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第8回は『場合の数』です。復習テーマは、並べ方、組み合わせ方、道順、ぬり分け、リーグ戦とトーナメント戦などです。新出テーマは、道順の応用、仕切りの応用、規則性の応用です。 メルマガでは、分数は、(分子/分母)の形で表します。
場合の数は、やや難しい分野です。条件をきちんと把握して、どんな処理(計算)が使えるのかを考えることが大切です。
道順を計算で考えます。通常、道順はカドごとに何通りあるかを積み重ねて求めますが、スタート地点からゴール地点まで長い時は、大変です。そこで、計算による解法を学習しましょう。
道順を計算で求めます。
たて、横とも1cmを1区間と名付け、PからQまで、たて方向に3区間、横方向に9区間の合計12区間を進みます。このとき、たて方向、横方向の順番は問いません。
たて、横の合計12区間のうち、少ない(たて方向の)3区間を決めれば、道順の1つが決まります。つまり、12の区間のうち、(たて方向の)3つの区間の決め方は、12の3の組み合わせを計算すればよいことになります。(12×11×10) / (3×2×1)=220 より、220通りの道順が考えられます。
これは、例えば、黒のご石3個、白のご石9個の並べ方を求める場合と同様です。
仕切りを利用して、場合の数を求める方法を学習します。
12個のミカンをA、B、C、Dの4人で分けます。全員が少なくとも1個はもらうものとして、分け方が何通りあるかを考えます。予習シリーズの解き方にあるイラストを参照してください。
12個のミカンを、4グループになるように、仕切ります。仕切る所は、ミカンとミカンの間ですので、間は、12-1=11か所あります。この11か所から、3か所を選んで、仕切れば、4グループに分けることができ、順に、A、B、C、Dとして、分けられます。
結局、11の3の組み合わせを計算すればよいことになります。(11×10×9) / (3×2×1)=165 より、分け方は、165通りあります。
第9回は『円の回転・転がり移動』です。円やおうぎ形の回転移動・転がり移動を学習します。この問題は、円に関する問題となります。計算上、中心角を表す部分で分数を用いますが、ここでは、分子/分母の形で表します。第8回と同様、自分で図をかいて確かめながら進めましょう。また、弧の長さやおうぎ形の面積を求める計算がほとんどですので、円周率3.14を含む計算は、まとめて計算することを心がけましょう。
少々難しい内容です。自身で図をかくことで、図形の動きがわかります。このことが類似問題に有効になります。特に、カドをもつ図形のまわりの転がり移動をしっかり身につけましょう。
円やおうぎ形の回転移動について学習します。回転移動とは、図形をある点を中心に回転させることをいいます。
半円を1つの点を中心に回転させる問題です。図形全体の面積から、色のついていない部分の面積を引いて求めます。全体の面積を求めることができるように図形を分割すると、直径ABを半径として、中心角が30度のおうぎ形と、同じ直径ABの半円の合計になります。そして、色のついていない部分は、直径ABの半円です。予習シリーズ96ページの解き方にある図を参照してください。
直径ABの半円は、引き算によりなくなりますので、結果として、色のついた部分の面積は、半径(AB)が6cm、中心角が30度のおうぎ形の面積と等しくなります。6×6×3.14×30/360=3×3.14=9.42 より、色のついた部分の面積は9.42平方cmです。
円の転がり移動について、学習します。予習シリーズ97~98ページの説明をよく理解してください。直線が折れる場合の円の動きが重要になります。
円が多角形のまわりを転がる問題です。作図するときのポイントとして、各辺の頂点から各辺に垂直の線をひいておくことをお勧めします。
たて4cm、横6cmの長方形の辺上を半径1cmの円が、長方形の外側を転がります。予習シリーズ98ページの解き方にある図を参照してください。
(1) 長方形の外側を辺にそって、円Oが転がる場合の、円の中心の動いた長さを求める問題です。
(a) 長方形の辺上を転がる場合は、円Oの中心は、半径の長さの分だけ辺からはなれたころを平行に動きますので、直線となります。直線部分は長方形のまわりの長さと等しく、(4+6)×2=20
