No.1604 日能研6・5年生 第31回算数対策ポイント!

<算数 6年生 第31回>

 第31回のテーマは「平面図形 図形を動かす」です。今回の内容は「直線上を転がる図形」「図形のまわりを転がる図形」「回転する図形」「直線上を動く図形」です。「学び1」から「学び3」では図形の動くようすを考えていきます。

 このとき重要なことは作図です。今回は図形が移動したときの、点の動きや線の動きを考え、線の長さや面積を求めていきます。作図を正確に行うことで、図形がイメージでき、線の長さや面積を求めることができます。作図は入試にも出題されるテーマです。今回の学びで作図のコツをしっかりと身につけましょう。

【対策ポイント】

 「学び1」では回転する図形について学びます。322ページを見てみましょう。ここでは長方形をすべらずに転がしていきます。333ページの問1の図を使って説明します。

 長方形ABCDを頂点Cを中心にして辺CDが直線ℓ上にくるまで転がします。回転する図形を考えるときに重要なことは「回転の中心」と「半径」です。図は長方形ABCDを途中(点線で長方形ABCDが書かれている部分)まで回転させています。辺CDが直線ℓ上にくるまで回転させた図を書いてみましょう。

 辺CDが直線ℓ上にくるということは90度回転させるということです。イメージを持つために本科テキストを横にして置いて、図のように右下の頂点を固定して右に回転させてみましょう(イメージを持つことができたらテキストの図にもどりましょう)。横に長い長方形ABCDを90度回転させると図形の向きが変わって縦に長い長方形になります(図に動いたあとの長方形を書き込んでみましょう)。

 90度動かした長方形にアルファベットをつけていきます。頂点Cは回転の中心のため動きません。次に点Bの動きを考えます。点Bは90度動かした長方形を考えると、点Cの真上の点Dを通り越した上に移動します(この点をB’とします)。このとき、点Bの動きに注目してみましょう。点Bは点Cを中心にBCを半径として右回りに弧を描くように移動します(点Cを中心として半径をBCにとり、コンパスで弧を描いてみましょう)。すると中心角が90度で半径が4cm(BCの長さ)のおうぎ形CBB’が浮かび上がります。

 この見えないおうぎ形を浮かび上がらせることができるかが今回の最大のポイントとなります。

 次に点Dです。点Dは点Cを中心にDCを半径として右回りに弧を描くように移動します。すると中心角が90度で半径が3cm(DCの長さ)のおうぎ形が浮かび上がります。点Dが移動した点は直線ℓ上の点Cから右側のCDと同じ長さ(3cm)のところに移動します。この点をD’とします。

 最後に点Aです。点C、点B’、点D’の位置が決まったためCB’、CD’を長方形の2辺とする長方形を書きます。すると点Aが移動したあとの点がわかります。点Aが移動したあとの点をA’とします。ここであらためて、点Aが移動する様子を考えてみましょう。点Aは点Cを中心にACを半径として右回りに弧を描くように移動します。

 すると中心角が90度で半径が5cm(ACの長さ)のおうぎ形OAA’が浮かび上がります。このとき、頂点Aがえがく曲線の長さは中心角が90度で半径が5cmのおうぎ形OAA’の孤の長さと同じで5×2×3.14×90/360=7.85cmとなります。

 次にADが通る部分の面積を考えます。ADが通る部分の図形はAA’D’DAで囲まれた部分です。この部分に影をつけましょう。

 影の部分の面積はそのままでは求めることができません。ここではおうぎ形CAA’と三角形A’CD’の和から三角形ACDの面積とおうぎ形CDD’の面積を取り除く方法で影の部分の面積を求めていきます。

 三角形A’CD’と三角形ACDは合同なため三角形A’CD’の面積から三角形ACDの面積を取り除くと面積は0(ゼロ)となることから、影をつけた部分の面積は中心角が90度、半径が5cmのおうぎ形CAA’の面積から、半径3cmで中心角が90度のおうぎ形CDD’の面積を取り除くことで求めることができます。したがって、影をつけた部分の面積は5×5×3.14×90/360-3×3×3.14×90/360=12.56㎠となります。ここで、3.14×90/360は共通していますので、(5×5-3×3)×3.14×90/360=16×3.14×1/4=4×3.14=12.56㎠、と計算の工夫を忘れないようにしましょう。

