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今回からは、5年生のテスト対策の解説となります。まずは8月のマンスリーテストです。夏休み中にこのメルマガをご覧頂けば、何に気をつけて夏期講習に臨めばよいのかを、しっかりつかむことができます。
今回のマンスリーテストは、夏休みで演習した内容がすべて出題対象になりますので、範囲はかなり広くなります。そこで最初に大事なポイントをお知らせして、それから細かな単元の解説に進んでいきます。
今回の単元の中で、「逆比」という考え方が出てきます。「Aの8分の5とBの2分の1が等しいときのA:Bを最も簡単な整数の比で表しなさい」というタイプです。この問題であれば、A:B=5分の8:2=4:5となりますが、こうした逆比の考え方は、今後の算数でとてもよく出てきます。特に速さと比の問題などでは、逆比の考え方ができていないと解けない問題ばかりになります。この機会に逆比の考え方をしっかり理解しておきましょう。
なかなか理解できない場合には、分数を使った問題ではなく、「A×2=B×3のときのA:B」といった、わかりやすい整数を使った問題から始めることをお勧めします。
また、式でイメージがしづらい場合は、図形を使って理解を進める方法もあります。上のA×2=B×3であれば、面積が6で縦の長さがAで横の長さが2、縦の長さがBで横の長さが3、という2つの長方形をかきます。そこでA=3、B=2となることからA:B=2:3と求めることができます。お子さんがイメージしやすい方法で構いませんので、この逆比を必ず夏期講習のうちにマスターしてください。
今回の複数の単元に共通する必須アイテムが「面積図」です。具体的には「比と割合」の食塩水の濃度や「平均算」で必ず必要になります。5年生の夏だからこそ、まだ時間をかけることができます。時間をかけてでも面積図のかき方をしっかりマスターしてください。
面積図はとても有効なツールで、例えば「比の割合」の中で、硬貨の枚数と金額の問題があります。「5円玉、10円玉。50円玉がそれぞれ何枚かあり、金額の合計は1400円です。枚数の比が8:6:5のとき、50円玉は何枚ありますか」といった問題です。塾では金額の比が(5×8):(10×6):(50×5)と、すぐに式にしてしまい、それがなかなか理解しづらいことがあります。そこで長方形を3つかいてみましょう。1つ目は縦の長さが5円、よこが比の値の8、並べて、縦が10円で横が6、縦が50円で横が5とかいてみます。こうすると長方形の面積が金額を表すことがわかります。そこで1つ目の面積が5×8、2つ目が10×6、3つ目が50×5となるのです。式にすれば同じことですが、面積図は量を図式化することで、視覚的にわかりやすくなるメリットがあります。このメリットが小学生には意外と大きいのです。
面積図をマスターできれば、これから6年生になっても、問題対応力が格段にアップします。時間をかけて構いません。何とか面積図をマスターしてください。
点対称と図形の回転移動の問題が出題対象になっています。これらを理解するために、実際に図形をつくって、それを動かしてみましょう。これも5年生の夏という今だからこそできる作業です。
同じ対称でも線対称は理解がしやすいのですが、点対称をなかなか理解できないお子さんが多いです。折り曲げて重なるという線対称に比べて、回転して重なるという点対称がイメージしづらいためでしょう。その場合は、実際に紙を切り取って、点対称図形をつくってみましょう。平行四辺形がおすすめです。白い紙をひいて、その上に切り取った平行四辺形を、対角線の交点に画びょうを刺して紙につけてください。そして平行四辺形の4辺を鉛筆でなぞり、下の紙に線を写します。そこから画びょうを支点に180度回転させます。すると下の紙の線を平行四辺形がピタリと合うはずです。これが点対称です。
次に図形の回転移動のうち、おうぎ形の回転について、やはり紙を切り取って実践してみます。できるだけ丁寧におうぎ形を切り取り、定規の縁を滑らないように回転移動させます。おうぎ形の中心に鉛筆の先をあてて、中心の軌道が鉛筆でかけるようにしてください。ポイントは定規の縁をおうぎ形の弧が動くときです。ここで中心の軌道が定規に平行な直線になることを確認してください。この直線軌道がイメージできるお子さんが意外に少ないのです。この演習を実践することが差のつく一歩になります。
ここからは今回の出題範囲となる各単元を攻略するためのポイントをお伝えします。
今回のマンスリーに限定したことではありませんが、6年生のテストと比較すると、計算問題で工夫(同じ数でまとめる、0.25を4分の1にするなど)を求められることが多くありません。確実に計算ができることを求められています。計算スペースを丁寧に使って、筆算や分数計算を確実に正答できるようにしましょう。
グラフと合わせた問題が出されることが多くあります。例えば四角形の辺の上を点が動き、四角形の頂点とその動点でできる三角形の面積の大きさがグラフで表されるような問題です。グラフが折れ曲がるところが図形のどの位置にあたるか、を正確に把握できるように練習をしましょう。この単元でグラフを図形上の点の動きをしっかり結びつけられるようになっておけば、6年生になってグラフの問題が出てきても対応できるようになります。
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