(b) カドのところでは、円Oの中心がカドを中心に円の半径の長さを半径として、弧をえがきます。弧の中心角は、常に360度-(カドの角の大きさ+90度×2)で求まります。カドの部分の線の長さは4つ合わせると半径1cmの円周になりますので、1×2×3.14=6.28。よって、円Oの中心が動いたあとの線の長さは、(a)と(b)を合計して、20+6.28=26.28より、26.28cmです。
(2) 円Oが動いたあとの図形の面積を求めます。図をかいてみるとわかりますが、円Oが動いたあとの図形は、
(c) 長方形の辺にそった部分はそれぞれの辺の長さと直径の長さをもつ長方形が4つあります。面積の合計は、長方形のまわりの長さに直径をかけて、20×2=40より、40平方cmです。
(d) カドの部分は、円の直径を半径として、中心角が90度の四分円が4つでできています。四分円4つは円1つですから、2×2×3.14=12.56となります。
したがって、円Oが動いたあとの図形の面積は、(c)と(d)を合計して、40+12.56=52.56 より、52.56平方cmです。
なお別解ですが、平面図形の「外側」を円が動いたあとの図形の面積は、[円の中心が動いた長さ×直径]で求められます。
(1)の結果を利用して、26.28×2=52.56平方cmとして求めることができるのです。ただし、円が平面図形の「内側」を動くときには、この別解を使うことができませんので、注意してください。この内容については、シリーズ102~103ページにある「センターラインの公式」をよく読んで理解しましょう。
[例題3]
円が四分円のまわりを回転する問題です。弧にそって動く部分に注意しましょう。半径2cmの円が、半径6cmの四分円のまわりにそって転がりながら1周します。予習シリーズ99ページの解き方にある図を参照してください。例題2と同様、作図する場合、各辺の頂点から各辺に垂直の線をひいておくとよいです。
(1) 転がる円の中心が動いた長さを求めます。
(a) 四分円の半径である直線にそった部分は、例題2と同様、半径の長さだけ、直線に動きます。その長さは、6×2=12
(b) カドの部分も例題2と同様、半径2cmの、中心角90度の弧をえがきます。3か所あります。その長さは、2×2×3.14÷4×3=3×3.14=9.42
(c) 四分円の弧にそった部分は、四分円の中心から、6+2=8cmの半径で、中心角90度の弧をえがきます。その長さは、8×2×3.14÷4=4×3.14=12.56
よって、12+9.42+12.56=33.98 より、円の中心Oが動いたあとの線の長さは、33.98cmです。
(2) 円Oが動いたあとの図形の面積を求めます。
(d) 直線にそった部分は、例題2と同様、長方形で2か所あります。面積は、6×2×4=48
(e) カドの部分は、四分円3か所で、面積は、4×4×3.14÷4×3=12×3.14=37.68
(f) 弧の部分は、半径(6+4=)10cmの四分円の面積から、半径6cmの四分円の面積をひいた面積です。(10×10-6×6)×3.14÷4=16×3.14=50.24
よって、48+37.68+50.24=135.92 より、円Oが動いたあとの図形の面積は、135.92平方cmです。
別解として、例題2と同様、[円の中心が動いた長さ×直径]で求めると、33.98×4=135.92平方cmです。
円の転がり移動の場合、カドにすき間ができる問題を学習します。
半径2cmの円が、折れ線にそって転がります。カドの部分に注意して、作図してみましょう。ここでも、カドのところで、辺に垂直な線をひいておくとよいです。予習シリーズ100ページの解き方にある図を参照してください。
(1) 直線に動く部分は、2+2+4=8 です。外側に動くカドのところは、半径2cmの四分円の弧となりますので、2×2×3.14÷4=3.14 です。よって、8+3.14=11.14 より、円の中心Oが動いたあとの線の長さは、11.14cmです。
(2) 予習シリーズ100ページ解き方の図を参照して進めます。
(a) アの位置にある半円と、イの位置にある半円を合わせた、半径2cmの円が1つ。2×2×3.14=12.56
(b) 1つ目のカドのところで、右下にできているすき間に注意しましょう。1辺4cmの正方形からこのすき間をひいて面積を求めます。このすき間の面積は、正方形と円の面積の差の1/4です。(4×4-2×2×3.14)÷4=0.86 より、4×4-0.86=15.14
