予想問題付き!サピックス5年生(新6年生)1月8日(月・祝)組分けテスト算数攻略ポイント

今回は、5年生(新6年生)の1月度組分けテスト対策をお伝えします。また、攻略ポイントだけでなく予想問題付きです。過去問を分析し最も出題される可能性が高い問題を揃えてあります。解説も準備しますので、間違えた箇所はとくに読み込んで本番で同じ間違いをしないように注意してください。問題は12/27(金)のお昼ごろ 鉄人会のHPにアップ致します。アップが完了しましたら、メルマガ、フェイスブック、ツイッターでもお知らせ致しますので、ぜひ鉄人会のフェイスブック、ツイッターもフォローしてください!

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組分けテストということで、今回のテストは範囲が限定されない実力テストであり、前回の7月度組分けテストよりも問題の難度が上がることも予想されます。この大事なテストでいかに力を発揮するか、そのためにどこにポイントを置いて見直しをすればよいのかといった点について、ご説明します。
ぜひ、冬休みの対策ポイントとしてください。

【攻略ポイント1 テストの見直しに十分な時間を】

今回のテスト対策では、これまでに演習してきた内容の見直しが軸となりますが、その見直しには十分な時間を用意してください。見直しだからそんなに時間は必要ない、とは決して思わないことが必要です。サピックス5年生の7月以降は重要単元が目白押しでした。「速さ」に「割合と比に関する問題」そして比を使った「平面図形」と、入試の最重要単元ばかりを立て続けに演習してきました。
それらを見直すのですから、かなりの時間を要すると思って計画を組んでください。

【攻略ポイント2 過去のテスト見直しを】

見直しの具体的な方法ですが、まずは7月以降の組分けテスト、マンスリーテストの見直しを徹底的に進めましょう。その際に、全体正答率を確認しながら見直すようにしてください。平均偏差値45以下の生徒さんであれば全体正答率60%以上の問題、平均偏差値45〜50の生徒さんであれば全体正答率50%以上の問題、平均偏差値50以上の生徒さんであれば全体正答率40%以上の問題をひとつの目安とするとよいでしょう。

また、これは7月の組分けテスト対策でも触れましたが、あと一歩だった問題を中心に復習をするようにしてください。「難しい問題を見直す」ことよりも「あと一歩で正解できた問題」や「テスト後に見直すと解けた問題」を中心に復習することは今回も同じです。

【攻略ポイント3 自分の誤答傾向を把握する】

お子さんがこれまで受けてきたテストの数もだいぶ多くなってきましたので、お子さんの誤答傾向が出てきているはずです。その傾向をしっかり把握しておきましょう。例えば、単位換算での間違いが多いことや、小数計算よりも分数計算での間違いが多い、あるいは式から答えは出せているのに、最後に解答するものを間違えてしまうといったことなどです。最後に触れたケースが少し分かりづらいかと思いますので、具体的な例を出します。

還元算の問題で「ある数を2倍してから7をひくところを、間違えて7をひいてから2倍してしまったため、答えが18になりました。正しい答えはいくつですか」といった問題があるとします。18÷2+7=16からある数が16となった瞬間に、問題の答えを16としてしまう間違いをしていないでしょうか。問われているのは正しい答えなので、16×2−7=25が正解になるのです。このように、過程で出た数値をそのまま答えにしてしまうような間違いをしてしまうケースが多く見られます。

そのような間違いは次のような問題でも起こります。「兄は1540円、弟は700円を持っていました。この2人が同じ金額を出し合って本を1冊買ったところ、兄の残金が弟の残金の4倍になりました。2人が買った本の値段はいくらですか」といった問題があるとします。(1540−700)÷(4−1)=280(円)より、弟の残金が280円とわかります。ここで700−280=420(円)を答えにしてしまうような間違いが起きてしまいがちなのです。2人が同額出し合った和が求める答えですので420×2=840(円)としなければなりません。

これまでのテストでの間違いを、どのように間違えたのかまでしっかり見直して、自分がどこでどう間違いやすいかを知っておく。そして同様の問題が出たときは、より一層注意をする。当たり前のような鉄則ですが、いま一度確認をしておきましょう。

