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今回は、7月度組分けテスト対策について解説を進めます。
出題範囲が限定されない実力テストになります。その中で、必ずおさえておいて頂きたいポイントをお伝えします。 まずは対策を進めるうえでの大前提として頂きたいこと、またテスト会場で気をつけて頂きたいことをお伝えします。
今回の組分けテスト対策については、「難しい問題を見直す」ことよりも「あと一歩で正解できた問題」や「テスト後に見直すと解けた問題」を中心に復習することをお勧めします。
これまで受けてきたテストの中で、間違えはしたものの、間違えた理由がはっきりとわかっている問題は、次にあたった際には得点できる可能性が大きく上がります。前の間違いを次の得点につなげられるように、強い気持ちをもって復習を進めましょう。
教材としては、これまでのマンスリーテストを見直すことも有効ですが、『デイリーチェック』で該当する単元の復習をすることも効果的ですのでぜひ活用してください。
この7月度組分けテストは夏期講習のクラスを決めるテストということで、気持ちがより前のめりになりがちです。そこでつい焦ってしまって、必要以上に1問に時間をかけてしまったり、少しでも多くの問題を解こうとするあまりに見直しの時間を設定することを忘れて、得点できるはずだった問題を逃してしまうということが起こってしまいます。大事なテストだからこそ、より時間配分に気をつけるようにしましょう。全ての問題を解こうとするのではなく「解ける問題を確実に得点する」ことに、いま一度注意してください。
一方で、難しそうに見える問題でも、(1)だけでも得点する意識も大事にしましょう。一見難しそうでも、いざ解いてみると意外と簡単だった、というケースもあります。初めから解けないと決めつけずに、チャレンジすることを忘れないでください。
ここからは、具体的に問題を解くうえでの注意点を挙げていきます。
例えば売買損益の問題で、仕入れ値は必ずしも1としなくても構わないのです。例えば仕入れ値の35%増しを定価とする、といった問題で、仕入れ値を1とすると定価は1.35と小数になり、計算がしづらくなります。ここで仕入れ値を100としてしまえば、定価も135と整数になり、その後の計算を速く正確に進めることができます。
同じことは仕事算などでもあてはまります。仕事算で「Aひとりだと8日かかり、Bひとりだと12日かかる」といった問題の場合に、仕事量全体を1とすると、A、Bが1日にする仕事量が8分の1、12分の1と分数になってしまいます。分数計算となると時間がかかり、間違いも多くなる可能性が高いです。仕事量全体を8と12の最小公倍数24にすれば、ひとりの仕事量も整数(Aが3、Bが2)と表すことができるので、圧倒的に解きやすくなります。
繰り返しになりますが、時間配分がとても重要なテストになります。少しでも速く正確に解ける方法を優先して使うようしましょう。
やり方を忘れてしまっているのではないか、という単元を中心に、いくつかの項目を挙げてみます。しっかりやり方を覚えているかどうか、チェックしてみてください。テスト前半の基本的な問題だけでなく、中盤以降の難度が上がった問題でも、問題を解くスピードと正確さに違いが生まれるポイントになります。
さらに具体的に、いくつかの例題を挙げながら解説を進めていきます。
次のような問題について、考えてみましょう。
「5円、10円、50円硬貨が、それぞれ2枚ずつ合計6枚あります。これら6枚の硬貨から何枚かを使って金額をつくるとき、つくることができる金額は全部で何通りありますか。」
場合の数で硬貨を使った問題はよく出されますが、その中で、使わない硬貨があってもよいパターンになると、少し難しく感じられてしまいます。この問題もそのパターンですが、整理の仕方がわかれば、決して難しい問題ではありません。
まず方針を決めます。すべてかき出すという方法もありますが、この問題では、5円硬貨2枚と10円硬貨1枚が同額になるため、かき出しても同じ金額になるものを消していかなくてはなりません。そこで、金額の小さい5円硬貨と10円硬貨を2枚ずつ使ってできる金額を決めて、そこに50円硬貨を組み合わせていくことにします。
