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第7回のテーマは「割合と比 比が使われている文章題~平均・分配算・倍数算~」です。今回は比を使った文章題です。線分図や面積図を書き、比の性質を利用して解いていきます。線分図や面積図は複雑な情報を整理するために書きます。そのため比と単位付きの数字を区別して書くことなど、なるべく見たときにわかりやすく書くよう心がけましょう。図が書けてしまえばその先は計算だけです。図を書くことに注意を払いましょう。
※「ステージⅣ・本科教室答え5年」に掲載された線分図を参照しながらお読みください。
「学び1」では文章題の内容を線分図に整理していきます。145ページの大中小3種類の水そうの容積の関係を見てみましょう。
はじめに「ア」の線分図を書いてみましょう。ここでは小の水そうを基準とすることがポイントです。大の水そうは小より40L多くなり、中の水そうは小より10L多くなることがわかります。全部で200Lとあるので、小の水そう3つ分の水の量は200-(40+10)=150Lとなります。このことから小の水そうに入る水の量は150÷3=50Lとなります。
線分図の問題では基準の長さを決めて、余った部分や不足する部分を引いたり足したりして調整をして長さをそろえていきます。
「イ」については長さをそろえる必要はありませんが、比を線分図で表す練習です。大中小を上から⑤、③、②の順で書いていきましょう。線の長さはおよそで構いません。全部で300Lとありますから、⑤+③+②=⑩にあたる量が300Lとなります。したがって①=300÷10=30Lとなります。
「ウ」は「ア」と「イ」を合わせたような文章題です。小の水そうを基準にして線分図を書いてみましょう。小を①とすると小の水そうに入る水の量の3倍は③と表せます。このように考えて線分図を書いていきます。全部で340Lとありますので、大中小のそれぞれの水そうの水の量を③、②、①にそろえていくと、全部で340+30-10=360Lとなります。したがって、③+②+①=⑥にあたる量が360Lとなり、①=360÷6=60Lとなります。このように比が使われている文章題では線分図に書いて情報を整理していくことで問題が扱いやすくなります。
「学び2」では「変わらないもの」と題して量の和や差が変わらないことに注目して問題を解いていきます。147ページの「やってみよう!」ではいろいろな変わらないものを扱っています。
「ア」は「量の和」が変わらない例です。左側に兄、右側に弟の金額を横につなげて線分図で書いてみましょう。はじめに持っている金額の比が7:5、兄が弟に600円渡した後の金額の比が1:2です。600円のやりとりをしただけですので2人の持っている金額の和は変わりません。比の7+5=12、1+2=3の12と3にあたる量は同じなので最小公倍数の12でそろえます。つまり、1:2=4:8にします。すると比の(8-5=)3にあたる量が600円であることがわかります。このことから比の1にあたる量は600÷3=200円となります。
「イ」は「量の差」が変わらない例です。差が変わらない場合は線分図を縦に並べて書くとよいでしょう。このとき、同じ1000円の本を買った値段を左端にそろえて書きます。するとはじめに姉と妹が持っている金額の比が3:2、本を買った後の金額の比が5:3であることから、はじめに持っていた金額の差が比の(3-2=)1にあたり、後に持っている金額の差が比の(5-3=)2にあたることがわかります。
同じ1000円の本を買ったため持っている金額の差は変わらないため、比の1と2を最小公倍数の2でそろえます。つまり、3:2=6:4とします。すると比の(6-5=)1にあたる量が1000円であることがわかります。
「ウ」の年齢の例では「差が変わらない」ことに注目して線分図を書いていきます。
線分図は横につなげて書くこともあれば縦に並べて書くこともあります。いろいろと試してみましょう。ポイントは変わらない量(和や差)に注目して比をそろえていくことです。
「学び3」では平均と逆比について学びます。148ページの「やってみよう!」にある面積図を見てみましょう。8回のテストの平均点が70点(面積図の左側)で、2回のテストの平均点が90点(面積図の右側)となっています。ここでは全部で10回のテストの平均点を求めます。全部で10回のテストの平均点は70点から90点の間になるはずです。平均の線を横に引いて長方形を作ってみましょう。
すると平均点から70点の間に横長の長方形が、平均点から90点の間に縦長の長方形ができます。この2つの長方形の面積が等しいことを利用して10回のテストの平均点を求めていきます。(左側の横の長さ):(右側の横の長さ)=8:2=4:1です。面積が等しいことから逆比の考え方を使って、(左側の縦の長さ):(右側の縦の長さ)=1:4となることがわかります。すると比の5にあたる量が90-70=20点となります。このことから比の1にあたる量は20÷5=4点となります。したがって10回のテストの平均点は70+4=74点となります。
このように平均の面積図では面積の等しい長方形を利用して、横の長さの比の逆比が縦の長さの比になることを利用して問題を解いていきます。149ページの「やってみよう!」を使って練習してみましょう!