 次に324ページを見てみましょう。四角形の外側や内側を円が転がる様子を考えます。ここでは333ページの問2を使って説明します。

①は長方形の外側を円が転がる様子です。半径2cmの円を長方形の辺にそって転がしてみましょう。333ページの図では縦の長さ(8cm)の辺上に半径2cmの円があります。この円を上に転がしていきます。

 このとき円の中心は長方形の左側の縦の辺と平行に動いていきます。円全体も長方形の左側の縦の辺と平行に動いていきます。長方形の上側の横の辺(長さ10cm)を左側に延長した線と円の直径が重なるところで一旦止めます。

 ここで円は長方形の左上の頂点を中心にして90度回転して向きを変えます。すると長方形の左側の縦の辺(長さ8cm)を上側に延長した線と円の直径が重なります。このとき、長方形の左上の頂点を中心にした中心角90度で半径4cmのおうぎ形ができます。次に長方形の上側の横の辺上にきた半径2cmの円を右に転がしてきいましょう。

 このとき円の中心は長方形の上側の横の辺と平行に動いていきます。円全体も長方形の上側の横の辺と平行に動いていきます。長方形の右側の縦の辺(長さ8cm)を上側に延長した線と円の直径が重なるところで一旦止めます。ここで円は長方形の右上の頂点を中心にして90度回転して向きを変えます。すると長方形の上側の横の辺(長さ10cm)を右側に延長した線と円の直径が重なります。

 さらにこの円を下に転がしていきます。このとき円の中心は長方形の右側の縦の辺と平行に動いていきます。円全体も長方形の右側の縦の辺と平行に動いていきます。長方形の下側の横の辺(長さ10cm)を右側に延長した線と円の直径が重なるところで一旦止めます。

 ここで円は長方形の右下の頂点を中心にして90度回転して向きを変えます。すると長方形の右側の縦の辺(長さ8cm)を下側に延長した線と円の直径が重なります。このとき、長方形の右下の頂点を中心にした中心角90度で半径4cmのおうぎ形ができます。

 次に長方形の下側の横の辺上にきた半径2cmの円を左に転がしてきいましょう。このとき円の中心は長方形の下側の横の辺と平行に動いていきます。円全体も長方形の下側の横の辺と平行に動いていきます。長方形の左側の縦の辺(長さ8cm)を下側に延長した線と円の直径が重なるところで一旦止めます。ここで円は長方形の左下の頂点を中心にして90度回転して向きを変えます。

 すると長方形の下側の横の辺(長さ10cm)を左側に延長した線と円の直径が重なります。この後、円を上側に転がしていくともとの位置にもどります。あらためて図を見ると、長方形の周りに幅4cmの道が通っているようになります。4か所のカーブの部分は半径4cmの四分円(中心角が90度のおうぎ形)からなっています。

 ここで円の中心が通ったあとの長さを求めてみましょう。円の中心が通ったあとは直線部分と4か所のカーブの部分からできています。直線部分の長さの和は長方形の周りの長さと同じです。4か所のカーブの部分はそれぞれ半径2cmの四分円のため、4つ合わせると半径2cmの円の周りの長さと同じです。

 直線部分の長さの和(長方形の周りの長さ)は10+8+10+8=36cmとなります。4か所のカーブの部分の長さの和(半径2cmの円の周りの長さ)は2×2×3.14=12.56cmとなります。したがって、円の中心が通ったあとの長さは36+12.56=48.56cmとなります。

 次に円が通ったあとの面積を求めます。

 円が通ったあとは直線部分と4か所のカーブの部分からできています。直線部分の道幅はどこも4cmです。直線部分の長さの和は長方形の周りの長さと同じで36cmです。したがって、直線部分の面積の和は36×4=144㎠となります。4か所のカーブの部分はそれぞれ半径4cmの四分円のため、4つ合わせると半径4cmの円の面積と同じです。したがって4か所のカーブの部分の面積の和は4×4×3.14=50.24㎠となります。したがって、円が通ったあとの面積は144+50.24=194.24㎠となります。

②は長方形の内側を円が転がる様子です。半径1cmの円を正方形の辺にそって転がしてみましょう。333ページの図では1辺の長さが6cmの正方形の辺上に半径1cmの円があります。この円を左上のかどから右上のかどに向かって転がしていきます。