5円硬貨と10円硬貨2枚ずつでつくることができる金額は、5の倍数になります。そのうち5円硬貨と10円硬貨を2枚ずつ使う30円が最大値になります。順番に数を挙げていって、その金額を作れるかどうか確かめてみると、5円、10円、15円、20円、25円、30円の6通りになります。ここに50円硬貨を1枚加えると、55円、60円、65円、70円、75円、80円と6通りの金額ができます。この方法で進めると、数の重複を気にする必要がなくなります。同じく50円硬貨2枚の100円を加えることで、やはり6通りの金額ができます。最後に注意しなくてはならないのが、50円硬貨1枚のみを使う50円と、2枚のみを使う100円という2通りを加えることです。結果として。6×3+2=20(通り)と答えが導き出せます。表を使うとさらに進めやすくなりますので試してみてください。
次のような問題について、考えてみましょう。
「7月1日から8月31日までの期間に、A君は7月1日から4日、7日、…と3日ごとに、B君は7月6日から10日、14日、…と4日ごとにプールに行くことにしました。このとき、最後に2人が同じ日にプールに行くのは、8月何日ですか。」
規則性の問題のひとつのパターンで、はじめの数をかき出しなどから求めて解き進めるものです。3日ごと、4日ごととあるので、その最小公倍数の12ごとに該当する数値が進んでいくことは想定できるのですが、どこを始点として12ごとに進むかがわかりません。そこで、該当するはじめの数を求める作業が必要になります。A君、B君がプールに行く日にちをかき出してみましょう。見やすいようにA君の日にちとB君の日にちが上下にならぶようにします。
と、ここで最初に2人が同じくプールに行くのが7月10日であることがわかります。ここからは12日ごとに進みますので、7月10日、7月22日、8月3日、8月15日、8月27日より、求める日にちが8月27日となることがわかります。
同じタイプの問題で、あまりの出る割り算を使ったものがあります。例えば、7でわると4あまり、6でわると2あまる最も大きな2けたの整数を求めなさい、といった問題です。あまりが同じでもなければ、あまりとわる数の差が同じでもないため、どのように解いてよいかわからなくなってしまうことがあります。これも上記の問題と同じく、はじめの数を見つけ出して、そこからは7と6の最小公倍数である42ずつ数が大きくなる、という進め方で解くことができるのです。7でわると4あまる数は、11、18、25、32、39、46、…とならび、6でわると2あまる数は、8、14、20、26、32、38、…とならびますので、ここで32がはじめの数とわかります。ここから42ずつ増えるので、次に来る74が最大の2けたの整数となります。
規則性では、このようにすべてを計算で解決できない問題が多くあります。かき出しと計算を柔軟に組み合わせられるように、練習を重ねましょう。
次は図形の問題ですが、メルマガでは図がかけませんので、まずは次の説明から図を実際にかいてみてください。円すいの問題です。底面の円の半径が6cm、母線の長さが18cmの円すいをかきます。円すいの頂点をPとし、底面の円の右端に点Aを置きます。ここまでかいたら問題を見てみましょう。次のような問題です。
「円すいの底面の点Aから、側面を一周して点Aにもどるようにひもをかけます。ひもの長さが最も短くなるようにしたとき、ひもが点Pに最も近づくところを点Bとします。PBの長さは何cmになりますか。」
ここで、点Bを図にかき入れます。Aと反対側にある母線上の真ん中くらいに点Bを置きます。そして、点Aと点Bをひもが通るように、側面上にだ円をかいて、図は完成です。このだ円の長さが最短になるようにするという問題です。
【攻略ポイント4】で挙げた、立体図形の最短距離に該当する問題ですが、いくつかポイントがありますので、解き進めてみましょう。
