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今回の5年生12月度マンスリーテストでは、「和と差に関する問題」「倍数算」、そして「相当算」と、割合と比を使った文章題が集中してテスト範囲になります。これらの問題では、線分図を中心とした図をいかに正確に速くかけるかが得点をアップさせるポイントになります。
そして、速さの問題の中でも図を使って問題内容を把握する力が特に必要となる「通過算」も範囲に含まれます。いずれの単元でも、問題を読んでどのような図を選ぶかの判断力が高得点をとるために必須となります。
今回のマンスリー対策を通じて図の使い方を鍛えておくことが、クラスアップだけでなく、今後の算数での偏差値アップ実現につながります。そこで、「割合と比の文章題」、「通過算」を図で攻略する方法を中心に、12月度マンスリーテストの対策ポイントを第1位から第5位までランキングにしましたのでぜひマスターしてテストに臨んでださい!応援しています!
さらにこちらの算数予想問題と組み合わせれば、マンスリーテスト対策は鬼に金棒です。ぜひクラスアップを実現してください。応援しています!
和と差に関する問題の中で、特に注意が必要なのが「過不足算」です。「リンゴを1人6個ずつ配ろうとすると8個足りず、1人3個ずつ配ろうとすると4個あまる」といった基本的な内容であれば、パターンにあてはめて式を立てることが簡単にできますが、「長いす型」と呼ばれるような、いすに座る人数が余ったり、いすが余ったりするタイプの問題では「あまり」の考え方を慎重に進める必要があります。さらに難度が高いのが、「人数が異なるタイプ」の問題です。
例えば「用意したミカンを何人かの子どもに配ります。男子に2個ずつ、女子に4個ずつ配ると28個あまり、男子に5個ずつ、女子に3個ずつ配ると10個あまります。男子は女子より2人多いです。ミカンは全部で何個用意しましたか」という問題で解き方を考えてみましょう。
これを通常の過不足算のパターンにあてはめようとしても、男子と女子の人数の違いをどのように処理すればよいのかが難しく、行き詰まってしまいます。そこで図を利用して解き進めるのですが、ポイントは「人数をそろえること」です。
2人多いという男子の人数を女子にそろえて、男子2人が持っていたミカンの個数をあまりに加えます。2人の男子には一旦席を外してもらい、持っていたミカンをあまりのミカンが入っている箱に戻す、といったイメージがわかりやすいでしょう。この「あまりの数を変化させるところ」を正確に処理できれば、問題の難度は一気に下がり、スムーズに解き進めることができるようになります。この人数を合わせる過程を表したのが下の図です。
人数さえそろえば、男子と女子をセットにして、1セットに「男子の2個+女子の4個=6個」の6個ずつ配ると、あまりが28+2×2=32(個)になり、1セットに「男子の5個+女子の3個=8個」の8個ずつ配ると、あまりが10+5×2=20(個)になりますので、ここからは通常の過不足算の考え方で、(32-20)÷(8-6)=6(セット)より、男子と女子が6セット、つまり女子の人数が6人、男子の人数が6+2=8(人)とわかります。これよりミカンの数は、5×8+3×6+10=68(個)と求められます。
このタイプの問題のように、基本型からひと工夫が加わった応用型の問題を、基本型に戻して解く力を求める問題は、今後のサピックスのテスト、そして入試でも多く出題されます。図を使って応用型から基本型に戻す流れをしっかり理解しておきましょう。
倍数算の中で、例えば2人の所持金が同じ金額だけ増えたり減ったりするような「差が一定」の問題や、合計金額は変えずに2人の間でお金のやりとりをするような「和が一定の問題」は、線分図を正確にかければ、正解に行き着くまでに大きな負担はないでしょう。
それに対して、和も差も一定でない、「倍数変化算」は、比例式を立てて解き進めるという計算力が求められる点で特徴的です。
例えば、「AさんとBさんの所持金の比は7:2でしたが、Aさんは600円を使い、B君は300円をもらったので、2人の所持金の比は5:3になりました。初めのAさんの所持金はいくらでしたか」といった問題。このようなタイプの問題で、比例式を立てるところまでは、問題内容を忠実に式にするだけですので、容易に進められるでしょう。
A君とB君の初めの所持金を、⑦、②とすると、
(⑦-600):(②+300)=5:3
ここで比例式の内項の積と外項の積が等しいことを利用して、下のような式を立てます。
(⑦-600)×3=(②+300)×5
㉑-1800=⑩+1500
むしろ気をつけておきたいのが、ここから、㉑-⑩=1500+1800の式へとつながるところにあります。数学の移項の考え方にあたりますが、移項を知らなくても、式の両辺に同じ数を加減しても等式関係は変わらないという考え方をすれば、下のように式を変換できます。
㉑-1800=⑩+1500
㉑-1800+1800=⑩+1500+1800
㉑-⑩=⑩+1500+1800-⑩
㉑-⑩=1500+1800
ここで下のように、式の変換をより視覚的にとらえる方法として、線分図を使う方法があります。
必ずしも線分図を使わなくてはいけないケースではありませんが、式の変換を苦手としているお子様にとっては、視覚的なイメージを伴って理解を促すことができる利点がありますので、ぜひ試してみてください。
11月マンスリーの範囲であった「流水算」と同じく、通過算でも比を使った問題が出されることがあります。ここでは、「マル」を使って問題内容を整理するとスムーズに正解に行き着くことができます。ただし、より確実に正解を手にするために、図を利用することがポイントになります。
