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第5回のテーマは「割合と比 比の意味と操作1~等しい比・比例式・連比~」です。比は入試問題では問題文の中で条件として登場したり、問題を解くときには比を使うことで、よりシンプルに解くことができるようになったりします。算数の成績をアップさせるには比を理解し使えるようにすることが大変重要です。比の基本的内容を確実に理解して、比例式・連比の計算をスムーズにできるように繰り返し練習を行いましょう。
「学び1」では、比は身近に存在することを確認していきます。テキストの例にある通り、料理をするときの調味料の量、テレビの画面の大きさ、模型の大きさ比などには比が使われています。ここでは何と何を比べた数なのかを考えていきます。
だししょうゆの作り方ではだし4に対してしょうゆが3ですから、小さじで計量しても大さじで計量しても味が変わらないことなどを体験すると比の理解がいっそう進みます。100ページの「やってみよう!」もお家でなければできない内容となっていますのでご家族でチャレンジしてみてください。
「学び2」では比の表し方と性質について学びます。はじめに数字を書く順番に注意しましょう。入試問題でもたてと横の長さの比を求めなさいという場合、タテ:ヨコの順番で書きます。逆は不正解となりますので、日ごろから意識することが重要です。
101ページの「やってみよう!」ではたて4cm、よこ6cmの比の表し方について学びます。ここでは「さまざまな基準を設けて、たてと横の長さの比を表しましょう」とあります。わかりづらい場合は単位を変えて考えるとよいでしょう。
例えば単位をcmで考えると、4(cm):6(cm)となります。単位をmmで考えると40(mm):60(mm)となります。この例では単位をcmで表した比の前項、後項それぞれの値を10倍した数が、単位をmmで表した比となっていることがわかります。「学び2」ではこのことを比の性質として学んでいきます。表し方は違いますが分数の通分、約分の感覚で取り組むとよいでしょう。
「学び3」では比を簡単にします。「学び2」で学んだ「比のそれぞれの項に同じ数をかけても比は等しい」「比のそれぞれの項を同じ数でわっても比は等しい」という性質を使っていきます。ポイントは整数であれば同じ数でわる、小数ならそれぞれの項を10倍、100倍し、整数にしてから同じ数でわるという具合です。
分数の場合は通分してから分母の数をかけるとよいでしょう。あらためて104ページの「やってみよう!」を確認してみてください。分数の約分と同じように計算プロセスを残すとケアアレスミスを防ぐことができます。
「学び4」では連比を作ります。105ページの「やってみよう!」ではA:B=1:3、B:C=2:3の場合のA:B:Cを求めていきます。それぞれの数字をたてに並べて書き、共通する部分の数をそろえていきます。ここではBの値が共通していますので、Bを6(2と3の最小公倍数)でそろえていきます。
比の値が変わらないようにAは2倍、Cは3倍にすることも忘れないようにしましょう。比が小数や分数で表されている場合は、比を簡単(整数)にしてから、連比を求めるようにしましょう。演習が必要ですので、後にあげる演習にチャレンジしてみてください。
演習としては106ページから108ページまでは必修です。特に108ページの問5、問6は「学び3」「学び4」で学習した内容の演習となります。もう一度やり方を確認してから取り組んでみましょう。また、111ページの問3、112ページの問4は文章題です。比例式を作ることを意識して取り組んでみてください。
117ページの「シナジー」にある「外項と内項の積は等しい」という性質は今後比例式を扱う際にとても重要な考え方となります。ぜひみなさんに理解していただきたい内容です。107ページの問4や114ページの問8に再チャレンジしてこの性質が使えることを確かめてみてください。
第5回のテーマは「場合の数 樹形図と順列」です。今回はとにかく手を動かしてどんどん書いて調べていきましょう。最終的には受験では必須のアイテム「樹形図」を使っていきますが、丁寧に描くことはもちろん、順序よく描いていくことも重要です。
場合の数の問題では計算で簡単に出せる方法もありますが、最近の入試ではその考え方が通用しない問題も多く出題されます。今回の単元では「効率よく解く」よりも「正確に描く」ことを優先して考えてみましょう。
「学び1」では初めて習う場合の数について実際に調べていきます。76ページのななこさん、さくらさん、けんたさん、れんさんの4人が横1列に並ぶ例では24通りの並び方があることがわかります。ここでは重複なく数えるにはどのような工夫があるのかを考えてみましょう。
例えば1番左に並ぶ人をななこさんに固定するなどです。ばらばらに数えているように見えて、実はかなり緻密な考えのもとに並び方が書かれています。場合の数ではこのように自分の決めた基準にしたがって、順序よく数えていく姿勢が大切です。77ページのカードを並べる例についてもどのような調べ方をしているのかよく見てみましょう。
「学び2」では順列について考えていきます。順列とは順番を考える並べ方です。78ページには筆記用具を横1列に並べる場合の数を求める例があります。実際に並べてみると混乱しますので、ここでは、シャーペン、消しゴム、赤ペンとしてそれぞれの並べ方を書いて考えていきます。
「学び1」と同じように数え方の方針を自分で決めて書き出しましょう。シャーペンは「シ」、消しゴムは「け」、赤ペンは「あ」のように頭文字をとって省略して書いていくとよいでしょう。
「学び3」では樹形図の描き方を学びます。79ページの1,2,3,4の4枚のカードを並べて3桁の整数を作る例を見てみましょう。樹形図は小さい順に整理して書いていくのが一般的です。例えば数字なら1から、アルファベットならAからということです。樹形図では百の位が1番左に、十の位がその隣に、一の位が1番右に書かれています。
ここに順序よく数字を書いていきます。すると百の位が1のときは6通り、2のときは6通り、3のときは6通り、4のときも6通りであることがわかります。このことから全ての場合の数は6×4=24通りとなります。同じように80ページ、81ページの問題に取り組んでみましょう。一つひとつ丁寧に順番を意識しながら書くようにすることで、数えもれがなくなります。慎重に書きましょう。
演習としては82ページから83ページは必修です。今回の目標は樹形図を描けるようになることです。すべての問題について樹形図を描いて考えてみましょう。
問1のマル4ではBのカードが2枚使えることに注意しましょう。問3では0(ゼロ)のカードがあることに注意しましょう。また、84ページの「出口から入った方が早い」は入試をはじめいろいろなテストで出題される問題です。マル2にある小さい方から数えて55番目は大きい方から数えて6番目であることに気づけば百の位を5として、大きい数から並べて考えていくとよいでしょう。
この問題にあるように大きい方から調べていく方が効率よく調べることができることもあります。小さい順に調べることにとらわれず、自分の決めた基準にしたがって、順序よく数えていく姿勢が問われる1題です。
86ページの問4では6は9として使えることと、9は6として使えることに注意しましょう。慎重に書いていけば大丈夫です。87ページの問8では「カードがない!」という声が聞こえてきそうですが、樹形図を書いて1から順番に調べてみましょう。樹形図の仕組みがわかってきたら、88ページ、89ページの問9~問12にチャレンジしてみましょう。
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