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今月は、“クフ王のピラミッドに巨大空間”と“月面基地に最適な空洞発見”、“重い元素の誕生を確認”そして“哺乳類と昆虫の祖先は同じだった?”について取り上げてみましょう。
エジプトのギザの砂漠にある有名なスフィンクスと3大ピラミッド。その1基であり、最も美しく巨大さを誇るのがクフ王のピラミッド。その内部に今まで発見されていなかった巨大な空間が有ることが名古屋大学など国際チームの調査研究で判りました。
約4500年前に建設された底辺約230m高さ約146mの四角垂の形をした石作りの巨大な墓陵(ぼりょう)つまりお墓なのですが、王の間、女王の間や大回廊は見つかりましたが、副葬品やクフ王のミイラなどは発見されていなかったのです。そのため世界中の考古学者たちが長年にわたり研究してきたのですが、貴重な世界遺産であるため、内部を壊して発掘することが出来ません。
実は、原理は皆さんがお医者さんで肺の写真撮影をするレントゲンと同じような方法なのです。レントゲンはX線という放射線を使って見えない体の内部を撮影しますが、この度の発見は、火山の内部や厚い岩盤でも通過してしまう宇宙から降り注ぐ「ミューオン」と呼ばれる素粒子を使ったのです。この「ミューオン」は宇宙を飛び交っている「宇宙線」と呼ばれる粒子が大気と衝突してできるもので、いつも大量に降り注いでいます。ミューオンは密度の高い物質に当たると一部が途中で止まってしまいます。その性質を利用すると岩の中に空間が有ると通過してくる粒子の量が岩だけの部分より多くなるので、飛来した方向と数を検出することでレントゲン写真のように内部が判るのです。
詳しく分析したところ、大回廊の上に全長30mもの空間が有ることがわかりました。しかしまだ何が置いてあるかはわかっていませんが、クフ王の埋葬室ではないかと期待している考古学者も居ます。ピラミッドをめぐる謎の解明につながると注目されています
日本の月探査衛星「かぐや」が月を周回していた時の観測結果を解析してきた結果、地下に全長約50kmの空洞がある可能性が高いと日本の宇宙航空研究開発機構JAXAが発表しました。
月探査衛星「かぐや」は、日本の月探査衛星としては工学実験衛星「ひてん」に次ぐ2番目の月探査衛星なのです。2007年9月に打ち上げられ、2009年6月に月面に制御落下させられるまで、約1年半にわたって月を周回し観測データを送ってきました。ハイビジョンカメラでとらえた有名な“月面から見た地球の出”や月面の詳細な立体地図などの作成に貢献した衛星です。「かぐや」が搭載してきた子衛星2基の名称は「おきな」と「おうな」でした。もうお分かりですね。名称は対象が月だけに“竹取物語”から取られています。
JAXAなどの研究チームが取得済みの観測データの解析を行い、地下構造を調べていました。その結果、地球から見て月面の左上付近にある「マリウスの丘」と呼ばれる場所の直径50m深さ50mの竪穴付近に、50kmにわたり空洞が走っている可能性が高いことが判ったのだそうです。その空洞は地下数10mから200mの深さの所に幅100m前後のかまぼこ型の空洞が延々(えんえん)と延びています。なぜ、その様な空間が出来たのでしょうか?実は約35億年前、月に火山活動が活発だった地域があってその溶岩の通り道が残ったのではないかと考えられています。
人類の知的好奇心は広大な宇宙に向いています。地球から観測できる範囲は138億光年の限界近くまで到達していますが、より近くからでないと詳細な観測はできません。そこで、大きな観測装置をロケットに積んで遠くに飛ばしたいのですが、ネックとなっているのが地球の重力です。重力が6分の1の月から打ち上げれば6倍重いロケットや観測装置が発射できますよね。ただ、月の表面では地球と違い、人間や機械に害となる強い宇宙放射線や隕石などを防いでくれる大気や磁場が有りません。地下空間なら温度変化も穏やかになり、月で安心して活動するための月面基地として、もってこいの場所となるでしょう。