例えば、「時速90㎞で走る電車が鉄橋Pを通過するのに30秒かかり、鉄橋Qを通過するのに40秒かかります。鉄橋Pと鉄橋Qの長さの比は2:3です。この電車の長さは何mですか」といった問題。電車の速さも、2つの鉄橋を通過するのにかかる時間もわかっているので簡単に解けると思っていると、鉄橋の長さが比でしか表されていません。
通過算の難しさは「長さの扱い」の難しさにありますが、この問題ではその難しい長さが、よりによって比で表されています。このようなタイプの問題では、まず図をかくことを最初のステップとしましょう。長さの関係を把握するには図で状況を視覚化することが有効です。
下のように2つの陸橋を通過する図をそれぞれかいて、鉄橋Pの長さを②、鉄橋Qの長さを③とすると、その差の①を進むのにかかった時間が、(40-30=)10秒とわかります。ここで、鉄橋Pを通過するのにかかった30秒が、「鉄橋P+電車の長さ」という通過算の基本中の基本に立ち返ると、電車の長さが(30-10×2=)10秒分であるとわかります。
あとは電車の速さの時速90㎞=秒速25m(この換算をスムーズに進められるように!)に10秒をかけて、25×10=250(m)と、電車の長さを求めることができるのです。
上記のタイプの通過算の問題では図をかくことが細かなミスを防ぎ、速く正確に正解に行き着くために必要になります。通過算では長さをどれだけ正確に解答要素として活用できるかが得点の分かれ道になります。速さや時間と比べても長さは図で視覚化しやすいので、ぜひ図で問題内容を整理する練習を重ねておきましょう。
図をかく際には、言うまでもなく、電車や鉄橋の図はできる限り単純に、車輪や窓などかかないように注意してください。制限時間内に図をかいて解くことができるように、自分にとって見やすく間違いのない図をかく練習を重ねておきましょう。
相当算の問題で確実に得点するためには、線分図の活用が必須となりますが、特に具体的な数値について「多い」と「少ない」が混ざって提示される場合には、線分図を使うことでミスを防ぐことができます。
例えば「ある本を1日目に1/4より9ページ多く読み、2日目に残りの3/5より6ページ少なく読んだので、残りが18ページになりました。この本は全部で何ページありますか」といった問題。数字が大きくないからといって、頭の中でイメージを立てて解こうとすると、思わぬミスにつながってしまいます。特に9ページ「多い」分、6ページ「少ない」分をどのように扱うかの判断は、イメージだけでは進めづらくなります。
そこで線分図で視覚的に数の大小を把握できれば、式をスムーズに立てられるようになります。線分図をかく際には、多い分や少ない分について、長さはおおよそで構いませんので、「線分図のどこにかき込むか」に注意して、数字が見やすくなるようにかき入れることに注意しましょう。
相当算に限らず、線分図はていねいにかき過ぎないように、必要な情報を見やすく提示できるようにかく練習を重ねて、慣れておくようにしてください。慣れれば短時間で正確な線分図がかけるようになります。
この問題であれば、1日目に読んだ1/4と、2日目に読んだ3/5の「もとにする量」が変わることは理解しやすいと思われます。マンスリーでもそうした変化については理解を前提に、「多く」と「少なく」を混ぜるといったワンランク難度が高い問題が出される可能性がとても高いです。細かなミスがないように、線分図のかき方を練習しておきましょう。
相当算の中で、例えば「あるクラスの男子の人数はクラス全体の人数の5/12 よりも6人多く、女子の人数はクラス全体の人数の9/14 よりも16人少ないです。このクラスの生徒は全部で何人ですか」といった問題は、基本的な問題の範疇に入ります。
確かに問題文の分量は少なく、構成もシンプルに見えますが、いざ解こうとすると、具体的な人数(6人多い、18人少ない)の処理の仕方を正確に行わなければ、思わぬミスにつながってしまいます。
こうした問題では、全体の人数、男子、女子の人数をマルと具体的な数字を使って表して、あとは式を立てて解き進めるかたちになりますが、ここで全体の人数の表し方によって、解答のスピード、正確さに大きな変化を生み出すことができます。
多く使われる、「全体を1とする」パターンで進めてもよいのですが、その場合、男子の人数がマル5/12+6(人)、女子の人数がマル9/14-16(人)と表され、計算を進めると5/12と9/14を通分する過程で分母が84と大きな数になり、計算ミスを起こしやすくなってしまいます。問題によっては分母が100を超える分数を使うことになってしまい、計算の負担が大きくなるばかりです。
そこで、全体の数を12と14の最小公倍数84から、マル84としてしまえば、男子、女子の人数を表すマルも整数で表すことができ、断然計算が進めやすくなり、ミスも防ぐことができます。この全体の量を1ではなく最小公倍数にそろえる方法は、今回の相当算だけでなく、仕事算でも使うことが多くあります。
計算が得意なお子様でも、苦手なお子様でも、分数より整数の方が計算しやすいことは共通しているでしょう。今回ご紹介したようなタイプの問題は、マンスリーでは中盤の小問として出される可能性が高く、より速く正確に解く力が求められます。そのためにも問題を見てすぐに「全体を1とおく」とするのではなく、より簡単な方法がないか考える習慣をつけておきましょう。
今回ご紹介したタイプの問題は、もちろん線分図を使って解くこともできます。その方法に慣れている場合はもちろん図を使うことをおすすめしますが、男子は人数が割合で表した数より多く、女子が少ない、といったパターンでは、線分図のかき方が難しくなります。相当算だから線分図と決めつけずに、柔軟に対応できるように、解法の幅を広げておきましょう。
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