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第4回は『つるかめ算の応用と年令算』です。つるかめ算の発展的な問題と年令算を学習します。
つるかめ算の応用としての、いもづる算の仕組みをしっかり理解しましょう。きちん
と理解すれば解けます。また、3種のつるかめ算では、2通りの解法の区別を問題文から読み取れるようにしましょう。
年令算では、すべての人が1年に1才、年をとりますので、「年令の差は常に変わらない」ということをどのように利用するかに注目しましょう。
つるかめ算の復習および応用を学習します。問題文から、かけ算の関係が2つあり、2つのかけ算の積の合計が与えられ、かける数の合計が与えられている場合が、つるかめ算であることを読み取ります。
また、つるかめ算のうち、かける数の合計が不明になっているという、条件が不足しているつるかめ算(いもづる算ともいいます)を学習します。
えんぴつが1本40円、ボールペンが1本70円です。
(1) Aさんは、えんぴつをx本、ボールペンをy本の合計15本買います。40×x¬=P円、70×y=Q円であり、P+Q=840、および、x+y=15、です。よって、上に記したように、つるかめ算です。問われていない、えんぴつを15本すべて買うことからはじめるところがポイントになります。
x=15として、40×15=600で、840-600=240円高くなっています。xからyへ、1本交換するごとに、70-40=30円高くなりますので、240÷30=8本交換することになります。
まとめると、(840-40×15)÷(70-40)=8 より、ボールペンを8本買いました。これが、つるかめ算です。
(2) Bさんは、えんぴつx本、ボールペンをy本の合計20本買います。40×x¬=P円、70×y=Q円となり、また、x+y=20、(代金の差が)P-Q=250です。この部分が、一般的なつるかめ算と異なります。ですが、次のように解法としては、あまり変化はありません。
x=20(y=0)として、進めます。代金の差が40×20-0=800円高くなっています。xからyへ、1本交換すると、代金の差が70+40=110円縮まります。ここがポイントで、たし算になります。800-250=550円縮めるには、550÷110=5本交換することになります。
まとめると、(40×20-250)÷(40+70)=6 より、ボールペンを6本買いました。
このように、つるかめ算では、一方に置き換えてから、1つずつ交換する、という考え方がポイントになります。
姉と妹でじゃんけんをします。1回勝つと5点、1回負けると1点もらえます。あいこも1回として、2人とも2点ずつもらえます。20回のじゃんけんをして、姉の得点は61点、妹の得点は49点です。
(1) 姉と妹が1回じゃんけんをするとき、勝ち負けがあるときは、2人合わせて、合計5+1=6点増え、あいこのときは、合計2+2=4点増えます。勝ち負けがA回あり、あいこがB回あるとして、6×A=P点、4×B=Q点で、A+B=20回、P+Q=61+49=110点と整頓できますので、つるかめ算となります。よって、(6×20-110)÷(6-4)=5 より、あいこは5回でした。
(2) 勝ち負けは、20-5=15回あり、姉が15回すべて勝ったとすると、5×15+2×5=85点となりますが、実際は61点です。1回の勝ちを負けに交換すると、5-1=4点ずつ減っていきます。よって、(85-61)÷4=6 より、姉は6回負けました。
100gあたり500円のお茶Aと、200gあたり1500円のお茶Bを混ぜて、500gあたり2850円のお茶Cを作ります。
1gあたりの金額を使って、つるかめ算で解きます。お茶Aは、1gあたり、(500÷100=)5円で、お茶Bは、1gあたり、(1500÷200=)7.5円です。お茶Aをa(g)、お茶Bをb(g)混ぜるとします。5×a=P円、7.5×b=Q円となり、a+b=500、P+Q=2850となりますので、つるかめ算です。
お茶Bを500gとして進めます。(7.5×500-2850)÷(7.5-5)=900÷2.5=360、500-360=140より、お茶Aを360g、お茶Bを140g混ぜればよいです。
この例題のように、小数や分数が使われるつるかめ算もありますので、注意しましょう。
条件不足のつるかめ算(いもづる算)を学習します。
1本60円のえんぴつと1本90円のボールペンを、代金の合計が750円になるように買います。えんぴつをA本、ボールペンをB本買うとして、整頓すると、60×A+90×B=750円となります。本数であるAとBの和がわかっていません。つるかめ算で解くには条件不足となりますが、このような問題がいもづる算です。
いもづる算は基本的には数をあてはめて考えますが、計算しやすくするため、(60×A)、(90×B)、(750)を共通にわれる数で式全体をわって、簡単な数の式にします。そのために、60、90、750の最大公約数30でわります。
結果、2×A+3×B=25という式を考えて、成り立つA、Bを求めます。A=2、B=7が見つかります。ここからが、いもづる算といわれるものです。
「芋(いも)が1つ見つかれば、そのつるを引き出していくと、いくつもの芋が見つかるように、1組のAとBが見つかると、そこからAとBの他の組も次々に見つかるという解法です。」
