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過去問を自宅で解いていて、あともう少しで合格者平均が取れるのに・・・。あと一問正解できていれば・・・。あと5点あれば・・・。そんな思いであせっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今回は「あと5点あげる方法」と題して、直前期に注意しなければならないことをお伝えしたいと思います。
入試が目前に迫ったこの時期、一番大切なことは手を広げすぎないことです。あせらず着実な勉強を心がけて欲しいと思います。志望校には今の実力を100%発揮できれば合格できるはずです。ですから、これからの時期は「実力を100%発揮できるための勉強」をしましょう。今までやったことのない難しい問題に挑戦して、不安な気持ちになるよりも、自分に自信が持てるように勉強することが大切です。
せっかくこれまで一生懸命に勉強して培ってきた実力があるのに、ケアレスミスで点数を落としてしまってはやりきれません。答案をどのように見直すのか、事前にしっかりとイメージしておく必要があります。
このような形式面の見直しを自分でできるように練習しましょう。答案を採点してから気づくのではなく、自分で気づけるようになるのが大切です。「必ず1つはある」と考えて見直しましょう。
中学入試は、多くのお子さまにとって、自分の力が試される初めての試練です。「緊張するな」と言うのは酷です。緊張して当たり前ですし、緊張しても良いのです。しかし、緊張しすぎて体調をくずしたり、本来の実力が発揮できなくなってはいけません。
そこで、こうした不安定な精神状態を落ち着かせるために「ドリル」をお勧めします。算数の計算問題や一行問題、国語では漢字練習、ことわざ、慣用句などの知識、あるいは社会理科の一問一答、を淡々と勉強しましょう。たとえば、漢字ですと、それを覚えれば、それまで書けなかった漢字が書けるようになったと実感できます。自分の実力がアップした実感を得ることができるのです。また、解ける問題を多く解くことで精神的に落ち着くことができます。いまの時期は、難しい問題に挑戦して、自信を喪失している時期ではありません。
その際、お子さんへの声かけに注意が必要です。「こんな事もまだ出来ないのか」と叱ってはいけません。あくまでも精神的に落ち着かせることが目的ですから、「もし、この漢字がテストに出たら、1点アップだね」「いま間違えて良かったな」などポジティブな声かけをすることが大切です。そうしたドリルによって成長した実感をもたせることで、お子さんへの不安は少しずつ解消されていくでしょう。
そうはいっても「記述問題をなんとかしなければ」と心配な方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、この時期にあせって、「たくさんの問題を解く」という勉強は避けたほうがよいでしょう。多くの問題を解くよりも、ひとつひとつの問題を大切に解くこと、復習がしっかりできる範囲で解くことのほうが効果的です。
入試直前期は、表現(アウトプット)の精度を高めるように練習することが大切です。もちろん、できるだけ多くの内容を読み取って(インプットして)、それを完全に表現(アウトプット)できれば完璧です。しかし、今から「読み取る力」を伸ばそうと考えるよりも、「表現する力」を伸ばそうと考えるほうが合理的です。今の力で読み取れた内容をしっかり表現できれば、得点は必ず上昇するはずだからです。
表現の練習としては、一度解いたことのある問題(模範解答の方向性をある程度覚えている問題)を一人で書いてみる方法がよいでしょう。内容はすでに理解しているはずですから、ここではアウトプットの練習に集中できます。その際、文章の型を意識しましょう。
国語の記述問題の場合、2つ以上の要素をまとめて表現することが求められます。一言では言い表せない複雑な内容が問われることが多いのです。そうした問題に答えるためには「〜と同時に…」「〜だけでなく…」、「〜に対して…」「〜に比べて…」という型に合わせて書くと書きやすくなります。「書きたいことは頭の中になんとなく出来上がっているけれども、それを表現することが出来ない」という場合、上のような表現の型を使うことで、負荷を軽くすることができます。
【1】〜【3】の方法は、どれも「今ある力を得点に結びつけるための方法」です。多くのお子さんは、形式的なミス、精神的な不安、表現力の不足によって、実力よりも5〜10点ぐらい低い点数になってしまいます。ですから、実力どおりの得点をしっかり取れるようにするだけでも、絶対に得点は向上します。限られた時間を有意義な勉強にあてて、多くの方が合格の栄冠を勝ち取ることを願っております。
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