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新6年生4月度のマンスリーテスト対策をお伝えします。今回も攻略ポイントだけでなく予想問題付きです。マンスリー過去問を分析し最も出題される可能性が高い問題を揃えてあります。解説も準備しますので、間違えた箇所はとくに読み込んで本番で同じ間違えをしないように注意してください。
問題は4/1(金)のお昼ごろ 鉄人会のHPにアップ致します。アップが完了しましたらフェイスブック、ツイッターでお知らせ致しますので、ぜひ鉄人会のフェイスブック、ツイッターをフォローしておいてください。予想問題は4/8(金)の17時ごろまで1週間だけの公開となります。その後は公開致しませんので入手忘れがないようにツイッターかフェイスブックのフォローをお勧め致します。
※今回の予想問題はベータ版ですので無料です。
今回のテストは、春休み前に演習した「速さ」から、春期講習で演習した内容が中心と、出題範囲がかなり幅広くなります。具体的に単元を並べてみると、「速さ」「割合」「平面図形」「立体図形」「グラフ」「規則性」「場合の数」と、非常に多岐にわたっていることがわかります。このメルマガでは、どこにポイントを置いて見直しをすればよいのかといった点を中心にご説明をしていきます。これから迎える春期講習をより有効なものとするためにも、ぜひ参考にしてください。
これは前回の3月度の組分けテストでもお伝えしましたが、基本的な内容の理解度をチェックするために、ぜひ『基礎力トレーニング』の復習を活用してください。演習できる時間も限られるでしょうから、すべてを解くのではなく、まず「!」のついた問題を中心に、数値替えで繰り返されている問題は省く、といったかたちでよいでしょう。
ただし、最初に演習してから時間が経ってしまっている単元や、やり方を忘れてしまっているような単元については、重点的に復習をしてください。それが今回のテストの序盤の問題を制するポイントになります。
例えば、「10、25、25の最小公倍数はいくつですか」「16とある数の最小公倍数は48で、最大公約数は8です。ある数はいくつですか」といった、数の性質に関する問題で、すぐに解法が浮かぶでしょうか。
あるいは、平面図形の角度の問題で、平行線の途中にジグザグな直線が混入するような問題で、確かな補助線がひけるかどうか、立体図形で、円柱を斜めの面で切った図形(竹を斜めに割ったようなかたち)で、同じ図形をさかさまに上積みして、円柱にするといった解法がすぐに浮かぶかどうか。
これらは、やり方を覚えているかどうかで、テストの問題を解く速度と正確さに圧倒的な差がうまれます。どうか気をつけて見直してください。
また、『基礎力トレーニング』と言いながらも、6年生になると難度が上がった問題も含まれてきます。
例えば割合の問題で、「ひろし君とおさむ君が持っている金額の比は3:2でしたが、ひろし君が150円もらい、おさむ君が250円もらったので、ひろし君とおさむ君が持っている金額の比は6:5になりました。おさむ君がはじめに持っていた金額はいくらでしたか」といった問題。もはや基礎とは言えない問題で、これが『基礎力トレーニング』に掲載されていることが、サピックスの強さであるとも言えます。
どうか日々の演習時間をやりくりして、毎日少しずつでも構いませんので、『基礎力トレーニング』を活用する時間をつくってみてください。
ここからは単元別の解説になります。
まずは旅人算・通過算・流水算の基本形については、確実に対応できるようにしておきましょう。旅人算であれば「分速80mで歩くAさんが出発してから4分後に分速120mで歩くBさんがAさんを追いかけました。Bさんは出発後何分でAさんに追いつきますか」という問題。これは『基礎力トレーニング』にも収録されているタイプの問題で、おそらく解法はすぐに思いつくでしょう。ただし、この問題ではBさんが出発してからの時間を求めるので、出した答えをそのまま使えますが、問題によってはAさんの出発した時間を基準とすることも求められます。解法がすぐに浮かんでも最後の詰めが甘いと失点してしまう典型のひとつですので、気をつけましょう。
通過算については、今回のテストの後半に、応用問題として出題される可能性もあります。まずは、通過する対象(鉄橋やトンネルなど)と、列車や電車のそれ自身の長さを加えたものを距離とする、基本の型を確実に固めましょう。そこから列車同士が向かい合って進んで、すれ違うケースや、一方の列車が一方を追い越すケースなどの応用へと進んでいきましょう。 少しでもわかりづらい場合や、解法の記憶が曖昧な場合は、ぜひ時間をかけてでも図をかいてみてください。あるいは消しゴムを列車に見立てて、状況を再現してみてもよいでしょう。視覚的な再現ができれば、理解が一気に進められることがあります。
