予想問題付き!サピックス5年生5月7日(月)マンスリーテスト算数攻略ポイント

今回は、5年生5月度マンスリーテスト対策をお伝えします。また、攻略ポイントだけでなく予想問題付きです。過去問を分析し最も出題される可能性が高い問題を揃えてあります。解説も準備しますので、間違えた箇所はとくに読み込んで本番で同じ間違いをしないように注意してください。問題は4/27(金)のお昼ごろ 鉄人会のHPにアップ致します。アップが完了しましたら、メルマガ、フェイスブック、ツイッターでもお知らせ致しますので、ぜひ鉄人会のフェイスブック、ツイッターもフォローしてください!

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春休み、GWを経て実施されるテストですが、とても大事な単元が多く含まれますので、早めから意識を高めて対策をする必要があります。
今回の範囲は、「分数と小数(1)」「春期:平面図形」「春期:数に関する問題」「春期:立体図形」「分数と小数(2)」「旅人算」となることが予想されます。特に春期明けの「旅人算」は、6年生になっても頻出の重要単元ですので、基本の理解を今のうちに確実に固めておくようにしましょう。
それでは、単元ごとに説明をして行きます。なお、分数の表記は「4分の1=1/4」、帯分数は「2と3分の1=2・1/3」のかたちとします。

【攻略ポイント1 分数と小数(1)(2)】

この単元では、同じ値での分数と小数の書き換え、既約分数、分数の大小関係に注意しましょう。
次のような問題があるとします。
「下の5つの数の中から、2つの数を取り出して差を求めます。このとき、最も大きい差を求めなさい。
2・1/3、2.3、2・3/7、2・9/25、2・2/5」
このように分数と小数が混在するタイプの問題では、分数を小数に直して大小関係を比べます。もちろん小数を分数に直す方法もあるのですが、通分の作業に多くの時間と労力を要してしまうことになります。上記の問題でも、すべてを分数にして通分しようとした場合に、分母に3や7があることで、最小公倍数が非常に大きな数になってしまい、計算間違いがより起こりやすくなってしまいます。
そこで分数を小数に直すのですが、1/3=1÷3=0.33…と割り切れない結果になります。割り切れない計算に抵抗を持たれてしまうお子さんが多いですが、ここでは細かな数値を求めるのではなく、大小関係を比べるのが目的なので、ピタリと正確な数値まで計算する必要はないことを、お子さんに伝えるようにしてください。
5つの数のうち唯一の小数が2.3と小数第1位までの表記になっていますので、この場合は小数第2位まで求めれば十分になります。同じような方法で、3/7=3÷7=0.42…、9/25=0.36、2/5=0.4となりますので、5つの数を書きかえると、2.33…、2.3、2.42…、2.36、2.4となります。
最も大きな差を求めるには、最も大きな数と最も小さな数の差を求めればよいので、最も大きな数2・3/7と、最も小さな数2.3の差として、2・3/7−2.3=2・30/70−2・21/70=9/70と求めることができます。最後の答えは正確な数にする必要がありますので、しっかり通分して計算するようにしましょう。
このタイプの問題は、割り算の計算にさえ気をつければ、解き方自体は難しいものではありませんので、ぜひ得点源としましょう。

次のような問題には、どのように対応すればよいでしょう。
「分母が44で、分子が1から44までの分数1/44、2/44、3/44、…、44/44のうち、約分できない分数は全部で何個ありますか。 この問題は、分母が44で1以下の分数から、既約分数の個数を求める問題です。既約分数とは、分母と分子に1以外の公約数がなくて、それ以上約分ができない分数のことを言います。それでは逆に約分ができる分数とは、どのような分数を指すのでしょう。既約分数の説明にある「分母と分子に1以外の公約数がなくて」がヒントになります。分母と分子に1以外の公約数があれば約分ができるということです。この問題では、約分できる分数の個数を調べて、全体の44個から引いて答えにたどりつくという解法が有効になります。一見、遠回りな印象ですが、既約分数を数え上げる作業は、その過程で見落としなどの間違いが起こりやすく、正確に数え上げようとすると、かえって時間がかかってしまうことがあるのです。
分母の44と公約数を持つ分子を調べるのですが、44=2×2×11と表せますので、分子が「2の倍数または11の倍数」のときに、44と公倍数を持ち、約分ができることになります。1から44までに2の倍数は44÷2=22より22個、11の倍数は44÷11=4より4個ありますが、ここで気をつけなければいけないのが、この22個と4個をそのまま合せてしまうと、2の倍数でもあり、11の倍数でもある数を、二重に数えてしまうことになります。集合のベン図をかけば、よりわかりやすく理解できるでしょう。
そこで、2と11の最小公倍数である22の倍数の数も算出する必要があります。44÷22=2より、22の倍数は2個ありますので、2の倍数または11の倍数の数は、22+44−2=24(個)となります。よって、約分できない分数の数は、44−24=20(個)と求めることができます。この問題に限らず、計算が多くなる問題では、最後に何を求めるのかを間違えないように注意しましょう。

