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第14回は『立方体・直方体の切断』です。立方体・直方体を1つの平面で切断したときの切り口(切断面)の形や、切断後の立体についての体積などを学習します。予習シリーズ150ページにある切断の基本的な考えをよく読みましょう。メルマガでは、分数は、分子/分母の形で表します。
切断面を考えるときの作図ポイントは3つです。切断面の回りの直線(切断線と名付けます)について、
(1) 同一面の辺上にある2点は、切断線として直線で結べる。
(2) 平行な面には、平行な切断線が引ける。
(3) 立体の辺を延長させて(面をひろげる)、切断線をのばし、辺との交点を作り、(1)を行う。
という3つのポイントがあります。
立体の切断では、とにかく、どんな切断面になるかが重要です。上に述べた3つの作図ポイントを理解し、利用して切断面を作れるようトレーニングしましょう。
予習シリーズ150ページにある説明をよく理解しましょう。ここから、上に述べた3つの作図ポイントが成り立ちます。
切断面の作図のトレーニングです。この問題は、予習シリーズの解き方につきますので、ていねいに読んで進めていただきたいと思います。手順も解き方の通りです。納得できるまでよく読み、切断面を作図するポイントを自分のものにしてください。
切断線と辺の交点について、長さを考える問題です。
(1) 面BFGC(右側面)にある点CとQを結んだ切断線ができます。また、この面と平行な面AEHD(左側面)に、点Pを通ってCQに平行な切断線PRもできます。面BFGC上の三角形CGQと、面AEHD上の三角形PARは相似になり、相似比は、直角をはさむ2辺CG:GQ=9:6=3:2です。よって、PA:AR=3:2=6:□ より、□=2×6÷3=4 ですので、ARは4cmです。
(2) 面ABCD(上底面)で、RCを結んだ切断線ができ、面EFGH(下底面)にRCと平行な切断線SQができます。面ABCD上の三角形RDCと、面EFGH上の三角形QFSは相似で、相似比は、RD:DC=(12-4):16=1:2です。よって、QF:FS=1:2=(12-6):□ より、□=2×6÷1=12 ですので、FSは12cmです。
どちらも、作図ポイント(1)と(2)で求められました。なお、この直方体を透き通った立体として、(1)右側面や(2)上底面から見ることによって、平行な面にある切断線でできる相似な三角形がわかりやすくなります。この片側から見える図を作図することも良いと思います。
作図ポイント(3)を利用する問題です。
この問題も、予習シリーズの解き方につきますので、ていねいに読んで進めていただきたいと思います。難しいかもしれませんが、使えるようにしましょう。中学入試に出てくる問題では、このパターンが多いと思います。
立体を切断して2つの立体に分かれたとき、一方の体積を求める問題です。
直方体を四角形の切断面で切断して、2つの立体に分けます。
(1) 面DHGC上の三角形DCRに着目します。切断線DRと、面AEFB上の切断線PQは平行です。このPQと、点Pを通り辺ABに平行な線が辺BFと交わる点をSとする三角形PSQは合同です。よって、SQ=CR=2cmですので、EP=FS=1+2=3cmです。
(2) 頂点Eをふくむ立体は、底面がEFGHで、高さは、PE=3cmから、QF=1cm、RG=2cm、DH=4cmの4つです。予習シリーズの解き方155ページの最後、「よっくんのつぶやき」を参照してください。同じ立体を逆向きに重ねると直方体(高さ=3+2=5)になりますので、この体積を2で割ることを考えます。よって、5×4×5÷2=50 より、体積は50立方cmです。
切断面が台形や五角形・六角形で切断したときの立体を学習します。予習シリーズ156ページ例題5の前の説明をよく理解しましょう。作図ポイント(3)を利用します。
切断面が台形になるように切断した立体の問題です。切断線PQとEGは平行ですから、切断面は台形です。辺BF、切断線PEとQGを上方に延長すると、1点O(と名付ける)で交わり、O-PBQとO-EFGの立体は、相似な三角すいになります。相似比は、BP:FE=2:6=1:3です。体積比は、相似比の数値を3つかけたものになりますので、(1×1×1):(3×3×3)=1:27 です。
求める立体は、三角すいO-EFGから三角すいO-PBGを取り除いた立体です。よって、体積比の数値、27-1=26 より、三角すいO-EFGの体積の26/27が求める立体の体積となります。三角すいO-EFGの立体の高さは、BF÷(3-1)×3=6÷2×3=9cmです。
よって、立体O-EFG=6×6÷2×9×1/3=54ですから、54×26/27=52 より、この立体の体積は、52立方cmです。
なお、この問題は、三角すいO-PBQの体積から求め、その26倍を求めることも可能です。
立体の切断の問題は、難易度が高いですが、この回にしっかり基本をマスターしておきましょう。
第14回は『平均』です。4年上の第4回「和と差の問題」で部分的にふれましたが、この回で、本格的に学習します。予習シリーズ130ページのはじめにある、平均についての意味と求め方を理解しましょう。また、面積図を利用した解き方も学習します。
