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第25回のテーマは「割合と比 〜割合と線分図」です。今回は相当算、仕事算、ニュートン算を確認していきます。相当算では線分図を書きながら情報を整理していきます。これまで学んできた線分図の書き方と解法の手順をあらためて確認しましょう。
仕事算では基準にする量を自分で決めることを再確認します。自分で決めた量が問題を解くプロセスに関わってくるため、何をどのように決めたのかをしっかりと把握しておくことが大切です。ニュートン算では再び線分図を活用します。ここでも仕事算と同じように基準にする量を自分で決めていきます。
「学び1」では割合の基本的概念について確認していきます。割合とは「◯の何倍」というように何倍を表した数のことです。例えば「1000円の1/5」は1000×1/5=200円です。この1/5は割合です。また、割合は百分率(%)や歩合(割•分•厘)という他の表現方法もあります。例えば20%や3割というように表現されたもので、20%は0.2倍、3割は0.3倍のことです。「1000円の20%」は1000×0.2=200円です。このようにもとにする量に割合をかけると比べる量となります。
167ページの【課題】を見てみましょう。「ある長方形の横の長さを20%増やし」の部分は「20%増やし」とあるため、もとの量1に0.2を増やしたと考えて1+0.2=1.2倍と考えます。したがって、横の長さを20%増やすと、変えた後の横の長さ=もとの横の長さ×1.2と表すことができます。
「面積を40%減らす」の部分は「40%減らし」とあるため、もとの量1から0.4減らしたと考えて1-0.4=0.6倍と考えます。したがって、面積を40%減らすと、変えた後の面積=もとの面積×0.6と表すことができます。
割合がどのようなものだったのか思い起こせたら、167ページの【課題】に対するAさん、Bさん、Cさんのそれぞれの考え方を見てみましょう。【Aさんの考え】は長方形の縦の長さも横の長さも1としています。また、【Cさんの考え】は長方形を正方形に変えて1辺の長さを1としています。【Bさんの考え】では長方形の縦の長さと横の長さを区別しています。
どの考え方も正解ですが、長方形の縦の長さと横の長さは違うため【Bさんの考え】がよりよいといえます。割合の問題ではもとにする量は何かを考え、それに割合をかけて比べる量を求めていきます。もとにする量が違う場合はきちんと区別します。したがって問題文を読むときには「もとにする量は何か?」を常に意識しましょう。
「学び2」では相当算について確認していきます。171ページの「やってみよう!」を見てみましょう。ここでは相当算を考えるときに注意しなければならないことを考えます。
●相当算の問題を読むときに注意したいこと
もとにする量と割合に注目します。「◯◯の10%」や「◯◯の2/5」などの表現で表された場合、もとにする量(これを普通は1にします。)は◯◯にあたる量で、割合は10%(0.1)や2/5となります。
●相当算を解くときに行いたいこと
線分図を見て「割合=具体量」の式を作りましょう。例えば、割合のいくつ分が何円、割合のいくつ分が何Cmなど、割合で表された量が実際はどのくらいか単位のついた数(具体量)と結びつけていきます。
●線分図を書くときに注意したいこと
割合の線分図を書くときには割合を表す数と具体量を区別して書きます。もとにする量が違う割合を書くときには、線分図を別に書くとよいでしょう。また、割合の表し方を◯や△で区別をして書きます。特に「全体の1/3よりも10個少ない」というような、一定の割合よりも少ない場合は、どこからどこまでが全体の1/3よりも10個少ない量なのかを、線分図上できちんと確認しましょう。
これまでのことを踏まえて、170ページ【問題3】を見てみましょう。線分図を確認していきます。全部で□個のみかんをたかひろさん、ひろみつさん、たくじさんの3人で分けます。1段目の線分図の全体を□個とします。
たかひろさんは全体の1/3よりも10個少なくとったため線分図の全体を1、全体の1/3よりも10個少ない部分をたかひろさんのとり分とします。たかひろさんがとった後の残りの線分図が2段目になります。
