<算数 5年下 第9回>
第9回は『規則性に関する問題』です。いろいろな数列について、ある数が何番目にあるか、また、何番目の数は何かを考える問題です。数列の種類によって、考え方が異なります。どんな数列なのか、どんなルールなのかを整理することを目標に学習しましょう。
【攻略ポイント1】
「必修例題1」の数列は、階差数列といわれる数列です。この数列は、元の数列(第1数列)の各数の差(第2数列)が等差数列になっている数列です。
第1数列の数は、初めの数である1に、第2数列の1、2、3、4、…を順に加えてできた数列です。つまり、第1数列の、初めの数である1に、第2数列の1番目の数1を加えて2、2に第2数列の2番目の数2を加えて4、4に第2数列の3番目の数3を加えて7、…というように並んでいます。この仕組みにより、15番目の数は、第1数列のはじめの数である1に、第2数列の1番目の数から(15−1)番目までの数の和を加えることにより求められます。つまり、15番目の数は、1+(1+2+……+14)=1+(1+14)×14÷2=106です。
【攻略ポイント2】
「必修例題2」は分数の群数列といわれる数列です。分数の群数列では、組(=群)ごとの分母、および個数を整頓しておくことが重要です。分母は、第1組から2、3、4、…となっています。また、個数は、第1組から1個、2個、3個、…となっています。なお、分数は、分子/分母の形で表します。
- この整頓より、分母の10は第9組とわかり、分子の3は組の中の(9から数えて)7番目です。よって、分数3/10は、第8組までの個数の合計 1+2+……+8=36に7を加えた 43番目ということになります。
- 1+2+……とたし算をしていって、100に近い数を求めると、13までの和が91となります。100−91=9ですから、13の次の第14組で、その組の9番目ということになります。第14組の分母は15で、分子は14から9番目の(14−9+1=)6です。よって、100番目の分数は、6/15です。
【攻略ポイント3】
「必修例題3」は、数列のきまりを発見することが難しい問題です。この数列は、条件(3と4の倍数を除いた数列)より、3と4の最小公倍数12を考え、1から順に、それぞれの数を12で割ったときの余りが、{1、2、5、7、10、11}の周期となる数を列にしたものです。よって、{1、2、5、7、10、11}を第1組として、以下{13、14、17、19、22、23}、{25、26、…}…と、第1組のそれぞれの数に12を加えていく、各組の個数が6個となる群数列です。例えば、第2組の1番目は1+12=13、2番目は2+12=14、また第3組の1番目は1+12×2=25、…となります。
- 58÷12=4あまり10ですので、4+1=5組の5番目(第1組で10は5番目にくる)となりますから、6個×4+5=29より、58は29番目の数です。
- (1)の逆問題です。99番目は、99÷6=16あまり3ですので、17組の3番目の数です。第1組の3番目の数は5ですから、5に、12を(17−1=)16回かけた数をたした数です。よって、5+12×16=197より、99番目の数は197です。
【攻略ポイント4】
数表(数を使った表)の問題を学習します。少々難しい問題ですので、しっかり学習しましょう。
「必修例題4」は、四角数(ご石を正方形の形に並べたときの個数で、平方数とも言われます)の数表問題です。数の並び方から、各段の1番目の数が四角数(平方数)になっていることに気づきますか。1段目は1×1=1、2段目は2×2=4、3段目は3×3=9、…となっています。このように、同じ数を2回かけてできる数を平方数と言います。予習シリーズ87ページの解き方にある図を参照してください。
- 120に近い平方数は、11×11=121で、121は11段目の左はしにあります。120は、121の1つ前ですから、数の並び方から、左から2番目です。よって、120は、11段目の左から2番目となります。
- 5段目の9番目の数を求めます。解き方にある図(モデル図)より、この数は、1段目の左から9番目にある数からスタートしています。1段目の左から9番目の数は、8段目の左はしの数の次の数となり、5段目の数は左はしの数より5大きい数であることに注目しましょう。この数(8段目の左はし)は、8×8=64です。よって、64より5大きい数が問題の数です。64+5=69より、5段目の左から9番目の数は、69です。
「必修例題5」は、三角数(ご石を三角形の形に並べたときの個数)の数表問題です。数の並び方から、各段の1番目の数に注目します。2段目は1+2=3、3段目は1+2+3=6、4段目は1+2+3+4=10,…となっています。このような数を三角数と言います。三角数は、等差数列の和を求めて作ります。なお、予習シリーズ88ページの解き方にある図を参照してください。
- 95に近い三角数は、1から13までの和である91で、91は13段目の左はしの数です。そして、13段目の左はしの数は、1段目の左から13番目の数からスタートする組の最後の数となります。95−91=4より、95は1段目の左から14番目の数からスタートする組の4番目です。4番目は上から4段目で、左から14−4+1=11番目になります。よって、95は、4段目の左から11番目の数です。
