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第17回は『いろいろな立体の求積』です。いろいろな立体の体積・表面積を考えますので、基本は公式の利用です。そこで、もととなる立体がどのような立体なのかを判断することが重要になります。ですので、見取り図と投影図の関係から学習していきます。予習シリーズ180ページの「投影図」の説明をよく理解してください。今回、それぞれの問題については、予習シリーズの解き方の図を参照してください。なお、分数は、分子/分母の形で表します。
それぞれの問題での、注意すべき点、ポイントとなる点を、以下に説明しますので、よく理解してください。特に、回転体は、相似な立体として考えることが多い問題です。相似の利用を心がけてください。
投影図からの読み取りを学習します。予習シリーズ180ページの投影図についての説明を理解しておきましょう。見取り図や、投影図を自身でかいて考えることも大切です。
同じ大きさの積み木を8個積んだ立体についての問題です。
(1) 見取り図から、正面、真上、右横から見た図、つまり投影図をかく問題です。この学習から、逆に投影図から、どのような立体になるのかを判断するトレーニングになります。解説の図を参照してください。
(2) 表面積を求めます。基本は、前後、左右、上下の6方向から見える図の面積を求めることです。ただし、前後、左右、上下、それぞれは同じ図ですので、正面、真上、右横から見える面積をそれぞれ2倍して合計することになります。
正方形の面の数として、正面に6面、真上に5面、右横に4面あります。この他に、投影図に表されない面があることに注意しましょう(ここがポイント)。予習シリーズ181ページの解き方にあるアンダーラインの部分で、「よっくんのつぶやき」でも強調しています。太線部分で表した面として正方形が2面あります。
まとめると、(6+5+4)×2+2=32面の正方形でできています。正方形1面の面積は1平方cmですので、1×32=32 より、この立体の表面積は32平方cmです。
投影図から立体を読み取る問題です。
(1) 真上から見た図に、正面から見える、積まれている個数を書き込むことを基本とします。予習シリーズ解き方の図を参照してください。正面から見て、左1列は、3個で決まります。中央1列は、2個が見えますが、手前と奥がありますので、ここで、(手前、奥)=(2個、2個)、(1個、2個)、(2個、1個)の可能性がありますので、合計で、2×2=4個か、2+1=3個です。ここがポイントです。右1列は、手前から1個ずつ奥に3つありますので、合計3個です。よって、3+4+3=10、または、3+3+3=9 より、積み木の個数は10個か9個です。
(2) 予習シリーズの解き方にある図で、「右横から見える個数」をかき込むことが大切です。つまり、6方向から見える面の数の確認です。前後、左右、上下ともに、(3+2+1)×2=12面ずつありますので、12×3=36 より、この立体の表面積は、(1×1)×36=36、よって、36平方cmです。
立体をくりぬく問題を学習します。予習シリーズの解き方にある図を自身でかくようにしましょう。
予習シリーズの解き方にあるように、段ごとにスライス(横切り)した図、真上から見た図をかくことがポイントです。この図に穴をかき、青の矢印のように、正面や側面から反対まで通したことがわかるようにかいていきます。その後、穴のない個数をかぞえます。答えは、11個です。
立方体から、ある立体をくりぬいてできた立体の、体積・表面積を求める問題を学習します。この問題では、くりぬいた立体の体積・表面積が重要になります。予習シリーズの解き方にある、くりぬいた立体を自身でかけるようにしましょう。
(1) くりぬいた立体の体積は、24平方cmです(解き方を参照してください)。もとの立方体の体積が、4×4×4=64ですので、64-24=40 より、この立体の体積は、40立方cmです。なお、予習シリーズの解き方にある別解も理解しましょう。1辺1cmの小立方体を積み重ねてできた立体と考えられる立体の場合は、有効です。
(2) 表面積は、立体の外側、内側と考えて求めます。
a)立体の外側→ 立方体の表面積から、くりぬいた立体の一部で、立方体の表面と共有する面積(解き方にある図のアとイで、それぞれ2面)を除いた面積
立方体の表面積=4×4×6=96、ア+イ=2×2×4=16
よって、96-16=80 より、80平方cm
b) 立体の内側→ くりぬいた立体の表面積のうち、上のアとイを除いた表面積
正面は12平方cm、真上は4平方cm、右横は4平方cmですので、
(12+4+4)×2=40平方cm(解き方の図マル3)
よって、80+40=120 より、この立体の表面積は120平方cmです。
回転体と、その体積・表面積を、比を利用して求める問題を学習します。
台形ABCDを、辺DCを軸として、1回転させてできる立体を考えます。できた立体は、円すい台と呼ばれる立体です。
