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今年も残すところあとわずかとなりました。受験まであと1ヶ月、過去問演習に余念のないところだと思います。過去問をやっていて気になるのが、やはりあと何点で合格できるのかということでしょう。
合格者平均点や合格最低点などとくらべて、「あと10点あれば合格できる」「あと5点あれば安全圏なのに」というような結果になることも多いのではないでしょうか。そこで、今回はあと10点伸ばす方法をご紹介したいと思います。
あともう少し得点を伸ばそうとするとき、よく言われるのが「計算や漢字などでの失点をなくす」「社会や理科の知識を固める」という方法です。これらの方法ももちろん有効ですが、このほかにも、じつは、見落としがちな得点ポイントがあります。
それは、「記述問題の部分点」です。
受験直前のこの時期、「いまさら手をつけても遅い」とあきらめていませんか。たしかに、いまから文章の「読み取り方」を飛躍的に向上させるのはむずかしいかもしれませんが、記述問題の「書き方」を改めることは比較的簡単です。
記述問題を出題する学校のほとんどは、部分点を用意しています。そうした部分点は、中学校の先生方が生徒の答案を評価しようとして用意したものですから、読み取ったことを正確に表現できるようになるだけで得点できます。
また、一般的に記述問題の配点は高くなっていますから、書き方次第で、10点ぐらいはすぐにかわります。「どのように書けば、部分点を多くもらえるか」を知れば、あと10点伸ばすことは十分可能です。
国語の記述問題の場合、一度解いた問題は解き直さないという人がけっこういらっしゃいます。たしかに、文章の内容や答えを知っているのだから、解き直しをしても文章の「読み取り」の練習にはなりません。また、記号選択肢の問題をやり直したところで、「ア」という答えを覚えているのであれば、あまり効果はないでしょう。
しかし、記述問題を解き直すことは別です。
多くの小学生は、知っていることをそのまま正確に書き表すことができません。知っていること、思ったことを表現するには、やはり訓練が必要なのです。
そこで、答えを知っているはずの記述問題を解きなおしてみましょう。意外に書けないことに気がつくはずです。どんな言葉を使えばいいのか、どういうふうにまとめればいいのか自分の頭で考えることで、本当の意味での表現力がついていきます。読み取ったこと(思ったこと)を正確に書けるようになるだけで得点は伸びます。
さらに、最初に書いた解答と、解き直した解答を自分で見比べてみることも大切です。どこが変わったのか、どう書けばうまく書けたのかを自分でチェックすることで、過去の自分の解答を客観的に見る目が養われます。この力は、試験当日、自分の答案を見直すときにも役立ちます。“見直す練習”をしていないのに、試験本番で見直すことができるわけがありません。どのように見直せばよいのか覚えておくことが大切です。
部分点を取るうえで、いちばんやってはいけないのが「白紙答案」です。白紙では、中学校の先生が点数をあげたくてもあげられません。ですから、「絶対に白紙にしない」という心構えが大切です。
そうはいっても、どうしても書けない問題が出てくるかもしれません。答えがわからないから、何も書けないという問題です。
しかし、あと10点伸ばすためには、こうした問題にこそ、「何か書く」ことが大切です。いままで0点だった問題を、わずかでもプラスにするというのが部分点獲得作戦のポイントです。
では、どうすれば「何か書く」ことができるのか。その手がかりは短文作りにあります。小学校では2〜4年のときに学校で練習したことがあるかもしれませんが、何かひとつの単語を使って文をつくる練習です。たとえば、“「しかし」を使って文を作りなさい”や“「まるで」を使って文を作りなさい”という問題です。このような問題は、子供たちは楽しんで取り組むことができていたはずです。
この短文作りを利用して、「何も書けない問題があったら、短文作りのようなイメージで解答を作る」というのが第2の作戦です。どんなに難しい問題でも、そのときの人物の気持ちがプラス方向の気持ちなのか、マイナス方向の気持ちなのかはわかるはずです。プラス方向であれば、「うれしい」「感動している」などの言葉を使って文をつくります。マイナス方向であれば「悲しい」「うしろめたい」などの言葉を使って書くようにします。もちろん、どうしてそういう気持ちになったのかは、文章中から読み取った内容でまとめるようにします。
こうすることで、白紙にせず、なんとか正解らしい方向の解答を書くことがきるはずです。まずは、「うしろめたい」を使って文が作れるかどうかを練習してみましょう。
この作戦は、記述問題中心の難関校(麻布、桜蔭など)をねらう場合の作戦です。ハイレベルな競争を勝ち抜くための部分点獲得法です。
記述問題の解答の優劣は以下のようになります(1が最もよい評価です)。
一般的に記述問題は、文中語句を使って書くようにできています。ですから、ほとんどの学校では、上記2ぐらいまでの解答ができれば十分に合格できます。やみくもに自分の言葉を使おうとして上記4のような答案になる危険を考えれば、最低でも上記3のような解答をめざしたほうが安全であるといえます。
しかし、上位校をねらう場合、上記3のような解答ではあまり得点できない問題が多いです。最低でも上記2のように、自分の言葉を付け足す必要があります。自分の言葉を使ってうまくまとめられるようになると、上位校でも大きく得点をかせぐことができます。
以上、3つの作戦をご紹介しました。書き方は、今すぐにでも直せます。正しく書けるようになれば、実力がそれほど変わらなくても、得点は十分に伸びるでしょう。残された時間を有効に活用され、一人でも多くのお子様が合格の栄冠を勝ち取られること願っております。
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