今年の8月17日、5回目の重力波が欧米の3か所の観測施設でキャッチされました。重力波については2016年2月29日号のメルマガで説明しましたので読んでくださいね。以前4回での観測は全てブラックホール同士の合体による重力波でしたが、今回は初めて中性子星の合体による重力波でした。中性子星の合体では、重力波に加え様々な光を含む電磁波が放出されます。重力波の観測施設から世界中の天文学者に情報が伝えられ、重力波の観測直後の約2秒から16日後に届く電波を約70か所の天文台の連携プレーによって一斉に望遠鏡が重力波発生源に向けられました。その結果今迄は鉄より重い金や白金などの金属は超新星爆発で出来ると言われていましたが、宇宙にある重い金属を作り出すためには超新星爆発だけの数では理論的に少な過ぎると言われてきました。今回の中性子星の合体の観測で、宇宙にある重い金属を作ったのは中性子星同士の合体によるものと理論的に裏付けられたのだそうです。
ちょっと難しいのですが、物質の最小単位は水素、ヘリウムや鉄など原子なのですが、1個の原子は原子核と電子というもので出来ています。その関係は太陽系のように中は空間だらけなのです。太陽が原子核とすれば、惑星が原子核の周りを回っている電子と思ってください。その太陽に相当する原子の中心は陽子と中性子というもので出来ています。その中性子だけで出来ているのが中性子星なのです。だからものすごく重い。スプーン1杯の量の中性子が10億トンにもなる途方もない重さなのです。
重力波が来た方向を約15日間観測したところ、重い元素から出る特殊な光をキャッチ出来たからだそうです。中性子星の合体は1億3,000万光年離れた場所です。
今迄は光学望遠鏡、電波望遠鏡、超新星爆発で出るニュートリノなどの観測で天文学や宇宙物理学が研究されてきましたが、これらに加え、日本も加わる重力波の観測施設増加によって観測精度が高まって研究が進み、宇宙誕生からの全体像が明らかになっていくものと期待されています。
生物には「視覚」「聴覚」「味覚」「臭覚」「触覚」の「五感」があるのはご存知ですね。ヒトを含む哺乳類と昆虫とは「触覚」を除く4つの感覚について、既に共通構造が有るということが判っていたのだそうです。ところが、さらに、東京大学のグループの研究によって、ものを触ったときに感じる「触覚」についても脳に伝わる神経の構造が共通していると発表されました。今から6億年ほど前に、哺乳類と昆虫には、「五感」を感じる共通の脳を持つ祖先が存在していた可能性が高いのだそうです。
人間を含む哺乳類は、背骨のある脊椎動物の魚の祖先から長い時間をかけて進化してきました。その仲間には、は虫類や鳥類がいるのはご存知ですね。その魚類の祖先が地球上に現れたのが約5億年前なのです。昆虫は背骨のない無脊椎動物の中の節足動物に分類され蝶やハエ、バッタ、カマキリなど驚くほど多様な仲間がいますが、その昆虫の先祖が現れたのが約3億年前。そんな大昔でも哺乳類と昆虫の祖先はかけ離れた存在だったのですから共通の祖先はさらに数億年前にさかのぼることになります。そんな古い時代に我々と同じような「五感」を持った生物がいたとは驚きですね。
ハエの中でも小型の2ミリほどのショウジョウバエ。遺伝子の研究などに良く使われるこのハエを使い、触ったときの情報が脳にどのように伝わるのかを調べました。すると、皮膚が押される、関節が曲がるなどを感知する個別の神経が、おのおの脳の別な場所に情報を伝えていることで、哺乳類と昆虫とは神経回路の構造が共通していることがわかったのだそうです。
ショウジョウバエは飼育が容易で、世代が変わるのが約2週間と短いので短期間で交配実験の結果が出る、遺伝子が組み込まれている染色体の数が少ないので扱いやすいなど、実験生物として優れているので、研究者に重宝されるのです。
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