平均問題の基本は、公式を利用することで比較的簡単に解けると思われます。例題2の2組の平均から全体の平均を求める問題はミスが多いようですので、きちんと理解しましょう。また、例題4や5の面積図の利用をしっかり理解しておきましょう。
基本を学習します。
平均の使い方をトレーニングする問題です。
(1) [平均=合計÷個数]を使います。5月から9月までの5か月間に読んだ本のさつ数の合計は、4+2+5+6+4=21さつです。そして、個数は、5(か月)です。よって、21÷5=4.2 より、1か月あたりの平均さつ数は、4.2さつです。さつ数は、普通は整数ですが、平均の問題では、小数や分数もあります。
(2) [合計=平均×個数]を使います。4教科の平均点が78.5点ですから、78.5×4=314 より、4教科の合計は314点です。この合計点数から、わかっている国語80点、算数92点、社会60点を引きます。314-(80+92+60)=314-232=82 より、残りの理科の点数は、82点です。
2組の平均から、全体の平均を求める問題です。男子3人の体重の平均が34㎏、女子2人の体重の平均が32㎏であるとき、この5人の体重の平均を求めます。
平均を求める公式、[平均=合計÷個数]より、5人の体重合計を5で割ることになります。男子3人の体重合計は、34×3=102㎏、女子2人の体重合計は、32×2=64㎏ですので、5人の体重合計は、102+64=166㎏です。よって、166÷5=33.2 より、5人の体重の平均は、33.2㎏です。
34と32の合計を2で割ってはいけません。くれぐれも間違えないよう注意しましょう。
平均の問題にほかの処理を合わせた問題を学習します。
平均の問題で、少し複雑な問題です。まずは、整頓できるところまで進めます。
25人の生徒が受けた、30点満点のテストの結果が与えられています。全体の平均点が17.2点ですから、17.2×25=430点が全体の合計です。また、表に出ている点数から、アやイも使って点数の合計を式にすると、0×3+10×7+20×ア+30×イ=430 となりますので、70+20×ア+30×イ=430、整頓すると、20×ア+30×イ=430-70=360…Aとなります。一方、人数の関係は、ア+イ=25-(3+7)=15…B となります。
書き直しますと、
A…20×ア+30×イ=360
B…ア+イ=15
AとBの2つの式から、つるかめ算を使って、アとイを求めることができます。15人全員が30点とすると、30×15-360=90点多くなっています。これは、30-20=10点低い生徒がいるためですから、90÷10=9 より、アは9人です。また、15-9=6 より、イは6人です。
この形の問題は、テストでよく出題されます。解法の仕方をしっかり理解して、解けるようにしておきましょう。
面積図を使って、平均の問題を解いていきます。公式 [合計=平均×個数] の形は、[長方形の面積=たて×横] の形と同じです。長方形の図において、たてを平均の数、横を個数の数とし、合計を面積として、考えることができます。
予習シリーズ133ページの説明をよく読み、面積図の仕組みを理解しましょう。
面積図の使い方を学習する問題です。予習シリーズ134ページの解き方にある面積図を参照してください。
[合計=平均×個数] のうちの個数であるテストの回数が質問ですから、合計と平均が与えられていなければ解けません。部分的な平均点はありますが、やはり回数が不明ですので合計点につながらないのです。
そこで、面積図を利用します。問題文に与えられた条件から、面積図をかいてみましょう。今までのテストの回数を□回として、その時の平均点が84点ですから、たてを84点、横を□回とする長方形がかけます。そして、その右横に、次の1回(横)で100点(たて)とする長方形をかきたします。
この図に、合わせた平均点の86点をたて、(□+1)回を横とした長方形を重ねてかきます。これが、予習シリーズ134ページの例題の解き方にある図です。
この図において、アとイの面積が等しくなることを利用します(このことが重要です)。
アの面積は、(86-84)×□で、イの面積は、(100-86)×1です。よって、それぞれ計算できるところを計算した結果を等号でつなぐと、2×□=14となりますので、□=14÷2=7 より、今までのテストの回数は7回でした。
前問と同じく面積図を使いますが、工夫が必要な問題です。
合格者のグループ、不合格者のグループから、長方形が2つできますが、人数(横の長さ)は与えられていますが、それぞれの平均点(たての長さ)が不明で、かわりに平均点の差(たての長さの差)が与えられています。
問題文の条件に合わせてかいた面積図が、予習シリーズ135ページの解き方にある図です。参照してください。
前問と同様、図のアとイの面積は等しいのですが、どちらもたての長さが不明のため、このままでは進めることができません。そこで図のウの部分をア、イにつけたしますと、ア+ウ=イ+ウとなります。
ア+ウの面積は、70×180=12600とわかり、イ+ウの面積は、たてを□として、□×(180+420)=□×600となります。□×600=12600 より、□=12600÷600=21 です。
よって、182-21+70=231 より、合格者の平均点は、231点と求められます。
面積図がかけるように、必ずトレーニングして下さい。
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