演習としては150ページから151ページは必修です。すべての問題が入試で問われる典型的な問題です。「学び1」~「学び3」で学んだことが使えるか試してみましょう。問1、問2は「学び1」、問3、問4は「学び2」、問5、問6は「学び3」の内容となっています。
また、155ページ、156ページの問1~問6は線分図の書き方や比のそろえ方を再確認するために取り組んでください。このような問題は何回も練習することが重要です。156ページの問7以降は答えを出す段階や線分図を書く段階で文章の内容を考え、工夫しなければなりません。157ページの問10、158ページの問12は入試でもよく見られる問題です。ぜひ挑戦してみてください。
今回は線分図や面積図が中心となりましたが、159ページにあるようにベン図で比を使うこともあります。問題文をよく読んで取り組んでみましょう。
第7回のテーマは「規則性 比例と反比例」です。比例・反比例とは何かを覚えることより、2つの量の関係を考えることが今回のテーマです。この姿勢が身につくと、2つの量の関係が比例・反比例でなくても対応できる力がつきます。
比例・反比例については、2つの量の関係から比例と反比例の区別がつくことと、それらを式に表すことができることが目標です。入試はもちろん、中学校で学ぶ数学にもつながっていく重要な単元のため、基礎をしっかりと固めておきましょう。
「学び1」ではともなって変わる2つの量の関係について学びます。112ページの1番下の図を見てみましょう。Aに1を入れて、ハートのボタンを押すとBは3となります(以下、A1→B3と表します)。
さらに、A2→B4、A3→B5となることから、ハートのボタンはAに入れた数に2を足す命令を出していることがわかります。また、クローバーのボタンを押すとA1→B1、A2→B4、A3→B9となることからクローバーのボタンはAに入れた数を2回かける命令を出していることがわかります。
このようにAが1つ決まるとBも1つに決まる関係を関数といいます。ともなって変わる2つの数の関係を見つけるときには、差や和に注目をしたり、特殊な関係(今回の例ではクローバーのボタンを使った時のA1→A1)に目を向けるとよいでしょう。113ページ下段の「やってみよう!」にチャレンジしてみましょう。☆や♪などの新しいボタンを作って、お家の人に決まりを当ててもらいましょう!
「学び2」では比例について学びます。比例とは「片方の数が2倍、3倍…になるともう一方の数も2倍、3倍…になる」関係のことをいいます。ここでは表を見て2つの量の関係が比例であることがわかり、その関係を式で表すことができればよいでしょう。
114ページの「やってみよう!」にある表を使ってパックの数とぎょうざの個数の関係を調べてみましょう。表を横に見ていくと、パックの数が1つずつふえるとぎょうざの数が3つずつふえることがわかります。また、パックの数が1、ぎょうざの数が3の列を基準に考えると、パックの数が2、ぎょうざの数が6の列ではパックの数が2倍、ぎょうざの数も2倍になっていることがわかります。同じように考えていくとパックの数が2倍、3倍…になるとぎょうざの数も2倍、3倍になることがわかります。
「学び2」ではこのうような関係を見つけ、それが比例であることがわかることが重要です。また、表を縦に見ていくとパックの数を3倍にするとぎょうざの数になることがわかります。続いて115ページの「やってみよう!」もやってみましょう。表から数の関係がわかっていればパック数をA、ぎょうざの数をBとした場合、B=3×Aとなることがわかります。
「学び3」では反比例について学びます。「学び2」の比例同様のプロセスで考えていきます。反比例とは「片方が2倍、3倍…になるともう一方が2分の1倍、3分の1倍…になる」関係のことをいいます。
116ページの「やってみよう!」にある表を使ってアイスクリームを食べる人の人数と1人がもらえるアイスクリームの量の関係を調べてみましょう。表を横に見ていくと、比例のときのように差が一定の決まりがないことがわかります。そこで、人数が1、アイスクリームの量が3600(1人で食べるにはとてもありえない量です!)の列を基準に考えると、人数が2、アイスクリームの量が1800の列では人数が2倍、アイスクリームの量が2分の1になっていることがわかります。同じように考えていくと人数が2倍、3倍…になるとアイスクリームの量は2分の1、3分の1になることがわかります。
「学び3」ではこのうような関係を見つけ、それが反比例であることがわかることが重要です。また、表を縦に見ていくと人数とアイスクリームの量の積が3600で一定であることがわかります。続いて117ページの「やってみよう!」もやってみましょう。表から数の関係がわかっていればアイスクリームを食べる人の人数をA、1人がもらえるアイスクリームの量をBとした場合、A×B=3600となることがわかります。
演習としては118ページから120ページは必修です。119ページの問3で登場する歯車は仕組みが理解できないと解けないかもしれません。そのような場合は先に124ページの問5を解いてみましょう。歯車の数と回転数が反比例の関係になることがわかればスムーズに解くことができます。123ページの問3は決まりを見破っても②の問題が解けるとは限りません。ぜひチャレンジしてみましょう。
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