四谷大塚・早稲田アカデミー 予習シリーズ算数上6年第7回・5年第8回攻略ポイント!

<算数 6年上 第7回>

第7回は『数(1)』です。約数・倍数に関連した色々な問題を、復習を兼ねて学習します。

【攻略ポイント1】

「必修例題1(2)」は、ある数の倍数ではない数の個数を求める問題です。1から1000までの数のうち、3か5で割り切れる数の個数を引いて求めます。3で割り切れる数、つまり3の倍数は、1000÷3=333あまり1より、333個あります。また、5で割り切れる数、つまり5の倍数は、1000÷5=200より、200個あります。333+200=533個の中には、共通の数、つまり3と5の公倍数が重複して数えられています。3と5の公倍数は、3と5の最小公倍数である15の倍数ですから、1000÷15=66あまり10より、66個除きます。よって、533−66=467個が、3か5で割り切れる数の個数です。そこで、3でも5でも割り切れない数は、1000−467=533より、533個です。

「別解」として、周期を考えた解き方を説明します。3と5の最小公倍数である15を1組とする数列をつくります。1、2、3、…と、15までを一列、16から30までを一列、31から45までを一列……として、列を変えて縦に書き並べてみます。列ごとに3か5で割りきれる数を消していくと、3でも5でも割り切れない数は、15までに、{1、2、4、7、8、11、13、14}の8個あることがわかります。また、15の後30までに、{16、17、19、22、23、26、28、29}の8個です。以下もこのように続き、左から順に同じ位置の数が残っています。そこで、1000÷15=66組あまり10より、1組の中に8個ずつ66組と、あまり10の中に{1、2、4、7、8}と同じ位置の5個があります。8×66+5=533より、533個と求められます。

「必修例題2(2)」は、公倍数を考える問題です。ある3けたの整数を□とします。問題文を整頓すると、(ア)□+5=3の倍数、(イ)□+3=5の倍数、と表せます。(ア)の式の等号の左右に3を加えると、□+5+3=(3の倍数)+3になり、等号の右側はやはり3の倍数です。(イ)の式の等号の左右に5を加えると、□+3+5=(5の倍数)+5になり、等号の右側はやはり5の倍数です。結果、等号の左側はどちらも、 □+8で、この数が3の倍数であり、5の倍数ですから、3と5の公倍数です。よって、□+8は、3と5の最小公倍数の倍数である15の倍数となります。ここで、3けたの整数の中で最も小さい数である100を□に入れてみると、(100+8)÷15=7あまり3となることから、15×(7+1)−8=112より、3けたで最も小さい整数は、112となります。

【攻略ポイント2】

「必修例題4(2)」は、3つの整数をある整数Aで割ったときのあまりが同じになる問題です。例えば、14、17、23のように、3 (Aにあたるもの) で割ると2あまる数を考えます。2つの整数の差は、17−14=3、23−17=6、23−14=9となり、差はすべて3の倍数です。このように、整数Aで割ったときのあまりが同じになる整数の場合、整数どうしの差は整数Aの倍数です。言いかえると、整数Aは、割られる整数どうしの差の共通の約数、つまり公約数です。問題の整数61、97、151の2組の差を求めます。97−61=36、151−97=54です(151−61など、ほかの2つの整数の組み合わせでもかまいません)。よって、36と54の最大公約数は、18ですから、割った整数Aの最大の数は、18です。

【攻略ポイント3】

「必修例題5(2)」は、約数の個数が3個の整数を考える問題です。素因数分解を利用した約数の個数の求め方を利用します。ある素数をAとしますと、約数の個数が3個の整数は、素因数分解の形が、A×Aとなります。よって、2×2=4、3×3=9、…と続きますので、素数の小さい方から5番目の11を使った、11×11=121より、121が答えです。

「必修例題5(3)」は、約数の個数が4個の整数を考える問題です。(2)と同様、ある素数をA、別の素数をBとして、素因数分解の形が、A×Bとなります。また、A×A×Aの形も、約数の個数は4個です。A×Bの形では、小さい方から順に、2×3=6、2×5=10、2×7=14、3×5=15、3×7=21、2×11=22、…と続きます。また、A×A×Aの形では、2×2×2=8、3×3×3=27、…と続きます。よって、21は、6、8、10、14、15、21、の6番目になります。