(c) 2つ目のカドにできる四分円で、4×4×3.14÷4=12.56
(d) 折れ線上の正方形で、4×4=16
以上を、合計して、12.56+15.14+12.56+16=56.26 より、円が動いたあとの図形の面積は、56.26平方cmです。
第9回は『いろいろな四角形』です。いろいろな四角形の角度・長さ・面積を学習します。予習シリーズ82ページの説明をよく読んでください。各図形どうしの辺や角度の関係も大切な内容ですので、図形の性質を表した流れ、またベン図も理解しておきましょう。
中心になるのは面積計算ですが、角度の問題も大切です。ていねいに理解して進めましょう。
台形、ひし形の角度を求める問題です。角度問題は,平行線の性質や特別な三角形の性質を利用します。
台形ABCDでは、辺ADと辺BCは平行になっていますので、平行線の性質を利用して、ア+81=180となります(同側内角の和は180度)。よって、180-81=99より、ア=99度です。
ひし形は4つの辺の長さがすべて等しいので、辺EFと辺EHは等しく、三角形EFHは二等辺三角形となります。ですから、角EHF=角EFH=37度で,よって、角E=180-37×2=106度とわかります。ひし形は、平行四辺形と同様に、向かい合う角の大きさは等しいですから、角E=角Gです。よって、イ(角G)=106度です。
正方形、長方形の面積計算を学習します。予習シリーズ84ページ、例題の前にある説明をよく理解しましょう。
(1) 公式「正方形の面積=1辺の長さ×1辺の長さ」より、5×5=25より,25平方cmです。
(2) 公式「長方形の面積=たての長さ×横の長さ」より、7×4=28より、28平方cmです。
平行四辺形、台形、ひし形の面積の求め方を学習します。これらの図形は、長方形を変化させてできた図形ですので、面積の公式も、長方形の面積の求め方から出発しています。予習シリーズ85,86ページの、公式の成り立ちを理解して、必ず使えるようにしましょう。また、底辺と高さの関係は、必ず、直角になっていることに注意してください。
平行四辺形、台形、ひし形の面積を求める問題です。
ア「平行四辺形の面積=底辺×高さ」
底辺と高さは、垂直の関係になっていることを注意しましょう。6cmを高さとしないよう注意しましょう。9×5=45より、平行四辺形の面積は、45平方cmです。
イ「台形の面積=(上底+下底)×高さ÷2」
上底とは上にある底辺、下底とは下にある底辺のことです。(5+13)×6÷2=54より、台形の面積は、54平方cmです。
ウ「ひし形の面積=対角線×対角線÷2」
7×16÷2=56より、ひし形の面積は、56平方cmです。
複合図形の問題です。複合図形とは、2つ以上の図形を組み合わせてできている図形で、長さや面積の公式を工夫して考える問題です。
(1) この図形のまわりの長さは,へこみのない長方形のまわりの長さと等しくなります。(予習シリーズ解き方を参照して下さい)。したがって、まわりの長さ82cmは、長方形のたて16cm、横xcmより、(16+x)×2=82 と整とんできます。逆算して、16+x=82÷2=41、よって、41-16=25 より、x=25cmです。
(2) この図形の面積を、へこみのない長方形の面積から、へこみの部分の長方形の面積をひいて求めます。16×25-8×12=304平方cmです。また、この図形を直線ABによって、2等分した左側の図形は台形です。台形の面積は、この図形の面積を2等分したものですから、304÷2=152平方cmです。そこで、この台形の面積について、上底=25-12=13cm、下底=ycm、高さ=16cmより、(13+y)×16÷2=152 と整とんできますので、逆算して、13+y=152×2÷16=19、よって、19-13=6 より、y=6cmです。
問題演習を重ねて、公式を固めるようにしましょう。このとき、途中式を、公式の通りにできるだけ1つの式で書くことで、公式が覚えられます。また、くり返しますが、底辺と高さは、垂直の関係になっていることを忘れないでください。このことは、問題の図にある直角のマークがヒントになる、ともいえます。
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