立体図形の面上を通る直線の最短距離を求める際には、その図形の展開図を利用します。この問題であれば円すいの側面の展開図であるおうぎ形を使って解き進めることになります。最初のポイントは、側面の展開図の中心角の大きさです。中心角=360度×(底面の半径/母線)の式を思い出してください。この式の記憶が曖昧な場合は、すぐに復習をして、しっかり理解を固める必要があります。ここでは(底面の半径/母線)の値は、6/18=1/3となりますので、360×1/3=120より、側面の展開図の中心角は120度です。
それでは、側面の展開図をかいてみましょう。中心角120度のおうぎ形で、中心はP、おうぎ形の半径と弧がぶつかる点にAを置きますが、おうぎ形を丸めると側面になりますので、半径と弧がぶつかる左右の点がどちらもAになります。点Aが2つあるとややこしいので、右端の点をA、左端の点をAダッシュとします。このAとAダッシュを結んだ直線が、最短のひもの長さになるのです。
では点Bはどこに置けばよいでしょうか。Bは側面上ではAの向いにありますから、ひもの中点になります。よっておうぎ形にかき入れた直線AAダッシュの中点がBとなります。ここからPBの長さを求めるのですが、三角形PAAダッシュは頂角が120度の二等辺三角形になります(辺PA、辺PAダッシュがともにおうぎ形の半径のため)。BはAAダッシュの中点ですので、PとBを結んだ線は、AAダッシュに垂直になります。ここで三角形ABPを見ると、角PABは頂角120度の二等辺三角形の底角になるため、(180−120)÷2=30(度)、角APBは120度の半分の60度になり、三角形ABPは30度、60度、90度で構成される直角三角形になることがわかります。よって、辺の長さの比で、AP:PB=2:1となることから、PBの長さは18×1/2=9(cm)と求められます。30度、60度、90度で構成される直角三角形の辺の長さの比も大事なポイントですので、よく確認しておくようにしましょう。
次のような問題について、考えてみましょう。
「底面のたての長さが16cm、横の長さが24cm、高さが30cmの直方体の形をした容器に水が入っています。その中に、底面が1辺の長さが8cmの正方形である四角柱のおもりを、正方形の底面が容器の底に着くように入れたところ、水の深さが7.2cmになりました。さらに、同じおもりをもう1個、正方形の底面が容器の底につくように並べて入れたところ、水の深さがおもりの高さとちょうど同じになりました。このおもり1個の体積は何立方cmですか。」
このメルマガでこれまでも何度か説明をしてきましたが、水が入った容器におもりを沈める水位の問題は、容器の断面図をかいて解くことが有効です。この問題も一見難しそうですが、断面図さえかければ、一気に解決への道が開かれます。
容器の断面図は、たてが30cm、よこが24cmの長さの長方形の上の辺がない形になります。もちろん30cm、24cmそのままの長さをかくのではなく、長さの関係がわかるような、ラフなかき方で構いません。次に容器におもりが1個入れられた様子をかきます。わかりやすいように、おもりの位置は容器の右端に寄せます。おもりの高さはわかりませんので、適当で構いません。
ここから水が入れられた状況に進みます。ここで水位(水の深さ)をどこにするかがひとつのポイントになります。問題で7.2cmとされていますが、これがおもりの高さより上なのか下なのか、というところで迷うかもしれません。問題で、同じおもりをもう1個並べたところ、水位がおもりの高さと同じになった、とありますので、おもり1個の時点では、水位はおもりの高さより下になることがわかります。そこで、おもりの高さより下に水位の線をひいて、その深さを7.2cmとしましょう。
これでおもり1個が入れられた状況が表せましたが、ここに大事な数値をかき入れていきます。それは底面積です。容器全体の底面積は、24×16=384(平方cm)、おもりの底面積が8×8=64(平方cm)ですので、断面図のおもりの横の長さのところに64、容器のおもりがない部分の横の長さのところに、384−64=320の320をかき込みます。おもりの底面の横の長さは8cmで、容器の水がない部分の横の長さは24−8=16(cm)なので、おかしいのではないか、と思われるかもしれませんが、この断面図は問題を解くための素材ですので、長さや面積の「関係性」がわかることを重視します。そのため数値は、便宜的におくことができますので、面積の数値を長さに置き換えても問題はありません。