ひろみつさんは残りの1/5より5個多くとったため、たかひろさんがとった後の残りの線分図の全体を1、全体の1/5よりも5個多い部分をひろみつさんのとり分とします(このとき、たかひろさんのとり分を決めたときの割合とはもとにする量が異なるため、割合を表す数字を◯で囲んで区別をします)。
ひろみつさんのとった後の残りがたくじさんのとり分で35個となります。2段目の線分図から、1-1/5=4/5にあたる量が5+35=40個になることがわかります。したがって割合の1の量は40÷4/5=50個となります。この50個を1段目の線分図に当てはめてみると割合の2/3(1-1/3)にあたる部分が50-10=40となります。
したがって、全体の1を表す量は40÷2/3=60となり、配ったみかんの個数は60個となります。
「学び3」では仕事算について確認していきます。172〜173ページを見てみましょう。【問題】に対しての解法が3つ示されています。どの解法も1行1行がそれぞれ対応しているため、比べやすくなっています。それぞれの解法のプロセスは以下のようになっています。
①仕事全体の量とAさんが1日にする仕事の量を決める(1行目から2行目)
②Bさん、Cさんが1日にする仕事の量を決める(3行目から4行目)
③3人が1日にする仕事の量をきめる(5行目)
④仕事全体の量÷ 3人が1日にする仕事の量を計算し、3人で仕事をしたときに、仕事が終わるまでの日数を求める(6行目)
それでは【解き方1】から【解き方3】までを見ていきましょう。【解き方1】では仕事全体の量を1と決めています。ここからAさん、Bさん、Cさんが1日にする仕事の量を求めて(生み出して)いきます。仕事全体の量を1としているためAさん、Bさん、Cさんが1日にする仕事の量は分数となります。
【解き方2】はAさんが1日にする仕事の量を1と決めています。すると仕事全体の量は1よりも大きい数になります。仕事全体の量が決まったらBさん、Cさんが1日にする仕事の量を求めていきます。Bさん、Cさんが1日にする仕事の量は分数のこともあれば整数のこともあります。
【解き方3】では仕事全体の量を24と決めています(Aさん1人で仕事を終えるのに4日、Bさん1人で仕事を終えるのに6日、Cさん1人で仕事を終えるのに8日のため、4と6と8の最小公倍数の24とします)。ここからAさん、Bさん、Cさんが1日にする仕事の量を求めていきます。仕事全体の量を最小公倍数の24としているためAさん、Bさん、Cさんが1日にする仕事の量は整数となります。
それぞれの解法に利点がありますが、【解き方3】では仕事全体の量やAさん、Bさん、Cさんが1日にする仕事の量が整数となるため、分数では仕事の量に実感が持てないような場合にお勧めの解き方です。また、この方法は整数の計算となるため、計算間違いも少なくなります。
「学び4」ではニュートン算について確認していきます。176ページの「やってみよう!」を使って、174ページの【状況1】の課題に取り組んでみます。176ページの線分図に数値を書き込みながら考えていきましょう。
はじめに上の線分図から考えていきます。この線分図では初めに生えていた草の量と新たに生える草の量の和が、牛が食べる草の量に等しくなることを表しています。1日に生えた草の量を①とします。8日で生えた草の量は①×8=⑧となります。
また、牛1頭が1日に食べた草の量を1とします(1日に生えた草の量の①と区別しましょう)。20頭が8日で食べた草の量は1×20×8=160となります。
次に下の線分図を考えます。初めに生えていた草の量は同じなため、左にそろえて書きます。6日で生えた草の量は①×6=⑥となります。また、牛25頭が6日で食べた草の量は1×25×6=150となります。上下、2つの線分図の差の部分に注目します。2つの線分図の差は生えた草の量で見ると②です。
また、牛が食べた量で見ると10です。これら2つの量が同じため、②と10の最小公倍数の10でそろえます。牛が食べた量の10はそのままなため、生えた草の量を変えていきます。②を10にするため、生えた草の量の数値を全て5倍にします。
