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第18回は『図形の移動(2)』です。ここでは、図形の平行移動と、回転移動・転がり移動を学習します。第16回と同様、自分で図をかいて確かめながら進めましょう。
「必修例題1」は、図形を直線にそって平行に移動させたとき、図形が動いたあとの図形全体の面積を求める問題です。この場合、全体の面積は、元の図形の面積+平行四辺形 (正方形・長方形を含みます)の面積となります。元の直角三角形の面積は、4×6÷2=12です。平行四辺形の面積は、動いた長さ7cmを底辺とし、高さは直角三角形の高さ6cmですので、7×6=42となります。よって、直角三角形が動いたあとの図形全体の面積は、12+42=54 より、54平方cmです。
「必修例題2」は、図形の重なりの面積を求める問題です。(1)では、直角三角形が正方形に重なっていく様子を、図形をかいて確認しましょう。(2)は、動く図形の右はしや左はしがどの位置にくるかを確認することが大切です。直角三角形は毎秒2cmの速さで、4秒進みますので、2×4=8cm進みます。よって、直角三角形の右はしは、正方形の右はしより、8−(3+4)=1cm右に出ます。また、たて方向は、正方形より、6−4=2cm上に出ます。ここで、重なっていない部分は、つねにもとの直角三角形と相似になることに注意してください。もとの直角三角形の底辺と高さは、3cmと6cmですので、底辺の長さ:高さの長さ=3:6=1:2です。よって、正方形の右に出た三角形は、底辺1cm、高さは(1×2=)2cmですので、面積は、1×2÷2=1より、1平方cmです。また、正方形の上に出た三角形は、高さ2cm、底辺は(2÷2=)1cmですので、1×2÷2=1より、1平方cmです。したがって、元の直角三角形の面積から、この正方形の外に出た2つの三角形の面積を引いたものが、重なった部分の面積です。3×6÷2−(1+1)=7より、重なった部分の面積は、7平方cmです。
回転移動では、回転の中心の点、回転の角度、半径の長さ、を確認することが重要です。
「必修例題3」三角形ABCが90度回転した図形を三角形A´B´Cとします。(1)頂点Aが動いた長さは、回転の中心C、回転の角度90度、半径(CA)10㎝の弧 (AからA´まで) の長さですから、10×2×3.14×90/360=15.7より、15.7cmです。(2)図をかいて確かめます。頂点Aが動いた線(A〜A´)と、頂点Bが動いた線(B〜B´)と、三角形ABCの辺ABと、三角形A´B´Cの辺A´B´によって囲まれた部分の面積を求めることになります。ここで、全体の図形の成り立ちを考えますと、(三角形ABC+おうぎ形ACA´)の面積から、(三角形A´B´C+おうぎ形BCB´)の面積を引いた部分になります。三角形ABCと三角形A´B´Cはもともと同じ面積ですので、結果として、おうぎ形ACA´の面積から、おうぎ形A´B´Cの面積を引いた面積が答えとなります。よって、10×10×3.14×90/360−8×8×3.14×90/360=(10×10−8×8)×3.14×1/4=36×3.14×1/4=9×3.14=28.26より、辺ABが動いたあとの図形の面積は、28.26平方cmです。式の最後の部分に注目してください。円に関係した計算では、3.14の計算は最後に1回だけですむように式をまとめるようにしましょう。
「必修例題5」は、円が直線上を転がる問題です。直線が曲がるときの円の動きがポイントとなります。(1)は、長方形の外側を円Oが転がる場合の、円の中心の動いた長さを求める問題です。長方形の辺上を転がる場合は、円Oの中心は、半径の長さの分だけ離れたところを平行に動きますので、直線となります。カドのところでは、円Oの中心がカドを中心に円の半径の長さを半径として、弧をえがきます。弧の中心角は、常に360度−(カドの角の大きさ+90度×2)で求まります。よって、円Oの中心が動いたあとの線の長さは、直線部分は長方形のまわりの長さと等しく(5+6)×2=22、カドの部分の線の長さは4つ合わせると半径1cmの円周になりますので、1×2×3.14=6.28です。合計して、22+6.28=28.28より、28.28cmです。(2) 図をかいてみるとわかりますが、円Oが動いたあとの図形は、長方形の辺にそった部分はそれぞれの辺の長さと直径の長さをもつ長方形が4つと、カドの部分は、円の直径を半径として、中心角が90度の四分円が4つでできています。