例えばこんな問題はどのように対応すればよいでしょう。少し長くなります。「東西にのびる線路があり、その途中にトンネルがあります。東から西に向かう分速900mの列車Aがトンネルにさしかかってから完全に通過するまでに1分34秒かかりました。また、西から東へ向かう分速1200mの列車Bがトンネルにさしかかってから完全に通過するまでに1分15秒かかりました。途中、列車Aと列車Bがすれ違うのにかかった時間は8秒でした。次の問いに答えなさい。
といった問題です。
問題が長くて、少しうんざりしてしまうかもしれませんが、そこはぜひ考え方を切り替えてください。問題文が長いということは、それだけ解くのに必要なポイントが提供されているとも言えるのです。尻込みせずに、よく問題を読んで、どこにポイントがあるのか見つけてみれば、むしろ解きやすくなります。
この問題にはもうひとつ大きなポイントがあります。よく誘導型とも言われますが、この問題は、小問を解き進めれば、それがそのまま次の問題を解くヒントにつながる、というタイプにあたります。このタイプでは、必要な材料をそろえた後は、問題の指示通りに解き進めて行けばよいのです。
まず(1)では、列車の長さを比較するように言われています。これは裏返せば、差さえ求められれば、列車の長さそのものは求めなくてよくてよいということです。速さで必要な材料と言えば、「速さ」「距離」「時間」ですが、そのうち「速さ」がすでに与えられています。
列車Aが分速900mですから秒速にすると900÷60=15(m/秒)、列車Bが分速1200mですから秒速にすると1200÷60=20(m/秒)となります。
次に与えられている「時間」を活用すると、2つの列車が走った距離が出ます。
このように上下に並べてみると、よりポイントがはっきりしてきます。トンネルの長さは共通していますので、上下の値の差が、そのまま列車の長さの差となります。よって答えは、1500−1410=90より、列車Bの方が90(m)長い、となるのです。速さと時間から、トンネルの長さと列車の長さの和を出す部分ですが、すぐに式が浮かんでこない場合は、少し時間をかけてでも図をかいてみてください。上にトンネルと列車Aをならべ、トンネルの位置は変えずにそのまま下にスライドして、列車Bをかき込めば、長さの違いが視覚的にもわかりやすくなります。焦らず、じっくり理解を固めれば、図をかかなくても式が出てくるようにもなりますので、図を活用する手間は省かないでください。
このように、問題の中にあるポイントをひとつひとつ拾っていくと、意外と問題は難しくないことがわかるかと思います。ここで求められた「列車の長さの差」が何を意味するのかは、まだ考えなくて構いません。次の問題を解くと、その意味がわかるようになっています。
次の(2)では、トンネルの長さを解くことになります。トンネルの長さを導き出すためには、どうしても列車の長さが必要になります。というより、列車の長ささえわかってしまえば、もう勝負はつくことになります。そこで問題文でまだ使っていない部分、列車Aと列車Bがすれ違うという状況を活用します。ここでも、列車同士のすれ違いについて理解が曖昧な場合は、焦らず図などを使って再現してください。列車同士が向かい合ってすれ違うとき、そこでかかった時間に2つの列車の速さの和をかけると、2つの列車の長さの和になります。ここでピンときたお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか。(1)で列車の長さの差が求められていますので、ここに列車の長さの和が求められれば、和差算の考え方を使って、2つの列車の長さを出すことができるのです。式にしてみましょう。まずは2つの列車の速さの和に時間をかけて、列車の長さの和を出します。(15+20)×8=280(m)となります。和が280で差が90ですので、(280−90)÷2=95(m)で列車Aの長さが求まりました。この式の意味が曖昧な方は、すぐに和差算の単元を見直してください。和差算の考え方は、速さだけでなく、図形などでも使われることがあります。早めに固めましょう。問題に戻ると、列車Aの長さが95mとなりましたので、(1)で出した、(トンネルの長さ)+(列車Aの長さ)=1410(m)より、トンネルの長さは1410−95=1315(m)として答えに行きつきました。
