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第17回は『論理・数の操作』です。復習テーマは、概数、推理です。新出テーマは、N進法、連続整数に関する問題、規則を見つける、です。
新出テーマでは、特殊な操作が多いです。なぜそのような操作になるのかといった、背景の考え方を理解することで、長期保存あるいは他への利用ができるようになります。しっかりと理解して進めましょう。
N進法を考えます。
ビー玉を数える装置があります。使われる数字が、{0,1,2,3}ですので、4進法の問題です。Aは、0から3までの個数をあらわします。Bは、4個1組が0組から3組までの個数を表します。Cは、(4×4=)16個1組が0組から3組までの個数を表します。Dは、(4×4×4=)64個1組が0組から3組までの個数を表します。
(1) 問題の図では、Dは2組、Cは1組、Bが2組、Aが3個を表しています。よって、(64)×2+(16)×1+(4)×2+3=155 より、ビー玉は、155個です。
(2) 99÷4=24あまり3 より、Bが24組と3個となりますので、Aは3です。Bが4組でCが1組になりますので、24÷4=6 より、C組が6組で、Bは0です。Cが4組でDが1組になりますので、6÷4=1あまり2 より、Cが2、Dが1です。結果、A=3、B=0、C=2、D=1 を指します。(2)の計算は、予習シリーズの解き方(177ページ)にあるような、割り算を逆向きにすすめる方法(すだれ算ともいう)を使うと効率よくできます。
N進法を考えた数列で、使われる数字が{0,1,2}ですので、3進法の問題です。
(1) 3進法の221が、何番目(10進法→1から順に数える)になるか、という3進法→10進法の問題です。3進法は、1の位、3の位、3×3の位、……、となっています。よって、(3×3)×2+(3)×2+1=25 より、221は、25番目です。
(2) 10進法→3進法の問題です。前問に記したように、すだれ算を利用すると効果的です。 50÷3=16組あまり2 より、(3)の位が16組と、2があまり、16÷3=5組あまり1 より、(3×3)の位が5組と(3)の組が1組あまり、5÷3=1組あまり2 より、(3×3×3)の位が1組と、(3×3)の組が2組あまり、よって、50番目の整数は、1212 です。
投票についての問題を考えます。当選するために必要な、最少の得票数を求める公式を作ります。総投票数÷(当選人数+1)=(整数の商)AあまりB (Bは0でもかまいません)
最少得票数=A+1
※立候補者の人数は、計算には使いません。
35人のクラスで、1人1票を投票して、2人の代表を選びます。ある人物Aが当選するために必要な最低得票数を求める問題です。立候補者数が5人いますが、この人数は問いません。
上に記した公式にそって求めます。35÷(2+1)=11あまり2、11+1=12 より、Aが当選するためには、最低12票必要です。
同じく投票の問題ですが、開票途中を考える問題です。105人の6年生の生徒の中から、1人1票の投票で、学年代表を3人選びます。立候補者は、A~Eの5人です。また、70票まで開票した、各候補者の得票数がわかっています。
(1) 現時点で、得票数25票のAが当選確実かどうかを考えます。(3+1=)4人が接戦になるまで、得票したと考えます。このとき、上位から4人を考えることで、接戦の状況になりますので、Eは除いて4人で考えます。Bに(25-16=)9票、Cに(25-12=)13票、Dに(25-9=)16票、それぞれ得票すれば同得票数になりますが、残りは、(105-70=)35票で、(9+13+16=)38票になりませんから、B、C、Dの3人全員がそろって、Aに追いつくことはありません。よって、Aは、上位3人の中に入りますので、Aは当選確実です。
(2) 当選確実のAを除くB、C、Dから、(3-1=)2人を選びます。ここで、A、Eを除くB、C、Dの3人で再投票と考えます。ただし、AとEの得票数(25+8=)33票はそのままにして、105-33=72票で進めます。72÷(2+1)=24あまり0 より、24+1=25票で当選確実となります。現在、Bは16票ですから、25-16=9 より、Bは、あと9票とれば当選確実です。
第18回は『数列と数表』です。いろいろな数列について、ある数が何番目にあるか、また、何番目の数は何かを考える問題です。数列の種類によって、考え方が異なります。どんな数列なのか、どんなルールなのかを整理することを目標に学習しましょう。また、数列を表の形で表した数表問題では、表の行と列の関係を考えて進めます。
数列の問題の中でも、難しい数列を学習します。1つ1つ丁寧に理解していきましょう。特に、数表問題は難問ですので、繰り返しの学習をこころがけてください。
階差数列といわれる数列の問題です。この数列は、元の数列(第1数列)の前後の数の差を書き出すと、この数列(第2数列)が等差数列になっているものです。なお、第2数列の個数は、第1数列の間の数ですから、植木算の考え方です。
問題の数列は、(第1)数列の前後の数の差が、(第2数列で)1、2、3、4、…と等差数列になっています。言いかえると、第1数列の数は、初めの数である1に、第2数列の1、2、3、4、…を順に加えてできた数列です。