よって、4つの長方形の面積の合計は、長方形のまわりの長さに直径をかけて、22×2=44より、44平方cmです。また、四分円4つは円1つですから、2×2×3.14=12.56となります。したがって、円Oが動いたあとの図形の面積は、44+12.56=56.56 より、56.56平方cmです。別解ですが、平面図形の「外側」を円が動いたあとの図形の面積は、[円の中心が動いた長さ×直径]で求められます。「必修例題5」の(1)と(2)の式をよく見比べてみると、別解が成り立つ理由がよくわかるでしょう。また、円が平面図形の「内側」を動くときには、この別解を使うことができませんので、注意してください(予習シリーズp172の枠内の図参照)。(1)の結果を利用して、28.28×2=56.56となります。(3)長方形の内側にそって、円Pが動いたあとの図形の面積は、円Pが通らない部分の面積を、長方形の面積から引くことで求めます。円Pが通らない部分として、長方形の中央に、たて(5−2×2=)1cm、横(6−2×2=)2cmの長方形があり、カドに1辺1cmの正方形から、四分円をひいた部分が4つあります。このカドの部分の4つを合計すると、1辺2cmの正方形の面積から円Pの面積を引いた面積になります。よって、円Pが通らない部分の面積の合計は、1×2+(2×2−1×1×3.14)=2+0.86=2.86より、2.86平方cmです。したがって、円Pが通った部分の面積は、5×6−2.86=27.14より、27.14平方cmです。
第18回は『場合の数(2)』です。第14回は並べ方を学習しましたが、今回は選び方を考えます。選び方(=組み合わせ)とは,並べる順番は異なっていても、組の中の数字や記号が同じ組み合わせならば、1通りとするものです。例えば、(A-B)と(B-A)は、並べ方としては2通りですが、選び方としては1通りとするものです。選ぶ順番の基準を作っておくことが大切になります。
「必修例題1」は、A、B、C、Dの4人の中から、2人の組を作る選び方の問題です。まず、2人を並べる場合を考えます。Aからの並べ方として、A-B、A-C、A-Dの3通り、次にBからの並べ方として、B-A、B-C、B-Dの3通り、次にCからの並べ方として、C-A、C-B、C-Dの3通り、次にDからの並べ方として、D-A、D-B、D-Cの3通りがあります。よって、3×4=12 より、12通りあります。選び方としては、A-BとB-Aは同じ1通りです。同様に、B-CとC-Bも1通り、C-DとD-Cも1通りです。つまり、並べ方としては2通りにしているものを、選び方としては、1通りに数え直します。よって、2で割ったものが、選び方の場合の数です。書き出してみますと、A-B、A-C、A-D、B-C、B-D、C-Dの6通りです。答えは6通りです。ここで、書き出したものを見てみますと、すべて、A→B→C→Dの方向になっています。B-AやD-Cという逆方向にもどることはありません。選び方の問題では、このルール(Uターン禁止)が重要です。
「必修例題2」でも、このルールに従って、数の小さい方から大きい方へ考えます。また、それぞれの数字が何個まで使えるかを確認しながら進めます。1-1-1、1-1-2、1-1-3、1-2-2、1-2-3、2-2-3の6通りです。
「必修例題3」は、選び方の問題であるとともに、三角形の辺の長さの性質を学ぶ問題です。三角形の3つの辺の長さには、[最大の辺の長さは、残りの辺の長さの和よりも短い]という性質があります。ぜひ、覚えておいてください。
「必修例題4」は、A+B+C=15 となるA、B、Cにあてはまる数を、1から9までの中から選ぶ問題です。3つの数の和の問題ですが、1つの数Aを決めて、残りのBとCの和の組み合わせ(B+C)を考えていきます。
まず、A=1とします。B+C=14となる組み合わせは、(5+9)、(6+8) の2通りです。同様に、A=2とすると、B+C=13ですから、(4+9)、(5+8)、(6+7) の3通りです。A=3とすると、B+C=12ですが、3+9は3が入っていて使えません。そのほかに (4+8)、(5+7) の2通りです。A=4とすると、B+C=11ですから、(5+6) の1通りです。以上、2+3+2+1=8 より、8通りです。なお、ここでも、Uターン禁止のルールに従っています。
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