あえて応用問題について長々と説明しましたが、単に通過算の問題としてだけではなく、問題文にある材料のひとつひとつを活用して、あとは問題の誘導に従えば、一見難しそうな問題でも、攻略することができることのサンプルとしてご紹介しました。
流水算に関しては、やはり基本である「上りの速さ」「下りの速さ」「流の速さ(流速)」「静水時の速さ」の関係をしっかり確認してください。また、同じ川を上る船と下る船がすれ違うとき、速さの和は、お互いの静水時の速さの和になることまでは、すぐに思いつくようにしておきましょう。ただし、上記の速さの関係が、なかなか浮かんでこない場合は、やはり線分図を利用して、速さの関係を視覚的にも把握するようにしてください。
特に、流速や静水時の速さが変化する問題に対応する際には、線分図が絶大な効果を発揮します。例えば、静水時の速さが一定で、上りの際の流速が、下りの際の流速の2倍になる問題があるとします。線分図を3本かいてみます。まず真ん中に静水時の速さを表す線分を、その上に上りの速さを表す線分を、下に下りの速さを表す線分をひきます。静水時の速さから流速の分を短くしたのが上りの速さ、流速の分を長くしたのが下りの速さになります。ここで、上りの際の流速が、下りの際の流速の2倍なので、静水時の速さと下りの速さの差を表す部分をマル1(「○の中に数字」の表記が文字化けしてしまう可能性がありますので、マル1、マル2と表記させて頂きます。以下も同です)とすると、静水時の速さと上りの速さの差を表す部分がマル2と表すことができます。これで、数字で表される速さの関係を視覚的にとらえることができるようになり、問題に取り組みやすくなります。ぜひ流水算では線分図が効果的であることを意識しておいてください。
ここでは、倍数算についての説明をメインにします。倍数算では、2量の関係が変化するときに「差が一定」「和が一定」「比が変化する」の3つのパターンがあることをしっかり固めましょう。そして、ここでも、線分図が大いに有効になりますので、図のかき方を確実にマスターしてください。上記の3つのパターンについて、ご説明していきます。
「差が一定」とは、例えば「兄は1000円、弟は250円持っていましたが、2人ともお父さんから同じ額のお金をもらったので、兄と弟の所持金の比が10:7になりました。2人がお父さんからもらったお金は何円ずつでしたか」といったタイプの問題です。同じ量が増えたので2人の量の差は変わっていないことになります。1000−250=750(円)が差として変わらず、この750円が、比の10−7=3に相当するので、お金をもらった後の兄の金額が750÷3×10=2500(円)となり、2人がもらった金額は2500−1000=1500(円)と求められます。差が一定は特に線分図が効果を発揮するので、ぜひかき方を覚えてください。
「和が一定」とは、例えば「A君とB君の所持金の比は、はじめは5:7でしたが、A君がB君に420円をわたしたので、A君とB君の所持金の比は、1:3になりました。A君のはじめの所持金はいくらでしたか」といった問題です。「差が一定」の場合とは異なり、2人の中で量をやりとりするので、2人の量の合計が変わらなくなります。この「和が一定」の場合でも、線分図で理解を促すことができますが、必ずしも図に固執しなくてもよいでしょう。そのかわり、内容を整理して変化を確実に把握するために、数値のかき方に工夫が必要です。
この問題であれば、まずA:Bとしてその下にはじめの所持金の比5:7とかきます。次にその下にお金をやりとりした後の比1:3をかき入れます。これで、縦に見ると、A、5、1とならび、比の「:」をはさんで、B、7、3と数がならびます。ここから、和が一定であることを利用します。A:Bの横に「和」として、その下に、比の値の和をかき入れていきます。上から12(5+7)、4(1+3)となるのがわかりますでしょうか。この12と4は比の値は異なりますが、数値としては2人の所持金の和として同値ですので、比の値もそろえてしまいます。12と4の最小公倍数は12ですので、上はそのまま、下の比をすべて3倍します。すると、1:3が3:9に変化します。ここで上下の数値を比べてみると、上(お金のやりとりの前の比)が5:7、下(お金のやりとりの後)が3:9となり、AからBに比として2がわたされたことがわかります。この2が420円に相当することで、420÷2×5=1050(円)と答えが求まります。
「差が一定」も「和が一定」もパターンを覚えてしまうと、とてもやりやすくなります。逆に全体正答率も高い問題になりますので、確実に、取りこぼしがないようにしておいてください。また、最後に求める値を間違わないようにしてください。