 このとき円の中心は正方形の上側の1辺と平行に動いていきます。円全体も正方形の上側の1辺と平行に動いていきます。円を右上のかどまで動かしましょう。円の半径が1cmであることに注意すると、円の中心は6-(1+1)=4cm動いたことがわかります。

 次に円を右上のかどから右下のかどまで転がしていきます。このとき円の中心は正方形の右側の1辺と平行に動いていきます。円全体も正方形の右側の1辺と平行に動いていきます。円を右下のかどまで動かしましょう。円の半径が1cmであることに注意すると、円の中心は6-(1+1)=4cm動いたことがわかります。

 次に円を右下のかどから左下のかどまで転がしていきます。このとき円の中心は正方形の下側の1辺と平行に動いていきます。円全体も正方形の下側の1辺と平行に動いていきます。円を左下のかどまで動かしましょう。円の半径が1cmであることに注意すると、円の中心は6-(1+1)=4cm動いたことがわかります。

 次に円を左下のかどから左上のかどまで転がしていきます。このとき円の中心は正方形の左側の1辺と平行に動いていきます。円全体も正方形の左側の1辺と平行に動いていきます。円を左上のかどまで動かしましょう。円の半径が1cmであることに注意すると、円の中心は6-(1+1)=4cm動いたことがわかります。ここで円の中心が通ったあとの長さの合計は4×4=16cmとなります。

 ここで円が通った後に影をつけてみましょう。すると、正方形の中央に影のついていない部分ができます。また、正方形の左上、右上、右下、左下の4つのかどに影のついていない部分ができます。中央の影のついていない部分は正方形で、円の直径が1×2=2cmであることに注意すると6-(2+2)=2cmとなります。したがって正方形の中央の影のついていない部分の面積は2×2=4㎠となります。

 また、4つのかどの影のついていない部分の面積の和は1辺の長さが2cmの正方形の中に半径1cmの円があると考えて、1辺の長さが2cmの正方形の面積から半径1cmの円の面積を取り除くことで求めることができます。したがって、4つのかどの影のついていない部分の面積の和は2×2-1×1×3.14=0.86㎠となります。

 ここで、円が通ったあとの面積(影をつけた部分の面積)を求めます。円が通ったあとの面積は1辺が6cmの正方形から中央の影のついていない部分の正方形の面積と4つのかどの影のついていない部分の面積の和を取り除くことで求めることができます。したがって、円が通ったあとの面積(影をつけた部分の面積)は6×6-4-0.86=31.14となります。

 「学び2」では等積移動の考え方を学びます。335ページの問4を使って説明します。

①の図で影の部分の面積を求めていきます。図は直径をABとする、半径12cmの半円(中心角が180度のおうぎ形)を、点Aを中心にして30度回転させたものです。回転させたあとのおうぎ形の直径をAB’とします(図にB’を書き込みましょう)。直径をAB’とする白い半円と直径をABとする半円は合同です。

 影の部分の面積はそのままでは求めることができません。ここでは全体の面積を求めて、白い半円の面積を取り除く方法で影の部分の面積を求めていきます。全体の面積は中心角が30度、半径が12×2=24cmのおうぎ形ABB’と直径AB’の半円でできています。

 影をつけた部分の面積は中心角が30度、半径が24cmのおうぎ形ABB’と直径AB’の半円の面積の和から、直径をABとする白い半円を取り除くことで求めることができます。直径をAB’とする白い半円と直径をABとする半円は合同なため、直径AB’の半円の面積から、直径をABとする白い半円の面積を取り除くと面積は0(ゼロ)となることから、影をつけた部分の面積は中心角が30度、半径が24cmのおうぎ形の面積と同じことになります。

 したがって影の部分の面積は24×24×3.14×30/360=150.72㎠となります。

 次に②の図で影の部分の面積を求めていきます。図は三角形ABCを、点Cを中心にして120度回転させたものです。点Aが回転したあとの点をA’、点Bが回転したあとの点をB’とします(図にA’、B’を書き込みましょう)。

