる星の数」を調べた場合、星座早見にある星の中で、実際に見えた星に印をつけていきます。実際は星座早見は使いづらいため、国立天文台のホームページの「今日のほしぞら」というページが便利です。時間と方角ごとに見える1等星や代表的な星が確認できます。時刻を設定して、東西南北それぞれの空の様子をコピーして利用していくことも可能です。

 また、夏休みということで、帰省先や旅行先で同様の観察を行い、比較をしてみるのもよいでしょう。割合を学んでいるのであれば、実際に見えた星の数は全体の何%なのかを表現してみてもよいでしょう。

③まとめの文章や感想を書こう

 最後にまとめの文章や感想を書きます。このことを「考察」といいます。考察は自由研究の結果から自分の考えたことを自由に書きます。したがって、こうでなければならないという結論はありません。たとえ結果が事実と違っていたとしても、その結果から自分の考えたことを自由に書きます。

 このとき、「習ったこととは違う」や「こんなこと書いたら笑われる」という考えは一切捨てましょう。大切なことは得られた結果から、自分自身が、事実をどのようにとらえ、考えていくのかということです。書きながら、こんなこともできた、あんなことも調べてみたいと思ったら、その内容も書いておきましょう。自由な発想で、結果から新たな疑問や可能性を生み出す、これこそが自由研究の醍醐味です。

(4)タイトルや表紙は重要!

 本でもインターネットの記事でもYouTubeでもタイトルや表紙はとても重要で、それだけで人を引きつける効果があります。タイトルや表紙を考えることも自由研究の楽しみの一つです。星の観察をした場合、タイトルを「星の観察」とするのか、「私の見た東京の空」とするのかでは印象に違いが出てきます。

 タイトルにこだわりすぎるのは本末転倒ですが、自由研究の大切な要素の1つです。タイトルも自由な発想で考えてみましょう。同時に表紙のイラストや写真、素材などを工夫するとより一層見栄えが良くなります。

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