理科に慣れる!「理科年表」

新聞や雑誌などでも話題になっているように、今年2009年は、ガリレオが1609年に望遠鏡で天体観測を開始して400年にあたります。それを記念して国際連合やユネスコは、2009年を「世界天文年」と設定しています。また今年7月には、日本でも皆既日食が見られることが大きな話題になっています。
気象に目を向けると、2007年8月に熊谷と多治見で40.9℃が観測され、観測史上最高気温記録が更新されたことや、昨年に各地で「ゲリラ豪雨」が発生したことなどが記憶に新しくあります。

このように、この数年から今年にかけては理科にまつわる様々な事象が、世界的にも日本国内でも話題として扱われることが多くあります。この機会を逃さず、生徒さんの理科への関心を高めるきっかけにしたいところです。特に、理科はつまらない、と苦手意識を強く持ってしまっている生徒さんについては、その気持ちを少しでも変えることで、演習に向かう意欲を高めることができれば、その効果は他の科目にも及ぶものになるでしょう。

そこで今回は、『理科年表』という一冊の書籍をご紹介します。国立天文台の編による本書は、言わば理科のデータブックです。それも極めて細かで多岐にわたるデータが掲載されています。構成としては「暦部・天文部・気象部・物理/科学部・地学部・生物部・環境部」の7部から成っていて、総合して理科の全分野を網羅することになります。

以下に掲載されているデータの一部をご紹介します。

■暦部より「日食」

今年7月22日に見られる皆既日食について、地図を用いての観測可能な地域の説明、また日本各地での観測状況(食の開始、終了時刻、食が最大になる時刻)が掲載されています。例えば東京では、食の始めが9時55分33秒、食の最大が11時12分58秒、食の終わりが12時30分20秒となっています。巻末には、今回の皆既日食について図も含めた精緻な解説が載せられていて、日食のメカニズムがわかりやすく理解できます。

■天文部より「星座」

90個近くにもなる星座名と、それぞれの見やすい時期、正式な学名などが一覧表のかたちで載せられています。オリオン座(Orion)→2月5日、さそり座(Scorpius)→7月23日といった情報から、各季節の代表的な星座が何か、を確認できるだけでなく、「きりん座」「くじら座」「時計座」「ポンプ座」といった珍しい星座があることや、みずがめ座の学名が「Aquarius(アクエリアス)」であり、スポーツ飲料の名前の由来となっていることなどが一目でわかります。こうした情報を見ているだけでも、星座への親しみを自然に持つことができるようになります。

■気象部より「日本のおもな気象災害」

1927年(昭和2年)からの、台風・大雨・冷害・干害といった、気象災害に関する莫大な数のデータが載せられています。被害状況には死者数も載せられており、教材とすることに抵抗はありますが、日本がこれまでどのような気象災害を受けているかを知ることは、その対策をどのように講じてきたかという、社会としての知識をも吸収する、重要な動機になります。

■地学部より「日本のおもな河川」

日本国内の38の主要河川について、流域面積・流路延長・流量などが一覧になっています。この項目については、理科よりもむしろ社会としての活用価値が高くなります。流域面積の国内1位が利根川で、流路の1位が信濃川、といった事実をただ暗記するよりも、「利根川の流域面積は木曽川の2倍近くもある」といった比較対象がある方が、よりイメージがしやすくなります。また中学入試では範囲外ですが、別表で「世界のおもな河川」の一覧表があります。こちらは、長さの順位が100位まで載っていますので、その項目だけでも見る楽しみがあります。

ご紹介したデータの他にも「各都市の日最高気温30℃以上の年間日数」「ハクチョウ・ガン・カモ類の観測数ベスト10」などといったものから「ノーベル賞受賞者一覧」など、数多くの内容が掲載されています。ほとんどのデータが専門的で、大人の目から見てもわからない記号や数式が載せられていたりしますが、生徒さんの興味・関心の基準は、私共が計り知れないくらいに深いことがあります。そうした興味・関心が大きくなることで、理科を見る目が変わるきっかけになる可能性は十分にあります。データが細かく、わかりづらそうな内容だから、といって遠ざけることなく、「こんな情報が載っているよ」と気軽に生徒さんに提示してみて下さい。生徒さんから思った以上の反応が返ってくることがあります。

また、今年受験で理科・社会の入試問題を見ていても、初見のデータにあたった際に、どれだけその内容を把握して、数字と事実関係を自分の頭の中でしっかりと結びつけるかが、例年通り、問題を解くうえでの大事なポイントになっていることがわかります。少し細かすぎるデータでも、興味・関心を持って見る習慣を身につけることで、表やデータそのものに慣れる効果も見込めます。データからの必要な情報収集の面でスピードが上がることも考えられます。

本書は1000ページを越える厚さですが、大きさがポケットサイズになっているため、余計な重さなどは感じることはありません。ちょうど電車の時刻表やポケット六法のような大きさです。定価は税抜きで1,400円です。マニアックな内容の中にも、理科対策として活用するに十分な価値を見出すことができます。生徒さんの中に潜在する、興味・関心の芽を伸ばすためにも、ぜひ一度ご覧になって下さい。

また、本書の編集をしている「国立天文台」のHPもぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。近年、世界各地で見られた皆既日食を含め、精密な映像を数多く見ることができ、天文について様々な情報を得ることができます。URLは下に書いておきます。
http://www.nao.ac.jp/

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