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今回は、新5年生(現4年生)3月度の算数・組分けテストの攻略ポイントをお伝えします。
また、攻略ポイントだけでなく予想問題付きです。組分けテスト過去問を分析し最も出題される可能性が高い問題を揃えてあります。解説も準備しますので、間違えた箇所はとくに読み込んで本番で同じ間違えをしないように注意してください。問題は3/3(金)のお昼ごろ 鉄人会のHPにアップ致します。アップが完了しましたら、メルマガ、フェイスブック、ツイッターでお知らせ致しますので、ぜひ鉄人会のフェイスブック、ツイッターもフォローしてください!
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組分けテストは範囲が限定されない実力テストであり、何に気をつけて見直しをすればよいのかの判断が難しいところかと思われます。そこで、今だからこそおさえておくべきポイント、これからの算数対策の礎にもなる内容をお伝えして行きます。
大事な5年生カリキュラムをよいかたちでスタートできますように、ぜひ対策のポイントとしてください。
今回のテスト対策では、これまでに演習してきた内容の見直しが軸となりますが、その見直しには十分な時間を用意してください。4年生で習った単元のうち、苦手と思われるところについては、重点的に時間をかけるようにしましょう。特に4年生の後半で演習した図形については、苦手な単元とならないように、基本からしっかり見直しをしておくようにしてください。
お子さんがこれまで受けてきたテストを見直してみると、お子さんの誤答傾向が見えてきます。その傾向をしっかり把握して、重点的に同じ内容の問題演習を繰り返しましょう。例えば、計算の順番を間違えてはいないでしょうか。204−13×9+52のような四則が混ざった問題で、確かな順番で計算を進められているかどうか、あるいは6÷○=2の○を求める際に、すぐに6÷2の式が立てられるかどうか、など。たかが計算とあなどることはできません。こうした問題で間違える傾向があるときには、少しでも早く対処する必要があります。
また、文章題で式の答えまでは正解できているのに、解答に違う値を書いてしまうといった傾向が見られることもあります。今のうちに見直しの習慣をつけておけば、より速く解決できる問題です。これをそのまま放っておいてしまうと、大事な5年生のカリキュラムの習得にも支障をきたすことになります。
テストの結果を、点数や偏差値だけに注目するのではなく、なぜ間違えたのかに主眼を置いて、テストが最良のテキストとなるように活用してください。
算数のテストの得点を上げるために、とにかく覚えて解こうという判断をしてしまうことが多く見られます。覚えるべき内容も確かにありますが、意味を理解しないままに覚える作業を続けてしまうと、学年が上がった時に、難しい問題に対応できなくなってしまう危険性があります。ただ暗記するのではなく、意味をしっかり理解したうえで解き方を覚えるようにしましょう。
例えば、速さの単元で、「時速3kmで歩くより、秒速1mで歩いた方が1分間で何m多く進みますか」といった問題。決して難しい問題ではありませんが、ここで時速km→分速mにするには、1000倍して60で割る、という計算をただ覚えるのではなく、なぜそうなるのかの意味の理解を、今のうちに確かにしておいて頂きたいのです。時速○kmは、「1時間に○kmの距離を進む」ということ、分速□mは「1分間に□mの距離を進む」ということの意味を確かにしておくようにしてください。この問題であれば、「時速3kmは1時間に3kmの距離を進む」→「60分間に3000mの距離を進む」、よって1分間に50mの距離を進むということになります。一方で「秒速1mは1秒間に1mの距離を進む」→「60秒間に60mの距離を進む」、よって1分間に60mの距離を進む、ということになり、答えが60−50=10(m)と導き出せます。
どこか遠回りな印象を持たれるかもしれませんが、速さの意味を理解して、上記の流れをしっかり把握しているのであれば、時速km→分速mの換算を式として覚えても問題はありません。ただ、理解がないままに式を覚えてしまうと、これから後に出てくる速さの応用、例えば旅人算などで、つまずいてしまうことが起こり得るのです。
旅人算では、速さの異なる二者や三者が同時に動くことが題材となります。二者が向い合って進むのであれば、二者の速さの「和」を使って解き進め、二者が同じ方向に進むのであれば、二者の速さの「差」を使います。この和と差の使い方を理解する時に、上記のような速さの意味が理解されていないと、結果的に多くの時間を費やさなくてはならなくなります。逆に意味さえ理解できていれば、なぜ和を使うのか、といった意味がとてもスムーズに理解できるようになります。 旅人算はまだ先の単元ではありますが、入試でも最重要単元のひとつです。先を見据えて今からしっかり意味の理解を進めるようにしてください。