つまり、1日に生えた草の量を①から5とします。このため8 日で生えた草の量は5×8=40となります。6日で生えた草の量は5×6=30となります。すると、上の線分図で考えると初めの草の量は160-40=120となります。
以上のことから【状況1】では、初めに生えている草の量は120、1日に生えた草の量は5、牛1頭が1日に食べた草の量は1として考えていきます。
線分図を書いて比を合わせるときには初めに設定した数値と比を合わせた後の数値が変わるため、合わせた後に確認が必要です。
最後に牛を40頭入れたら草は何日でなくなるかを考えましょう。先ほどの線分図の下に、3つ目の線分図を書きましょう。初めの草の量は同じです。左側にそろえて書きましょう。40頭で食べるため全体の線の長さは最も短くなります。線分図の「初め」のとなりに「□日で生えた草」と書き込みましょう。
また、線分図の下側に全体の量として、「40頭が□日で食べた草」と書き込みましょう。□に当てはまる数を求めていきます。40頭が1日で食べる草の理由は1×40=40です。また、1日で生える草の量は5のため、1日で減る草の量は40-5=35となります。初めに生えていた120の草がなくなるのは120÷35=3•3/7となり、4日でなくなることがわかります。
演習としては177ページから179ページは必修です。「学び1」~「学び4」までで確認したことを思い起こしながら取り組みましょう。182ページの問3、問4、183ページの問6は線文図を書いて情報を整理していきましょう。184ページの問9はつるかめ算の考え方を使います。185ページの問10、問11、問12はニュートン算の典型的な問題です。ニュートン算は入試でもよく出題されるテーマのため十分に練習しておきましょう。185ページの問13はボールがはね上がる割合を考えていきます。余裕のある場合は188ページ問17、問18にも挑戦してみましょう。
第25回のテーマは「数と計算 分数の計算3 ~わり算~」です。今回の内容は「分数のわり算のしくみ」「1あたりの量を生み出す」です。分数のわり算のしくみでは分数のわり算をかけ算に置きかえることを学びます。この計算方法は大人でも”理由はわからないがなんとなくそう習ったから行っている”やり方です。「なぜわり算をかけ算に置きかえることができるのか?」そのプロセスを十分に楽しんでください。
「1あたりの量を生み出す」では入試でもよく出題される「仕事算」について学びます。受験算数ならではの特殊な考え方です。基準となる量を自由に決めていろいろな方法で取り組むことで、より理解が深まります。
「学び1」は分数のわり算を学ぶにあたっての導入です。129ページの「やってみよう!」を見てみましょう。例えば2/3倍すると3/5になる数を求める場合、ある数を□とすると、□×2/3=3/5 という式が成り立ちます。このことから、□=3/5÷2/3という式で求めることができます。3/5÷2/3というわり算をする場面をつくるときには「やってみよう!」にあるように「1あたりの量×いくつ分=全体の量」や「もとにする量×何倍かを表す数=全体の量」の式に当てはまるように考えていくと想像しやすいかもしれません。
「学び2」では分数のわり算のしくみについて学びます。130ページを見てみましょう。ここでは逆数について学びます。ある数Aに□をかけると1になるとき、□をAの「逆数」といいます。たとえば2/3×3/2=1のため、2/3の逆数は3/2です。このように逆数とはある数Aを分数で表したときに、その分子と分母を入れ替えた数といえます。3の逆数は3を分数で表すと3/1のため1/3となります。ここでは逆数の定義を覚え、具体的にある数Aの逆数が言えればよいでしょう。
次に分数のわり算について考えていきます。131ページを見てみましょう。3/5÷2/3の計算方法について考えていきます。
わり算においてはわる数とわられる数に同じ数をかけても答えは変わりません。たとえば6÷2=3の式で、わられる数の6を2倍して12、わる数の2を2倍して4とすると、12÷4=3となり、6÷2の答え(6÷2=3)と同じになります。