【攻略ポイント4 計算の工夫】

これまでのメルマガでも何度か触れてきましたが、改めて計算の工夫の重要性を再認識してください。それは例えば6×6×3.14+8×8×3.14=(36+64)×3.14=100×3.14=314などの共通する数値で式をまとめることもあてはまりますし、小数と分数の換算を覚えておくことで、0.75×(5/6−0.25)といった分数と小数が混合した計算も3/4×(5/6−1/4)と分数のみの式にすることができることでもあります。

それ以外にも、例えば次のような計算問題があったら、どうすればよいでしょう。
342+256+658+744
まっさきに筆算で数を並べてはいないでしょうか。もう一度、式の中の数をよく見てください。特に一の位。1番目の数と左から3番目の数の一の位を足すと10に、2番目の数と4番目の数の一の位を足しても10になる、といったあたりで気づかれるでしょうか。これは1番目と3番目の数の和が342+658=1000、2番目と4番目の数の和も256+744=1000となり、結果、式の答えが2000になるのです。パズルのような問題ですが、サピックスのテストでは、6年生になるとこのような工夫を求める計算問題が非常に多く出されます。5年生の間はむしろ地道な計算力を問うものが多いですが、それをベースにさらに数を見る目を養わせる。このあたりがサピックスの強さを感じさせるところです。
ただし、テスト時間は限られますので、工夫をするかどうかを迷った場合は、工夫はせずに地道に解いてください。テスト後の見直しで、工夫ができたことに気づくのでも構わないのです。そうした経験を積むことが、数を見る目を養うことになります。このテストがゴールではありません。高いクオリティの組分けテストを受けることで、お子さんの算数力が養成されるのですから、むしろテストをテキストとしてとらえてはいかがでしょうか。

【攻略ポイント5 図のかき方の見直し】

※「○の中に数字」の表記が文字化けしてしまう可能性がありますので、マル1、マル2と表記させて頂きます。

このメルマガで何度かお伝えしています「図をかくことの重要性」を、いま一度確認しておきましょう。大事な組分けテストで少しでも得点をするためには、1問にかける時間を短くすることが重要、と思われるでしょう。確かにその通りで、少しでも解き方の工夫をするなど、時間を有効に使うことが大きなポイントになることは間違いありません。ただしそこで、図をかく時間ももったいないから、できるだけ図がかかないように、との判断は、どうか慎重にしてください。

例えば「50個のまんじゅうをA君、B君、C君の3人で分けます。A君がB君の2倍よりも1個多く、B君がC君の2倍になるように分けたとき、A君がもらったまんじゅうは何個ですか」といった問題があるとします。この問題ではC君のもらったまんじゅうの個数をマル1とすれば、B君の個数はマル2、A君の個数はマル4+1として、マル1+マル2+マル4+1=50からマル7=49となり、マル1=7としてA君の個数を7×4+1=29(個)と出すことができるのです。その解法がすぐに浮かんでくるのであれば、あえて図はかかなくてもよいでしょう。

ただ、食塩水の混ぜあわせなどの問題の場合は、図を使うかどうかの判断をより慎重にする必要があります。つまり、「面積図を使うかどうか」という点です。問題を挙げましょう。「濃さが12%の食塩水250gと濃さが6%の食塩水350gを混ぜ合わせてできた食塩水の濃さは何%ですか」という問題。一見してすぐに、それぞれの食塩の量が算出できるので、わざわざ面積図などかく時間がもったいない、と思われるかもしれません。もちろん小数計算に盤石の自信と確実性がある場合は、計算だけで進めて構わないでしょう。ただ、いざ式をかいてみると、250×0.12=30、350×0.06=21、(30+21)÷(250+350)=51÷600=0.085より8.5%と、正解に至るまでの小数計算が意外と複雑であることがわかります。数に慣れていない場合は51を6で割りきれるだろうか、と不安にもなるでしょう。また6%=0.06を間違えて、6%=0.6などとしてしまうと、その時点で正解に行きつく道は絶たれてしまいます。そんな基本を間違うことはない、と思われるでしょうが、何といっても組分けテストです。お子さんの気持ちの負担はかなり大きく、またこのタイプの問題は恐らく第2問、基本の小問集合に含まれるでしょう。そこでお子さんは、第2問で間違えてはいけない、とより一層のプレッシャーをもって問題に臨みます。そうなると普段はしないような間違いをしてしまう可能性も上がってしまうのです。