また、次のような問題もあります。
「8/15より大きく11/16より小さい分数で、分母が48の約分できない分数をすべて求めなさい」
ポイントが盛りだくさんで、どこから手をつければよいか、迷ってしまうところです。
まず、8/15と11/16をそれぞれ分母が48の分数に直して、数の範囲を決めてしまいます。11/16=33/48とすぐに直せますが、48を15で割っても3.2と小数になってしまうので、分数として成立しない、と思われることがあるかもしれません。先程の問題と同じですが、正確な値を求めるのではなく、参考となる値を求めるので、分子が小数で表される分数でも構わないのです。大事なことは数の範囲を求めることにあります。このような、求めるものが何か、そのためにはどこまでの正確な数値の表記が必要なのか、といった考え方は中学受験の算数で大事なポイントのひとつです。ぜひこうした問題を通じて、考え方を養って行きましょう。
問題に戻ります。8/15の分母を48とした場合、分子は8×(48÷15)の式で求めることができますので、8/15=25.6/48となります。25.6/48より大きく、33/48より小さい分数から、約分できない分数を探すと、29/48、31/48の2つがあてはまることがわかります。
この問題も、解き方さえ固めておけば得点源にできる問題ですので、しっかり練習をしておくようにしましょう。

【攻略ポイント2 平面図形】

まず、面積の公式は改めて確実に覚えておくようにしてください。正方形はひし形の特別な形ですので、正方形の面積を求める際にも、ひし形の面積の公式である「対角線×対角線÷2」を使うことができることも、見直しておきましょう。
また、辺の垂直な関係には十分に注意をしてください。例えば三角形の面積の公式は、「底辺×高さ÷2」ですが、この底辺と高さは必ず垂直な関係にあります。当たり前のように思われるかもしれませんが、底辺と高さが必ず隣り合う位置関係にある、と誤って覚えてしまうことがあるのです。あくまで高さは底辺と垂直な関係にあることを確認しておきましょう。

今回の平面図形で特に気をつけるべきは、正三角形が転がるタイプの問題です。正三角形が様々な直線の上を回転する際に、ある頂点がえがく線の長さを求めるものですが、まずは1本の直線の上を回転するパターンで、基本を固めるようにしましょう。

図形を転がす問題でまず気をつけなければいけないのが、回転の中心が変わることです。例えば1辺の長さが6cmで、頂点がAから時計と反対回りにB、Cとなっている正三角形ABCを、辺BCが直線上にある時点から、すべらないように直線上を時計回りに転がす際に、頂点Bが動いてできる線をかく、といった問題があるとします。まずCを中心に辺ACが直線に重なるところまで回転させた場合、次の回転の中心はAになります。このように正三角形が回転することで、頂点の位置関係が変わりますので、回転の中心も変わってきます。この変化を的確に把握するためには、回転した後の正三角形をその都度かいておくことがよいでしょう。直線上の回転移動であれば、同じかたちの正三角形を直線上に横並びにかくことになります。そして、それぞれの正三角形に頂点記号をかき込んでおきます。こうしておくことで、頂点の動き、回転の中心の変化がより正確に把握できるようになります。図をかくことを面倒に思わずに、まず実践してみてください。

このタイプの問題で、さらに気をつけるべきポイントは、点の移動を表す線(軌跡)を正確にかく、ということです。当たり前のように思われるかもしれませんが、いざお子さんに線をかかせてみると、意外に線が雑になってしまうことがあります。特に注意して頂きたいのが、「線が通るべき点を正確に通っているかどうか」という点です。
例えば先に挙げた例で、正三角形ABCが点Cを中心に時計回りに回転する場合、半径が正三角形の1辺になるので、点Bは、もともと頂点Aがあった位置を通ります。ここで、線がふくらみ過ぎて、Aを通らないというケースがとても多く見られるのです。お子さんからすると、弧というものがふくらみを持つので、隣にある点の位置を通過することがイメージしづらいのだと思われます。
弧となる線をひくときには、中心だけでなく、半径がどのような長さになるのかに十分に注意をしてください。

