No.1559 日能研5・4年生 第18回算数対策ポイント!

<算数 5年生 第18回>

 第18回のテーマは「立体図形 容器内の水位変化」です。今回は容器に水を入れていきます。扱う内容は「容器の底面積と水面の高さの関係」「水の入った容器に物を入れたときの水位変化」「容器と水位変化のグラフ」です。

 ポイントは図や数値を正確に書くことです。複数の情報を扱うときには図や数値を書きながら整理していくと、そこから新たな情報が導き出すことができます。その新たな情報が問題を解く重要な手がかりであることはよくあることです。このプロセスは、図形の問題のみならず、すべての算数の問題を解くときに当てはまることです。今回はその練習だと思って取り組みましょう。

【対策ポイント】

 「学び1」では体積・容積について学びます。422ページを見てみましょう。1辺1cmの立方体の体積は1×1×1=1㎤=1mlです。また、1辺10cmの立方体の体積は10×10×10=1000㎤=1000ml=1Lです。1辺100cm(1m)の立方体の体積は100×100×100=1000000㎤です。100cmは1mのため、1×1×1=1㎥と表すこともできます。

 体積や容積は辺1cmの立方体の体積(1㎤)を基準に考え、1辺の長さと体積を考えて単位と結びつけていきます。そうすることで、より正確な知識を身につけることができます。身近にある牛乳パックや料理で使う計量カップなどで実際の量も見ておくと良いでしょう。

 「学び2」では容器に入れた水の量を考えます。424ページを見てみましょう。低面積の違う3つの直方体に同じ量の水を入れた場合を考えます。水そうAの低面積を10㎠とします。水の深さは20cmのため、水の量は10×20=200㎤となります。次に水そうBです。水そうBに同じ量の水(200㎤)が入っていると低面積は200÷10=20㎠となります。

 同様に考えて、水そうCに同じ量の水(200㎤)が入っていると低面積は200÷5=40㎠となります。水そうA~Cで、同じ量の水を入れる場合、容器の低面積、水面の高さを比べると水そうAは低面積が10㎠、水の深さが20cm、水そうBは低面積が20㎠、水の深さが10cm、水そうCは低面積が40㎠、水の深さが5cmとなります。

 このように同じ量の水を入れた場合、水そうAを基準に考えると、低面積が2倍、4倍になると高さは2分の1、4分の1になり、水そうの低面積と水の深さは反比例することがわかります。

 「学び3」では水位が上がる様子について学びます。426ページを見てみましょう。水が入った水そうに物を入れると水位が上がります。水の中に物を沈める問題では、物を沈める前(水だけ入っている水そう)と物を沈めた後の水そうを比べます。

 426ページでは、図1が物を沈める前で、図2が物を沈めた後の図です。「やってみよう」では石を沈めたことによって、水位が7cmから9cmになり、9-7=2cm上がったことがわかります。水位が上がった分(2cm)が石の体積となります。

 このように、水位が上がる様子を調べるときには、物を沈める前(水だけ入っている水そう)と物を沈めた後の水そうを比べると、物を入れることによって増えた水の量が沈めた物の体積と等しいことがわかります。必ず物を沈める前と物を沈めた後の水そうを書いて、物を沈めることによって増えた分はどの部分なのか、図を書いて考えていきましょう。

 図を書くときは、はじめの水位と物を沈めたときに上がった水位がわかるように書きましょう。また、図は平面でも構いません。

 「学び4」では水位変化のグラフについて学びます。428ページの「やってみよう!」を説明します。空の直方体の容器に毎秒60㎤の割合で水を一杯になるまで入れます。はじめに図とグラフを対応させていきます。図の容器に毎秒60㎤の割合で水を入れていくと、だんだんと水面の高さが高くなっていきます。グラフはそのときの水を入れた時間と容器の底から測った水面の高さの関係を表したものです。