そこで面積図をもう一度かいてみてください。もちろんラフなかき方で構いません。250:350=5:7から(12−6)÷(7+5)×5=2.5、6+2.5=8.5と正解に行きつけます。この解き方ですと複雑な小数計算をしなくて済むことになります。

どちらの解き方が正しいということではありません。お子さんがより速く正確に解けることが一番ですが、面積図を使う方法を習得しないままでは、解法の選択肢があまりに狭まります。まずは一度、面積図のかき方を見直してみて、それからどの解法を選択するか、判断してください。

また、面積図は同じ食塩水の問題でも様々なタイプに対応できます。例えば次のような、水を蒸発させる問題でも面積図が使えるのです。
「5%の食塩水100gの水を何gか蒸発させたところ、濃さが8%になりました。水は何g蒸発させたでしょうか」
もちろん、この問題も式で解決することができます。食塩の量が変わらないので、水を蒸発させた後の食塩水の量が100×0.05÷0.08=62.5(g)となることから、蒸発させた水の量を100−62.5=37.5(g)と算出することができます。ただ、やはりここでも細かい小数計算が出てきてしまいます。そこで、面積図をかくことで、混ぜ合わせと同じように比を使って解くことができます。ここでは具体的な面積図のかき方を説明します。

まず、100gの食塩水5%を長方形にします。たての長さを5(%)、横の長さを100(g)とします。たての長さ×横の長さ=長方形の面積となることから、この長方形の面積が、食塩水に含まれる食塩の量を表すことを確認しておきましょう。
ここから蒸発を図にするのですが、100gの食塩水から蒸発した水の量を□gとすると、長方形の横の長さが□だけ短くなります。適当な長さで構いませんので、100から□だけ短くした辺の上に点をとり、そこからたての長さが8(%)になるような長方形を、もとの長方形に重ねてかきます。これで、たての長さが5、横の長さが100の長方形と、たての長さが8、横の長さが(100−□)の長方形が重なるようになりましたでしょうか。
この2つの長方形の面積が同じになることが、面積図のポイントです。長方形の面積は食塩水に含まれる食塩の量を表しますので、水を蒸発させても食塩の量は変わらないことから、2つの長方形の面積も同じになります。

2つの長方形のうち、重なっている、たての長さが5、横の長さが(100−□)の部分は共通していますので、その部分から上にはみ出ている、たての長さが8−5=3、横の長さが(100−□)の長方形と、横にはみ出ている、たての長さが5、横の長さが□の長方形の面積が等しくなります。あとは通常の面積図の解法と同じように、(100−□):□=3:5となります。ここで図を見ると、□は100を3:5に分けた3の分の量であることがわかりますので、□=100×3/(3+5)=37.5と求めることができます。小数計算になることは避けられませんが、視覚的に数値をイメージすることができるという面積図のメリットを生かすことができます。ぜひこの方法も試してみてください。

【攻略ポイント6 速さの問題を見直す】

今回のテストでは、速さの問題が出題される可能性が極めて高いです。10月度のマンスリーの範囲となった「旅人算」「時計算」「流水算」「通過算」については、必ずある程度の時間をとって、見直しをしてください。特に「時計算」「流水算」「通過算」は、やり方を忘れてしまうと、問題を解く時間、また正確さに大きな差が出てしまいます。例えば時計算での(6−0.5)度の意味、流水算での静水時の速さと流速と上り、下りの速さの関係、「通過算」での距離に電車自身の長さを含むことなど、どれも基本中の基本ですが、いま一度確かめておいて、問題を見たらすぐにやり方が浮かんでくるようにまでしておいてください。勝負を大きくわけるポイントになります。