意味の理解が必要なのは、速さの単元だけではありません。例えば次のような問題があります。
「一の位を四捨五入すると60になる整数をすべて加えるといくつになりますか」
四捨五入は苦手とされるお子さんが多い単元のひとつです。それだけにお子さんもできるだけ覚えて対処してしまおうとすることがよく見られます。「0になるのは5から4」と機械的に覚えてしまってはいないでしょうか。四捨五入の意味を理解したうえで覚えるのは問題ありませんが、あやふやなままに覚えてしまうと、65から74、や54から65のようなミスが起こらないとは言えません。まず四捨五入がどのようなものなのか、例えば「12を一の位で四捨五入するといくつになるか」といった、わかりやすい例題から入ってもよいでしょう。あるいは、上記の問題でお子さんが65といった数値を挙げたとして、ただそれが間違い、で終わらせるのではなく、では65を一の位で四捨五入してみよう、といった段階を踏んでみてください。そこで65→70となれば、お子さんにも気づきが生まれます。間違いをただ間違いで終わらせず、それを気づきとして今後に生かすのは、これからの演習でも大事になってきますので、ぜひ実践してください。
上記の問題の解答ですが、あてはまる数が55から64の10個の整数になります。その和を求めるので、55+56+…+63+64となります。ここでは等間隔でならぶ数(等差数列)の和の公式を使えるかどうかの確認をしておきましょう。(55+64)×10÷2=595が答えとなります。
今の時期だからこそ、あえて時間をかけてでも意味の理解を尊重するようにしてください。そこでかけた時間は、これから先の算数対策に大きな意味を持つようになります。
これから問題の難度が上がることで、図をいかに有効に使うかが大事なポイントになって行きます。新5年生になる今の時期から図のかき方をしっかり身に付けておけば、問題への対応力が大きくアップして行きます。
例えば次のような問題があるとします。
「長男、次男、三男は年れいが2才ずつはなれていて、3人の年れいの合計は39才です。三男の年れいはいくつですか」
これを頭の中だけで解こうとすると、2才ずつだから39−2×2をすればよい、といった間違った方向に進んでしまうことが起こり得ます。まずはしっかり線分図をかいて、内容を理解するようにしましょう。
この問題であれば、上から長男、次男、三男を表す線分を3本かきます。3本の線分は起点をそろえて、そこから長男が一番長く、次に次男、三男と長さが短くなって行きます。長男と次男の線分の長さの差の部分に「2才」とかき入れ、同じく次男と三男の線分の長さの差の部分に「2才」とかき入れます。そして、3本の線分の長さの合計が39才になることがわかるように数値を記入します。図はこれで完成です。
こうしてでき上がった図を見ることで、次男は三男よりも2才年上で、長男は三男よりも2×2=4(才)年上であることがわかります。ここから三男の年令を求めるためには、3本の線分を三男の長さにそろえ、それを3で割ればよいことがすぐに理解できるでしょう。
(39−2−4)÷3=11より三男の年れいが11才と求められます。
また、次のような問題ではどのように対応すればよいでしょうか。
「10円玉と50円玉が合わせて23まいあり、その合計金がくは830円です。50円玉は全部で何枚ありますか」
つるかめ算の典型的な問題ですので、すぐに式を立てられるお子さんも多いかと思います。ただ、ここでもぜひ一度図をかいてみてください。基本的な問題だからこそ図がかきやすく、図をかく練習にもなります。
ここでは面積図をかいて問題を解いてみます。面積図は2つの要素をかけ合せると別の要素になるものを、長方形の面積に置き換えて図示化する方法です。この問題では、1つの長方形のたての長さを10円、横の長さを10円玉の枚数、もう1つの長方形のたての長さを50円、横の長さを50円玉の枚数として、2つの長方形が並ぶようにかきます。それぞれの長方形の面積が、たて×横=10(または50)×枚数で、それぞれの金がくの合計となります。そして、2つの長方形の面積の合計が合計金がくになります。
この2つの長方形が並んだ図に、わかっている値を記入して行きます。10円玉と50円玉が合わせて23まいなので、横の長さの合計が23となり、合計金がくが830円なので、2つの面積の合計が830となります。ここから、50円玉のまい数を求めるのですが、そのまい数にあたるたて50円の長方形の横の長さを□まいとします。階段のような図形のうち、たて50円の長方形がたて10円の長方形の上に出ている部分に注目します。その部分の横の長さが□で、たての長さが50−10=40となることが確認できたでしょうか。
全体の面積が830で、上に出ている部分の図形の面積が830−10×23=600となりますので、求める□が、600÷40=15と求められ、問題の答えを15枚と導き出せます。