 水を入れ始めてから40秒たつと水の深さが12cmとなり水が一杯になることがわかります。このことから、容器に入った水の量は60×40=2400㎤であることがわかります。また、容器の低面積は2400÷12=200㎠とわかります。このように、水位変化の問題を考えていくときには、グラフの数値が表す状況と図を照らし合わせて考えていきます。そして、そこからわかることを調べていきます。次に水位変化の応用について説明します。

①直方体を組み合わせた容器

 429ページの「やってみよう!」を説明します。図は低面積が5×15=75㎠の直方体(図の下の部分)と低面積が10×15=150㎠の直方体(図の上の部分)を組み合わせた水そうです。グラフはこの水そうに一定の割合で水を入れ始めてからの時間と水の深さとの関係を表しています。図とグラフを対応させていきます。

 グラフの傾きが変化する点(グラフが折れ曲がるところ)に注目しましょう。はじめに、水を入れ始めてから15秒後に水の深さが8cmとなっています。これは、下の直方体がちょうど水で満たされたことを表しています。このときの水の深さは8cmであることから下の直方体の深さは8cmであることがわかります。

 また、水の深さが12cmになるところは、それ以降水の深さが変わっていないことから水そうが水でい一杯になったことがわかります。したがって、上の直方体の深さは12-8=4cmとなります。

②仕切りのある容器

 430ページの「やってみよう!」を説明します。仕切りのある直方体の容器に毎秒60㎤の割合で水を一杯になるまで入れます。

 はじめに水が入っていく様子を想像しましょう。はじめに図の左側から仕切りの高さまで水が入ります。次に水は仕切りのところを越えて右側に仕切りの高さまで入ります。次に直方体の容器全体に一杯になるまで入ります。次に図とグラフを対応させていきます。グラフで10秒後に水面の高さが6cmになっていることから、直方体の左側の仕切りの高さは6cmであることがわかります。

 この後、水は仕切りの右側に入っていきます。このため仕切りの右側の部分が水で満たされるまでは水面の高さは6cmのままです。20秒後(仕切りの右側に水が入り始めてから10秒後)になると仕切り右側にも6cmの深さまで水がたまります。仕切りの左側に水が入る時間と仕切りの右側に水が入る時間は10秒で同じため、仕切りの左側と右側はちょうど真ん中で仕切られていることがわかります。

 その後、40秒後に水面の高さは12cmとなり容器が水で満たされます。仕切りより上の部分に水が入るのに40-20=20分かかります。431ページの「やってみよう!」は仕切りが2つあるパターンです。注目するのはグラフの傾きが変化する点です。図とグラフを対応させてみましょう。

 演習としては432ページから435ページは必修です。すべての問題が「学び1」から「学び4」までの考え方を使う練習です。何度も解きなおし、解くプロセスを確認しましょう。438ページの問2から問4までは面積図を使う練習です。439ページの問7、440ページの問8はグラフと図を結びつけて考えていきます。440ページの問9も入試ではよく見かける問題のためぜひ取り組みましょう。

<算数 4年生 第18回>

 第18回のテーマは「立体図形と表面積」です。今回は「立方体や直方体の表面積を求めることができること」「立体図形を平面図形で整理していくこと」が目標です。立体図形は「図形が想像できない」「図形を考えるセンスがない」と学ぶ前から諦めてしまいがちな単元です。

 立体図形は平面図形に置き換えて考えたりすることで、格段に理解が進みます。丁寧に書いて考えることを根気強く行っていきましょう。

【対策ポイント】

 「学び1」では立体の表面積について学びます。表面積とは304ページにあるように、「石をペンキが入った缶にしずめて引き上げたときに、色がついた部分すべての面積」です。したがって、石のようにおうとつがある場合、へこんでいる部分も表面積と言えます。

 次に311ページの問1を使って表面積を求めてみましょう。表面積を求めるときには同じ形に注目するとよいでしょう。①の直方体の表面積を求めます。直方体は面が6つあります。向かい合う平行な面の形は同じ形のため、3種類の長方形からできています。このことを利用して表面積を求めていきます。底面の面積は8×4=32㎠です。前の面積は3×4=12㎠です。左の面積は3×8=24㎠です。したがって表面積は(32+12+24)×2=136㎠となります。