 三角形ABCと三角形A’B’Cは合同です。①と同様に考えて、全体の面積から白い三角形ABCの面積と白いおうぎ形CBB’の面積を取り除く方法で影の部分の面積を求めていきます。全体の面積は中心角が120度、半径が15cmのおうぎ形CAA’と三角形A’B’Cでできています。

 影をつけた部分の面積は中心角が120度、半径が15cmのおうぎ形CAA’と三角形A’B’Cの面積の和から白い三角形ABCの面積と半径9cmで中心角が120度の白いおうぎ形CBB’の面積を取り除くことで求めることができます。三角形ABCと三角形A’B’Cは合同なため三角形ABCの面積から三角形A’B’Cの面積を取り除くと面積は0(ゼロ)となることから、影をつけた部分の面積は中心角が120度、半径が15cmのおうぎ形CAA’の面積から、半径9cmで中心角が120度の白いおうぎ形CBB’の面積を取り除くことで求めることができます。

 したがって、影をつけた部分の面積は15×15×3.14×120/360-9×9×3.14×120/360=(15×15-9×9)×3.14×1/3=144×3.14×1/3=150.72㎠となります。

 このように図形が回転して描いた図の面積を考えるときには全体から取り除く方法が有効です。ここでは言葉での解説が中心となりましたが、面積を付け加えたり、取り除いたりする様子を図で表すとよりわかりやすくなります。

 「学び3」では動く図形と重なり部分の面積について考えます。330ページの「やってみよう!」を見てみましょう。2つの直角二等辺三角形ABCとDEFがあります。三角形ABCの角ACBは直角で、角BACと角ABCは同じ大きさで45度です。三角形DEFの角DFEは直角で、角EDFと角DEFは同じ大きさで45度です。三角形ABCは右に毎秒1cmで進みます。このとき、三角形ABCと三角形DEFの重なり部分の面積を求めてみましょう。点Cの動きに注目して、複数の場面を想定してみましょう。

①10秒後

 10秒後の三角形ABCの位置は点Cが点Eと重なります。このとき三角形ABCと三角形DEFはぴったりと横に並びます。2つの三角形は重なりません。

②12秒後

 12秒後の三角形ABCの位置は点Cが点Eの右側2cmのところにあります。ACとDEの交点をPとします。三角形ABCと三角形DEFが重なった部分は三角形PECとなります。三角形PECを調べてみましょう。角PCEは三角形ABCの角ACBと同じため90度となります。

 また、角PECは三角形DEFの角DEFと同じため45度となります。このことから三角形の内角の和が180度であることを使うと角EPCの大きさは180-(45+90)=45度となります。

 したがって、三角形PECはECとPCの長さが同じ直角二等辺三角形となり、その面積は2×2÷2=2㎠となります。

③16秒後

 16秒後の三角形ABCの位置は点Cが点Eの右側6cmのところにあります。このとき、点Aと点BはDE上にあり、DEとABはちょうど重なります。

 したがって、三角形ABCと三角形DEFが重なった部分は三角形ABCとなり、その面積は6×6÷2=18㎠となります。

④18秒後

 18秒後の三角形ABCの位置は点Cが点Eの右側8cmのところにあり、点Bが点Eの右側2cmのところにあります。このとき、三角形ABCは三角形DEFの内部に含まれるため、三角形ABCと三角形DEFが重なった部分は三角形ABCとなります。

 したがって、三角形ABCと三角形DEFが重なった部分(三角形ABC)の面積は6×6÷2=18㎠となります。

⑤20秒後

 20秒後の三角形ABCの位置は点Cが点Fと重なります。点Bは点Eの右側4cmのところにあります。このとき、点Aと点CはDF上にあり、DFとACはちょうど重なります。

 したがって、三角形ABCと三角形DEFが重なった部分は三角形ABCとなり、その面積は6×6÷2=18㎠となります。

*16秒後から20秒後までは、三角形ABCと三角形DEFが重なった部分の面積(三角形ABC) は変わりません。

⑥22秒後

 22秒後の三角形ABCの位置は点Cが点Fの右側2cmのところにあります。このとき、点Bは点Fの左側4cmのところにあります。

 ABとDFの交点をPとします。三角形ABCと三角形DEFが重なった部分は三角形PBFとなります。三角形PBFを調べてみましょう。角PFBは三角形DEFの角DFEと同じため90度となります。また、角PBFは三角形ABCの角ABCと同じため45度となります。このことから三角形の内角の和が180度であることを使うと角BPFの大きさは180-(45+90)=45度となります。