ここまで図をかき進めることで、だいぶ問題の概要が見えてきました。断面図から水の体積が320×7.2で求められることがわかりますが、ここで焦って計算をしてしまわないことです。この水の体積をこれからの計算で使うことが予想されますので、式のかたちのままで置いておきましょう。後でまとめて計算する方が、解きやすくなる可能性があります。
次に2個目のおもりを入れた状況の断面図をかきます。同じ断面図にかき入れても構いませんが、少し図がゴチャゴチャとしてしまいますので、ここではもうひとつ断面図をかいてみることにします。はじめにかいた断面図の、水が入れられていないところまでを、全く同じように図にします。そこに、2個目のおもりが、1個目の横に並ぶようにかき入れます。最後に、水が入れられた状況にしますが、水位がおもりと同じ高さ、と問題にありますので、その通りに水位の線をかき入れてください。そして容器の水が入っている部分ですが、底面積が320−64=256(平方cm)ですので、横の長さのところに256とかき入れます。
文章にするとかなり長くなってしまいましたが、作業自体は決して難しくありませんので、ぜひ2つの断面図をかいてみてください。
ここから問題を解き進めます。求めるのはおもり1個の体積で、おもりの底面積は64平方cmとわかっていますので、おもりの高さがわかればよいことになります。おもりの高さは、2つ目にかいた断面図の水位にあたります。最初にかいた断面図から水の体積がわかっていますので、それを底面積の256で割れば、高さが求められます。式にすると、320×7.2÷256ですが、このような大きな数を含む、かけ算わり算混合型の式は分数にしてしまいましょう。分子が320×7.2で、分母が256ですが、256が16の平方数(16×16)であることが思いつけば、320と256を16で約分して一気に式が簡単になります。16が公約数になることが思いつかなければ、4で割ることから進めてみましょう。結果、320×7.2÷256=9(cm)より、おもりの高さが9cmになることから、おもりの体積が64×9=576(立方cm)と求められます。
水位の変化の問題は、イメージがしづらいこともあり、苦手とされるケースが多くあります。この問題のように、断面図がかければ解きやすくなることがありますので、ぜひ図をかく練習してみてください。
ここでも図形の問題になりますので、問題から図をかいてみてください。「四角形ABCDは長方形で、辺AD上にAE:ED=1:3となるように点Eを、辺BC上にBF:FC=1:2となるように点Fを置きます。CEとDFが交わった点をPとします。このとき、三角形DPCの面積は、長方形ABCDの面積の何倍ですか。」
図はかけましたでしょうか。長方形ABCDの内部に2本の直線がエックスのように交わる形になります。
面積比ではよく出されるパターンの問題ですが、まず方針を立てましょう。三角形DPCの面積と、長方形ABCDの面積の比が求められれば、答えに行き着くことがきます。三角形DPCは三角形CDFまたは三角形CDEの一部になります。三角形CDFの面積に注目してみると、BF:FC=1:2より、BC:FC=3:2になることから、三角形CDFの面積は、三角形BCDの面積の2/3であることがわかります。三角形BCDの面積は、長方形ABCDの面積の1/2ですので、三角形CDFの面積は長方形ABCDの面積の1/2×2/3ということになります。
