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入試で狙われそうな今月の理科時事問題(毒ありヒアリ、都会の暑気対策、最古の現生人類、生命の起源はどこ?)

今月は、“毒あり「ヒアリ」”と“都会の暑気対策”そして“最古の現生人類”さらに“生命の起源はどこ?”の4つのトピックスについて取り上げてみましょう。

<毒あり「ヒアリ」>

兵庫県尼崎市で見つかったアリが、国内初確認の特定外来生物のヒアリであると先月の6月13日に環境省が発表して以来、兵庫県神戸港、愛知県名古屋港と続き、大阪府大阪港では女王アリも確認され、ついに7月6日には東京湾大井ふ頭でも確認されました。

『ヒアリって何者?』

特定外来生物のヒアリは南米原産の腹部末端に毒針をもつ極めて攻撃的なアリで、米国、中国、台湾やオーストラリアに拡散して定着しています。体長は2.5mm~6mmで赤茶色、直径25cm~60cmのドーム状のアリ塚を作ります。
ヒアリは漢字では火蟻と書くように、刺された瞬間、激しい痛みが走るのが特徴です。刺された後は腫れが広がり、かゆみを伴う発疹が全身に出たり、重度のアレルギー反応「アナフィラキシーショック」を引き起こし、呼吸困難や意識障害で死ぬ場合があります。
生活圏は主に草原であり、雑食性なので、蜜、樹液、種子から、昆虫やトカゲなどを餌としています。植物の根元に巣を作り農作物を枯らしたり、巣を踏んだ家畜を攻撃し、殺したりする被害が多発しています。暖かい所を好む習性から電気機器に入り込み、故障や住宅火災、さらに停電の原因ともなっていて、米国ではヒアリによる経済損失は年間5000億円に上るとも言われています。
世界各国は侵入されると甚大な被害があることから、国をあげて侵入阻止と撲滅対策の活動を行っています。

『なぜ太平洋沿岸諸国に拡散?』

1942年頃まで原産地の南米中部でしか見つかっていなかったヒアリは、南米の資源を輸入していた米国への貨物輸送に伴い荷物に付着して米国内やカリブ海諸国に侵入していました。今世紀に入り、経済発展が続く中国や東南アジア向けに多くの農産物や鉄鉱石などの資源が南米から輸出されるようになり、紛れ込んだヒアリが貨物船などで各地に運ばれました。環太平洋諸国との物流拡大に伴い、この約20年間で中国、オーストラリアや台湾など15か国・地域に拡散してきました。
日本に上陸したのは中国広東省南沙港から輸送されたコンテナの中に潜んでいたようで、南沙港は自動車部品や家電を輸出する中国有数の貿易港で、日本の22の港とコンテナの定期便が就航していますので、今後日本各地の港から発見報告が出て来るものと思われます。
コンテナは積み荷の注文が入るまで地面に野積みされ、荷を積んだ後トラックで移動し、コンテナ船が入港し積み込まれるまで港のコンテナヤードという広場に積み重なって置いておかれます。その間昆虫や小型動物、植物の種等が紛れ込んだり付着する時間は十分あります。消毒や水洗い等で除去すれば良いと思いますが、一つ一つ処置するには手間や時間が掛かるため、物流に支障が出るとの経済的問題から残念ながら事実上できないのが実情の様です。
一度女王アリのコロニーが出来てしまうと繁殖力が強く、女王アリの寿命は7年ほどで、1日に約1000個の卵を産む能力があるそうなので、瞬(またた)く間に日本国中に拡散してしまうかも知れません。
1995年大阪府で発見された特定外来生物のセアカゴケグモですが、必死の駆除作業にも拘わらず、今では日本各地44の都道府県に生息域を拡大しています。このような結果にならないと良いのですが。

『ヒアリのニュースで隠れてしまったアリ』

環境省と神戸市は6月21日、ヒアリが見つかった神戸港で特定外来生物の「アカカミアリ」が見つかったと発表しました。ヒアリより毒性は弱いのですが、刺されるとヒアリ同様の症状、激しい痛みと水疱が出来、重度のアレルギー反応の「アナフィラキシーショック」を起こすこともある危険生物です。
アカカミアリは中米原産で国内では東京都硫黄島に定着しています。体長は3㎜~5㎜でヒアリと似ています。神戸港ではヒアリ調査中に発見し駆除したそうです。
特定外来生物については17年3月16日号にも載っていますから参考にして下さいね。