このような回転移動の基本がしっかりつかめていれば、移動する直線が段になったり、垂直に折れたとしても、点の動きを追うことができます。まずは基本をしっかりおさえるようにしましょう。
また、小5のこの時期だからこそ、自分で図をかく練習をどうか大切にしてください。定規を使わないで、見やすく正確な図がかけるようになっておくと、小6になって図形問題を解く際に、大きなアドバンテージが生まれます。小6になってから図をかく練習をしようと思っても、その時間を捻出すること自体が、かなり難しくなってしまいます。

【攻略ポイント3 数に関する問題】

この単元では、四捨五入に関する問題に注意が必要になります。まずは、四捨五入の基本がしっかり理解できているかを、改めて確かめてください。前回のメルマガでも触れましたが、四捨五入を苦手としているお子さんは多いです。「0になるのは5から4」と機械的に覚えてしまってはいないかどうか、例えば「12を一の位で四捨五入するといくつになるか」といったわかりやすい例題を使って、理解を確かめましょう。 次のような問題では、四捨五入の基本理解が必須になるのです。
「ある整数を33で割って、商の小数第2位を四捨五入すると、答えが2.8になりました。ある整数はいくつですか。考えられる数をすべて答えなさい」
まず、解答に行き着くまでのステップとして、小数第2位を四捨五入すると答えが2.8になる数の範囲を求めます。ここで、2.75以上2.85未満の数があてはまることがすぐに出てくるかどうかをチェックしてください。答えが出るまで時間がかかるようでしたら、類題演習を重ねる必要があります。
これで問題が、「33で割って、2.75以上2.85未満の範囲に入るような整数を求める」というかたちに変わりますので、2.75×33=90.75以上、2.85×99=94.05未満にあてはまる整数ということで、答えが91、92、93、94と求められます。 このタイプの問題では小数計算の正確さも求められますので、気をつけるようにしましょう。

さらにステップアップして、次のような問題にも正確な対応が求められます。
「ある整数を9で割った商の小数第1位を四捨五入すると14になります。また、同じ整数を17で割った商の小数第1位を四捨五入すると8になりました。ある整数はいくつですか。考えられるものを小さい順にすべて書きなさい」
先程の問題よりもややこしく見えますが、解き方の基本は同じです。最後の範囲決めで図を使うと有効になります。
小数第1位を四捨五入すると答えが14になる数の範囲は13.5以上14.5未満なので、9で割った商の小数第1位を四捨五入すると14になる数の範囲は、13.5×9=121.5以上、14.5×9=130.5未満となります。
同じ考え方で、17で割った商の小数第1位を四捨五入すると8になる数の範囲は、7.5×17=127.5以上、8.5×17=144.5未満となります。
こうして得られた2つの数の範囲のどちらにもあてはまる数を求めるのですが、ここで図を使ってみましょう。
数直線となる1本の直線を引いて、上記の数を小さい順に左から121.5、127.5、130.5、144.5とかき込んで行きます。「以上」はその数を含みますので、121.5と127.5は●にします。「未満」はその数を含まないので、130.5と144.5は○にします。そこで、121.5と130.5を、範囲を表すように、ふくらみをもった線で結びます。同じように127.5と144.5も線で結びます。こうしてできあがった図を見ると、求める整数が含まれる範囲は、2つの範囲の重なった部分ですので、「127.5以上130.5未満」となることがわかります。
よって答えは、128、129、130となります。問題では「小さい順に」答えるように指示されていますので、この順番を間違わないように気をつけてください。
問題の文章は長く、計算は少し複雑ですが、○や●を使った図での解き方を身につけておけば、大きな抵抗がなく解けるようになります。ぜひ練習を積むようにしてください。

【攻略ポイント4 立体図形】

立体図形でも平面図形と同じように、直方体や柱型の図形の体積の求め方は確実に覚えておくようにしましょう。また、容積の問題で単位の換算が必要になることがあります。1リットル=1000立方cm、1リットル=10デシリットルといった単位の関係を、問題を解く前提として、よく見直しておいてください。

