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第16回のテーマは「立体図形の性質と体積・表面積」です。今回は柱体とすい体の体積と表面積の求め方について学びます。平面図形から立体図形に変わることは小学生にとって、大人が想像している以上にハードルが高いものです。そのため、今回の学びでは見取図や展開図を書くという地道な作業を行いながら、図どうしのつながりをしっかりと理解することが重要です。
体積や表面積が求められない場合、基本的なところに原因があることはよくあります。立体図形は入試では基本から応用まで幅広く出題される単元のため、確実にできるようにしましょう。
「学び1」では立体図形の名前ときまりについて学びます。
370ページを見てみましょう。はじめに三角柱について説明します。三角柱は同じ形の三角形の底面(上にあっても下にあっても底面といいます)が2つあり、下の底面から上の底面までは同じ太さです。底面以外の面を側面といいます。これと同じような特徴のある図形は底面の形が四角形であれば四角柱、円であれば円柱といいます。
次に三角すいについて説明します。三角すいは底面が三角形で上にいくととがった形をいいます。底面以外の面を側面といいます。このような特徴のある図形は底面の形が四角形であれば四角すい、円であれば円すいといいます。368ページから369ページに載っているいろいろな立体図形も参考にしてください。
次に371ページ「感じよう」を見てみましょう。三角柱の見取図、展開図、投影図がかいてあります。空間図形にはこの3種類の表し方があります。「学び2」の前に見取図と展開図を使って、2つの図の関係性を調べてみます。
三角柱の見取図を見てみましょう。説明のために長さと角度を決めていきます。筆記用具を準備しましょう。底面を見てください。底面の三角形の1番短い辺の長さを3cmとします。2番目に短い辺の長さを4cmとします。この2辺の間の角度を90度とします。1番長い辺の長さを5cmとします。また、上の底面と下の底面を結ぶ辺の長さを7cm(この長さを三角柱の高さといいます)とします。
次に展開図を見てみましょう。展開図は底面の直角三角形が2つと長方形が3つからできています。辺の長さを書き込んでいきましょう。はじめに底面の部分に3cm、4cm、5cmと長さを書き込みましょう。次に三角柱の高さは7cmのため長方形の縦の辺の長さを7cmとします。残っている辺の長さは1番左側の長方形の横の長さと、1番右側の長方形の横の長さです。組み立てたときの辺の重なりを考えると1番左側の長方形の横の長さは3cm、1番右側の長方形の横の長さは4cmとわかります。
「学び2」では柱体の体積と表面積を求めていきます。柱体の体積と表面積は次のように求めることができます。
・柱体の体積=底面の面積×高さ
・柱体の表面積=底面の面積の合計+側面の面積の合計
柱体の体積と表面積の求め方は371ページ「感じよう」を使って説明します。はじめに三角柱の体積から求めてみましょう。低面の面積は3×4÷2=6㎠となります。三角柱の体積は、6(底面の面積)×7(高さ)=42㎤となります。
次に表面積です。はじめに底面の面積の合計を求めます。1つの底面の面積は6㎠であることから、底面の面積の合計は6×2=12㎠となります。
続いて側面の面積です。「感じよう」にある展開図を見てみましょう。側面は長方形が3つあります。1つひとつ面積を計算して和を求めてもいいのですが、3つの長方形を合わせると1つの大きい長方形になります。大きい長方形の横の長さは3+4+5=12cmとなります。これは底面の周りの長さと等しくなります。このことから、側面の面積は、7×12=84㎠となりす。したがって、表面積は、12(底面の面積の合計)+84(側面の面積の合計)=96㎠となります。
ここで柱体の場合、側面の面積は必ず長方形になります。側面の縦の長さは柱体の高さ、横の長さは底面の周りの長さとなります。したがって、側面の面積は柱体の高さ×底面の周りの長さとなることを覚えておきましょう。
[柱体の表面積=底面の面積の合計+柱体の高さ×底面の周りの長さ]
次に円柱の表面積を求めてみましょう。374ページを見てみましょう。中段にある円柱の底面の半径を5cm、高さを20cmとします。
次に展開図を考えてみましょう。底面の形は円です。側面の形は長方形となります(トイレットペーパーの芯を穴のあいている方から、もう一方の穴のあいている方に向かって切り開いてみましょう)。底面の面積の合計は5×5×3.14×2=157㎠となります。