<都会の暑気対策>

もう直ぐ夏本番ですね。江戸の昔から夏の暑さを和らげるために庶民が編み出した「打ち水」。
路面や庭先に水をまくと周囲の空気がひんやりとする庶民の知恵です。皆さんは水が蒸発する時に気化熱を周囲から奪うので一時的に気温が下がるという原理はご存知でしょう。
でも、都会全体の気温を下げるほど水をまく訳にはいきませんよね。特に地球温暖化の影響もあり真夏日(最高気温30度以上)はざらで猛暑日(最高気温35度以上)、熱帯夜(最低気温25度以上)の酷暑の日数が増える都市部では、郊外より気温が高くなる「ヒートアイランド現象」が深刻です。
では現在どのような対策が講じられているでしょうか?

『 気化熱の利用による室内外の気温低減効果 』
  1. 街路樹の増加、公園の緑地化、屋上緑化、壁面緑化による葉からの蒸発
  2. ビル壁面への散水
  3. 通路などへの微細ミスト噴霧
  4. 道路の保水化(浸水性舗装道路)
『 光、熱線反射による気温の低減効果 』
  1. ビルの壁面、窓ガラスの日射遮蔽ガラス化
  2. 道路舗装塗料の熱線反射塗料への切り替えによる地面温度上昇の低減
  3. 屋根面の材料を熱線の高反射化
『 効率化による気温上昇の低減』
  1. エアコンの省エネによる発熱量の低減
  2. 工場排熱の有効利用

この様な対策が国、地方自治体や民間で実施されていますが、地球温暖化を止めるには根本的な要素である炭酸ガスやメタンガスなどの温室効果ガスの排出削減を強力に推進しなければなりません。まだまだ研究が必要ですね。

<最古の現生人類>

約30万年前の現生人類ホモサピエンスの化石が北アフリカのモロッコで、ドイツのマックスプランク研究所などのチームによって発見されました。現生人類は20万年前東アフリカで誕生したとされていましたので、定説より10万年も古くから初期の現生人類がアフリカ大陸に広く生活していた可能性を示したものとなります。
現生人類はこれまでの遺伝情報の研究からネアンデルタール人の系列から約50万年前に別れたものとされていますので、化石の空白期間が大分減ったことになります。

<生命の起源はどこ?>

現生人類はアフリカで誕生したのですが、それでは、生命はどの様に生まれたのでしょうか?
私たち人類を含め生命を宿すものは、炭素、水素、窒素(チッソ)、酸素などの元素が複雑に組み合わさった有機物で出来ています。
その有機物が約400光年(光が400年かかって進む距離)離れた誕生直後の星の周りにあることが解りました。この距離は太陽と一番遠い惑星の海王星との距離の約84万倍という途方もない距離ですが、私たちの銀河の直径が約10万光年ですから目と鼻の先の近さと言えるのです。
先月の6月発表したのは、欧州を中心とする別々の国際研究チーム2組。南米チリの標高約5,000mのアタカマ砂漠に2013年3月完成したアルマ(ALMA)という世界最高性能の電波望遠鏡を使い、「へびつかい座」の方向にある星の周りのガスやチリの観測で発見したと発表しました。
生命誕生に必要なたんぱく質の基になる、更に複雑な有機物である「アミノ酸」が宇宙で見つかれば、生命の材料は宇宙で作られ隕石などで地球に運ばれ生命として誕生したと言えます。あるいは、従来言われてきた原始地球の海の中で複雑な有機物である「アミノ酸」まで作られたのでしょうか。
生命の起源は地球か宇宙かの謎の解明に近づいたようです。
今、研究者は宇宙空間に「アミノ酸」を探しています。もし発見されれば、地球だけが生命を宿す特別な星ではなく、宇宙には生命を宿す星が沢山あると言えるのでしょうね。夢が膨らみますね。

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