ポイントとなるのは、まず「棒を入れる」タイプの問題です。水の入った容器に、柱型の立体を入れて、水位の変化を見る問題なのですが、これは6年生になっても苦手な生徒さんがいる、要注意単元のひとつなのです。立体の水に入った部分の体積と、増えた水位の分の水の体積が同じになることが、なかなかイメージできないことが多いですが、今の段階ではまだ問題も基本的になりますので、ここで解き方をしっかり身につけておくようにしましょう。
例題を挙げてみます。
「たて12cm、横15cm、高さ20cmの直方体の形をした容器に水が13cmまで入っています。この中に、たて5cm、横6cm、高さ25cmの四角柱の棒を、底面が容器の底につくまでまっすぐ入れると、水面の高さは何cm上がりますか」
メルマガでは図がかけませんので、簡単に図をかいてみてください。

ここでは2種類の解き方をご説明します。まずは容器に入った水の体積を出す方法です。棒を入れる前と後で水の体積は変わりませんので、12×15×13の式で求めることができます。ここに棒が入ることで、「容器の底面積」が変わります。12×15の長方形であったものが、棒の底面積である5×6の分だけ少なくなるので、12×15−5×6=150(平方cm)が新しい底面積です。よって、12×15×13÷150=12×13÷10=15.6(cm)という高さに水位が変化します。ここから水面が15.6−13=2.6(cm)上がったことがわかります。
この解き方でひとつ気をつけて頂きたいのが、計算を少しでも楽にすることです。水の体積は12×15×13の式で求められますが、2けたの数が3つも並ぶかけ算なので、間違いが起こりやすくなってしまいます。この後に新しい底面積で割ることがわかっていますので、式のかたちのままにしておくとよいでしょう。上述の解き方でも、15÷150の計算を先にしておくことで、12×13を10で割るという簡素化ができました。ぜひかけ算、割り算が混ざる式は計算の進め方に注意してください。

もうひとつの解き方は、断面図を使う方法です。容器に棒が入る状況を、容器を真正面から見た図をかいて解く、という方法です。図のかき方をご説明します。
まず容器を真正面から見た図として、上の辺がない長方形をかきます。たての長さを容器の高さの20cmとします。そこに13cmの高さまで水が入っていますので、下から13cmのところで、底辺に平行な線をひきます。これが棒の入る前の水面を表す線になります。
ここに棒を入れた状況をそのままかき込むのですが、わかりやすくなるように、棒を表す長方形を、容器を表す長方形の左端に、お互いの左のたて線が重なるようにかきましょう。そして、棒が入ったことで水位が増しますので、もとの水面の線から少し上に、平行な横線をひきます、これが、棒が入った後の水面を表す線です。

ここから、棒の、もとの水面から下に入った部分(断面図では左端にできた長方形になります)に斜線を入れます。また、容器の棒のないところで水面が増えた分の長方形に、同じく斜線を入れます。棒を入れたことで水位が増しましたので、斜線を入れた2つの長方形の面積が同じであると言えます。
あとは数値をかき込んで行きます。ここで、容器を表す長方形の底辺部分に、「面積」の数値を、長さとしてかき入れます。面積が長さに変わることがわかりづらいかもしれませんが、もともとこの図は立体を平面で表していますので、数値は便宜的におくことができるのです。ただ、お子さんからすると、同じ図の中に、長さと面積が同じように辺の長さで表現されることに違和感を持ってしまうかもしれません。その場合は、面積を表す部分は、太線や囲み線などにして、長さを表す部分と区別できるようにしておくとよいでしょう。

左端の棒を表す長方形の底辺部の長さが、棒の底面積である5×6=30となります。同じように、容器を表す長方形の底辺部の長さ(横全体の長さ)が15×12=180となります。ここで、棒のない部分の横の長さが180−30=150と、求められます。
これで解答の材料がそろいました。求めるのは水面が何cm上がったかですが、それは右側にある斜線部分の長方形のたての長さにあたります。斜線部分の面積が等しいことから、左側の長方形を使って、面積が30×13の式で求められます。それを右側の長方形にあてはめて、たての長さを、30×13÷150の式で求めれば答えに行き着くことができます。30×13÷150=2.6より、答えは2.6cmと、先の方法と同じ結果になります。

いまの段階では、はじめにご説明した水量を求める方法で十分に対応ができますが、これから6年生に向けて問題の難度が上がり、比を使うようになると、後にご説明した方法がより有効になってきます。問題が基本的なこの時期だからこそ、後にご説明した方法を習得できるとも言えます。ぜひ両方の解法を試してみてください。

立体図形では、その他に「投影図」の問題にも注意が必要です。投影図を見て、その立体の見取り図がかけるかどうかがポイントになります。直方体や円柱といった基本的な形であればどのような投影図になるのか、また投影図で斜めの線は何を意味するのか、といった項目をひとつひとつ確実に理解して行きましょう。