流水算では、静水時の速さや、流れの速さが、上りと下りで変化するような応用パターンにも対応できるようにしておきましょう。
例えば以下のような問題です。
「ある船が45kmの川を往復します。行きはこの川を3時間で下りました。帰りは船が故障したため、静水時の速さが行きの1/2になってしまったので、10時間かかりました。この川の流れの速さは時速何kmですか」
10月度マンスリー対策メルマガでもご説明しましたが、このようなタイプの問題では、上りの速さ、静水時の速さ、下りの速さを表す線分をたてに並べてかいて、状況を把握することがポイントになります。今回は上りの静水時の速さが、下りの静水時の速さの1/2になるのですから、下りの静水時の速さをマル2、上りの静水時の速さをマル1とします。上りの速さはマル1から流速を引いた長さ、下りの速さはマル2に流速を足した長さで表されます。
下りの速さは、45÷3=15(km/時)、上りの速さは45÷10=4.5(km/時)となります
が、ここから消去算の考え方を使うことになります。
上りの速さ=マル1−流速、下りの速さ=マル2+流速となることから、上りの速さと下りの速さを足すと、(マル1−流速)+(マル2+流速)という式から、流速が相殺されて、マル1+マル2が残ることになります。この解き方は、図を見ることでよりイメージがしやすくなります。数値をあてはめると、4.5+15=19.5がマル3にあたりますので、19.5÷3=6.5より、マル1、つまり上りのときの静水時の速さが時速6.5kmとなります。よって流速は、6.5−4.5=2(km/時)と求められます。

また、通過算では、以下のような問題にもしっかり対応できるか、確認をしておくことが重要です。「長さが180mの列車がトンネルに入り始めてから、完全に出るまでに50秒かかりました。また、このうちの35秒間は、列車は完全にトンネルの中に入っていました。トンネルの長さは何mですか」
ここでは、列車が完全にトンネルの中に入っていた、という状況の理解がポイントになります。より理解を確実にするためには、図をかいてみるとよいでしょう。まずトンネルを簡単な長方形でよいのでかきます。はじめの完全に通過するという状況は、列車がトンネルに入る直前のところと、トンネルを通過した直後のところに列車をかき入れます。このとき、トンネルに入る直前の列車の先頭から、トンネルを通過した直後の列車の先頭までが50秒、とわかるように数値をかき入れます。この50秒に相当する距離が、(トンネルの長さ+列車の長さ)となります。
次に列車が完全にトンネルの中に入っている状況ですが、トンネルの左右両端の内部に列車がいるような図になります。それぞれの列車の先頭を結んだ距離を列車が35秒で進んだことになります。この35秒に相当する距離は、(トンネルの長さ−列車の長さ)となります。
以上の2つの状況を比較して、50−35=15(秒)をかけて列車が進む距離が、列車の長さ2つ分になります。ここで列車の速さが180×2÷15=24より、秒速24mになるので、トンネルの長さを24×50−180=1020(m)と求めることができます。
このような問題で、いきなり式を立てようとすると、思わぬ間違いをしてしまう可能性があります。同じことは旅人算でも起こりえます。特にある距離を往復するような旅人算では、状況を図に表すことが、より速く正確に問題を解くポイントになります。その点に気をつけて、よく見直しをするようにしましょう。

【攻略ポイント7 平面図形の問題を見直す】

相似と面積比を学習しましたので、与えられた図形のどこに相似の関係があるか、面積の比は、どの部分の辺の長さの比と合致するか、といった視点を持って問題に臨めるように、図形漬けになるくらいに、図形と比の考え方をお子さんにしみこませてください。

また面積や長さ、角度を求める問題では、「等積移動」「図形の分割」「等積変形」の3つの要素に注意しましょう。
まず「等積移動」ですが、おうぎ形と三角形や、半円とおうぎ形が複合した図形で、ある部分を別のところに移動すると、同じ面積でも図形が一気にシンプルになる、といった解き方です。まるでジグゾーパズルのような解き方ですが、これに気づくかどうかで、かかる時間と正答率に圧倒的な差が生まれます。同じく「図形の分割」も複合図形を解く際に大きな効果を生み出します。補助線を引いて、与えられた図形を区切ることで、複雑だった図形がシンプルな図形に分けられるという解き方です。また「等積変形」は主に平行な2直線の一方に底辺があり、もう一方の直線の上に頂点があるとき、頂点が直線上を動いている限り、面積は変わらないことを使う解き方です。

