四谷大塚・早稲田アカデミー 予習シリーズ算数上6年第17回・5年第18回攻略ポイント!

<算数 6年上 第17回>

第17回は『速さ(2)』です。旅人算と比、歩数と歩幅、動く歩道などを学習します。

【攻略ポイント1】

「必修例題1」は、旅人算と比の問題です。速度、時間、距離のうち何が等しいかに注目して考えます。

  1. 問題文からは、AとBの関係、AとCの関係がわかりますので、連比により、BとCの関係を求めます。AとBの関係では、AはBに追いつかれた地点まで、9時から9時40分までの40分かかっています。また、BはAに追いついた地点まで、9時10分(Aから10分遅れて出発したので)から9時40分までの30分かかっています。よって、距離が等しいとき、速度比と時間比は逆比になりますので、速度比は、A:B=1/40:1/30=3:4です。AとCの関係でも、同様に考えます。AがCに追いつかれた地点まで、Aは(9時55分−9時=)55分、Cは(9時55分−9時20分=)35分かかっていますので、速度比は、A:C=1/55:1/35=7:11です。連比を行うと、A:B:C=21:28:33となりますので、BとCの速度比は、28:33です。
  2. BとCがそれぞれ駅から公園まで行くのにかかる時間の比は、(1)と同様に、速度比の逆比ですから、B:C=1/28:1/33=33:28です。そして、実際の時間の差は(出発したときの)10分です。よって、10分÷(33−28)×33=66分より、Bは66分かかります。9時10分+66分=10時16分より、公園に着いた時刻は、10時16分です。
  3. (2)と同様に、AとBがそれぞれ駅から公園まで行くのにかかる時間の比は、A:B=1/3:1/4=4:3で、Bは66分かかりますので、66分÷3×4=88分より、Aは、駅から公園まで88分かかります。公園から600m手前の地点までくる時間は、10時16分−9時=1時間16分=76分ですので、Aは、600mを(88−76=)12分で進むことがわかります。よって、600÷12×88=4400より、駅から公園までの道のりは4400mです。
【攻略ポイント2】

「必修例題2」は、歩幅と歩数の関係から速度比を考える問題です。

  1. 例えば、1歩の幅(=歩幅)が50cmの人が、10歩あるくと、50×10=500cm=5mとなり、これは歩いた距離を表しています。このように、歩幅に歩数をかけると、距離を表すことになります。つまり、2人以上の関係では、歩数比×歩幅比=距離比となります。また、時間が同じならば、距離比=速度比となります。兄が4歩で歩く距離を弟は5歩で歩くことから、この距離を1とすると、兄と弟のそれぞれ1歩の幅=歩幅比は、兄:弟=1/4:1/5=5:4です。また、兄が4歩あるく間に弟は3歩あるきますので、歩数比は4:3です。ここで、「間に」という言葉は同じ時間を表していますので、歩数比×歩幅比=距離比は、速度比になります。(5×4):(4×3)=5:3より、兄と弟のあるく速さの比は、5:3です。
  2. 兄が出発してから、追いつくまでの同じ時間で、兄と弟のあるく距離比は速度比と等しい、5:3です。この差が弟の60歩ですから、60÷(5−3)×3=90より、兄が出発してから、弟は90歩あるいた時間で兄に追いつかれます。よって、この時間で兄があるく歩数は、歩数比4:3を考えると、90÷3×4=120より、兄は120歩あるきます。別解として、旅人算で解いてみましょう。この場合、歩幅×歩数=距離が、重要となります。弟の60歩は、(弟の歩幅=4を使って)距離としては4×60=240です。速度比5:3を利用した旅人算で、240÷(5−3)×5=600より、兄は600の距離を進んで弟に追いつきます。兄の歩幅=5ですから、600÷5=120より、120歩あるくと、兄は弟に追いつきます。
【攻略ポイント3】

「必修例題3」は、エスカレーターの問題です。エスカレーターの速度を(エ)、歩く速度を(歩)と表して、進めます。

  1. (1)下の階から、上の階までのエスカレーターの長さは等しいですから、速度比と時間比は逆比になります。速度比 (エ):(エ)+(歩)=1/30:1/18=3:5ですから、(エ):(歩)=3:(5−3)=3:2となります。毎秒1段ずつ18秒で上の階までいきますから、1×18=18段あるくと上の階に着きます。よって、18÷2×5=45より、エスカレーターは45段あります。
  2. (2)実際の速度は、(エ)=45÷30=1.5段/秒ですから、(エ)+(歩)=1.5+2=3.5段/秒になります。よって、45÷3.5=450/35=90/7=12・6/7(12+6/7を表します)より、12・6/7秒かかります。