<算数 5年上 第8回>

第8回は『売買損益』です。売買損益の問題は、品物の売り買いについて、利益や損(失)を考える問題です。用語が多く使われますので、まず、用語を整頓しておきます。
原価(げんか)とは、お店が(問屋などから)品物を仕入れるときの値段のことで、仕入れ値(しいれね)ともいいます。定価(ていか)とは、お店が品物を売るときの通常の値段のことです。また、この定価から金額を変えて、お店が実際に売ったときの品物の値段を、売価(ばいか)または、売り値(うりね)といいます。ほとんどの場合、売価は定価から値引きをした(定価よりも安い)かたちで設定されます。この定価または売価が原価より高い値段の場合の差が、利益またはもうけ、となり、低い値段の場合の差が、損(失)です。
お店では、普通、原価の○割や○%を利益(利益率=利益の割合)として、原価に加えて定価を決めます。これを式で表すと、定価=原価×(1+利益率)、となります。また、定価の○割や○%を値引き(値引き率=値引きの割合)して、定価から引いて売価を決めた場合、これを式で表すと、売価=定価×(1−値引き率)、となります。この2つは、公式として覚えましょう。

【攻略ポイント1】

「必修例題1」は、公式の練習です。(1)240円が原価、2割5分(=0.25)が利益率ですから、定価は、240×(1+0.25)=300円です。(2)□が利益率ですから、400×(1+□)=480となります。よって、480÷400−1=1.2−1=0.2より、0.2は2割ですから、□にあてはまる数は2です。

「必修例題2」も、同様に公式の練習です。(1)1割5分(=0.15)が値引き率ですから、売価(売り値)は、1200×(1−0.15)=1020より、1020円です。(2)値引き率が答えですので、□として、400×(1−□)=260となります。260÷400=0.65ですから、□=1−0.65=0.35より、0.35を歩合で表して、3割5分引きです。

【攻略ポイント2】

「必修例題3」は、原価との差を考えて、利益や損失を求める問題です。定価は、200×(1+0.4)=280円となり、売価は、280×(1−0.1)=252円です。原価が200円ですので、252−200=52より、売価が52円高いので、利益が52円となります。
『予習シリーズ』のP.75にもありますが、仕入れ値の4割と、定価の1割とでは、もとにする量がちがいますので、0.4−0.1=0.3から3割増し、という計算をしないように気をつけてください。(1+0.4)×(1−0.1)といった、割合の「連続したかけ算」になることに、徹底的に注意しましょう。

「必修例題4」は、計算の元となる原価を求める問題です。原価を1として、公式により進めていきます。定価は、1×(1+0.4)=1.4となり、この定価1.4を使って、売価は、1.4×(1−0.2)=1.12となります。この売価である1.12と原価である1との差、1.12−1=0.12が利益です。これが150円に相当しますから、150÷0.12=1250より、原価は1250円とわかります。

【攻略ポイント3】

「必修例題5」は、定価を元にして、2通りの売価を表し、原価との差を考えます。(1)定価をマル1とすると、2割引きの場合の売価は、マル1×(1−0.2)=マル0.8となり、利益が60円ですから、原価は、マル0.8−60円です。また、3割引きの場合の売価は、マル1×(1−0.3)=マル0.7となり、損が15円ですから、原価は、マル0.7+15です。結果として、マル0.8−60=マル0.7+15と表されます。線分図をかくと理解しやすいですが、マル0.8とマル0.7の差であるマル0.1が、60円と15円の合計75円に相当します。75÷0.1=750より、マル1である定価は750円とわかります。(2)定価が750円とわかりましたので、2割引きの売価が、750×(1+0.2)=600円となることから、仕入れ値は600−60=540円です。

【攻略ポイント4】

「必修例題6」は、品物の個数が複数個あるときの売買損益の問題です。完売(仕入れた個数がすべて売れる場合)ではないときは、注意が必要です。利益は、売り上げた個数分の売り上げ金額の合計から、仕入れた個数すべての仕入れ金額の合計を引いて計算します。仕入れ金額は、原価200円に仕入れた個数100個をかけた、200×100=20000円です。それに対して、売り上げ金額は、(ア) 200×(1+0.25)=250より、250円の定価で、100−30=70個を売り、(イ) 80円を値引きした、250−80=170円の売価で、30−5=25個を売りました。(ア)の売り上げ金額は、250×70=17500円です。(イ)の売り上げ金額は、170×25=4250円です。(ア)と(イ)を合わせた、売り上げ金額の合計は、100−5=95個の分で、17500+4250=21750円です。よって、95個分の売り上げ金額の合計から、100個分の仕入れ金額の合計を引きますので、21750−20000=1750より、利益は1750円です。

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