現場・保護者から見た「栄光ゼミナール」

中学受験を目指すご家庭にとって、お子さんに合った塾に通わせることは、成績向上のための大きなポイントです。今回は「栄光ゼミナール」について、勤務経験者や指導を受けたことのあるご家庭の意見を踏まえ考察してみたいと思います。

【1】栄光ゼミナールの特長

(1)オーダーメイドが得意な塾。

一言で栄光の特徴を表すとすれば、オーダーメイドが得意な塾ということです。一定のマニュアル・カリキュラム・質の提供をベースとしつつも、現場では、個別指導はもちろん、グループ指導においても生徒の状況に応じてカリキュラムや使用教材をアレンジすることも多いです。

また、ご家庭との連絡を密にする姿勢が強いので、ご家庭の要望や悩みが指導に反映されやすいのも特長です。こうしたオリジナルな指導を望まれるご家庭は栄光ゼミナールと相性がいいでしょう。一方で、オリジナリティの弊害として、先生の質によって指導の質が左右されることもあるようです。また、ご家庭が先生に任せきりという姿勢だと、栄光の長所を活かせないかもしれません。

「いい教室」「いい先生」に出会うこと、出会えるようにご家庭も積極的にコミュニケーションを取ろうとすることが、栄光を活用するポイントと言えそうです。

(2)家庭とのコミュニケーションを重要視する。

栄光では、PTC(Parents and Teacher’s Communication)といって、指導を担当している先生が、ご家庭と電話連絡などのコミュニケーションをとる業務があります。現場感覚を重要視する栄光ゼミナールの姿勢が見て取れます。したがって、お子さんに合った指導を現場の先生と共に考えていきたいご家庭には向いていると思います。

(3)過度な難関・選抜志向ではない。

一般的に、栄光ゼミナールは他の大手塾と比べ、難関・選抜志向ではないといわれています。「自分のトップ校を目指そう」というスローガン通り、お子さんの志望校を目指すということに力点が置かれています。受験準備が遅れて他塾ではついていけないお子さんや、中堅〜中難関くらいまでの受験をお考えのご家庭に向いています。

【2】いい校舎との出会い方

栄光ゼミナールの良さは、先生とご家庭との間の風通しの良さでしょう。授業後の面倒までしっかり見てくれる意識が高く、子どもに気を配る能力のある校舎に出会うためのポイントを考えてみます。

(1)大規模校がいいとは限らない

中小規模の校舎では、グループ指導と個別指導を同じ教室で運営していることが多いですが、最近になって、一部の大規模校では、グループ指導と個別指導を完全に別校舎に分けることが多くなって来ました。

こうした校舎では、グループ指導と個別指導を併用する生徒さんは、2校舎に通っていることになり、業績的にはメリットが大きいものと推測されますが、縦割りの弊害もなくはありません。アットホームな雰囲気や先生との密な交流を望むのであれば、小規模校も視野に入れて教室を探してみてください。

(2)先生が保護者や生徒とあいさつを交わしているか。

保護者が教室に入っても、先生が会釈すらしないような教室、生徒が登校した際に先生にあいさつせず漫然と教室に入っていくような教室は、従業員教育がルーズです。

栄光ゼミナールは、先生の裁量が大きい上にコミュニケーションが売りの塾です。それなのに、他者に無関心な先生が多いようでは、子どもの成績や理解度についても意識が鈍い可能性があります。

(3)授業中ドアを開放している教室が多いか。

ドアを開放して授業している教室は、先生が自分の授業に自信がある証拠です。対外的にも開かれているクラスでは、生徒指導がきっちりなされていることが多く、生徒を高みに導くスキルを持つ先生と言えます。

確かに、先生や生徒の話し声も他の教室に丸聞こえですが、静寂な環境でしか力を発揮できないようでは、真の実力とはいえません。適度な活気は子どもの集中力にもプラスです。

(4)自習室が活用されているか。

栄光では各教室に自習室が必ずあります。この自習室を活用できている校舎は、生徒を身近で指導しようとする姿勢が強い校舎です。

具体的には、定期テストの時期ではないのに自習室が埋まっていたり、色々な年齢の生徒さんが自習している場合は、自習室が活用されている可能性が高いです。先生の意識の高い校舎では、自習室でぼーっとしている生徒を見つけたら、即座に自習室に立ち入り、発奮させている光景なども見かけます。校舎によっては、自習担当の先生が配置されていることもあります。

また、自習室に限らず、生徒の質問対応があちこちでなされているような教室は、しっかり面倒をみようという意識の高い校舎です。

(5)教室独自の張り紙、チラシに注目してみる。

教室独自の張り紙やチラシが多い校舎は、工夫が多い校舎です。それが教室の質に直結するわけではないかもしれませんが、校舎によっては独自の「生徒集会」や「計算大会」といったイベントを開催することがあります。チラシに目を配ると、校舎の個性をつかむことができます。

【3】先生とのいい出会い方

入塾が決定したら、いかに校舎や先生を活用するかが鍵です。以下のような点に注意して、なるべく密に先生と交流して、コミュニケーションを図るといいと思います。

(1)担当でない先生とも交流する。

担当の先生との関係はもちろんですが、それ以外の先生とも仲良くなって、多くの先生からアドバイスをもらえる関係になれるのは栄光ならではです。

人事異動や先生の退職で頻繁に担当が変更される時期があります。主担当だけにベッタリですと、こういう際に一から新しい先生との信頼関係を築かなければなりません。普段からいろいろな先生に気軽に質問するなど、なるべく多くの先生と触れ合って、自分にとってよい先生を複数見つけられるといいと思います。

(2)頻繁に校舎に立ち入る。

やはり、保護者自ら校舎に入って、雰囲気を感じるのが早道かと思います。たとえば、お子さんを塾まで迎えに行き、その際に校舎に入り、出会った先生と二言三言会話を交わすといったことを繰り返すと、ご家庭と塾との距離がぐっと近くなります。

紙幅の都合で、すべてをお話することはできませんでしたが、以上のような視点を参考に、お子さんにとってもご家庭にとってもかけがえのない出会いがございますように願っております。

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