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第11回は『通過算・時計算』です。基本の仕組みを理解しましょう。通過算では、電車の進む距離の部分に特徴があります。また、電車の速さは時速○㎞と表されているのに対し、進んだ時間は秒の単位で与えられ、または答えることが多く、速さの単位換算が必要です。時計算では、同方向に進む旅人算であることがポイントです。時計の文字盤は、12,1,2,…と30度ごとに離れています。また、長針と短針の動く速さはそれぞれ、分速6度、分速0.5度という、角度を速さに使っていることに注意しましょう。
「必修例題1」まず、時速90㎞を秒速になおします。1時間で90㎞進む速度ですので、1時間=3600秒、90㎞=90000mですから、90000÷3600=25より、時速90㎞=秒速25mです。 (1)電柱の前を通過するということは、電車のヘッドライトの動いた距離を考えると、電車の長さの分だけ動いたことになります。ですから、25m/秒×8秒=200mとなり、電車の長さは200mです。 (2)ヘッドライトの動いた距離を考えて、通り抜ける(通過する)ために動いた距離は、トンネルの長さ+電車の長さ ということになります。よって、1.75㎞=1750mですから、(1750+200)m÷25m/秒=78秒となります。
「必修例題2」(1)通過した距離は、900+180=1080mで、この距離を45秒で進むので、この電車の走る速度は、1080m÷45秒=24m/秒 です。(2)電車がトンネルに完全にかくれているということは、ヘッドライトが、電車の長さ分だけトンネルに入っている状態から、トンネルの出口までの距離を考えることになります。1320−180=1140m の距離を進む時間が答えです。よって、1140m÷24m/秒=47.5秒 です。
「必修例題3」電車の旅人算です。電車どうしであっても、旅人算の仕組みは人の場合と同じで、出会う問題では、速度の和を使い、追いこし問題では、速度の差を使います。ただし,出会う問題でも、追いこす問題でも、距離は電車どうしの長さの和となります。
「基本問題2」では、通過した距離と、通過にかかった時間の読み取りが重要です。上で説明したように、通過算では、[通過物体(鉄橋やトンネル)の長さ+電車の長さ]が通過距離になります。ですから、(鉄橋の長さ+電車の長さ)の距離を進むのに35秒、(トンネルの長さ+電車の長さ)の距離を進むのに1分20秒 となります。この2つの条件をくらべますと、(鉄橋の長さとトンネルの長さの差) 840−300=540m を、(通過時間の差) 1分20秒−35秒=45秒で進んだことがわかります。(1)よって、電車の速度は540m÷45秒=12m/秒 です。(2) 12m/秒×35秒=420m で、この長さは(鉄橋の長さ+電車の長さ)ですから、420−300=120m より、電車の長さは120mとわかります。
「必修例題4」時計算では、両針(長針と短針)の離れている角度を距離と考えて、同方向に進む旅人算を解きます。○時ちょうどの時刻のときに両針が何度離れているか。そこから、問われている角度になるまでの時間を考えます。(1)4時のときに、両針は30度×4=120度離れています。この状態から、長針が6度/分、短針が0.5度/分ずつ、4時40分までの40分間進みますので、(6−0.5)度×40分=220度、長針が多く進むことになります。
よって、両針の作る角は220−120=100度 となります。(2)両針が重なるには、長針が短針より120度多く進めばよいので、120÷(6−0.5)=120÷5.5=120÷11/2=21・9/11分かかります。よって、4時21・9/11分 です。(3)両針の作る角度が2度目に直角になるのは、長針が短針を追いこしてからです。つまり、長針が短針より120度多く動いて追いつき、その後90度多く動きますから、120+90=210度多く動くことになります。210÷11/2=38・2/11分かかります。よって、4時38・2/11分 です。
第11回は『分数(3)』です。分数×整数、分数÷整数、分数×分数、分数÷分数の計算を学習します。計算は、量的トレーニングが大切です。計算の仕方をしっかり身に付けて、後はトレーニングです。今回は、具体的な計算の説明ではなく、注意点・ポイントとなる点をお話しします。
分数×整数では、かける整数は分数の分子にかける。分数÷整数では、わる整数は分数の分母にかける。ここがポイントです。
「必修例題1」計算上、注意すべきことを述べます。帯分数は仮分数に直して計算します。また、分数計算の答えは必ず既約分数です。約分できる場合、約分は途中でおこないます。分母の部分や分子の部分で、かけ算の形をつくり、そこで約分をするのです。計算の後では、数が大きくなり約分するのに手間がかかります。
分数×分数では、分子どうし、分母どうしをかけ算します。分数÷分数では、わる分数の分母と分子を入れかえた分数(逆数)をかけ算します。
「必修例題2」計算上の注意は、必修例題1と同様です。(3)では、3つ以上の分数どうしのかけ算・わり算が混じった計算でも、1つの分数をつくり、この時点で約分をおこないます。
「必修例題3」(1)分数・小数の混じった計算では、すべて分数にして計算します。(2)わり算は、わられる数は分子に、わる数は分母にした分数に直すことができますから、かけ算・わり算だけの整数計算では、分数の乗除計算が可能です。分数を利用すると、ひっ算をすることなく、計算が早くなることが多いのでおすすめです。
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