 したがって、三角形PBFはBFとPFの長さが同じ直角二等辺三角形となり、その面積はBFの長さが4cmであることから、4×4÷2=8㎠となります。

⑦26秒後

 26秒後の三角形ABCの位置は点Cが点Fの右側6cmのところにあります。このとき、点Bは点Fと重なります。このとき三角形DEFと三角形ABCはぴったりと横に並びます。2つの三角形は重なりません。

 このように動く図形と重なり部分の面積を考えるときには、図形の頂点と頂点が重なるときとその間を調べるとよいでしょう。また、重なる部分や重ならない部分を調べて、図形の性質を使って角度や長さを求めていくとよいでしょう。

 演習としては333ページから336ページは必修です。テキストやノートに丁寧に図を書いてから取り組みましょう。後半の問題も図を書くことが重要となります。図形がどのように動くのかを問題文から正確に読み取りましょう。338ページの問1、339ページの問2、問3は図形の回転移動の問題です。34ページ問6、341ページ問8は図形が移動する問題です。どの問題も状況を図で表し、考える手がかりを増やしていきましょう。

<算数 5年生 第31回>

 第31回のテーマは「平面図形 図形を動かす」です。今回の内容は「平行移動」「回転移動」「転がりながら移動」です。三角形や円が動いたようすを考えていきます。「動く」というのは初めて学ぶ現象のため、はじめは実際に物を使って動かして、目で確認するとよいでしょう。こうすることで図形が動くイメージができ、作図をするときにより実感をともなって考えることができます。

 体験はいろいろな事がらを学ぶときに大きな助けとなります。また、今回の単元は作図が大切です。点と点をまっすぐに結ぶことや弧をえがくように結ぶことはなかなかうまくいかないことがあります。そのようなときはコンパスや定規を使って丁寧にかいていきましょう。図が正確に書けると、そのあとの計算もスムーズに進みます。

 今回のテーマである図形を動かす問題は入試でもよく問われる内容です。作図からじっくりと取り組んでいきましょう。

【対策ポイント】

 「学び1」ではものの動きについて考えます。252ページから253ページの写真や図を見てどのような動きがあるのか言葉で表してみましょう。動きには「まっすぐ動く」「孤をえがくように動く」「円をえがくように動く」「回転しながら動く」などいろいろあります。他の動きも考えて言葉にしてみましょう。

 「学び2」では図形の平行移動について学びます。255ページの「やってみよう!」を見てみましょう。手順1から手順4の順で図を書いてみましょう(えんぴつを2本使います)。このとき、はじめのえんぴつどうしの位置を縦にまっすぐに並べましょう。えんぴつを真横にまっすぐ動かして、止めます。

 はじめのえんぴつとえんぴつの点どうしを直線で結びます。動いたあとのえんぴつとえんぴつの点どうしも直線で結びます。すると長方形ができます。

 次に、えんぴつどうしの位置を縦にまっすぐに並べましょう。えんぴつを右上にまっすぐ動かして、止めます。はじめのえんぴつとえんぴつの点どうしを直線で結びます。動いたあとのえんぴつとえんぴつの点どうしも直線で結びます。すると平行四辺形ができます。

 次に260ページの問1を見てみましょう。三角形がアの位置からイの位置まで平行移動したときの頂点の動いたあとを作図します。説明のため図にアルファベットをつけていきます。アの位置にある三角形の1番高いところにある頂点をA、底辺の左側の頂点をB、右側の頂点をCとします。

 同様にイの位置にある三角形の1番高いところにある頂点をD、底辺の左側の頂点をE、右側の頂点をFとします。頂点Aは平行移動して頂点Dに動いたため、AとDを直線で結びます。同じようにBとE、CとFも直線で結びます。平行な線が3本あり、三角形の辺も合わせて見るといくつかの平行四辺形が見えてきます。

 「学び3」では回転移動について学びます。図形をある1点を中心に回転させます。256ページにある三角形を90度回転させた図を見てみましょう。左側の図がはじめの図で右側の図が回転させたあとのイメージです。