- 15段目の一番左の数ですから、1から15までの和を求めます。(1+15)×15÷2=120より、15段目の一番左の数は、120です。
- この数表は、数の並び方が右上から左下へ向かう45度の傾きをもつ線上に並びます。この45度線上にある数の段数と左からの番目数の和はつねに等しくなります。たとえば、予習シリーズの解き方にある図を見ると、4組にある{7、8、9、10}は同じ45度線上にあります。この組の各数の位置、つまり、○段目の左から△番目の数とした場合の(○+△)は、1段目の左から4番目の数である7が1+4=5、同様にして8が2+3=5、9が3+2=5、10が4+1=5と、すべて和が等しく5になっています。このことを、理解しておいてください。8段目の左から10番目の数は、8+10=18で、1段目では、18−1=17より、同じ45度線上の、1段目の左から17番目の数をスタートして、8番目の数です。1段目の左から17番目の数はその前の数(16段目の左はし)の次の数です。16段目の左はしの数は、1から16までの和である136です。よって、136より8大きい数ですから、136+8=144より、8段目の左から10番目の数は、144です。
<算数 4年下 第9回>
第9回は『方陣算』です。本来、方陣とは四角形のことです。ここでは、ご石を四角形だけでなく三角形・五角形など正多角形に並べたときの、1辺の個数、外周(一番外側の1周)の個数、図形全体の個数を考える問題を学習します。1辺の個数と外周の個数を考える場合、カドのご石の取り扱いが重要になります。
【攻略ポイント1】
正方形の形や正三角形の形に、ご石をならべたときの個数を考えます。
「必修例題1」は、正方形の形にご石をならべた問題です。
- 全体の個数は、正方形の面積を求めることと同じで、1辺の個数×個数で求まります。1辺の個数は6ですので、6×6=36より、全部で36個のご石をならべました。
- 1辺6個の辺が4つありますので、6×4=24個とすると,4つのカドにある合計4個が2度ずつ数えたことになってしまいますので、24−4=20より、一番外側のひとまわりには20個のご石をならべました。なお、1辺の個数6からカドの1個を引いて、(6−1)×4=20として考えることもできます。
「必修例題2」は、正三角形の形にご石をならべた問題です。
- 全体の個数は、上の1段目にある1個から、2段目の2個、3段目の3個、…と、6段目の6個までの個数を合計して求めます。1+2+…+5+6を計算します。この計算は、4年上の第16回で学習した等差数列の和の計算になります。(1+6)×6÷2=21より、全部で21個のご石をならべました。
- 1辺の個数は6で、3辺ありますので、3倍して、カドの3個を引きます。つまり、6×3−3=15、または(6−1)×3=15より、一番外側のひとまわりには、15個のご石をならべました。
【攻略ポイント2】
正多角形にご石を並べる場合のご石の個数を考えます。
「必修例題3」は、正多角形の方陣で、正六角形の形にご石をならべる問題です。
- 外周の個数を考える問題についてカドのご石に注意することは、前問と同様です。1辺に4個ならんだ辺が6つあり、カドが6つあります。よって、4×6−6=18、または、(4−1)×6=18より、一番外側のひとまわりには、18個のご石がならんでいます。
- 予習シリーズ71ページの解き方にある図を参照してください。正多角形にご石をならべる問題では、図形の中心にある1個をのぞくと、残りのご石は、いくつかの三角形の形にかこむことができます。1辺4個の正六角形の形では、1辺が4−1=3個となる正三角形の形が6つできます。1辺3個の正三角形ひとつに含まれるご石の個数は、1+2+3=6個です。よって、6個の正三角形では、合計は6×6=36で、正六角形の中央の1個をくわえて、36+1=37より、この正六角形の形にぎっしりならんだご石は、全部で37個です。
【攻略ポイント3】
ご石を、規則正しくならべるときの問題を考えます。
「必修例題4」は、あるきまりにしたがって、台形の形にご石をならべる問題です。各図形の順番を表す番号と、各図形のいろいろな個数の関係を考えることが攻略ポイントとなります。問題に出ている図形がヒントとなります。
- 上底の個数は、1番目から順に、2、3、4となっていますので、□番目は(□+1)個となる関係がわかります。よって、6+1=7より、6番目の台形の上底にならんでいる個数は、7個です。
- 全体の個数は、台形の面積計算と同様です。上底、下底の個数および高さの個数を求めて、計算します。□番目の下底の個数が、(□+3)個になることに注意しましょう。6番目の図形では、下底の個数は6+3=9個、高さは3個です。よって、(7+9)×3÷2=24より、6番目の台形には、全部で24個のご石がならんでいます。
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