あとは三角形CDFと三角形DPCの面積の比を求めるために、DP:DFの値が必要になります。ここからがこの問題のポイントなのですが、DPとDFの比を求めるために、三角形DPEと三角形FPCが相似の関係であることを活用することを、すぐに思いつくようにしたいところです。四角形ABCDが長方形であることから、辺ADと辺BCが平行であり、そこに砂時計のような形の三角形DPEと三角形FPCが位置していることは、相似の関係にある図形を見慣れていれば、すぐに気がつくことでしょう。先月のメルマガでも触れましたが、様々な位置関係にある図形同士が相似の関係にあることを見つけられるように、ぜひ図形を見る目を養ってください。
問題に戻ります。DP:DFの比を求めるためには、相似の関係にある三角形DPEと三角形FPCの相似比が必要になります。DEとFCはいずれも、長さが等しく平行なADとBC上にあります。ここで、BF:FC=1:2、AE:ED=1:3より、ADとBCの長さを、1+2=3と1+3=4の最小公倍数である12でそろえます。するとDEの長さは12×3/(1+3)=9、FCの長さは12×2/(1+2)=8となります。ここから、DP:DF=9:(8+9)=9:17を導き出すことができます。2つの比の和の最小公倍数にそろえるという解法は、図形では頻出ですので、しっかりおさえておいてください。
DP:DF=9:17となることから、三角形DPCの面積は三角形CDFの面積の9/17になります。よって、三角形DPCの面積は、1/2×2/3×9/17=3/17より、長方形ABCDの面積の3/17倍と求められます。
次のような問題について、考えてみましょう。
「3つの容器A、B、Cがあります。はじめ、濃度の等しい食塩水が、容器Aには100g、容器Bには150g入っていました。そこに、容器Aの食塩水には7.5gの食塩を、容器Bの食塩水には何gかの水をそれぞれ加えてよくかき混ぜたところ、容器AとBの食塩水に含まれる食塩の量が等しくなりました。さらに、容器AとBの食塩水すべてを、空の容器Cに入れてよくかき混ぜたところ、濃度が12%の食塩水ができました。なお、このとき、いずれの容器からも食塩水があふれることはありませんでした。
次の問いに答えなさい。
食塩水の濃度の問題で、いくつかの作業の段階があるものは、文章が長くなってしまうこともあり、一見してややこしく解きづらいイメージを持ってしまうことが多くあります。それでも問題文を注視して、問題を解くためのヒントになる要素を見つけ出せば、難しいものでなくなります。以前にもこのメルマガで触れましたが、問題文が長いということは、それだけ文章中にヒントが隠される可能性も高くなります。粘り強く文章に取り組みましょう。
この問題では、2つ目の文章のはじめにある「濃度の等しい食塩水」というところと、3つ目の文章の最後にある「食塩の量が等しくなりました」というところが大きなヒントになります。値が同じになるということは、濃度の問題に限らず、問題を解くための重要な鍵になることが多いです。
(1)から解いていきましょう。
まず、容器Aに入った100gの食塩水と、容器Bに入った150gの食塩水の濃度が等しいということは、それぞれの食塩水に含まれる食塩の量に、ある関係が見出せることになります。例えば、ある食塩水と濃度は同じで、食塩水の量が2倍になる食塩水があるとします。その場合、食塩水に含まれる食塩の量も2倍になることは、比較的わかりやすいのではないでしょうか。つまり、食塩水の濃度が同じ場合、含まれる食塩の量の比は、食塩水全体の量の比と一致します。今回の問題では、容器Aに入った食塩水と、容器Bに入った食塩水の量の比から、それぞれに含まれる食塩の量の比が、100:150=2:3となります。
次に、容器Aの食塩水に7.5gの食塩を加えたところ、容器AとBの食塩水に含まれる食塩の量が同じになったのですから、もともと容器Aの食塩は、容器Bの食塩よりも7.5g少なかった、ということになります。ここで、容器Bに水が加えられましたが、食塩の量に注目している限りは必要ない情報になります。問題がいくつかの小問に分かれる際には、(1)の段階では使わない情報が出てきても、それに惑わされないように注意することが大切です。方針をしっかり立てて、必要な情報とそうでない情報を見分けることも大事な作業になります。