3/5÷2/3の計算過程を見てみましょう。計算式は全部で4行あります。1行目は3/5÷2/3です。2行目を見てみましょう。わられる数の3/5にも、わる数の2/3にも同じ3/2をかけています。これはわり算においてはわる数とわられる数に同じ数をかけても答えは変わらない性質を利用したものです。2/3×3/2=1のため3行目のような式になります。
ある数を1でわっても答えはかわらないため、4行目にあるように、3/5×3/2となります。このことは3/5÷2/3=3/5×3/2になることを示しています。つまり、分数のわり算ではわる数の逆数をわられる数にかければよいことがわかります。わり算がかけ算の形に変形できることは不思議ですが、こうすることで分数のわり算はかけ算に置きかえて考えることができます。したがって、3/5÷2/3=3/5×3/2=9/10となります。
「学び3」では1あたりの量を考えていきます。133ページの「状況」を見てみましょう。ある仕事をAさん1人ですると、6日かかり、Bさん1人ですると、3日かかります。この状況を考えていきます。わり算には「全体の量÷いくつ分=1あたりの量」という関係があります。
ここでは「全体の量」は仕事全体の量を指し、「いくつ分」はかかった日数を指し、「1あたりの量」は1日にする仕事の量を指します。今わかっているのは「いくつ分」だけです。それぞれの具体量を比べるために、以下の3つの方法を考えてみます。133ページの1番下の部分をみながら進めましょう。
・【方法1】仕事全体の量を1とする
仕事全体の量を1とすると、Aさんが1日にする仕事の量は1÷6=1/6となります。Bさんが1日にする仕事の量は1÷3=1/3となります。
仕事全体の量はAさんが1日にする仕事の量の6倍、Bさんが1日にする仕事の量の3倍となっています。また、Bさんが1日にする仕事の量はAさんが1日にする仕事の量の1/3÷1/6=1/3×6/1=2倍となっています。
・【方法2】Aさんが1日にする仕事の量を1とする
Aさんが1日にする仕事の量を1とすると、仕事全体の量は1×6=6となります。Bさんが1日にする仕事の量は6÷3=2となります。仕事全体の量はAさんが1日にする仕事の量の6倍、Bさんが1日にする仕事の量の3倍となっています。また、Bさんが1日にする仕事の量はAさんが1日にする仕事の量の2÷1=2倍となっています。
・【方法3】Bさんが1日にする仕事の量を1とする
Bさんが1日にする仕事の量を1とすると、仕事全体の量は1×3=3となります。Aさんが1日にする仕事の量は3÷6=3/6=1/2となります。仕事全体の量はAさんが1日にする仕事の量の6倍、Bさんが1日にする仕事の量の3倍となっています。また、Bさんが1日にする仕事の量はAさんが1日にする仕事の量の1÷1/2=1/1×2/1=2倍となっています。
このように、「全体の量」や「1あたりの量」を仮に1と決めると上で説明したように3通りの表し方があります。それぞれの考え方では仕事量を表す数値は変わりますが、大小関係は同じになります。このような考え方を割合(仕事算)といいます。
最後に【方法1】を使ってこの仕事をAさん、Bさんの2人で行った場合に何日で終るかを考えてみましょう。Aさんが1日にする仕事の量は1/6、Bさんが1日にする仕事の量は1/3のため、AさんとBさんが2人で仕事を行うと1日の仕事の量は1/6+1/3=1/6+2/6=3/6=1/2となります。仕事全体量は1のため、この仕事をAさん、Bさんの2人で行った場合、1÷1/2=1/1×2/1=2日目に仕事が終わることがわかります。
演習としては135ページから136ページは必修です。137ページの「整数になるんだから…」は入試問題でもよく出題される内容です。分数の性質を考えながら取り組んでみましょう。138ページの問1の計算は帯分数を仮分数にして、わり算をすべてかけ算に置きかえてから行うとよいでしょう。計算する前に約分をしてしまいましょう。
139ページの問5は割合と具体量(単位のついている数字)に注意しながら考えましょう。138ページから139ページの問題はすべて取り組みましょう。さらに問題に取り組みたい場合は140ページの問6~問8を解いてみましょう。
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