ここで三角柱の側面の面積を求めるときに使った側面の面積の求め方を思い出しましょう。側面の面積の縦の長さは高さと同じ20cmです。横の長さは底面の周りの長さと同じなため、10×3.14=31.4cmとなります。したがって、側面の面積は20×31.4=628㎠となります。したがって、表面積は157+628=785㎠となります。
「学び3」ではすい体の体積と表面積を求めていきます。すい体の体積と表面積は次のように求めることができます。
・すい体の体積=底面の面積×高さ÷3
・すい体の表面積=底面の面積+側面の面積の合計
次に377ページ「やってみよう!」の円すいを使って説明します。はじめに高さ、底面の半径、母線がどの部分を示すのか確認しましょう。「母線」とは頂点と底面の円周上の1点を結んだ線のことです。ここでは底面の半径を5cm、高さを12cm、母線を13cmとします。
円すいの体積を求めると5×5×3.14×12÷3=314㎤となります。次に表面積を求めます。はじめに展開図を書いてみましょう。底面は半径5cmの円となります。側面は半径(母線)13cmのおうぎ形となります。
ここで、母線、おうぎ形の中心角、底面の半径の関係を整理します。側面のおうぎ形の弧と底面の円周はぴったり重なっているため、側面のおうぎ形の弧の長さと底面の円周の長さは等しくなります。このことを利用すると378ページの「やってみよう!」にある等式が成り立ちます。左辺はおうぎ形の弧の長さを、右辺は底面の円周の長さを表す式です(1行目の等式)。
次に両辺を「2×円周率」で割ると(2行目の等式)3行目の等式になります。次に両辺を母線で割ると4行目の等式になり、中心角/360=底面の半径/母線となります。これは「中心角/360」を「底面の半径/母線」で置き換えることがてきることを示しています。これは大変便利な置き換えなため必ず覚えましょう。
それでは円すいの側面の面積を求めてみましょう。側面のおうぎ形の半径(母線)は13cmであることから側面の面積は、13×13×3.14×中心角/360=13×13×3.14×底面の半径/母線=13×13×3.14×5/13となります。これを計算すると204.1㎠となります。底面の面積は5×5×3.14=78.5㎠となります。これらのことから、表面積は204.1+78.5=282.6㎠となります。
「学び4」では回転体について学びます。回転体とは平面図形を軸の周りに1回転させてできた立体のことをいいます。379ページの「やってみよう!」を見てみましょう。実際に回転体を書いてみましょう。
左上の図を見てください。回転の矢印がついている直線が「軸」です。長方形が1回転させる平面図形です。はじめに長方形の頂点に点を書きましょう。次に軸に対して線対称(軸を鏡にして、鏡に映るように)に長方形を書きます(点も書きましょう)。
次に対応する点(実物の点と鏡に映った点)を横に長い「だ円」で結びます。だ円は上と下に書きます。すると円柱が現れます。実際に見えない部分の線は点線で書くとよりリアルになります。他の図でも同じように書いてみると、右上の図は横に長い円柱となります。左下は縦に長い円すい、右下は横に長い円すいとなります。回転体は軸の周りに1回転させるため、底面や軸に垂直な平面で切ったときの切り口は丸い形になります。
このように対応する点を「だ円」で結ぶだけで特徴を捉えた回転体を書くことができます。
演習としては381ページから383ページは必修です。「学び1」から「学び4」までのことを確認しながら取り組みましょう。385ページ以降は問題量が多いです。385ページから388ページまでは平均的な難易度の問題のため練習しましょう。
385ページの問1、386ページの問2、問3のような見取図や屋展開図を使った問題は入試でもよく出題される形式です。底面を意識し、辺の長さの情報などを書き込みながら考えていきましょう。387ページの問4は「前・後」「右・左」「上・下」それぞれの向きから考えるとよいでしょう。問5は「学び3」の母線、おうぎ形の中心角、底面の半径の関係を使って考えましょう。
第16回のテーマは「文章題 集合とベン図②」です。今回は「ベン図と成分表の関係を知ること」「成分表を使うこと」「ベン図で3つのものの関係を表すこと」が目標となります。ベン図については第15回の内容の延長となりますので、しっかりと復習をしてから取り組むとよいでしょう。
成分表は問題を解くときのツールになります。成分表を見てわかることも重要ですが、書いて使えることはさらに重要です。演習を通して書く練習もしていきましょう。
「学び1」はベン図の情報を成分表に置き換えていきます。成分表とはある条件(要素)について当てはまるものと当てはまらないものの数を分類して整理した表のことです。