食塩の量の比が2:3で、その差が7.5gであることから、容器Aの食塩水には、7.5×2=15(g)、容器Bの食塩水には7.5×3=22.5(g)の食塩がそれぞれ含まれていたことになります。
続いて(2)ですが、この問題も問題文をよく読んで、(1)で求めた答えを使えば難しくはありません。繰り返しになりますが、文章が長いということは、それだけヒントが含まれます。そのヒントを活用して、さらに(1)で求めた答えもあるのですから、敵に向かうのに十分な武器がそろった、と思って取り組めばよいのです。
すでに(1)で、この問題に出てくる食塩の全体量、つまり容器Cに入った食塩水に含まれる食塩の量が判明しています。その濃度が12%なのですから、食塩水全体の量が算出できます。あとは食塩水の量にもれがないように注意すれば、答えを導き出すのに大きな苦労は伴いません。その方針のもとに解いてみましょう。
食塩の量は22.5×2=45(g)です。15+7.5+22.5でも構いませんが、同じ量なのですから、2倍すればよいのです。より計算が楽な方で進めましょう。この45gが濃度12%にあたるので、容器Cに入った食塩水の量は、45÷0.12=375(g)です。容器Aに入った食塩水は100g、容器Bに入った食塩水は150g、そこに7.5gの食塩を加えたので、求める水の量以外は、100+150+7.5=257.5(g)となります。7.5gを忘れないように気をつけてください。結果、求める水の量は、375−257.5=117.5より、117.5gとなります。
この問題のように、いくつかの作業の段階をふんで進む問題にあたった際は、まず難しいというイメージを持ちすぎないこと、問題文をよく読んで、ヒントを見つけ出すこと、解くために必要な情報とそうでない情報を見極めること、ヒントさえ手に入れば解き進められるという強い気持ちを持つこと、を心がけてください。
また、このような食塩水のやりとりがある問題では、ビーカーを使った図で内容を整理することをおすすめします。ビーカーに食塩水が入った状態の図をかき並べていく方法です。今回の問題であれば、容器Aと容器Bを横に並べて、食塩水の量を示す水位の線はAが100g、Bが150gという関係になるように、図をかいていきます。数値の関係さえ見てわかるようにかければ、それで構いません。テストでは時間が限られますので、精緻にかこうとし過ぎずに、ラフで構わないので、数値の関係がつかめるかき方ができるように練習をしておきましょう。
食塩水のやりとりや、この問題のように食塩や水を加える場合には、そのまま数値をわかりやすいように(矢印なども使って)かき、変化の後の状況は、変化の前の図の真下にかくようにしましょう。これはビーカー図に限らず、この後に出てくる速さの状況図にもあてはまりますが、変化の前後は横にかき並べるのではなく、たてにかき並べた方が、どこの数値が変わって、どこが変わらなかったのかがわかりやすくなります。細かい点ですが、大事なことですので気をつけてください。
この問題でもぜひビーカー図を活用してみてください。問題文が長くても、内容自体は決して難しくないことがより理解しやすくなります。
次のような問題について、考えてみましょう。
「A君とB君がP地点とQ地点の間を、それぞれ一定の速さで1往復しました。B君がP地点を出発した12分後に、A君がP地点を出発し、その18分後にR地点でA君はB君を追いこしました。A君は、Q地点に着くと休まずにすぐ引き返し、Q地点から270m進んだS地点でB君とすれちがいました。B君も、Q地点に着くと休まずにすぐ引き返し、B君が再びR地点に来たとき、A君がP地点に着きました。
次の問いに答えなさい。
速さの問題の中でも、このような「折り返し」が出てくるものになると、より難しい印象を持たれることがあります。確かに逆方向の動きなどが含まれてくると、問題としての難度は上がります。こうした問題を攻略するために、「状況図」をかくことが有効になります。
状況図は塾の授業でも先生方がかかれるでしょうし、またテキストの解説にも記載されていることが多いです。慣れないうちは、その図を写しながら、どのようにかけばよいのかを、少しずつでも習得していくようにしましょう。