ここまでは比較的解きやすいタイプの問題なのですが、3つのパターンのうち、「比が変化する」かたちが少し取り組みづらい問題で、苦手としているお子さんも多くなります。できるだけこのパターンの復習に時間を使えるように、「差が一定」「和が一定」の復習はスピードアップして進めましょう。
「比が変化する」とは、つまり、差も和も一定ではない、というタイプです。具体的に問題を挙げてみましょう。
「A君とB君の所持金の比は、3:1でしたが、A君が240円、B君が110円使ったので、A君とB君の所持金の比は16:5になりました。はじめのA君の所持金はいくらでしたか」といった問題になります。
塾では線分図を使ったやり方を説明されるでしょう。そのやり方は視覚的な効果がありますので、ぜひかき方を覚えるようにしてください。ただし、このタイプの図をかくときには、あまり数値の大小関係に神経質にならないことをおすすめします。というのも、比の値をそろえるために、数値が大きくなることがあります。それを図に示そうとして、長さを厳密にとらなくてはいけない、と思うと、意外に時間がかかってしまいます。大体の値がわかればよいので、長さなどにはあまり神経質にならないことです。 例えば上記の問題の場合、A君のはじめの所持金をマル3とすると、B君のはじめの所持金はマル1、A君のマル3から240円(大体の長さで構いません)を引いた長さがシカク16で、B君のマル1から110円を引いた長さがシカク5となります。このマルを3にそろえて解き進めるのですが、するとB君の金額がシカク15から330円を引いた長さになります。このように数値が大きくなりますので、あまりに厳密に長さをとろうとすると、時間がかかりすぎてしまいます。ざっくりでも2者の関係がわかればよいので、そのような意識で図をかけるように練習をしておきましょう。
ここからは、図をかいて解く方法以外の解き方をご紹介します。先程の「和が一定」のパターンと同じように、数値を上下にならべてかいて理解を進める方法ですが、今度は式をならべてかきます。
まず上段にA君の所持金の変化を表す、マル3−240=シカク16の式をかきます。その下に、B君の所持金の変化を表す、マル1−110=シカク5をかきます。ここで、数値を合わせるために、B君の式全体を3倍します。するとマル3−330=シカク15、となります。A君のマル3−240=シカク16と、B君のマル3−330=シカク15を見比べると、330−240=90(円)が、シカク16−シカク15=シカク1に相当することがわかります。あとは、90×16+240=1680(円)として、答えが求まります。
親御様はお気づきかと思いますが、これは中学数学の「連立方程式」の考え方です。連立方程式と考えると難しそうですが、量の変化を理解するために数値をそろえるという考え方は、消去算と同じですので、ぜひ試してみてください。
その他、仕事算、相当算が出題される可能性が高いですが、まずは過去の組分けテストやマンスリーテスト(特に昨年11月18日に実施された11月度マンスリー)をよく見直してください。
11月度マンスリー対策の際にもご説明しましたが、仕事算、相当算で特に気をつけるのは、「できるだけ分数を使わないこと」です。例えば仕事算で、「Aが1人でやると21日かかり、Bが1人でやると28日かかる仕事」の全体の仕事量を1としてしまうと、AとBの1日あたりの仕事量が分数になってしまいます。このような場合は、全体の仕事量を21と28の最小公倍数である84にすれば、Aの1日の仕事量が7、Bが3と整数になり、圧倒的に計算がしやすくなります。
同じく相当算では、例えば、「本全体の1/3を読み、翌日に残りの1/4を読むと24ページ残った」という場合に、全体を1とすると、分数計算がならぶことになりますので、全体を3と4の最小公倍数である12にすると、計算しやすくなります。
時間が限られているテストですので、少しでも時間を短縮できて、しかも確実さが増す方法が何かを考えることも、大事なテスト対策のひとつです。
まずは基本的なかたちとして覚えておくべき項目を確認します。ひとつは正方形の面積の出し方が、1辺の長さ×1辺の長さ、という公式だけではない、ということです。正方形はひし形から4つの角度が90度になったものであり、ひし形の一部であるとも言えます。つまり、ひし形の面積の公式が使えるのです。正方形でも、対角線×対角線÷2で面積が求められることを覚えておいてください。これは例えば円に正方形が内接していて、正方形の1辺の長さが与えられていない場合に、円の半径を使って面積を出すといった問題などで使われます。