この流れを式にすると、(830−10×23)÷(50−10)となります。この式のかたちは、つるかめ算の基本形として、お子さんも塾で習ってきているかと思います。ただ、この式のかたちをただ覚えることだけに集中して、式の意味を正確に理解しないでいると、どのように数値を選べばよいのかがわからなくなるなどの現象が生じて、間違いのもとになってしまいます。まずは面積図をかいて、視覚的にも内容の理解を固めたうえで、式の理解へと進むとよいでしょう。
面積図は、これからも食塩水の濃度などの割合の問題をはじめ、多くの局面で使うことになりますので、かき方を早めに確実に覚えるようにしてください。
慣れてくれば、すべての問題で線分図や面積図をかく必要はありませんが、その慣れたかどうかの判断はどうか慎重にするようにしてください。図をかく機会を少しでも多く持っていれば、初めて見るようなタイプの問題にあたった時にも、図をかくことで解答の糸口を自分で考える習慣が身につくようになります。はじめは少し面倒に感じるかもしれませんが、今だからこそ時間をかけて図をかく練習を積み重ねましょう。
今回のテストでは平面図形、立体図形からの出題が予想されます。その中で平面図形からいくつかのポイントをお知らせします。得点できるかどうか、でテスト全体の点数に大きく影響する単元ですので、確実に理解を固めるようにしましょう。
まず、次のような問題を挙げてみます。メルマガで図は表現できませんので、図を実際にかいてみてください。
2つの向かい合った角度が90度である四角形で、1辺の長さが14cm、その辺ととなり合う辺の長さが16cmとします。14cmの辺と16cmの辺がぶつかる頂点の、となりにある頂点の角度がそれぞれ90度とします。16cmから直角に折れた辺と14cmから直角に折れた辺がぶつかる頂点から、16cm側に3cm進んだところと、14cm側にアcm(長さがわかりませんので適当な長さで)進んだところにそれぞれ点を打ち、その2点と、直角以外の2つの頂点で、四角形をつくります。その四角形に斜線を入れてください。
これで図は完成です。問題は、「この斜線部分の面積が59平方cmのとき、アの長さが何cmになるでしょうか」となります。
斜線部分の四角形が面積の公式を使える図形ではないことで、公式以外の解法を見つけ出さなくてはなりません。そこで「補助線」が必要となります。補助線をひくときには、どのような方針で問題を解くのかを考え、その方針にそって線をひくようにしましょう。
ここで注目すべきは、2つの直角です。この直角をいかに有効に活用するかが、この問題を解くポイントになり、有効に活用できるような補助線のひき方につながります。
次に3cmに注目します。この3cmの部分と垂直な関係にあるのが、16cmの辺です。同じくアcmの部分と垂直な関係にあるのが、14cmの辺です。そこで、斜線部分の四角形を、3cmとアcmがぶつかる頂点と、14cmと16cmがぶつかる頂点を結ぶ線(斜線部分の四角形の対角線になります)で2つの三角形に分けます。そのうち3cmを含む三角形は、底辺を3cmとすると高さが16cmとなるので、3×16÷2=24(平方cm)と、面積を求めることができます。このように底辺と高さの垂直関係を正確に見つけ出すことが、この問題攻略の最重要ポイントです。ここで、アcmを含む三角形の面積が、59−24=35(平方cm)となりますので、ア×14÷2=35の式から、ア=5と求められるのです。
いくつかのポイントを含む問題ですので、順を追って解法をしっかり理解するようにしてください。
次に、平面図形の折り曲げの問題に進みます。やはり図が表現できませんので、図を実際にかいてみてください。
長方形ABCDを対角線ACで折り返した図なのですが、辺BCと対角線ACが27度となるように、折り返します。そこで折り返したBCと辺ADの交点を点Eとします。角AECの大きさが何度になるかを求める問題です。
平面図形の折り返しの問題は入試でも頻出で、色々な解法がありますが、ここでは角度の移動に注目します。
三角形ABCは折り返す前と後で、もちろん同じ図形になります。この図形が同じになるという関係がわかりづらい時には、実際に長方形を折り返してみるとよいでしょう。レポート用紙でも構いませんので、身近にある長方形を実際に折り返してみて、同じ形の図形が移動していることを、お子さんに気づかせてみてください。
ここで、27度の角度の移動に注目すると、角ACBの大きさが27度になることがわかります。三角形CDEを見ると、角CDE=90度、角DCE=90−27×2=36(度)となり、求める角AECは三角形CDEにおいて角CEDの外角になるので、90+36=126(度)と導き出すことができます。この外角の大きさが2つの内角の和になることも理解が曖昧な場合は、しっかり見直しておきましょう。