例えば、5番目の数である11は、1+(1+2+3+4)=11 と求めることができます。この仕組みにより、15番目の数は、第1数列のはじめの数である1に、第2数列の1番目の数から(15-1=)14番目までの数の和を加えることにより求められます。
つまり、15番目の数は、1+(1+2+……+14)=1+(1+14)×14÷2=106です。等差数列の和の求め方を忘れていないかどうか、しっかり確かめておきましょう。
群数列の応用的な問題を学習します。
3の倍数でない1以上の整数を、ならべた数列です。3の倍数でない整数というところに注目して、これらの整数を3で割ってみますと、あまりが1と2の繰り返しになっています。そこで、(1,2)、(4,5)、(7,8)、……とした組(群)の群数列と考えることができます。45番目の整数は、45÷2=22あまり1 より、22組の次で、23組の1つ目の整数です。各組の1つ目は、1、4、7、……と、等差数列になっていて、この数列の23番目が求める整数です。よって、1+3×(23-1)=67 より、左から45番目の整数は、67です。
数列のきまりを発見することが難しい問題です。この数列は、条件(3と4の倍数を除いた数列)より、3と4の最小公倍数12を考え、1から順に、それぞれの数を12で割ったときの余りが、{1、2、5、7、10、11}の周期となる数を列にしたものです。
よって、{1、2、5、7、10、11}を第1組として、以下{13、14、17、19、22、23}、{25、26、…}、…と、第1組のそれぞれの数に12を加えてできる、各組の個数が6個となる群数列です。
例えば、第2組の1番目は1+12=13、2番目は2+12=14、また第3組の1番目は1+12×2=25、…となります。
(1) 89÷12=7あまり5です。これは、商(わり算の答え)の7に1を加えた8組で、あまりの5は、3番目を表しています(第1組で5は3番目にある)。あまりの5は、5番目を表しているわけではない、ことに注意してください。6個ずつ7組あって、その次の組の3個を合計します。6×7+3=45より、89は45番目の数です。
(2) (1)の逆問題です。100番目は、100÷6=16あまり4ですので、(16+1=)17組の4番目の数です。第1組の4番目の数は7ですから、7に、12を(17-1=)16回かけた数を加えた数です。よって、7+12×16=199より、100番目の数は199です。
わり算の商とあまりが何を表しているかを、理解しましょう。また、あまりのあつかいが重要な問題ですので、あまりのあるわり算でミスがないように気をつけましょう。
数表問題を学習します。ここでは、四角数、三角数が使われることが多いので、まず、予習シリーズ195ページにある枠内の説明をよく読んで理解しましょう。
四角数(ご石を正方形の形に並べたときの個数で、平方数とも言われます)の数表問題です。数の並び方から、各行の左から1列目の数が四角数(平方数)になっていることに気づきましょう。左から1列目の数は,各行の「行数」を2回ずつかけた数でできています。1行目は1×1=1、2行目は2×2=4、3行目は3×3=9、…となっています。このように、同じ数を2回かけてできる数を平方数と言います。また、表の中の数の進み方を確認して解いていきましょう。
(1) 6行目の1列目の整数は、6×6=36 より、36です。
(2) 5行目の11列目の整数は、11×11の枠の上にあります。予習シリーズ196ページの解き方にある図(モデル図)を参照してください。10×10の枠の最後(10行1列の10×10=)100の次から5番目の整数となります。よって、100+5=105 より、5行目の11列目にある整数は、105です。
(3) 62に近い平方数を考えることから進めます。8×8=64が近い平方数で、64は8行目の1列目です。62は、64-62+1=3で、ここから、62は、8行目の3列目にあります。
三角数(ご石を三角形の形に並べたときの個数)の数表問題です。この数表は、右上から左下へ45度の角度の線上に数が増えています。そこで、各行の左から1列目の数に注目します。2行目は1+2=3、3行目は1+2+3=6、4行目は1+2+3+4=10,…となっています。このように、整数の1から順に整数を連続して加えてできる数を三角数と言います。三角数は、等差数列の和を求めて作ります。なお、予習シリーズ197ページの解き方にある図を参照してください。
(1) 7行目の1列目の整数は、1から7までの整数の和となりますから、等差数列の和を求める計算で、(1+7)×7÷2=28 より、28です。三角数の数表は、初めに述べましたように、数の並び方が右上から左下へ向かう45度の傾きをもつ線上に並びます(右下から左上に向かう問題もあります)。この45度線上にある数の「行数」と「列数」の和はつねに等しくなります。たとえば予習シリーズの解き方にある図において、4組にある{7、8、9、10}は同じ45度線上にあります。この組の各数の位置、つまり、○行目の左から△列目の数とした場合の(○+△)は、1行目(○が1)の左から4列目(△が4)の数である7が1+4=5、同様にして8が2+3=5、9が3+2=5、10が4+1=5と、すべて(○+△)が等しく5になっています。
まとめますと、同じ45度線上にある各数では、(行数+列数)は等しくなります。このことを、理解しておいてください。とても煩雑ですが、丁寧に読んで理解してください。一度理解できれば解けるようになります。