(1) 円すい台は、円すいを底面に平行な面で切断した立体のうち、下部の立体です。体積もこの考えで、もとの円すいの体積から、上部の円すいの体積を引いて求めます。もととなる立体は、相似を利用して考えます。辺ADとBCが相似比となる、3:6=1:2ですので、4÷(2-1)×2=8cmがもととなる円すいの高さです。よって、6×6×3.14×8÷3-3×3×3.14×4÷3=(96-12)×3.14=84×3.14=263.76 より、この円すい台の体積は263.76立方cmです。
相似な立体として、体積比を利用して求めてみましょう。相似比が1:2ですから、体積比は、(1×1×1):(2×2×2)=1:8となります。したがって、この円すい台の体積は、もとの円すいの体積の(8-1)/8=7/8になります。6×6×3.14×8÷3×7/8=84×3.14=263.76立方cmです。
(2) 表面積は、底面が上下にあり、この底面積に側面積を加えます。
a) 底面積→ (3×3+6×6)×3.14=45×3.14
b) 側面積→ もととなる円すいの側面積-切り取った円すいの側面積
もととなる円すいの母線は、5÷(2-1)×2=10cmです。
面積比を利用して、求めてみましょう。面積比は、(1×1):(2×2)=1:4ですから、求める側面積は、もととなる円すいの側面積の(4-1)/4=3/4になります。
10×6×3.14×3/4=45×3.14
よって、底面積+側面積として、(45+45)×3.14=90×3.14=282.6 より、この立体の表面積は、282.6平方cmです。
第17回は『水量とグラフ』です。直方体や円柱の形の容器に入った水について、水量の体積や、水の深さ、また容器の底面積などを求める問題を学習します。
単位もふくめ水の体積の求め方は、もちろんですが、グラフの読み方もしっかり身につけましょう。例題2のような水の増加減少の問題、例題3のような容器の形が変化する問題もよく理解しましょう。
「水の体積=(容器の)底面積×(水の)深さ」を基本とします。また、水量は、かさの単位と体積単位の両方が使われますので、整頓しておきます。1L=10dL=1000mL、1L=1000立方cmですので、1dL=100立方cm、1mL=1立方cm となります。きちんと身につけましょう。
基本の知識を確認する問題です。
(1) 「水量=底面積×高さ」より、底面積=15×20=300平方cm、深さ=12cmですので、300×12=3600立方cmです。L単位で求めますので、3600÷1000=3.6 より、水が3.6L入っています。
(2) 水量は3600立方cmで、深さは18cmです。容器Bの底面積を□平方cmとして、 □×18=3600 となりますので、□=3600÷18=200 より、容器Bの底面積は、200平方cmです。
水量の変化とグラフについて学習します。予習シリーズ157、158ページの説明をしっかり読んで理解しましょう。この説明にある「比例」は、2つの量の関係を表すもので、算数の中で、今後もよく使用される関係です。
与えられたグラフから、水量についていろいろな動きを読み取る問題です。水を入れるA管と、水を出すB管がついた容器があります。グラフの右上がりの直線は、(A管から)水を入れていることを表し、右下がりの直線は、(B管から)水を出していることを表しています。水の出し入れを同時にする場合もありますので、問題文をていねいに読みましょう。
(1) グラフの右上がりの直線で、時間が12分のところは、水量が108Lとなっています。これは、(0から12の)12分で、(0から108の)108Lの水が入ったことを表しています。よって、108÷12=9 より、1分ごとに水が9L入ることになります。つまり、毎分9Lです。
(2) アは、容器が空(から)の時から、A管を使って水を入れ始めて、20分後にアLの水が入ることを表しています。よって、9×20=180より、ア=180 です。イは、B管を使って水を出したとき、180Lの水を出すのにかかる時間を20分にたした時間です。そして、B管からは毎分12Lの割合で水を出します。よって、180÷12=15 ですので、20+15=35 より、イ=35です。
水面の高さの変化とグラフについて学習します。なお、予習シリーズ160ページにかかれているグラフの動きをよく理解しておいてください。
水の入れ方について、毎分何cmずつ増えていくかを考えます。また、実際にグラフをかくことも学習します。毎分600立方cmの割合で、容器に水を入れます。
(ア) 水面の高さが15cmまでの容積(=容器の体積)は、20×10×15=3000立方cmです。 3000÷600=5 より、15cmの高さまで水が入るのは5分かかります。よって、15cmの高さまで5分かかるのですから、15÷5=3 より、水面は1分間に3cmずつ上がります。
(イ) 高さ15cmより上の部分の容積は、20×30×10=6000立方cmです。6000÷600=10 より、10分かかります。つまり、10分で10cm水面が上がります。よって、10÷10=1 より、水面は1分間に1cmずつ上がります。グラフをかく問題については、実際に自分で挑戦してみてください。結果は、シリーズを参照してください。
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