四谷大塚・早稲田アカデミー4・5年生 予習シリーズ算数下 第3回攻略ポイント

<算数 5年下 第3回>

第3回は『平面図形と比(1) 』です。高さの等しい三角形について、学習します。高さの等しい三角形とは、基本的に、ある三角形において、頂点を通り底辺まで引いた直線で2つの三角形に分けた形です。この場合、三角形の面積を求める公式から、分けられた2つの三角形の面積の比は、それぞれの三角形の底辺の長さの比と等しくなります。なお、分数は、分子/分母の形で表示します。

【攻略ポイント1】

「必修例題1」は、三角形アと台形イの面積の比を求める問題です。
台形は対角線で2つの三角形に分けられることに注目します。平行線をもつ台形において、平行線の間では高さはどこでも等しいですから、台形の上底を底辺とする三角形と下底を底辺とする三角形は高さの等しい三角形となり、台形の面積はそれら2つの三角形の面積の合計として考えられます。予習シリーズ27ページの解き方の図を参考にしてください。

三角形アの底辺は6cm、台形イは、三角形AECの底辺4cmと、三角形CDAの底辺5cmの合計として、底辺の長さの比を求めます。底辺の比は、三角形ア:台形イ(三角形AEC+三角形CDA)=6:(4+5)=2:3ですので、面積の比は、ア:イ=2:3です。なお、台形の面積公式から考えて、高さが等しい場合には、三角形の面積:台形の面積=底辺の長さ:(上底+下底)の長さ、としてもかまいません。

「必修例題2」は、三角形を面積の等しい4つの三角形に分けた場合の、部分的な辺の長さの比を求める問題です。同一直線上に底辺があり、同じ頂点をもつ(共有している)三角形は高さの等しい三角形であることに注目します。

  1. 辺ADを底辺とする三角形ADFと辺DBを底辺とする三角形DBF(三角形DBE+三角形DEF)は、どちらも直線AB上に底辺があり、頂点Fを共有しているので、高さの等しい三角形です。三角形ADFと三角形DBFは、面積比が1:2ですから、底辺比=面積比から、AD:DB=1:2です。
  2. 辺BEを底辺とする三角形DBEと辺EFを底辺とする三角形DEFは高さが等しい三角形で、面積も等しいので、底辺BEとEFの長さの比は、1:1です。また、辺BFを底辺とする三角形ABFと辺FCを底辺とする三角形AFCも高さが等しい三角形です。面積の比は、三角形BFA:三角形FCA=3:1ですから、底辺BF:底辺FC=3:1です。よって、BE=EF=BF÷2=3÷2=1.5となりますので、BE:EF:FC=1.5:1.5:1=3:3:2です。
【攻略ポイント2】

「必修例題3」は、高さの異なる三角形の面積比を求める問題ですが、高さの等しい三角形を作図して考えます。予習シリーズ29ページの解き方の図を参考にしてください。
三角形ABCの頂点Aと、もう1つの三角形ECDの頂点Dを直線で結んで、三角形ACDを作ります。三角形ABCと三角形ACDは高さが等しい三角形ですから、面積比はBC:CD=2:1です。そして、三角形ACDのうち、三角形AEDと三角形ECDは、高さが等しい三角形で、面積比はAE:EC=2:3です。したがって、三角形ECDの面積は三角形ACDの面積の3/(2+3)=3/5となります。よって、三角形ABCと三角形ECDの面積比は、2:(1×3/5)=(2×5):(1×3)=10:3より、10:3です。
なお、この(2×5)と(1×3)の数は、底辺にあたるBCとCDの比2:1と、高さの方向にあるACとECの比(2+3):3=5:3を、それぞれかけた数と考えられます。このように、辺の比のかけ合せから解くこともできます。この考え方を発展させたものが、予習シリーズ29ページ後半の説明ですので、よく読んで理解してください。そして、このことは次の「必修例題4」に使われます。

【攻略ポイント3】

「必修例題4」は、三角形の3つの辺をそれぞれ2つに分けた3つの点を頂点にもつ三角形ともとの三角形の面積の関係を考える問題です。

  1. 2つの点AとEを結んで、三角形ABCを高さの等しい、三角形ABEと三角形AECに分けると、面積比は、底辺比BE:EC=2:1になります。また、三角形ABEを三角形ADEと三角形DBE(ア)に分けると、面積比は、底辺比AD:DB=1:1です。三角形ABCの面積を1とすると、三角形ABEの面積は2/(2+1)=2/3となり、三角形DBE(ア)は、三角形ABE×1/(1+1)=2/3×1/(1+1)=2/3×1/2=1/3より、三角形アの面積は三角形ABCの面積の1/3です。別解として、予習シリーズ29ページ後半の説明にあるように、三角形ABCと三角形DBEとで、共有する頂点Bを含む2本の辺の、一方を底辺、もう一方を高さの方向にあると考えて、底辺比AB:DB=2:1、高さ比BC:BE=3:2を、それぞれかけて、(2×3):(1×2)=3:1が、三角形ABCと三角形DBEの面積比になります。ここから、三角形アの面積は三角形ABCの面積の1/3と計算できます。
  2. 別解の考え方で進めます。三角形ADFについては、AB:AD=2:1、AC:AF=5:2より、三角形ABC:三角形ADF=(2×5):(1×2)=5:1ですから、三角形ADFの面積は、三角形ABCの面積の1/5です。また、三角形CEFについては、CB:CE=3:1、CA:CF=5:3より、三角形ABC:三角形CEF=(3×5):(1×3)=5:1ですから、三角形CEFの面積は、三角形ABCの面積の1/5です。よって、1−(1/3+1/5+1/5)=4/15より、三角形DEF(イ)の面積は、三角形ABCの面積の4/15です。