【攻略ポイント5 旅人算】

ここでは、次のような問題の解法をご説明します。
「甲町と乙町を、Aは分速120m、Bは分速85m、Cは分速75mで進みます。AとBは甲町から、Cは乙町から、向かい合って同時に出発しました。CはAと出会ってから7分後にBと出会いました。甲町と乙町の間の距離は何mですか」
2人が向かい合って出会う旅人算の応用型で、3人が2人対1人で出会うかたちになります。このタイプの問題では、状況を表す線分図の利用が必須となります。解き方に慣れると線分図をかかなくてもよいように感じるかもしれませんが、細かなミスが起こってしまいますので、慣れた場合でも簡単にでも構いませんので線分図をかくようにしましょう。

まず一番上に甲町と乙町を結ぶ線分をひきます。この線分の長さを求めることが問題になっています。次にその下にひく線分ですが、時間的に先に出会うのはAとCですので、甲町から乙町へとAが進む線分、乙町から甲町へとCが進む線分をひいて、途中でその2本がぶつかるようにします。念のため進む方向を表す矢印を入れておきましょう。この2人が出会う地点ですが、甲町と乙町の間の距離がわかっていませんので、適当なところで構わないのですが、Aが分速120m、Cが分速75mですので、中心より乙町寄りのところになります。

次にBが進む動きを表す線分ですが、2本目にひいたAとCが出会う線分から少し間をあけてひくようにしてください。AとCが出会った時点で、分速85mのBは、Aより少し甲町寄りのところにいます。そこで線分を止めておきます。
次に、Bの線分の上(AとCが出会う線分との間に空けておいたスペースです)に、BとCが出会う線分図をかき入れるようにします。Bが分速85m、C君が分速75mですので、真ん中より少し甲町寄りのところで出会うことになります。

線分としては以上で完成なのですが、ここでこのタイプの問題を解くためのポイントになる、記号のかき入れを行います。その記号とは、「同じ時刻を表す」もので、この記号をかき入れることで、3人の動きがよりわかりやすくなるのです。

まずA、B、Cが同時に出発する時刻を○として、甲町にあるAとBの位置、乙町にあるCの位置に○をかき入れます。次にAとCが出会う時刻を●として、お互いに出会ったAとC、Aより少し遅れているBの位置に●をかき入れます。最後に、BとCが出会う時刻を△として、お互いに出会ったBとC、上の線分でより乙町に向かって進んだA(適当な位置で構いません)の位置に△をかき入れます。

このように記号をかき入れることで、3人の位置関係がよりはっきりとします。そこで問題を解いて行きましょう。

求めるのは甲町から乙町までの距離ですが、上から2本目の線分図から、AとCが出会うまでに、2人が進んだ道のりの合計が、甲町から乙町までの距離になります。AとCの速さがわかっていますので、2人が出会うまでの時間がわかれば一気に正解に行き着くことができます。
そこで記号を見てみましょう。必要な時間は、○から●までの時間です。その時間を求めるために、AとBの動きを表す線分を見比べてください。どちらも出発地点は○ですが、●の位置に違いがあります。これは分速120mで歩くAと分速85mで歩くBが同じ時間で歩いた際に生まれた道のりの差です。さらに図をよく見てみると、ちょうどその差の道のり部分で、BとCが出会っています。問題で、BとCが出会うのは、AとCが出会ってから7分後となっていますので、BとCが2人合わせて進んだ道のりが、(85+75)×7=1120(m)と求められます。
この1120mが、AとBが同じ時間(○から●)をかけて歩いた道のりの差になりますので、その時間が、1120÷(120−85)=32(分)となります。よって、甲町から乙町までの距離は、AとCが32分かけて歩いた道のりの和ですので、(120+75)×32=6240(m)と導き出すことができるのです。

解答に行き着くまでに、いくつかのステップを経ることになりますので、複雑に見えるかもしれませんが、線分図をかき、そこに同じ時刻を表す記号をかき入れることができれば、3人の動きがとてもわかりやすく、解きやすくなります。
いきなりこのタイプの問題で、記号のかき入れをするのは少し難しいかもしれませんので、もっとシンプルな「分速70mで歩く太郎君がA町からB町へ、分速50mで歩く花子さんがB町からA町へ、同時に歩き始めた」といったタイプの問題で、線分図に○や●といった記号をかき入れる練習をしておくとよいでしょう。

旅人算では動きをよりわかりやすく図示化することが、解法のポイントになることに注意しておいてください。

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