今回の速さと比に関する問題は、入試でも頻出の重要単元のひとつです。少し時間をかけてでも、しっかり理解を固めるようにしてください。

<算数 5年上 第18回>

第18回は『旅人算とグラフ(1)』です。旅人算は、2人以上の旅人(登場人物)が出会ったり、追いついたりするときの、速さ、時間、距離を考える問題です。ダイヤグラムも使用して考えます。旅人算の基本は、2人が出会う(近づく)問題であっても、反対方向に離れていく(遠ざかる)問題であっても、距離の和を考える問題では、2人の速度の和を考えます。また、距離の差を考える問題では、追いつく(近づく)問題であっても、同じ方向に離れていく(遠ざかる)問題であっても、2人の速度の差を考えます。

【攻略ポイント1】

「必修例題1」は、距離の和を考える問題です。

  1. 分速85mで歩く人と、分速65mで歩く人が向かい合って進みます。向かい合って18分進んだときの距離、つまり、2人の歩いた距離の和が、AB間の距離です。1分間で2人合わせて85+65=150m進みますから、150×18=2700より、2700m=2.7km進んで出会いますので、AB間は2.7kmです。ここでは、速度の和×時間=近づいた距離(距離の和)という関係になっています。
  2. 家から駅までの距離である1200mは、姉と妹が歩いた距離の和です。(1)と同様に、姉と妹の速度の和である、80+70=150に時間□分をかけると、家から駅までの距離になりますから、150×□=1200となります。よって、1200÷150=8より、8分後に出会います。

「必修例題2」は、距離の差を考える問題です。

  1. 次郎君が出発するときに、太郎君は、65×10=650m離れています。これは、次郎君が出発するときの、太郎君と次郎君の距離の差です。1分後には、2人の速度の差である、90−65=25m近づきます。650m近づくと追いつくことになりますから、650÷25=26より、26分後に追いつくことになります。ここでは、速度の差×時間=離れている距離(距離の差) という関係から、距離の差÷速度の差=時間を考えています。
  2. 540mは、お母さんが出発するときの、お母さんとゆみさんの距離の差です。ゆみさんの速度を分速□mとして、ゆみさんとお母さんの速度の差である分速(240−□)mで進んで、3分後に追いついたということは、離れていた距離の540mが縮まったということになります。つまり、(240−□)×3=540と整頓できます。よって、540÷3=180が、速度の差である、240−□ですから、240−180=60より、ゆみさんの速度は、分速60mです。
【攻略ポイント2】

「必修例題4」は、旅人算とダイヤグラムの問題です。旅人算を表すダイヤグラムでは、右上がりのグラフと右下がりのグラフが同時に示されている場合は、出会いの問題です。この場合は、横軸の右方向にある出発時刻を元にしてグラフの間の距離を考えます。右上がりどうし右下がりどうしのグラフが同時に示されている場合は、追いつきの問題です。この場合も同様に、横軸の右方向にある出発時刻を元にしてグラフの間の距離を考えます。予習シリーズ168ページの図を参照して下さい。

A君の動きを表す直角三角形では、距離(たての長さ)は1500m、時間(横の長さ)は(20−5=)15分ですから、1500÷15=100より、A君の速度は、分速100mとわかります。B君の動きを表す直角三角形では、距離(たての長さ)は1500m、時間(横の長さ)は25分ですから、1500÷25=60より、B君の速度は、分速60mとわかります。B君が出発して5分後のA君とB君の間は、1500−60×5=1200m離れています。よって、1200÷(100+60)=7.5より、7.5分後に出会いますから、B君が出発して5+7.5=12.5分、つまり12分30秒後に2人はすれちがいます。最後の5分を加えるところを忘れないようにしましょう。

【攻略ポイント3】

「必修例題5」は、折り返しの旅人算です。太郎君と次郎君が、AB間を往復します。太郎君の方が次郎君より速いので、2人が出会うのは、太郎君がB地点を折り返したあとです。ですから、2人が出会うまでに進んだ距離の和は、AB間の往復の距離となります。距離の和を考えますから、速度も和を使うことになります。速度の和は、80+60=140で、24分たつと、140×24=3360より、AB間の往復の距離は、3360mです。よって、片道は、3360÷2=1680より、AB間の道のりは1680mです。

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