この問題も状況図を使って解きます。問題文に書かれている内容の通り、順番通りに図にしていきます。
まずは「A君とB君がP地点とQ地点の間を、それぞれ一定の速さで1往復しました。」とありますので、PとQが両端になるように、ある程度の距離にある2本のたての線を引きます。その線の上部にそれぞれP、Qとかき入れます。ここからA君、B君がP、Q地点を往復する状況を線分で表していくのですが、すぐに往復の線をかくのではなく、問題の順番にしたがっていきます。
「B君がP地点を出発した12分後に、A君がP地点を出発し、その18分後にR地点でA君はB君を追いこしました。」
ここまでの状況をまずかき入れます。A君の動きを上の線で、B君の動きを下の線で表すことにして、まずはB君がP地点からQ地点に向かって12分進んだところまで線を引きます。長さは適当で構いませんが、この後、問題は進んでいきますので、あまりQ地点寄りまで進めない方がよいでしょう。
次にA君が出発しますが、B君が12分進んだところと、A君がスタートするところが同じ時点になるので、2つの点を点線で斜めに結ぶとわかりやすいです。A君は18分後にB君を追いこすので、A君が18分進んだところと、B君が12分後からさらに18分進んだところが同じ距離になります。A君の18分進んだところと同じ長さまでB君の線を伸ばし、そこがR地点ですので、P、Q地点と同じようにたてに線を引いて線の上部にRとかき入れましょう。
ここで、A君の線には「18分」、B君の線に「12分」「18分」とかき入れます。これで同じ距離(PからR)を進むのに、A君は18分、B君は12+18=30(分)かかったことがわかります。同じ距離を進む時間の比と、速さの比は逆比になるので、A君の速さ:B君の速さ=30:18=5:3と求められます。これが(1)の答えになります。
状況図をかくことに慣れていない場合は、まずは焦らず、問題をよく読んで、順番の通りに状況を図にしていくようにしましょう。この問題でも最初の文に「往復」とあるからといって、すぐに往復の線をかくと、余計わかりづらくなります。前提条件の部分ではなく、動きの説明に入ったところから、順番にかいていくようにしましょう。
問題の続きです。「A君は、Q地点に着くと休まずにすぐ引き返し、Q地点から270m進んだS地点でB君とすれちがいました。」とあります。ここが、この問題を攻略するポイントのひとつです。引き返す、折り返すといった状況こそが、状況図の効果が発揮されるところなのです。
まずA君の線をR地点からQ地点まで伸ばし、問題の言う通りにP地点に向かって引返すようにするのですが、ここでR地点から来た線の上にそのまま線を重ねて引き返してしまうと、動きが見えなくなってしまいます。Q地点に着いたところから少し下を起点として折り返すようにします。往復の動きはこのように行きの線と帰りの線が上下にずれるようにかきますが、この問題では、この後A君とB君がすれちがうので、B君の線とぶつかるところまで起点を下げて、そこからP地点に向かって線を引くようにします。
A君の線が折り返し、B君の線がQ地点に向かって伸びて、2本の直線がぶつかるところがS地点です。R地点の時と同じく、S地点にもたての線を入れます。ここから数値を記入していきます。
まず、Q地点とS地点の距離が270mなので、該当する線の部分に270とかき入れます。(2)は距離を出す問題ですので、この270mをいかに利用するかがポイントになります。(1)より、A君とB君の速さの比が5:3ですので、2人が同じ時間に進む距離の比も5:3です。ここでR地点からの2人の動きを状況図で確認します。A君はR→Qから折り返してQ→Sの距離を進み、同じ時間でB君はR→Sを進みます。R→Q→Sの距離とR→Sの距離の比が5:3となりますので、該当する線の部分にマル5、マル3とかき入れてください(「○の中に数字」の表記が文字化けしてしまう可能性がありますので、マル1、マル2と表記します)。