図形を動かし、そして分割するなどの能動的な取り組みができるかどうかも、今回の組分けテストで問われる可能性が高いので、図形の問題もしっかり見直してください。

【攻略ポイント8 量の変化に注意する】

量の変化の単元のうち、水の入った水そうに、おもりや棒を入れた際の水の深さの変化を求める問題は、よく見直しておきましょう。
例えば、次のような問題です。
「底面がたて、横のともに20cmの正方形で、高さが25cmの水そうに、3リットルの水が入っています。この水そうの中に、底面のたての長さが10cm、横の長さが15cm、高さが10cmの直方体のおもりを、底面が水そうの底につくように置くと、水面の高さは何cmになりますか」
このような問題では、水そうの中におもりが入った状態を正面から見た図をかいて解き進める方法がありますが、水面がおもりの高さを超えるか超えないかで、図のかたちが変わってくるために、図をかく際に戸惑ってしまうことがあります。
水そうの中の水の深さは、3000÷(20×20)=7.5(cm)ですので、おもりの高さ(10cm)を超える可能性が高いのですが、そこがはっきりしないままで図をかくのが、困難に感じられるかもしれません。
そこで、このような場合は、まず、おもりが入っていない状態を図にします。水そうを底面に垂直な面で断面した図(長方形の上の辺がないかたち)をかき、水そうの底辺の部分は、底面である20×20=400とします。
水の深さは7.5cmでしたので、下から7.5cmのところに、底辺と平行な水面の線をかき入れます。
次に水そうの左に寄せるかたちで、おもりの断面をかき込みます。おもりの底面積は10×15=150(平方cm)でしたので、水そうの底辺400のうち、左から150のところまでを、おもりの底面とします。150を横の長さ、おもりの高さの10cmをたての長さとする長方形を、水そうの左端にかき込むかたちになります。
これで最初の段階の図は完成です。ここからは、おもりの水面より下の部分が、水そうの水面を上げる部分の容積になることをふまえると、解法が見えてきます。
おもりの水面より下の部分の容積が150×7.5=1125(立方cm)となります。ここで、おもりの高さの線を水そうの横全体にひきます。おもりの右側で、この線と水面の間にあたる部分(以下★の部分とします)のところに、まず水が入り込みます。★の部分よりも1125の値が大きければ、水面の高さは、おもりの高さより高くなり、1125の値よりも小さければ、水面の高さは、おもりの高さより低くなることになります。
★の部分の容積は、(400−150)×(10−7.5)=625ですので、求める水面の高さは、おもりの高さより高くなることがわかりました。1125−625=500(立方cm)の水が、おもりの高さよりも上に来ますが、その部分の底面積は水そうの底面積の400平方cmですので、求める水面の高さは、500÷400=1.25(cm)だけ、おもりの高さよりも高くなります。よって、10+1.25=11.25(cm)が答えとなります。
水面が変化しきった後の完成形の図をはじめからかこうとして、時間を費やしてしまうのではなく、問題の手順に合わせて図をかいて行けば活路が見出せることがあります。

【攻略ポイント9 忘れかけている単元を思い出す】

7月以降の単元演習に集中していたあまり、忘れてしまっている単元はないでしょうか。例えば「過不足算」。基本的な問題から長いす型の応用問題まで、解法をしっかり覚えているでしょうか。「消去算」は最近の比に関する問題でも出てくることがありますが、解き方を忘れていないでしょうか。過去の組分けテストの前半の問題を見直してみて、意外なもれがないかどうかチェックしておきましょう。

【攻略ポイント10 ぜひ実践したい直前チェック】

ここではテストの直前までにぜひチェックしておいて頂きたい項目を挙げてみます。車の運転前点検ではないですが、無事にテストに臨めるかどうかの基本的な内容の見直しです。基本ではありますが、忘れていると大きな失点につながるものばかりです。