 説明のため図にアルファベットをつけていきます。左側にある三角形の1番高いところにある頂点をA、底辺の左側の頂点をB、右側の頂点をCとします。回転の中心は点Cで、この点は動きません。

 次に右側にある三角形を見てみましょう。点Aが移動したあとの点は右側の三角形の1番右にある点です。この点をDとします。また、点Bが移動したあとの点は図の右側の三角形の左上にある点で、この点をEとします。

 回転する図形を考えるときに重要なことは「回転の中心」と「半径」です。はじめに点Bの動きを考えます。点Bは点Cを中心にBCを半径として右回りに弧を描くように移動します(点Cを中心として半径をBCにとり、コンパスで弧を描いてみましょう)。すると中心角が90度で半径をBC(EC)とするおうぎ形CBEが浮かび上がります。

 この見えないおうぎ形を浮かび上がらせることができるかがここでのポイントとなります。

 次に、点Aの動きを考えます。点Aは点Cを中心にACを半径として右回りに弧を描くように移動します。すると中心角が90度で半径をAC(DC)とするおうぎ形CADが浮かび上がります。回転移動した図形を題材にした問題では、このおうぎ形が重要な手がかりとなります。257ページの「やってみよう!」では180度回転させた図を書きます。早速、取り組んでみましょう。

 「学び4」では円を線にそって転がしたときのようすについて考えていきます。258ページから259ページには円を線にそって転がしたときのようすが書かれています。直線上では平行移動をしますが、曲がるところではようすが違うことがわかります。262ページの問4を使って詳しく見ていきましょう。円の中心が動いたあとを考えていきます。

 はじめに①です。

 図では横の線(床)と縦の線(壁)の上を半径2cmの円(ここでは説明のため円の半径を2cmとします)をAからBまで転がしていきます。このとき円の中心は床と平行に動いていきます。円全体も床と平行に動いていきます。円の中心が横の線と縦の線が交わる頂点(この頂点をPとします)のちょうど上まできたところで止めます。このとき円の中心は図のAの位置から12cm動きます。

 ここで円の中心と頂点を直線で結んでみましょう。このあと円は頂点Pを中心にして90度回転して向きを変えます。このとき、頂点Pを中心にした中心角90度で半径2cmのおうぎ形ができます。

 このとき円の中心が動いた長さは中心角90度で半径2cm(直径は2×2=4cm)のおうぎ形の孤の長さと同じです。したがってこのとき円の中心が動いた長さは4×3.14×90/360=3.14cmとなります。

 次に縦の線(壁)の上にきた半径2cmの円を下に転がしてきいましょう。このとき円の中心は壁と平行に動いていきます。円全体も壁と平行に動いていきます。円の中心は点Pから12cm動いたBのところで止まります。したがって、円の中心が動いた長さの合計は12+3.14+12=27.14cmとなります。

 次に②です。図では縦の線(壁)と横の線(床)の上を半径2cmの円をAからBまで転がしていきます。はじめは円の中心は壁と平行に動いていきます。円全体も壁と平行に動いていきます。円の中心が壁と床のかどにくると止まります。

 このとき円の中心が動いた長さを考えます。円がAの位置にあるときの円の中心と円が壁と床のかどにあるときの円の中心を直線で結びます。円壁と床のかど半径に注意して考えると、円の中心は12-2=10cm動いたことがわかります。

 次に横の線(床)の上にきた半径2cmの円を右に転がしてきいましょう。このとき円の中心は床と平行に動いていきます。円全体も床と平行に動いていきます。円の中心が壁と床のかどからBの位置にきたときまでに動いた長さを考えます。円が壁と床のかどにあるときの円の中心と円がBの位置にあるときの円の中心を直線で結びます。円の半径に注意して考えると、円の中心は12-2=10cm動いたことがわかります。このとき円の中心が動いた長さの合計は10+10=20cmとなります。

 演習としては260ページから262ページは必修です。作図の問題が多いため、図がうまく書けない場合はコンパスや定規を使いましょう。また、264ページから267ページも必修とします。ここでは面積や長さを求めていきます。どの問題も典型的な入試問題のパターンと同じです。作図をして、問題で問われた値を求めるプロセスを体験しましょう。余裕のある場合は268ページから269ページの問に取り組みましょう。

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