次に特殊なかたちの三角形の面積を出す問題です。具体的には、頂点の角度が30度の二等辺三角形の面積を、等しい辺の長さのみが与えられている場合に求める方法です。例えば三角形ABCで、辺AB=辺AC=6cm、角BAC=30度といった場合、ABを底辺として、点Cから辺ABに垂線をおろし、ABとの交点をHとします。これでAB×AH÷2で面積が求まります。このAHの長さですが、ABを軸にCから線対称な位置に点Dを置くと、三角形CADが1辺6cmの正三角形になります。CHはその半分ですので、3cmとなります。
この正三角形を半分にしたかたち(90度、60度、30度の直角三角形)が利用されることが多くありますので、注意してください。上記の頂角30度の二等辺三角形はよく見るかたちですが、その他にも、例えば頂角150度の二等辺三角形でも、その頂角の外角が30度になることから、正三角形の半分のかたちが利用できるのです。より多く類題を解いて、様々なパタ−ンを習得しましょう。
今回は面積比の問題も出題が予想されます。特に補助線をひいて面積の比を求めさせるタイプの問題は、今回のテストで勝負の分かれ目のひとつになる可能性が高いので気をつけてください。具体的な問題を挙げてみます。メルマガでは図がかけませんので、ぜひ図をかいてみてください。
「三角形ABCの辺AB上に、AE:EB=5:3となるように点Eを、辺BC上に、BF:FC=3:4となるように点Fをとります。辺AC上の点D(半分より少しAよりにとってください)をとり、EとD、FとDを線で結びます。このとき、三角形AED、三角形DFCの面積がそれぞれ30平方cm、50平方cmとすると、三角形ABCの面積は何平方cmですか。」
図はかけましたでしょうか。三角形ABCのうち、三角形AED、三角形DFCの面積はわかっているので、あとは四角形BEDFの面積がわかれば、正解に行きつけますが、この四角形は面積の公式を使えるものではありません。そこで、補助線のひき方が大事になってきます。ここでは、BとDを結んで、四角形を三角形BDEと三角形BDFに分けて考えることにします。これは、すでに面積がわかっている三角形AEDと三角形DFCに隣接する三角形をつくると、解きやすくなる効果があるためです。ここから計算になります。
まず三角形AEDと三角形ABDは、どちらもAB上に底辺を考えると高さの等しい三角形になりますので、三角形AEDの面積:三角形ABDの面積=AE:AB=5:8です。よって、三角形ABDの面積は、30×8/5(8分の5)=48(平方cm)となります。同じようにして、三角形DFCの面積:三角形BCDの面積=4:7より、三角形BCDの面積は、50×7/4=87.5(平方cm)と求められます。こうして三角形ABCの面積が、48+87.5=135.5より、135.5平方cmと導き出せるのですが、補助線のひき方をしっかり身につけておかなければ、時間がかなりかかってしまうことがあります。どのように図形を切ればよいのか、という点を意識するようにしましょう。
今回のテストでは、回転体の出題が予想されます。回転体とは、直線を回転軸として平面を回転させたときの、平面が通過する部分の図形について問うものです。
まずは360度回転させたときに出来上がる立体のかたちですが、回転の軸を線対称の軸として、線対称図形をかき、対応する点どうしを、丸みをつけて結ぶことでできあがりますので、その基本はしっかりおさえておきましょう。
回転体の体積を求める問題では、底面の図形を把握することが大きなポイントになります。特に注意して頂きたいのが、回転する平面が、回転軸から離れたところにあり、また軸に対して角度があるようになっているパターンです。具体的な例として、ここでは底面にあたる平面図形の観点から問題を挙げてみます。この内容が理解できれば、あとは高さをかければ体積が出るケースが多いので、まずは平面図形が正確にイメージできるどうかをチェックしてください。また図がかけませんので、実際にかいてみてください。
「三角形ABCは、角Bが90度の直角三角形で、AB=4cm、BC=3cm、CA=5cmです。この直角三角形を、点Bを中心に360度回転させたときに、CAが通った部分の面積は何平方cmですか」といった問題です。