(2) 4行目の6列目の整数は、(行数+列数)で、4+6=10ですから、10-1=9より、9行1列の45度線上にあります。9行1列の数は、1から9までの和で45ですので、9-4=5 より、45より5つ手前の数が求める整数です。よって、45-5=40 より4行目の6列目の整数は、40です。
(3) 60に近い三角数を求めることから進めます。1から10までの和は55(10行1列でおわる45度線)ですから、60-55=5 より、60は次の(11行1列でおわる)45度線上の上から5番目です。(行数+列数)で、11+1-5=7 より、60は、5行目の7列目の整数です。
第18回は『一方におきかえて解く問題』です。中学受験算数の中でも代表的な問題といわれる、つるかめ算を学習します。予習シリーズ166ページから167ページにある説明をよく読んでください。つるかめ算のイメージをつかみ、解き方の仕組みを理解しましょう。また、つるかめ算が変化した弁償(べんしょう)算も学習します。
つるかめ算では、1つとりかえるごとに「差」の数ずつ変わっていきますが、弁償算では、1つとりかえるごとに「和」の数ずつ変わっていきます。その違いの理由を理解することが,今回の学習では重要です。
つるかめ算の問題を解く仕組みを考えましょう。
つるかめ算の基本の問題です。つるとかめがいて、頭の数の合計が13で、足の数の合計が44のとき、つるは何羽いるかを考えます。手順として、問われていないかめが13匹いる(つるは0羽)と考えてスタートします。このとき、足の数の合計は、4×13=52本です。実際は44本ですから、52-44=8本少なくなければなりません。そこで、かめ1匹をつる1羽にとりかえると、足の本数が、4-2=2本少なくなりますので、8÷2=4 より、かめ4匹をつる4羽にとりかえることになります。よって、つるは4羽いました。
一般的な文章題をつるかめ算で解く問題です。50円切手と80円切手を合わせて15まい買い、1000円さつを1まい出したところ、おつりが70円でした。80円切手を何まい買ったかという問題です。前問と同様、50円切手を15まい買ったときからスタートします。このときの代金は、50×15=750円ですが、実際の代金は、1000-70=930円でした。50円切手1まいを80円切手1まいにとりかえると、80-50=30円多くなります。そこで、930-750=180円多くするには、180÷30=6まいとりかえればよいことがわかります。よって,80円切手は6まい買いました。
2つの量について、それぞれの1個あたりの量と個数、そして全体の量がわかっている場合に、つるかめ算が使えることになります。問題文を読んで、つるかめ算が使えることの判断ができるだけ早くできるように、練習を重ねましょう。
弁償算といわれる問題を考えます。つるかめ算との違いは何かに注意しましょう。
弁償算の問題です。200まいのお皿をあらう仕事で、お皿を1まいあらうごとに20円もらえます。ですが、お皿をわってしまうと、20円はもらえずに、お皿代50円を弁償しなければなりません。
(1) (お皿をわらずに200まいあらった場合) 20×200=4000 より、4000円もらえます。(お皿を1まいわってしまった場合) あらったお皿99まいの分として、20×199=3980円ですが、わった1まいの弁償として50円少なくなりますので、3980-50=3930 より,3930円もらえます。(お皿を2まいわってしまった場合) あらったお皿98まいの分として、20×198=3960円ですが、わった2まいの弁償として(50×2=)100円少なくなりますので、3960-100=3860 より、3860円もらえます。
(2) (1)より、4000円、3930円、3860円、と、お皿を1まいわるごとに、70円ずつ少なくなっていきます。この70円は、あらったことでもらえる20円がもらえず、弁償のための50円が少なくなりますので、20円と50円の和としての70円少なくなることを表しています。この考え方で解いてみましょう。4000-3580=420 より、お皿を1まいもわらなかった場合とくらべて、420円少なくなっています。お皿を1まいわるごとに70円少なくなりますから、420÷70=6 より、お皿を6まいわってしまいました。
前問と同様、弁償算ですが、はじめに、ある数量(持ち点)がある問題です。はじめに得点が30点あり、1回勝つごとに5点もらえ、1回負けるごとに1点ひかれるゲームをします。このゲームを20回したときの得点が88点になりました。このときの負けた回数を求めます。まず、20回すべて勝ったときの点数を求めます。30+5×20=130点です。1回負けたとき、5点がもらえず、逆に1点ひかれますから、5+1=6点少なくなります。実際の点数を考えると、130-88=42点少なくなっていますので、42÷6=7 より、負けた回数は、7回となります。
この問題では、負けた回数を求める問題でしたが、勝った回数を求める問題もありますので、間違えないように問題文をよく読みましょう。なお、勝った回数を求める場合でも、負けた回数を求めて、20回から引くことで解答します。
つるかめ算と、弁償算のちがいをしっかりつかみ、どちらも解けるよう学習してください。
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