 次に②の立方体の表面積を求めます。立方体は6つの同じ形の正方形の面からできています。1つの正方形の面積は5×5=25㎠です。したがって、表面積は25×6=125㎠となります。

※以下「学び2」「学び3」ではステージⅢ・本科教室答え4年の165ページ、166ページにある図を見ながら読んでください。

 「学び2」では立体の見方について学びます。複雑な立体図形の表面積を考えるときには、立体図形をそのまま見ながら考えるよりも平面図形に書き換えて考えた方がわかりやすくなります。「学び2」ではこの「平面図形への書き換え」について学びます。

 306ページの「やってみよう!」を説明します。1辺1cmの立方体を4個使って図形を作ります。できた図形を前後、左右、上下の方向から見た図をかいてみましょう。前から見た図は、上から正方形が1個、その下に正方形が2個あります。

 上から見た図は、上から正方形が2個、その下に正方形が1個あります。右から見た図は、上から正方形が1個、その下に正方形が2個あります。前後、左右、上下の方向から見た図はそれぞれ向きが違うだけで、形は同じです。この場合、それぞれの方向から見える面積の合計が表面積になります。このように、立体図形は平面図形に書き換えて考えると表面積を捉えやすくなります。

 「学び3」では立体の分け方について学びます。複雑な立体図形の問題を考えるときには、立体図形をそのまま見ながら考えるよりも平面図形に書き換えて考えた方がわかりやすくなります。「学び3」では「学び2」に引き続き「平面図形への書き換え」について学びます。

 309ページの「やってみよう!」を説明します。308ページにある立体を段ごとに上から見た図を書いていきます。はじめに4段目です。4段目は立方体が1つのため、上から見た図は正方形が1個となります。3段目 は正方形が3個並びます。上から見た図を平面図形でかいたときに1行目(1番上)は正方形が2個、2行目(上から2番目)は正方形が1個の図になります。2段目は正方形が6個並びます。

 上から見た図を平面図形でかいたときに1行目は正方形が3個、2行目は正方形が2個、3行目は正方形が1個の図になります。1段目は正方形が10個並びます。上から見た図を平面図形でかいたときに1行目は正方形が4個、2行目は正方形が3個、3行目は正方形が2個、4行目は正方形が1個の図になります。この段ごとに書き換える方法は見えない部分も見えるため、図形を構成している1つひとつの立方体を調べていくときに有効です。

 次に310ページの「やってみよう!」を見てみましょう。1辺1cmの立方体の積み木を27個積み重ねて1辺3cmの立方体を作りました。この立方体の表面を赤いペンキでぬった後、1つひとつの積み木をばらばらにします。ばらばらにした時の立方体の面について考えます。

①27個の立方体の面の数の合計

 1つの立方体には正方形の面が6面あります。したがって、27個の立方体の面の数の合計は6×27=162個となります。

②赤いペンキでぬられた面の数の合計

 1辺3cmの立方体を見ると正方形の面が6面あります。1つの面には1辺1cmの正方形が9個あります。1辺3cmの立方体の表面すべてが赤いペンキでぬられているため、赤いペンキでぬられた面の数の合計は9×6=54個となります。

③ 赤いペンキでぬられていない面の数の合計

 赤いペンキでぬられていない面の数の合計は27個の立方体の面の数の合計から赤いペンキでぬられた面の数の合計を引くことで求めることができます。したがって、赤いペンキでぬられていない面の数の合計は162-54=108個となります。

※1つひとつの立方体のぬられ方については、ステージⅢ・本科教室答え4年の166ページの解説を読んでおきましょう。

 演習としては311ページから312ページは必修です。問2~問4は丁寧に図を書いて考えましょう。314ページの問1、315ページの問2は「学び2」「学び3」で学んだことを活用するとよいでしょう。316ページの問4、問5は入試でもよく出題される問題です。問4はどこから見ても見えない表面に注意して解きましょう。問5は例えば上から見た図に立方体を重ねる個数を書き込みながら考えていくとよいでしょう。

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