  • 単位換算(面積):平方cm、平方m、a(アール)、ha(ヘクタール)、平方kmの換算    (容積):立方cm、立方m、l(リットル)、kl(キロリットル)の換算    (速さ):秒速m、分速m、時速kmの換算
  • 小数と分数:0.25=1/4、0.75=3/4、0.125=3/8、0.375=3/8、0.625=5/8、0.875=7/8       の換算
  • 平方数:1×1から15×15までの計算結果
  • 3.14計算:3.14に1から9までをかけた計算結果
  • 倍数のきまり:3の倍数(各位の数値の和が3の倍数)、4の倍数(下2ケタの数値が4の倍数)

これらを正確に覚えているかどうかは、基本的な問題だけでなく応用問題を解くスピードにも大きくかかわってきます。忘れかけている項目は、お子さん自身に一覧表をかかせて、部屋やトイレに貼ってみてはいかがでしょうか。かなり効果があると思われます。

【攻略ポイント11 書き出す作業について】

問題によっては、数値を書き出して調べることが必要なケースもあります。その際に、ただ闇雲に書き出すのではなく、一度考えてから書き出す方が時間を短縮できることがあります。例えば「5枚のカードに0、2、4、6、8の数字がそれぞれかかれています。5枚のうち3枚を使って3けたの整数を作るとき、3の倍数は何通りできますか」という問題。すぐに樹形図をかき出そうとしていないでしょうか。ここではまず、3の倍数になる3けたの整数が、どの数字で構成されるかを確かめます。(0、2、4)(0、4、8)(2、4、6)(4、6、8)の4パターンが該当します。ここで全てのパターンが何通りあるかを調べる必要はありません。(0、2、4)と(0、4、8)は1つが0で、他が異なる2つの数という構成で共通しており、(2、4、6)(4、6、8)は3つの異なる数で構成されている点で共通しています。つまり、(0、2、4)と(4、6、8)で何通りの整数ができるか調べれば、あとはその和を2倍すればよいだけです。(0、2、4)の場合は2×2×1=4(通り)、(4、6、8)の場合は3×2×1=6(通り)より、(4+6)×2=20(通り)となります。
すぐに数を書き出すのではなく、まずパターンが限定されないか確かめ、そのパターンについて調べることで、時間を大きく短縮できる例です。

一方で、地道に書き出してみることで解法の糸口がつかめる問題もあります。その代表格が「周期に関する問題」です。例を挙げましょう。「ある駅では、上り電車は午前7時ちょうどから、5分おきに発車し、下り電車は午前7時ちょうどから、6分おきに発車します。このとき、上り電車と下り電車の発車する時刻が1分ちがうことは、午前7時ちょうどから午前10時20分までに何回ありますか」という問題があるとします。
ここでは、頭の中で状況を整理しようと思ってもなかなか上手くはいきません。1分ちがうという要素が全体を複雑にしてしまっているのです。そこで、上りと下りの発車時刻を実際に書き出してみましょう。上りが、0、5、10、15、20、25、30、35…と続きます。下りは、0、6、12、18、24、30、36…と続くのです。こうして書き出してみると、5と6の最小公倍数である30分がひとつの周期になっていることがわかります。その中で5と6、24と25の2回があてはまることになります。あとは午前7時ちょうどから午前10時20分までが200分になるため、200÷30=6あまり20より、2×6+1=13(回)と答えに行きつくことができます。最後の+1は、あまりの20分の中に「5と6」が1回あることを表しています。少し難しい問題ですが、周期に関する問題では、まず書き出してみることでルールがわかることが多くあります。
書き出すべきか、書き出さずに解くべきかの判断は難しいですが、まずはすぐに取りかかる前に、一度考えてみましょう。もちろん時間は限られますので、長く考える余裕はありません。より速く的確な判断をするためにも、「場合の数」については、もう一度よく見直しておくとよいでしょう。

冬休み期間も冬期講習があり、日々の復習が必要になります。加えてクリスマスや正月といった誘惑が多い時期でもあり、組分けテストの対策に使う時間の捻出が大変ではありますが、新年度を気持ちよく迎えるためにも、しっかりと計画を立てて、実り多い年末年始を過ごしてください。

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