いわゆる軌跡の問題ですが、360度回転させるので、円のかたちになることはすぐにわかります。ここではBから最も遠い点とBを結んだ線を半径とする大きな円と、Bから最も近い点とBを結んだ線を半径とする小さな円との間にできる部分が答えになります。つまり、真ん中が空いたドーナツ型になります。Bから最も遠い点がAになることはすぐにわかるでしょう。問題はBから最も近い点をCと間違えてしまいがちなことです。ここでは、BからACに垂線を下して、ACとの交点をHとした場合に、そのHが最も近い点になるのです。実際に図にかき込んでみるとよくわかると思います。BHの長さを求めるには、相似を用いて、3×4/5=2.4(cm)となります。この最も近い点を正確に見つけられるかが、回転体の問題を攻略するための大きなポイントになります。なかなか理解が難しい場合は、お子さんに実際に図をかかせてみるとよいでしょう。この視点が身につけば、対応力が大きくアップします。
グラフの問題では、水そうに水を入れる際の、時間と容器の深さや水量との関係についての問題や、2つの地点を往復する際の、時間と距離の関係を表すダイヤグラムの問題などが多く出題されます。
いずれの場合にも共通するのが、慣れるまではグラフだけで解決しようとしないことが必要な点です。
例えば水そうに水を入れる問題では、多くの場合に問題に水そうの図が提供されます。もし図がなければ簡単で構いませんので自分で図をかいてみましょう。その図に水面の線を入れたり、あるいは深さがわかるように点を打つなどをして、図の中での変化がわかりやすいようにします。目的は図とグラフの関係をよりわかりやすくすることにあります。そのため、例えばある深さを表す点に☆印をつけたならば、同じようにグラフの中に☆印をつけるといった方法でもよいでしょう。与えられた図とグラフを、自分にとってわかりやすいかたちに加工することが、時間がかかるようで、実際は正解への近道になります。
また、速さとグラフの問題では、グラフのみが与えられるケースがほとんどです。ここでもグラフに必要な数値をできるだけかき込んで、グラフで表される状況を把握することが必要になりますが、より視覚的に状況を把握するために、グラフ以外に、自分で状況図(状況を表す図)をかいてみるとよいでしょう。特に、2つの地点を往復する問題では、グラフだけでは動きの向きが逆転する様子がイメージしづらくなります。そこで水平な直線をかいて、動きについて矢印などを使ってかき込み、さらに変化が起きる(速さが変わる、2人が出会うなど)時間や地点には、わかりやすい印をつけ、その同じ印をグラフの中にかき込めば、グラフで表される状況が格段にイメージしやすくなります。
お子さんそれぞれによって書きやすい図も変わってきますので、ぜひ早めに練習をして、テストで実践できるようにしてください。
『基礎力トレーニング』に出てくる範囲、例えば、1、4、7、10、…、46のような等差数列の、○番目の数は何か、数列の和はいくつか、といった問題は確実に得点できるように、やり方を見直しておいてください。
今回のテストに限らず、規則性の問題は非常に難度が高い問題になることが多いです。テストで最終問題になることも多く、もちろん最終問題だから難しいとは限らないのですが、実際は時間がかなりかかってしまう問題であることが多く見られます。 そこで、規則性の難問にあたった場合は、まず(1)だけは解いて、そこから後は時間が少なかったら深追いはせず、他の問題を見直して失点を防ぐ判断をすることも必要になります。(1)は、書き出すなどのいわば力業で、何とか正解できるケースが多いです。それでも大事な1問ですので、何とか点数をもぎとれるように慎重に取り組んでください。その(1)を解く過程で、規則性がつかめて、時間に余裕があれば、ぜひ(2)以降にも取り組むべきでしょう。ただし、時間が残り少なくなった場合は、途中でストップして、他の問題の見直しに時間を要する勇気も必要です。
難問に時間をかけ過ぎない、というのは規則性に限った話ではありませんが、特に規則性はお子さんに時間をかけさせてしまう作用が働く問題です。どうか深追いし過ぎないことに気をつけてください。
場合の数でも、規則性と同じく、『基礎力トレーニング』に出てくる問題は、確実に得点できるようにしっかり復習をしてください。数字の書いたカードを並べ替えて、3けたの数字をつくったり、偶数をつくったりする問題は、すぐに解法が浮かぶようにしておく必要があります。
ここでは「道順」の問題を取り上げます。マス目の入った図で、最短距離で進んだ場合の始点から終点への行き方が問われる問題です。
塾の授業では、マス目の角に数値をかき入れて、その数を足して終点までたどりつく、という方法を学習し、お子さんもそれを実践するでしょう。もちろん解法はその通りなのですが、危険なのが、数値のかき入れを「機械的」に覚えてしまっていることです。マス目の外枠にある角には「1」を入れて、後は足していく、とだけ覚えてしまっていると、少し応用が入った問題に対応できなくなってしまうのです。なぜ数値を足して角の数値を算出するのか、その理由をしっかり理解するようにしてください。