この折り返しに限らず、視覚的な理解は記憶に強く残りますので、実際に図をつくって、動かしたり、曲げたりするといった作業を有効に活用してください。これも新小5年生の今の時期であれば時間がありますので、実践しやすいかと思います。
平面図形の最後に、おうぎ形の問題を挙げてみます。まず中心角の大きさが90度のおうぎ形(四分円とも呼びます)をかいてください。その中に、角度のひとつが中心角と重なるような正方形をかき入れます。おうぎ形の中に正方形がまるごと含まれるような形になります。その正方形の対角線の長さが10cmのときに、おうぎ形から正方形を除いた部分の面積は合計して何平方cmになるでしょうか、という問題です。
ここでは2つのポイントに注目します。方針としてはおうぎ形の面積から正方形の面積をひくことで答えに行きつけますので、それぞれの面積をどのように算出するか、を考えます。まずおうぎ形ですが、中心角の大きさが90度とわかっていますので、あとは半径の長さがわかれば、公式にあてはめることができます。その半径ですが、正方形の中にもう1本の対角線をひいてみてください。それがおうぎ形の中心と弧を結んでいますので、この長さが半径となることがわかります。対角線の長さは10cmですので、おうぎ形の半径は10cmとなります。
次に正方形の面積の求め方を考えます。正方形の面積の公式は「1辺の長さ×1辺の長さ」ですが、この問題ではその1辺の長さが与えられていません。そこで正方形の面積を対角線の長さから求める方法を確認しましょう。そもそも、正方形はひし形の一つの角度を90度にすれば成り立つ形なので、ひし形の特殊形と言えます。よって、正方形の面積を求める際に、ひし形の面積の公式を使うことができるのです。このことはこれからの平面図形の問題で、とてもよく使われますので、よく覚えておいてください。
この問題では正方形の対角線の長さが10cmですので、面積を10×10÷2で求めることができます。これで解答に行き着くための材料がそろいました。おうぎ形の面積から正方形の面積をひきます。分数の表記は4分の1=1/4とします。10×10×3.14×1/4−10×10÷2=28.5(平方cm)と求められます。
その他にも大事な問題がありますので、いくつかを挙げて行きます。
日数計算の問題です。
「6月9日の月曜日から、土曜日と日曜日をのぞいた平日に、1日3ページずつ問題集を解いていくと、6月30日にも3ページ解いて、ちょうど問題集を解き終わります。この問題集は全部で何ページありますか」
長い問題文ですが、内容自体は難しいものではありません。ただ、日数の計算を間違えてしまいますと、それだけで失点につながりますので、その点に慎重さが必要となります。
6月9日から6月30日までは、30−9+1=22(日)あります。6月9日を含みますので、最後に1を足すことを忘れないようにしてください。そこから土曜日と日曜日をのぞいて、あてはまる日にちを挙げて行きます。土曜日が14、21、28日、日曜日が、15、22、29日と、合計して6日ありますので、(22−6)×3=48より、答えは48ページとなります。
日数の計算を苦手とされているお子さんは、まずは実際のカレンダーで日数を数えてみてもよいでしょう。そこで数え方を視覚的にも確認してから式に進むと、スムーズに理解ができる効果があります。
また、次のような規則性の問題はいかがでしょうか。先にもありましたが、分数の表記を、4分の1=1/4とします。
「ある規則にしたがって分数がならんでいます。
1/50、2/49、3/48、4/47、5/46、…、49/2、50/1
この中で、1/2と同じ大きさの分数は、左から数えて何番目ですか」
分数の数列で、分数そのものを見るのではなく、分母と分子に分けて見た方が、解法が見つけやすくなる例のひとつです。この数列で、分子は1つずつ数が増えて、分母は1つずつ数が減ります。そのため、分母と分子の和が51で一定になっているのです。分数そのものだけを見てしまっては気づかない規則です。
あとは、1/2と同じ大きさであることから、求める分数をA/(A×2)と表すことができます。分母と分子の和が51なので、A+(A×2)=A×3=51より、A=17となりますので、答えを17番目と求めることができます。
今回取り上げた問題はどれも基本から標準的な難度の問題ですので、今さら見直さないでも、と思われるかもしれません。ただ、こうした問題を確実に得点できなければ、全体の点数が上がらないのがサピックスの組分けテストです。問題数も多いので、基本から標準的な難度の問題を、より確実に、少しでも速く解くことが、以降の応用問題を解くために費やす時間を捻出できることにもつながります。今回ご紹介したポイントをしっかり見直して、ぜひ新年度最初の組分けテストで力を発揮されてください。
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