268ページのベン図を 269ページの「やってみよう!」の成分表と対応させていきます。ベン図で「メガネをかけていて、帽子をかぶっている人」は2人です。これは成分表では「メガネをかけている人」の列と「帽子をかぶっている人」の行が交差したところになります。「帽子をかぶっていて、メガネをかけていない人」は6人で、成分表では「メガネをかけていない人」の列と「帽子をかぶっている人」の行が交差したところになります。
「メガネをかけていて、帽子をかぶっていない人」は5人で、成分表では「メガネをかけている人」の列と「帽子をかぶっていない人」の行が交差したところになります。「メガネをかけていなくて、帽子をかぶっていない人」は3人で、成分表では「メガネをかけていない人」の列と「帽子をかぶっていない人」の行が交差したところになります。
表を見ながら合計を計算しましょう。はじめに縦の合計です。「メガネをかけている人」の合計は2+5=7人となります。「メガネをかけていない人」の合計は6+3=9人となります。
次に横の合計です。「帽子をかぶっている人」の合計は2+6=8人となります。「帽子をかぶっていない人」の合計は5+3=8人となります。「全体」の合計は縦に並んだ数を使っても、横に並んだ数を使っても16人となりベン図にある情報と一致します。
このように成分表では1つひとつの要素に対して「合計」があり、計算がしやすくなっています。また、「全体」の合計を「帽子をかぶっている人」と「帽子をかぶっていない人」の合計と「メガネをかけている人」と「メガネをかけていない人」の合計の2つの方向から求めることでより正確に全体の細かい数の関係を確かめることができます。
一方、ベン図では「帽子をかぶっている人」と「メガネをかけている人」の数や「帽子をかぶっていてメガネをかけている人」という両方とも満たすときの数が視覚的にわかりやすくなっています。
「学び2」では2つの集合について、「ふくむ」「ふくまれる」の重なりについて学びます。270ページを見てみましょう。「全体」を「日本に住んでいる人」としたとき、「神奈川県に住んでいる人」と「横浜市に住んでいる人」という条件で、ベン図を作ります。この場合、2つの条件が重なるベン図をかくとおかしなことが起こります。「神奈川県に住んでいないが、横浜市にすんでいる」という部分が出てきてしまいます。これでは困ります。
このようなことにならないように270ページにあるように、「神奈川県に住んでいる人」にふくまれるように「横浜市に住んでいる人」の丸をかきます。ここではこのようにある集合の中にふくまれる集合もあることを知っておきましょう。この考え方を使って、271ページの「やってみよう!」のベン図をかいてみましょう。
「学び3」ではベン図で3つのものの関係を表していきます。説明のために267ページを見てみましょう。3つの集合の重なりの様子が書かれています。それぞれAに含まれる、Bに含まれる、Cに含まれる丸を表しています。
ABと書かれているところはAにもBにも含まれることを表しています。同様にBCと書かれているところはBにもCにも含まれることを表しています。ACと書かれているところはAにもCにも含まれることを表しています。ABCと書かれているところはAにもBにもCにも含まれることを表しています。
それでは272ページの「やってみよう」のベン図を完成させましょう。はじめに「全体」を表す36人の集合を長方形で表しましょう。次に267ページのベン図にならって、Aを「国語が好き」、Bを「算数が好き」、Cを「体育が好き」として、ベン図を書いてみましょう。書き終わったら以下の①〜⑧の集合がベン図のどの部分に表されているか確認してみましょう。
①算数だけが好き
②国語だけが好き
③体育だけが好き
④算数と国語は好きだが、体育は好きではない
⑤国語と体育は好きだが、算数は好きではない
⑥算数と体育は好きだが、国語は好きではない
⑦算数も国語も体育も好き
⑧算数も国語も体育も好きではない
最後にこのベン図を使って273ページの「学んだことを使う」をやってみましょう。
演習としては274ページから276ページは必修です。解きながら、成分表の利点を実感しましょう。277ページの問1、278ページの問3は成分表を使う問題です。特に278ページの問3では①の誘導にしたがって②を解いていきます。このような形式の問題は難関校でよく見られます。
277ページの問2、278ページの問4はベン図を使う問題です。特に278ページの問4は問題文に注意しながら、ベン図に数を当てはめて考えましょう。
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