わかりやすく例を挙げましょう。少しだけ大きめの正方形をかいて、その各辺を3等分する点をつくり、縦横に点を結んで図形を9分割させます。大きな正方形の中に9個の正方形ができたでしょうか。もとの正方形の左下の角にA、右上の角にBをとり、「AからBまで最短距離での行き方は何通りになりますか」という問題があるとします。
まず先ほど触れたように正方形の外枠の縦、横の線上の角に「1」をかき入れます。なぜこれが1なのかですが、それはその点に行きつく方法が1通りしかないということです。Aから右となりの点に行くのは、もちろん1通りで、そこからさらにもうひとつ右に行くには、新しい行き方が加わりませんので、そのまま1になります。これが「最短距離」でなければ、迂回して行く方法がいくつも出てきますが、ひとつだけ進む、となると新しい行き方が加わらなくなるのです。このように、ただ縦や横にひとつだけ移動する場合には、行き方が増えませんので、数は変わらなくなります。
次に、Aを含む小さな正方形の、Aと対称の位置にある点に入る数値ですが、先に答えを言うと、1+1=2の2になります。この1は、小さな正方形のAのとなりの角にかき入れた1にあたるのですが、ここで1+1になる理由を把握するために、矢印をかき入れてみましょう。1とかき入れた角の点から、求める点に矢印をひくと、下からと左から、2本の矢印になります。下の点から1通り、左の点から1通り、その2つを足すので、1+1となります。
いま2とかき入れた点の右となりの点に入る数はいくつでしょうか。2から右にひとつ行くのに行き方は増えませんので、右への矢印は2、そこに下の点から矢印がひけますので、下の点にある1を加えて、2+1=3となります。
このようにして、左から右へ、下から上への最短距離で進む場合の角の数を出すには、その左と下にある数を足せばよい、という方法につながるのです。
この成り立ちを理解しておけば、例えば途中である点を通らない行き方、といった難しい問題にも対応できます。通らない点にX(ばつ)を入れてしまえば、そこには矢印をつなげることはできませんし、またそのXから矢印が出すこともできません。つまりそのXの点は存在しない、と考えられるのです。
実際の問題を挙げてみましょう。まず横が縦より長めの長方形をかいてみてください。縦の辺を3等分、横の辺を4等分して点を打ち、縦横にその点を結びます。縦に4列、横に3行の四角形に分かれるようになりましたでしょうか。もとの長方形の左下の角にA、右上の角にBをとり、AからBに行く最短距離を考えます。
ここから角の点を表記するにあたって、座標のような表し方をします。左からa番目、下からにb番目の角を(a、b)としますので、Aの点は(0、0)Bの点は(4、3)となります。
そして、(2、1)の角にC、(3、1)の角にDを置いてください。ここで問題です。
「AからBに行くときに、CもDも通らない行き方は全部で何通りありますか。」
それでは、角に数を入れて行きましょう。まず、C、Dの角にわかりやすいようにXをかき入れてしまいます。次に(1、0)(2、0)(3、0)(4、0)さらに(0、1)(0、2)(0、3)にはすべて1が入ります。そこから(1、1)には2、(1、2)には3、(1、3)には4が入ります。ここまでは大丈夫でしょうか。
ここからがポイントです。(2、1)はXとなりましたので、(2、2)には下からの行き方はなく、結果、(1、2)の3がそのまま右に移動して、3となります。同じく(3、2)も下からの行き方がありませんので、そのまま3が右に移動してやはり3となります。そして(4、1)は左からの行き方がありませんので1となり、(4、2)に入る数は(3、2)からの3、(4、1)からの1を足して、4となります。
あとは数を足して角の数を求めて行くことになります。(2、3)には3+4=7、(3、3)には3+7=10、最後に4+10=14で、答えが14通りと求められます。
解くスピードを重視するあまりに、ただ解法を暗記してしまうと、少し応用の要素が入った問題には対応できなくなります。また、サピックスのテストでは、ただの暗記では間違えてしまうような問題をあえて出してきます。ぜひ時間をかけてでも、根本からの正確な理解を重ねるようにしてください。
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