この問題では、A=2、B=7から始めて、そこから(2×A)の増える値と、(3×B)の減る値が同じであれば、(2×A)と(3×B)の合計である25は常に一定になることに注目します。そこで、2と3の最小公倍数である6ずつ増減する数の組を考えます。2×Aで表される数を6ずつ増やすためには、4=2×2の次は、10=2×5、16=2×8、…というように、Aを3ずつ増やしていくことになります。
一方、3×Bは21=3×7、15=3×5、9=3×3、…というように、6ずつ減らすためには、Bが2ずつ減っていく数とすると、合計の25は変わらないままになります。
まとめると、Aは(3×B)の「3」ずつ増える数、Bは(2×A)の「2」ずつ減る数を考えればよいことになります。よって、(A、B)の組は、(2、7)の他に、(5、5)、(8、3)、(11、1)となります。
結果として、えんぴつは、2本、5本、8本、11本買ったと考えられます。
説明が長くなりましたが,もう一度読み返して,解き方の流れを理解してください。また、慣れないうちは、予習シリーズ45ページの解き方にある図のような表を活用するとよいでしょう。
3種類のつるかめ算です。解き方が2通りあります。
1個の値段がそれぞれ20円、50円、70円である3種類の品物A、B、Cが売られています。
(1) AとBの個数を2:1の割合にする、という条件より、「A2個とB1個」を1組として買うと、代金は、20×2+50×1=90円です。この代金を2+1=3個で割った、90÷3=30円は、Aを2個とBを1個の割合で買った時の平均の値段になり、この1個30円の品物をDと名付けます。
品物Cの買った個数をc個、品物Dの買った個数(品物AとBの個数の合計)をd個として、整頓すると、70×c+30×d=850で、c+d=19ということになります。ここで、品物Cと品物Dについてのつるかめ算を解いて、dの個数を求めます。
(70×19-850)÷(70-30)=12より、dは12個です。AとBの個数比(2:1)より、A=12÷(2+1)×2=8となります。よって、花子さんは、Aを8個買いました。
(2) 個数についての条件がない場合には、次のように考えて進めます。最も安いAを25個すべて買うものとします。すると、実際よりも、1100-20×25=600円安くなっています。
ここから、A1個とB1個を交換すると、50-20=30円増えます。また、A1個とC1個を交換すると、70-20=50円増えます。AとBをx個交換し、AとCをy個交換して、600円にすればよいわけです。
まとめると、30×x+50×y=600を解くことになります。この式全体を10でわって簡単にした、3×x+5×y=60をいもづる算で解きます。
(x、y)の組は、まず、(20、0)が見つかります。xは5ずつ減らし、yは3ずつ増やして、組を作っていきますと、(15、3)、(10、6)、(5、9)、(0、12)となりますが、(20、0)と(0、12)は、xやyが0ですので、あてはまりません(1個は買うという条件に合いません)。予習シリーズ45ページの解き方にある表を参照してください。
なお、Aも入れて合計25個が成り立つかどうかを確認することに注意してください。結果、Aは、25-(15+3)=7、25-(10+6)=9、25-(5+9)=11となります。よって、太郎君はAを、7個か9個か11個買いました。
どちらの解法も、条件を整理して、学習したつるかめ算のかたちにすることがポイントとなります。
年令算について、学習します。誰でも1年で1才年をとる年令算では、登場人物の間の年令の差は、いつも変わらないということがポイントになります。
父と私の年令について考える問題です。現在、父と私の年令の和は44才で、2年後に父の年令が私の年令の3倍になります。予習シリーズ47ページの解き方にある線分図を参照してください。
(1) 2年後には、2人とも2才年をとっていますから、父と私の年令の和は、44+2×2=48才です。このときの私の年令を1とすると、父の年令は3となっています。和が48才ですから、私は、48÷(3+1)=12才です。よって、2年前にもどすと、12-2=10より、現在の私は、10才です。
(2) 現在の父は、44-10=34才で、2人の年令の差は、34-10=24才です。この差は、何年か前も同じです。そのときの私の年令を1とすると、父の年令は5ですから、比の(5-1)分が2人の差の24才にあたります。24÷(5-1)=6より、私が6才のときです。したがって、10-6=4より、今から4年前です。
式が多くなりますので、最後に何を求めるのかで混乱しないように十分注意しましょう。
登場人物が5人の年令算の問題です。現在の4人家族の年令の和は、101才で、6年前には祖母もいて、年令の和は145才でした。
(1) 祖母をのぞく家族4人の6年前の年令の和は、全員が6才ずつ少なくなるので、101-6×4=77才でした。6年前の祖母をふくめた5人の年令の和は145才ですから、145-77=68より、6年前の祖母の年令は、68才です。
(2) 現在、祖母もいれば、68+6=74才で、祖母もふくめた5人の年令の和は、101+74=175才です。10年前には生まれていなかった妹をのぞく、4人の和は127才ですから、この4人が10才ずつ年をとって、127+10×4=167才になります。よって、175-167=8より、現在の妹の年令は、8才です。