「必修例題5」は、長方形の中に作った三角形の面積についての問題です。

  1. 三角形EBFと三角形DCFにおいて、底辺をそれぞれ辺BF、辺CFとすると、高さはそれぞれ辺EB、辺DCです。EB:DC=2:(1+2)=2:3で、底辺の比は面積比÷高さ比で求められますから、(8÷2):(9÷3)=4:3より、BF:FCは、4:3です。
  2. 面積比は、底辺比×高さ比で求められます。底辺比AE:EB=1:2、高さ比AD:BF=(4+3):4=7:4ですので、(1×7):(2×4)=7:8より、三角形EADと三角形EBFの面積比は、7:8です。
  3. (2)より、三角形EADの面積は、8÷8×7=7平方cmです。また、長方形のたての長さABを1+2=3とし、横の長さを4+3=7として、三角形EBFの面積との比を考えると、(3×7):(2×4÷2)=21:4となります。よって、長方形の面積は、8÷4×21=42平方cmです。したがって、長方形の面積から、まわりの3つの三角形の面積を引いて、42−(7+8+9)=18より、三角形DEFの面積は18平方cmです。

今回は、かなり高度な内容です。まずは、基本問題のレベルをしっかり身につけましょう。

<算数 4年下 第3回>

第3回は 『条件整理と推理』です。名前からわかるように、問題文から条件を整理して、考える問題です。整理の仕方(道具)には様々なものがありますので、ここでしっかりと学んでください。
※「○の中に数字」の表記が文字化けしてしまう可能性がありますので、マル1、マル2と表記させて頂きます。

【攻略ポイント1】

「必修例題1」は、2数ずつの数の大小がわかっている場合の、4数の大小を考える問題です。数の差が与えられた大小関係では、線分図を利用します。予習シリーズ23ページの解き方にある線分図を参考にしてください。
条件マル1よりA=B+5、マル2よりC=B+3、ですから、大きい順にA、C、Bとなります。条件マル3より、CがDより7大きい場合(C=D+7)と、CがDより7小さい場合(D=C+7)の2通りを考えます。Aが最大である条件から、CがDより大きいことがわかります(D=C+7の場合、DがAより大きいことになるので)。よって答えは、大きい順に、A、C、B、Dとなります。

「必修例題2」は魔方陣とよばれる数の表の問題です。

  1. 1から9までの数の合計は45で、この45を、たてあるいは横に3組に分けますので、45÷3=15より、たて1列にならぶ3マスの数の和は、15です。
  2. (1)より、左たて1列において、マス目の左上の数は、15−(1+8)=6となります。また、右上がりのななめの列において、中央のマス目の数は、15−(2+8)=5となります。よって、右下がりのななめの列において、右下のマス目の数は、15−(6+5)=4より、アに当てはまる数は、4です。

「必修例題3」は、順位を考える問題です。予習シリーズ24ページの解き方にある順位表を参考にしてください。順位表では、条件に合わない部分に×をうめていくことからスタートして、空いたところに○、という順番が基本です。
マル1より、Bは4位にはならずDは1位にはなりませんので、表のBの4位、Dの1位に×を入れます。マル2より、表のAの1位、4位に×を入れます。マル3より、表のCの1位、2位に×を入れます。ここで、表の1位は、Bだけが空欄ですから、ここに○が入ります。そして、表のBの2位、3位に×を入れます。そしてマル1より、Dが2位となり、Dの3位、4位が×に、またAの2位も×になります。このように進めていくと、表はすべてうまります。よって、1位はB、2位はD、3位はA、4位はCとなります。

「必修例題4」は、勝敗を考える問題です。予習シリーズ25ページの解き方にある勝敗表を参考にしてください。勝敗表では、対戦相手の勝ち負け(○×)を同時にうめていくことが基本です。

  1. 全試合数は、勝敗表のマス目で、○×でうまる部分の半分の数ですから、10試合です。
  2. 勝ち数の同じチームはありませんので、10=0+1+2+3+4より、勝ち数は、大きい順に4勝、3勝、2勝、1勝、0勝となります。また、A、B、D、Eのチームは1敗はしていますので、4勝したのはCチームとわかります。同様に、A、B、C、Eのチームは1勝はしていますので、0勝だったのはDチームでした。これらのことを考えて勝敗表をうめます。その結果、Eチームは、2勝2敗となりました。

「必修例題3」の順位表や、「必修例題4」の勝敗表は、自分で作れるようにトレーニングしておきましょう。

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