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日能研センター模試「算数」の特徴は、同じテストの中で問題の難度にひらきがあることです。大問第1、2問の計算、小問集合については、平易な問題の構成です。ところが大問第3問以降になると、問題の順番にかかわらず、難度が大きく上がる問題が散見されます。問題ごとの正答率を見ると、80%以上の易問と、30%〜40%の難問の構成となることが多くあり、その結果、偏差値上位の生徒さん以外には、難しい問題で得点ができないことで、厳しい結果が出てきてしまうことがあります。
例えば四谷大塚の「合不合判定テスト」の場合であれば、大問第3〜6問のあたりに、全体正答率60〜70%という正解できるかどうかで実力の把握がしやすい問題が分布するようになっています。そのレベルの問題が時折抜けてしまうことがセンター模試の特徴であり、注意すべきところです。
そこで、こうした構成の問題を踏まえ、逆に活用してしまいましょう。つまり、見直しの際に取り組みに濃淡をつけるのです。割り切って、全体正答率が30%を切るような問題については、見直しをせず、それよりも確実に得点すべき正答率70%以上の問題を取れているかに注意を集中するのです。
全体正答率が高い問題であれば、どれだけ正解できているかを確認したうえで、間違えた問題で二度と同じ間違いをしないよう意識しながら徹底的に見直しをする。一方、正答率が低い問題の場合、不正解であった際にはすぐに見直しするのではなくストックしておいて、後で解くことによって、実力アップを実感する。正解していた場合は、大きな自信にして意気を一気に上げる!といった精神面も含めた見直しが有効となるでしょう。
センター模試のみを活用する場合には、上記のような方法が有効ですが、中堅校を志望される生徒さんには、思い切って時間をつくって首都圏模試を受験することをお勧めします。中堅校志望の生徒さんが多く集まるのが首都圏模試です。問題も取り組みやすく、いかに正確に高得点を取るか、といった模試ですので、日能研のテストのないところですと日程が限定されてしまいますが、検討の価値は十分にあると思います。
一方で、上位校を目指す生徒さんには、四谷大塚の「合不合判定テスト」を演習することをお勧めします。センター模試の難しい問題に取り組むことで、応用力は十分に養えますが、合不合判定での全体正答率60%から70%の、いわば分水嶺となる問題がセンター模試に少ないことは否めません。それにサピックス生が受験するテストですので、ライバルの取り組む問題は見ておきたいところです。
しかし、日能研生は合不合判定テストの日程にちょうど合わせて『合格力育成テスト』を受けるため、会場に行って模試を受けることはできませんので、問題を購入して、自宅で演習する方法をお勧めします。合不合判定テストの前年度過去問は、四谷大塚で購入(現在は校舎での購入は中野校のみ、それ以外はインターネットでの発注となります)できます。『週例テスト問題集小6下』という教材に、合不合の過去問が記載されています。ただし国語だけは著作権の関係で過去問を入手することはできません。
テスト結果として、詳しい偏差値などは出ませんが、算数であればほぼ150点満点の75点前後を平均点、つまり偏差値50で設定されていますので、大まかな水準はつかめます。
サピックス、早稲田アカデミーなどの四谷大塚提携塾に通塾する生徒がみな『合不合判定テスト』の受験を選択するため、日能研センター模試は、公開でありながら限りなく塾内テストに近い状況となっていることは否めません。
逆に、サピックス、四谷大塚系の生徒さんがセンター模試を受験するケースはあまり多く見られません。各塾内のテストが重なることもありますが(サピックスの比較合判など)、あくまで照準を合不合判定テストに合わせているからです。
日能研生は、受験当日まで他塾生と同じ土俵に立つ機会がありません。最近の塾別の合格実績を見ると特に難関校については、サピックスの一人勝ち状態です。日能研生は、少しでも機会を得て有効な他流試合を行うべきだと思います。
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