早稲アカのNN選抜で惜しくも合格できなかった生徒さんへ

7月18日、20日にNN志望校別クラスの選抜を兼ねた模試が行われましたが、結果はいかがだったでしょうか? ご存じかとは思いますが、例年この7月のテストの段階で「NN合格」の認定を勝ち取るのは、決して簡単なことではありません。ですから、今回の結果に落ち込むよりも、「この夏に何をしておかなければならないのか?」をはっきりさせ、夏休み明けのテストへ向けて気持ちを切り替えていく必要があります。いえ、むしろ「今回のテストによって、夏の課題がはっきりしてよかった。」と考えるくらいの気持ちの余裕があればいいですね。

【まずは結果分析:基礎力の完成が大前提】

何よりも大切なのは、結果を分析して「自分に足りないものは何なのか?」を正確に把握することです。

その際、「四科合計点で10〜20点程度の僅差で不合格」でなければ、念のため基礎力がしっかりしているのかどうかをもう一度見直してみる必要があります。と申しますのも、私の経験上、NNが設置されているような難関校を目指す皆さんは、ご本人も親御さんも「絶対に合格してやる!」という気合いが入りすぎて、ついつい「あれもやらなくちゃ、これもやっておかなくちゃ。」という焦りへとつながっているケースをたくさん見てきたからです。

夏休みは受験の天王山などと言いますし、学習時間もたくさん取れるのは事実です。しかし、塾での授業や宿題をこなしていけば、残された「自分なりの課題に取り組む時間」は、実はそんなに多くはないので、あれもこれもやろうとすると計画倒れになってしまいがちなのです。

ならば、「これもやりたい、あれもやらなければ。」という山積みの課題の中で一番はじめに手をつけておくべきことは「基礎力の完成」ではないでしょうか? その必要性をこの7月のテストで再確認したはずではありませんか?

中学受験では、いくら焦っても良い結果は生まれません。急がば回れです。7月の選抜で結果が出なかった方は、ぜひこの夏の課題のトップに「基礎力の完成」を挙げて取り組んでみてください。

【利用できる時間を冷静に考える】

私の経験上、7月の選抜でNNに合格できなかった皆さんは、かなりの確率で校舎の担当者に「夏に何をやればいいですか?」と質問してきます。その質問自体はいいのですが、その際に「やっぱりこれとあれもやっておかなければならないですよね。」と言って提示する内容が多すぎるのです。キャパを超えてお子さんがパンクしてしまうのではないか? と心配になってしまうような内容なのです。

実際に受験勉強をするのはお子さんであり、保護者の皆さんは傍で見つめたり励ましたりすることしかできません。ですから、不安からついついあれもこれもやっておいたほうがいいように思いがちです。また、保護者間のネットワークから入ってくる情報も「これをやったらすごく伸びた。」「あれだけは絶対にやっておいたほうがいい。」などというものが多く、ますます焦ってしまいます。

しかし、この夏にお子さんが自由に使える時間はそう多くないのです。ここは一度冷静になり、「何が必要か?」という観点だけでなく「何をできるのか?」という視点も取り入れて、この夏の取り組みを見つめなおす必要があります。

【塾との調整役こそが保護者の皆さんの最大の役割】

たくさん課題はあるが、時間はそんなに多くない。こんな状況の中で保護者の皆様にやっていただきたい役割が「塾との調整役」です。

塾での授業というものは集団授業ですから「多くの受験生にとって必要なことを、四捨五入してやっている」わけです。当然のことながら、「うちの子にとってはあまり重要ではない」ところがたくさんあります。そんな中で、宿題について取捨選択することができれば、自分の学習のための時間を確保しやすくなります。 このために塾との間に立って調整をしていただきたいのです。

その際、絶対に「基礎力UPに関わる部分」は削らないでください。例えば漢字練習とか、計算練習とか。これらは、講師も「緊急の課題ではない」という認識をもちつつも、しかし将来的にじわじわ効いてくることを考えて、遠回りに見てもあえて課しているものです。ここだけは削らないでください。

それよりも、「模試などの結果、明らかに得意である分野」のところで少し負担を軽くしてもらうのがいいでしょう。YTを選択しているのなら、そのデータなどは有力な判断材料となります。それを持って校舎に出かけ、担当講師から夏のカリキュラムを見せてもらいながら、どこで負担を軽くして自分自身の自由に使える時間を捻出しましょう。

【まとめ】

早稲田アカデミーは大手塾の中では「少人数、面倒見が良い」ことで通っていますし、私もその通りだと思うのですが、しかしそれでも「この子はこの単元はそんなにしゃかりきになる必要はない、あの子はこの単元は後回しにしてもよい。」ということまで把握している講師は少ないものです。そこまでの細かい情報は整理できていません、激務のためかと思います。

ですから、保護者の皆さんが自ら動いていかなければ、「うちの子にとってはほぼ完成しているはずの内容にたくさん時間をかける」ことになってしまいかねません。

別にけんか腰になる必要はありません。かといって講師に過剰に気を使う必要もありません。「どんなところが課題だと思いますか?」「ではそれをやるための時間はどうやって作りましょうか?」「先生が出す課題の100%が全員にとってドンピシャではないと思うのですが、ではうちの子はどの部分は削れますか?」という風に、自然な流れとして相談できることです。このくらいは失礼でもなんでもありません。

お子さんの時間のねん出のために、ぜひ保護者の皆さんが動いてみてください。その際に「基礎力強化の課題は絶対に削らない」という姿勢で臨んでください!

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