年令算において、マルイチ計算による解法を学習します。数を〇で囲んだ記号は、文字化けすることがありますので、ここでは、〇1、〇2、…のように表示します。マルイチ計算とは、もとになる数量を〇1、その2倍、3倍の数量を〇2、〇3のように表し、〇2×3=〇6 のようにかけ算ができます。また、〇のついた数量どうしは、たし算・ひき算も可能で、〇2+〇3=〇5 とできます。
[例題8]
マルイチ計算による解法を学習します。
(1) 今から〇1年後、3人の子どもは、(4+〇1)才、(2+〇1)才、(1+〇1)才ですので、3人の子どもの年令の和は、4+2+1+〇1+〇1+〇1=7+〇3と表されます。〇1年後、父の年令(39+〇1)才が3人の子どもの年令の和に等しくなりますので、39+〇1=7+〇3 となります。この式は、39-7=〇3-〇1となり、32=〇2 です。〇1=32÷2=16 より、今から16年後です。
(2) 同様に、今から〇1年後、父の年令が3人の子どもの年令の和の2倍になりますので、 39+〇1=(7+〇3)×2 となります。この式は、39+〇1=14+〇6となり、39-14=〇6-〇1となり、25=〇5です。〇1=25÷5=5 より、今から5年後です。
予習シリーズ49ページの解き方にある線分図を参照してください。
第4回は『立方体と直方体の体積』です。立方体・直方体の形やそれぞれの面の形は、予習シリーズ4年上の第19回で学習しました。この学習内容をもとに、今回は、立方体・直方体の体積や表面積を学習します。
体積、表面積の公式を使えるようにすることは当然ですが、例題3、4のような複合立体についての問題が解けるよう、立体を分割することも含めて学習しましょう。
立方体や直方体の体積について学習します。予習シリーズ36ページの説明および公式をよく読み、覚えましょう。公式に使われる、1辺やたて・横・高さはすべて、長さを表しています。また、37ページのわくで囲われた内容も覚えておきましょう。
体積を求める公式の練習です。
(1) 立方体の体積を求めます。[立方体体積=1辺×1辺×1辺]です。1辺の長さ=5cmですから、5×5×5=125 より、体積は125立方cmです。
(2) 直方体の体積を求めます。[直方体体積=たて×横×高さ]です。4×3×6=72 より、体積は72立方cmです。
表面積について学習します。予習シリーズ38ページの説明および公式をよく読み、覚えましょう。特に、表面積の公式で、立方体での6倍(×6)、直方体での2倍(×2)の意味を理解しましょう。
表面積を求める練習です。
(1) 立方体の表面積を求めます。[立方体表面積=1辺×1辺×6]です。1辺の長さが5cmの立方体ですから、5×5×6=150 より、表面積は150平方cmです。
(2) 直方体の表面積を求めます。[直方体表面積=(たて×横+横×高さ+高さ×たて)×2]です。たて、横、高さはそれぞれ、4cm、3cm、6cmですから、(4×3+3×6+6×4)×2=108 より、表面積は、108平方cmです。
複合立体の体積、表面積を学習します。複合立体とは、立方体や直方体を組み合わせた立体です。体積問題では、平面図形の面積のときと同様に、分割したり、全体から切り取ったりして求めます。また、表面積問題では、工夫が必要になります。
直方体から立方体を切り取った立体の体積や表面積を求める問題です。
(1) 体積は、直方体の体積から立方体の体積をひいて求めます。直方体の体積は、10×12×8=960立方cmです。また、立方体の体積は、4×4×4=64立方cmです。よって、960-64=896 より、この立体の体積は、896立方cmです。
(2) 表面積を求めます。複雑に見える立体の場合、前後、上下、左右の6方向から見える面を考えると,考えやすくなります。予習シリーズ40ページの解き方にある図を参照してください。
・前から見ると、へこんでいる部分を合わせて、高さ8cm、横12cmの長方形になり、後ろから見た形と同じです。
・上から見ると,同じくへこんでいる部分を合わせて、たて10cm,横12cmの長方形になり,下から見た形と同じです。
・右から見ると、同じくへこんでいる部分を合わせて、高さ8cm、たて10cmの長方形になり、左から見た形と同じです。
まとめると、立方体を切り取る前の、もとの直方体の表面積と同じになります。よって、(10×12+12×8+8×10)×2=592より,この立体の表面積は348平方cmです。
複合立体の体積についての問題です。予習シリーズ41ページの解き方にある図を参照してください。
この問題は、底面積(たて×横)×高さ=体積 の式を利用して解いてみましょう。この立体を、たて方向に2つの直方体に分けて(左右に分けて)進めます。左の直方体の底面積は、たて10cm、横6cmですから、10×6=60平方cmです。右の直方体の底面積は、たて4cm、横8cmですから、4×8=32平方cmです。高さは、左右のどちらの直方体も□cmですから、
体積計算は、(60+32)×□=736 となります。この式を逆算して、736÷(60+32)=8 より、この立体の高さ□は、8cmです。
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