図をよく見ると、R→Q→Rの往復分の長さが、マル5+マル3=マル8になるので、R→Qはマル8÷2=マル4となり、S→Qが、マル4−マル3=マル1であることがわかります。このS→Qが270mなので、マル1=270mとなり、求めるR地点からS地点までの距離がマル3にあたることから、270×3=810(m)として、答えが求められます。
往復の動きを表す状況図は、使う頻度が非常に高いので、往復の動きだけでも練習を重ねておくとよいでしょう。
問題文の続きに進みます。「B君も、Q地点に着くと休まずにすぐ引き返し、B君が再びR地点に来たとき、A君がP地点に着きました。」とあります。この状況をこれまで使ってきた状況図にそのままかき加えようとすると、図がゴチャゴチャとしてしまい、わかりづらくなってしまいます。そこで、もうひとつ別の状況図をかくことにします。ひとつの状況図をかくだけでも大変なのに、もうひとつとなると負担が大き過ぎる、と思われるかもしれません。
ここで大事なのは、2つ目の状況図は1つ目の横ではなく、下にかくようにすることです。1つ目の状況図で距離の関係がわかっているので、そのまま下にスライドするように、P、R、S、Q地点の位置をかき写せばよいのです。各地点の距離の間隔をそのまま使えるうえに、(2)までに解いた内容が使えることがありますので、2つ目の状況図をかく手間は、1つ目よりもずっと少なくなります。また、上下に図があった方が、横に並べるよりも断然見やすくなります。
ここから2人の動きを図にしていきます。まずB君ですが、S地点からQ地点に向かい、そこからすぐ引き返しR地点にまで来るので、B君の動きを表す線は、S→Q→Rと結べばよいです。同じ時間で、A君はS地点からそのままP地点に戻りますので、A君の動きを表す線はS地点からP地点まで結ぶことででき上がります。
これでA君、B君の動きを線で表すことができました。(3)ではA君の速さを求めるので、A君の進んだ距離と時間が必要になります。まず状況図の2本の線は、同じ時間で2人が進んだ距離を表していますので、2本の線の長さの比はA君の線:B君の線=5:3となります。(2)まででわかっている距離は、R地点からS地点までが810m、S地点からQ地点までが270mとなります。ここから、B君が進んだ距離が求められますので、その距離と5:3の比を使えば、A君が進んだ距離が求められます。まずB君の進んだ距離ですが、270+270+810=1350(m)となります。そこから1350×5/3=2250より、A君の進んだ距離が2250mとわかります。
もうあとひと息です。ここでも図をよく見てください。A君が進んだS地点からP地点までの2250mのうち、S地点からR地点までは810mですので、R地点からP地点までは2250−810=1440(m)です。この距離をA君は何分かかって進んだのでしょうか。ここで、はじめにかいた、上にある状況図を見てください。A君がP地点からR地点に進むのに「18分」とかかれているはずです。P→RでもR→Pでも、かかる時間はもちろん同じですので、A君がR地点からP地点まで進む時間が18分とわかります。状況図をたてにかき並べることの効果はこうしたところに出てきます。横にかき並べてしまうと、同じ距離を進む時間が、なかなか見つけられなくなってしまうのです。
問題を仕上げましょう。1440÷18=80より、A君の速さは分速80mなので、単位換算をして、80×60÷1000=4.8より、時速4.8kmが答えです。
図のかき方を説明したので、とても長くなりましたが、状況図のかき方自体は決してややこしいものではありません。状況図を使いこなせるようになると、速さの問題への苦手意識を一気に払拭できる可能性があります。ぜひ状況図のかき方を練習してください。
今回の組分けテストは、夏期講習のクラスを決める大事なテストではありますが、一方で夏休み前の今だからこそ必要な復習をするためのテストでもあります。そしてテストそのものは今後の演習のための重要な教材になります。答案が返されたら必ず見直しをして、今後の演習につなげてください。
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